10年近く朝ドラを見ていると、「大阪制作朝ドラ(下半期)によく出てくる俳優」というのがわかるようになってきた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』の第2回めの放送を見ましたよ。
坂東一家の暮らす邸宅は、最近建築されたものである。坂東五十八(生瀬勝久)は大勢の客を招いて、完成披露パーティーを開催した。
パーティーには貴族院議員の田中五郎(堀内正美)や五十八の会社の取締役である野上正蔵(名倉潤)などの名士も招待されていた。田中と野上はそれぞれ息子の田中紀夫(玉山詩)と野上潔(大八木凱斗)を伴っていた。
すみれ(渡邉このみ)と姉・ゆり(内田彩花)が招待客の前で挨拶をすることとなった。
上品で外交的なゆりは卒のない挨拶を行った。一方、内向的なすみれはモジモジとして声を出すことすらできなかった。そんな彼女に代わって、姉のゆりがすみれの紹介をしてやった。
姉・ゆりは取締役・野上の息子である潔に好意を抱いていた。彼にいいところを見せようと、潔と議員・田中の息子・紀夫の前でピアノの演奏を披露した。ゆりの腕前は確かで、大人の客たちも耳を傾けるほどだった。
しかし、演奏を終えたゆりが振り返ると、そこに残っていたのは紀夫だけで、肝心な潔の姿はなかった。
その頃、すみれは別室で刺繍の練習をしていた。入院している母・はな(菅野美穂)のためにユリとスミレの刺繍を持っていったのだが、誰にも分かってもらえなかったことが悔しかったのだ。暇さえあれば、刺繍の練習に熱中していた。
そこへ、潔がやって来た。潔は一目見るなり、モチーフがユリとスミレであることを見抜いた。すみれは、自分の技術が向上したのだと思って嬉しくなった。
ある日、町の靴職人・麻田(市村正親)が家へやって来た。来年、女学校へ入学する姉・ゆりが靴を新調するためである。
その場ですみれは、靴は針と糸で革を縫い合わせて作られていると知った。刺繍の参考になると考えたすみれは、その夜、父・五十八の革靴を自室に持ち込み、ハサミで分解して構造を調べた。元に戻せなくなってしまったが、翌朝にはこっそりと元あった場所に戻しておいた。
靴を分解するだけでは飽き足らず、すみれは靴職人の麻田に話を聞きたいと思った。そのことを女中頭・喜代(宮田圭子)に相談したが、喜代には反対された。近頃、神戸の町中には人さらいが頻発していると新聞で報じられており、すみれが出かけるには危険だからだ。
そんな矢先、バラバラになった靴が執事の井口(曾我廼家文童)によって見つけられた。その靴は舶来物の高級な靴で、五十八のお気に入りのものなのだという。本人に知られる前に、麻田に依頼して修理してもらうことになった。
その時、偶然にも野上潔がお使いで家に来ていた。潔は町に帰るついでに、麻田へ靴を届けることを買って出た。
すみれは、靴職人・麻田を訪問するため、こっそりと潔の後を付けていった。すみれに気づいた潔は、夕飯までに帰ることを条件に連れて行ってやることにした。