NHK『おかえりモネ』第65回

なぜだか急に鉄製フライパンブームが始まり、鶏キャベツチャーハンを作ったらめちゃくちゃ美味しくて感動したのだけれど(プラセボかもしれない)、昨日家で使い始めの油ならしをした結果、一晩経っても家の中の油の匂いがとれなくて辟易している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第65回めの放送を見ましたよ。

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第13週『風を切って進め』

車いすマラソンの強化選手選考会の終盤、スポーツ気象班の予測通り強い風が吹き始めた。本番3日前にその事がわかり、風が吹いたら鮫島(菅原小春)が得意としている逆風を切り裂く走りをするよう提案していた。しかし、それまでの練習では鮫島の得意戦法を封印した練習を続けてきており、鮫島は納得しているように見えなかった。
風の変化に鮫島がどう対応するか、一同は固唾を呑んで見守った。

はたして鮫島は、提案通り作戦を切り替えた。するとみるみるラップタイムが上がり、結果として55分6秒でゴールした。標準記録である55分20秒をクリアし、無事に強化選手に選ばれた。

選考会後、鮫島は初めから指示に従うつもりだったと明かした。車いすの座席を前傾姿勢用に調整し、逆風で走りやすいようにしていたのだという。スポーツ気象班を全面的に信頼していたのだ。
練習期間中、鮫島のタイムが伸び悩んだ時期があった。その時、百音(清原果耶)はデータではなく、鮫島本人の感覚や得意戦法を活かすべきだと提案した。それを聞いた鮫島は、今までの自分のやり方で上手くいかないからデータに頼ることにしたのだと激昂した。
その場では怒ってみせたが、鮫島の本心では百音の言葉が嬉しかったのだという。それで百音たちスポーツ気象チームに全幅の信頼を寄せようと決めたのだという。それで全てが上手く行った。

登米への出張で選考会の応援には行けなかった菅波(坂口健太郎)が帰ってきた。鮫島への支援が成功裏に終わったことを共に喜ぶ一方で、百音には気になることがあった。もし鮫島が百音の言葉に素直に従い最悪な結果になったら、鮫島だけではなく、百音も耐えられない失望に陥るだろうと言われたことだ。
百音には、それが菅波の経験によるものだと思われた。そこで詳しい経緯を尋ねた。

菅波によれば、それは彼が助手として初めて患者を担当したときのことだと言う。
患者(石井正則)は40代の男性で、有名な楽団のホルン奏者だった。その患者の肺にガンが見つかった。ホルン奏者にとって肺は重要な器官なので、最小限の手術で治療を行うことになった。半年後に公演も控えており、手術を行えば出演も可能だと考えられていた。
最初に病気を見つけたのは菅波であり、患者は菅波に大いに感謝し、菅波に全幅の信頼を置くようになった。

ところが、手術前の検査で気になる所見が出た。主治医は手術を見合わせ、より詳しい検査が必要だと考えた。場合によっては化学療法を合わせた治療に切り替えるべきであるとした。
しかし、菅波は予定通り手術をすることを主張した。このタイミングで手術を行わなければ、半年後の公演会に間に合わないからだ。患者はその公演会への出演会を何よりも楽しみにしており、その希望を叶えてやるべきだと強く思ったのだ。

患者本人も菅波の意見に強く賛同し、主治医は仕方なく手術を行った。ところが、胸を開いてみたら予想以上に病気が進行していた。結果として、患者はプロのホルン奏者として復帰できないほどに肺を切除することになってしまった。手術前に化学療法を適用していれば、肺の機能を残して、ホルン奏者として復帰する可能性があったかもしれない。

菅波の主張によって、患者の演奏家人生を奪う結果となってしまったのだ。
後で聞いた話では、患者本人はすぐに手術を行うべきかどうか迷っていたという。しかし、最終的には菅波への信頼が上回り、菅波の意見に従うことにしたのだという。
親身にしてくれた菅波の言葉を信じたばかりに患者は最悪な目に遭い、そのことはまた菅波をずっと苦しめることとなった。それは、菅波が百音と鮫島の関係を見て懸念したことだった。

話を終えると菅波はじっとうつむいてしまった。
百音はもらい泣きをしながら、菅波の背中をさすり続けた。

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石井正則を見ると、「西園寺くん!」と言って古畑任三郎(田村正和)のモノマネをしたくなるのは僕だけではないはず。

それはさておき、菅波(坂口健太郎)があまり人に深入りしたがらない理由が語られた回でした。
菅波は人と関わらずにいるのがいいと思っているのだけれど、百音(清原果耶)はその反対の行動をとって今のところおおむね上手く言っているわけで。
今後、どっちがどういう風に変わっていくのかってのが見どころになるんですかね。まぁ、百音が主人公なので、菅波が人との深い関わりを取り戻していくって展開なんだろうけど。

【今日の蒔田彩珠
出番なし。

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