NHK『カーネーション』第132回

糸子が初めて心斎橋百貨店へ出かけたのが第25回(月曜)で、制服の納品が終わったのが第29回(金曜)であったというスピーディーでワクワクした展開だったのが懐かしい一方で、今週月曜にあほぼん吉岡が登場し、今日すでに金曜になってしまった事実と照らし合わせると、なんだかいろいろ本当にがっかりするよなぁと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第132回目の放送を見ましたよ。

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第23週「まどわせないで」

あれだけ糸子(夏木マリ)に怒鳴られたにも関わらず、またしても吉岡(茂山逸平)と河瀬(川岡大次郎)がやって来た。糸子はこれで最後という気持ちで、話だけは聞いてやることにした。

吉岡は「オハライトコ・プロジェクト」というプレタポルテ(高級既製服)計画を携えてきた。吉岡が大量に誤発注した高級生地を使って、糸子がデザインした洋服を中高年女性向けに販売しようというのだ。吉岡は自分の顧客への売り込みを担当するという。吉岡は呉服屋なので、ツテは全て和服関連である。けれども、和服を買い求める客だからこそ、目の肥えた女性が多く、きっと成功するに違いないと力説した。

話を聞いた糸子は少し態度を軟化させた。けれども、すぐに結論は出せないといって、今日のところはふたりを帰した。糸子の本心としては、既製服は作りたくないのだ。糸子は生涯オーダーメイドだけをやっていきたいと思っている。しかし、あほの吉岡が一生懸命考えてきたアイディアを無駄にするのも不憫だと思い、悩むのだった。

その矢先、澄子(三林京子)が車椅子の母(新海なつ)を連れて来店した。病気で太ったことを気にして、採寸を嫌がる母親である。糸子は約束通り巻尺を使わず、目測だけで採寸を終えた。最初は嫌がっていた母親も、帰る頃には機嫌を良くなった。糸子は、洋服を通じて彼女を喜ばせることができて嬉しかった。
そして、自分がやりたい事は、やはりオーダーメイドであるという思いを強くした。吉岡を救いたい気持ちとの板挟みが一層強くなった。

クリスマス・イブの日、服装こそジャージのままだったが、里香(小島藤子)はお下げ髪にしてどこかへ出かけた。
夜遅くになって、小さなケーキの箱を持って帰宅した。中には小さなケーキが1つだけ入っていた。里香からのプレゼントに喜ぶ糸子だったが、ケーキが1つしかない事を不審に思った。里香に尋ねると、自分はもう食べてきたからいらないのだという。

実は里香は、神山(榎田貴斗)とデート(デート?デートなのか!?)をしてきたのだ。不良少女と喧嘩していた里香を救ったのが神山であり、それから彼は何かと里香に声をかけるようになった。クリスマス・イブも誘われ、まんざらでもない里香はそれに応じたのだ。

里香からの初めてのプレゼントに感激した糸子は、親しい人々の写真立ての前にケーキを飾り、彼らに報告と感謝をした。
いよいよ食べようとした矢先、オートバイに乗った不良少女達が店の前に集まった。オートバイの爆音をあげ、店のショーケースを破壊した。最後には「東京へ帰れ!」という罵声を浴びせて去っていった。

神山に恋をしている不良少女(足立悠美加)がいるのだ。里香が神山と親しくしていることへの報復であった。

驚いた糸子は、一口も食べないうちにケーキを落として壊してしまった。しかし、それを丁寧に集めて皿に盛り、食べ始めた。里香はそれを止めたが、糸子は応じなかった。
逆に糸子は、里香に向かって決断の時であると宣告した。東京へ帰るか、ジャージを脱ぐか決めろと言うのだった。

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最後の糸子のセリフ「東京へ帰るか、ジャージを脱ぐか」というのは、不良のまま岸和田を去るのか、岸和田で更生する努力をするのか決めろってことか。

ちなみに、今日のまとめ記事は、里香パートについていつも以上に状況や心情の説明を追加しています。里香と神山がデート(デート?デートなのか!?)したこととか、神山に惚れている少女がいることとか、確かにそれがほのめかされてはいるのですが、明示的に示されてはいませんでした。
そういう、「みなまでは言うまい」という演出は大好きです。ありがとう、凝った作りだね、と讃えたい。

でも、全体として面白くないことには変わりがない。

あほぼんエピソードはまだまだ続くし。

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