うちのテレビは午前中に陽の光がモロにあたる場所に設置してあり、画面が見にくいのでいつも雨戸シャッターを閉めているのだが、そのせいか4月も末になろうというのに部屋が暖まらなくて震えたり、コタツをつけたりしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第20回目の放送を見ましたよ。
海女修行中のアキ(能年玲奈)はまだ1個もウニを穫れない。深く潜ると、潮に流されて溺れかけた時(第14回)の記憶が蘇り、恐ろしくなってしまうのだ。暗く沈み込んでおり、海女くらぶでのおしゃべりにも参加せず、そそくさと家に帰るようになった。
落ち込んで眠れない夜は、少女時代の春子の部屋に忍び込んで気を紛らわせた。その部屋は2階の隠し部屋で、高校3年生の春子(有村架純)が家出をした時のまま残されていた(第17回)。今夜は、ヘッドホンをつけてラジカセのテープを再生してみた。1983年12月5日に放送されたテレビの歌番組を録音したものだ。当時はビデオデッキが普及しておらず、少年少女たちはテレビの前にラジカセをおいて、音声を録音していたのだ。夏(宮本信子)がのんきに話しかける声なども一緒に録音されていた。アキはYMOの『君に、胸キュン。』(YouTubeで見る)を楽しんで聞いた。
異変に気づいた春子(小泉今日子)が隠し部屋の扉を開いた。ヘッドホンをしているアキはそれに気づかない。春子はそっと扉を閉め、気づかなかったことにして、アキを放っておいた。
観光協会のウェブ担当として、ヒロシ(小池徹平)は地元の人々のインタビューを集めることになった。はじめにアキを取材した。もちろん、ヒロシが彼女に密かに思いを寄せているからだ。
しかし、ウニを穫れない半人前の海女であることを気に病んでいるアキは、それに応じようとしなかった。逆に、ヒロシに対して仕事をすることの魅力について尋ねた。ヒロシは特に仕事が楽しいわけではないと答えた。父・功(平泉成)に世間体が悪いと怒鳴られたので仕事をしているだけだと言うのだ。その見解に、アキは反論した。功がヒロシに厳しいのは、本気でヒロシを心配しているからに違いないと思うからだ。子供のことをかわいく思わない親などいない、というのがアキの意見だった。
ヒロシのことを話しているはずなのに、アキはなぜだか自分の気が晴れた。インタビューに応じる気分になった。北三陸の魅力を自らアピールしたいと言うのだ。アキはカメラに向かって、ここには北限の海女がいること、自分は高校生海女であるがまだ1個もウニが穫れないことなどを話した。
その日の夜、ヒロシは早速ビデオの編集作業を開始した。アキの姿を見ているうちに感極まってしまった。春子が店番をするスナック喫茶・リアスに飛び込んだ。大向(東出昌大)や弥生(渡辺えり)、小田(塩見三省)など他人がいるにもかかわらず、ヒロシは春子に向かってアキが好きだと告げた。本人に告白する前に、春子に探り入れ、許可を得ようとしたのだ。
しかし、春子はヒロシがアキと交際することを茶化しながらもきっぱり断った。ヒロシは何やっても長続きせず、地に足がついていない。それではアキを幸せにできないからだという。居合わせた人々もその理由に同意し、ヒロシは孤立無援だった。アキに告白するのは控えるが、彼女のことを最初に好きになったのは自分だと宣言し、叫びながら店を出て行った。
次の週末、またしても大勢のオタクたちが北三陸市にやってきた。ただし、先週とちょっと違う点があった。北三陸市駅の手前の袖ヶ浜駅でも大量の男たちが下車したのだ。彼らは一目散に浜へ向かった。
それというのも、北三陸市観光協会のホームページにアキのインタビュービデオが掲載されたことが話題を呼んだのだ。
8:30現在、まだ北三陸市観光協会のホームページにはアキ(能年玲奈)のビデオは掲載されていません。あるのはユイ(橋本愛)のビデオのみです。
昔の春子(有村架純)の部屋には、『明凡』という芸能雑誌がありました。『明星』と『平凡』から取られたのは明らかですね。舘ひろしの記事を見たアキの感想は「全然変わんなーい」。
歌番組のタイトルは『夜のベストスタジオ』。フジテレビの『夜のヒットスタジオ』とTBSの『ザ・ベストテン』のちゃんぽんかと。1983年のヒット曲として、吉川晃司の「モニカ」、杏里の「CAT’S EYE」、YMOの「君に、胸キュン。」などが紹介されていました。
さて、アキのビデオがウェブに掲載されたことで、アキまで人気者になってしまいました。超絶展開の始まりです。
ところで、ヒロシと「子供のかわいくない親はいない」などの話をしているだけで、どうしてアキが明るさを取り戻してインタビューに応じたのか、僕にはよ~わかりませんでした。
『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)
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