NHK『まれ』第3回

田中裕子を見るたびに、サントリーオールドの名CMを思い出して胸キュンする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『まれ』の第3回めの放送を見ましたよ。


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第1週『魔女姫バースデーケーキ』

桶作元治(田中泯)の伝統的塩田に対し、徹(大泉洋)は機械化と富裕層向けのブランド化を提案した。しかし、そのアイディアはみんなの反感を買った。
桶作文(田中裕子)はすぐに家を出て行くように告げ、藍子(常盤貴子)がせめて新しい家が見つかるまで置いてくれるよう頼むものの、否定的だった。なんとか数日の延長は認められたが、あまり猶予はなかった。

希(松本来夢)も、見果てぬ夢ばかり追いかける父・徹に愛想を尽かした。父に対して嫌いだと言い放ち、彼のことを無視するようになった。

一方で希は、自分たち家族が村で受け入れられるように自分なりに努力をするのだった。
元々、酢の物は嫌いだったにもかかわらず、文が作った朝食の酢の物を大好物のふりをして食べ、とても美味しいと愛想よく話すのだった。

また、元治の塩田での仕事を率先して手伝った。
その最中、元治は話のついでで希の名前の意味や彼女の将来の夢について尋ねた。

希は自分の名前には、父の意向で「大きな夢をつかむ」という意味が込められていることを説明した。その一方で、父の軽薄な生き方を見ていると地道にコツコツと生きることが重要だと思うようになったのだと付け加えた。

希はケーキ職人になりたいという夢を抱いていたこともあった。
そのきっかけとなったのは、自身の5才の誕生日のことだった。実は希と徹のふたりは同じ誕生日(8月10日)であった。当時、珍しく一山当てた徹は羽振りがよく、希と徹の誕生日を祝うために大きなバースデーケーキを買ってきた。

ケーキの上には、徹がおもちゃ屋で見つけたという、人形も乗せられていた。魔女なのかお姫様なのか判別のしにくい奇妙な人形であったが、希はそれをとても気に入った。「魔女姫」と名づけて、それ以来肌身離さず持っている。

その日食べたケーキはとても美味しく、家族に笑い声が絶えることもなかった。幼い希にとって、ケーキは家族の幸せの象徴となった。それから、事あるごとに希は自分でケーキを作るようになり、家族もそれを歓迎した。
そのような経緯から、希は将来ケーキ職人になりたいと思うようになったのだ。

しかし、徹の成功も一時的なもので、それ以後は坂道を転げるように失敗ばかりだった。ついには、全財産を株ですってしまい、夜逃げ同然で東京から能登にやって来て今日に至るのである。
その過程で、希は徹のような夢見がちな人生は送るべきではなく、地道にコツコツと働くことが何よりも重要だと信じるようになった。ケーキ職人になるという自身の夢も追いやることにしたのだ。

元治は何も答えなかったが、希に同情した。
家に帰って、文にもうしばらく津村一家を家に置いてやるよう話した。しかし、一家をよく思わない文は何も答えなかった。

希に嫌われたことが堪えた徹は、珍しく反省をしていた。
家族を集め、みなの前で頭を深く下げて謝った。

しかし、徹の反省点はどこか的外れだった。
彼の謝罪は、相場の読みを誤った点(結果に対する謝罪)に集中しており、そもそもの投機的な考え方(動機に対する謝罪)を改めるようなものではなかった。そのことが希をますます不機嫌にさせた。

希は自分の望みを語った。
徹には普通の父親のように、家族のために地道に働いてほしいと述べた。金持ちにならなくてもよく、たとえ小さな幸せであっても、家族がいつも笑っていられるようにして欲しいと告げた。

やっと自身の誤りに気づいた徹は、よりいっそう深く頭を下げると共に、自分のことを嫌いにならないでくれと滑稽なほど懇願した。
そのおかしな姿に家族は笑った。そして希の溜飲も下がった。

希は父をもう一度信じることにした。やっと自分たちはまっとうな家族になれるかもしれないと思えた。そして、またケーキを作って家族で食べる日が来るかもしれないと思うことができた。
希に小さな希望が芽生えた。

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文(田中裕子)が終始ツンケンしてるので悲しいです。
サントリーオールドのCMのように、小さな幸せにウキウキする田中裕子が見て朝から癒やされたいと思う当方です。

藍子(常盤貴子)の健気で明るく前向きな様子には癒やされていますが。常盤貴子ばんざい。

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