生駒山上遊園地の所在地は、東大阪市に隣接しているとはいえ奈良県生駒市なので、本作はこれまでのところ大阪府、長崎県、奈良県の3府県が舞台になったなと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の13回めの放送を見ましたよ。
父・浩太(高橋克典)のネジ工場は、設備が古く、特殊な技術もあるわけではない。昔からの得意先の注文だけを受けて事業を続けている。しかし、安くて品質も高まってきた外国製品に押されて、浩太の工場は取引を中止されてしまった。倒産の危機が迫っていた。
浩太は新しい受注に繋げようと、足繁く営業して回ったがうまくいかない。
長男・悠人(海老塚幸穏)は私立中学への進学を希望している。本人は、ゆくゆくは東大に合格することを目指している。そのために中学受験の勉強を人一倍努力しており、私立中学入学後のプランも明確にしている。
ところが、浩太の事業が傾きかけているため、悠人を私立に行かせることも難しく思われた。そのことを話すと、悠人は強く反発した。めぐみ(永作博美)は、悠人の実力ならば公立校からでも東大に行けるだろうと励ましたが、聞く耳を持たなかった。
古本屋デラシネで模型飛行機の本を買った舞(浅田芭路)は、同店の部屋を借りて飛行機作りに取り組んだ。幼馴染の貴司(齋藤絢永)も一緒で、彼は店主・八木(又吉直樹)の非売品の詩集を熱心に読んだ。
飛行機作りの最初の工程として、舞は竹ひごで骨組みを作りはじめた。ロウソクで竹ひごを温めて曲げると本に書いてあったのでやってみたが、どうしても炎によって竹ひごが焼け焦げてしまってうまくいかない。父・浩太と一緒に作れば簡単だろうとは思われたが、仕事で忙しそうな彼には声をかけにくかった。
それでも、ある夜遅く、隣のお好み焼き屋でビールを飲んで帰ってきた浩太の隙を見つけて相談してみた。
浩太によれば、竹ひごを火で直接炙ってはいけないという。横に倒した缶の中にロウソクを立て、炙られて暖まった缶に竹ひごを押しつけるときれいに曲がるのだと実演してくれた。舞は問題が解決できて嬉しかった。
浩太は、明日、生駒山の遊園地に行こうと舞を誘った。もちろん舞も喜んで応じた。
次の日、ふたりは遊園地での1日を満喫した。舞は念願の飛行機の遊具に乗ったのはもちろん、さまざまな遊具を楽しんだ。浩太によれば、彼の亡くなった父も仕事ばかりの人だったが、ここに連れてきてくれた時は一緒に楽しんだという。
最後にふたりは、展望台から東大阪を眺めた。舞は街がキラキラと輝いて見えると話した。
浩太は自分の住んでいる街をそういうふうに思ったことはなかった。そして、自分はまだ諦めるわけにはいかないと決意した。
開拓営業を断られた会社をしつこく訪問して回った。もちろん良い返事はひとつも取れなかった。
そんな中、ある会社で担当の課長(森本竜一)と押し問答をしていると、見かねた若い社員・真鍋(石田直也)が助け舟を出してくれた。特殊ネジ試作の案件があるという。かなり難しいもので、どこからも断られて困っているという。浩太はそれを引き受けることにした。
工場に戻り、職人・笠巻(古舘寛治)に話したところ、彼ははっきりと難色を示した。納期は3週間と決められていたが、少なくともその倍以上の時間が必要な案件であった。そもそも、新しい金型が必要になるが、それすら適当な時期に手に入るとも思えなかった。
それでも浩太はなんとかしたいと言うばかりだった。
その頃、舞はついに竹ひごで翼の骨組みを作り上げた。
今日はほぼ浩太(高橋克典)のターンでしたね。
本文では割愛しましたし、これまで詳しく書いたこともなかったと思うけれど、浩太の家の隣は古くからあるお好み焼き屋です。そこの店主は梅津勝(山口智充)は浩太の幼馴染でもあり、家業を継いだ2代目同士ということで心を許しあっているようです。浩太は梅津の前で仕事がうまくいかないことをボヤいていました。
なお、このふたりの子どもたちももちろん幼馴染になり、それが舞(浅田芭路)と貴司(齋藤絢永)にあたります。
舞と貴司は、放課後に古本屋デラシネに入り浸るようになったようです。奥にある店主・八木(又吉直樹)の居室を自由に使っている様子でしたが、その経緯は語られませんでした。貴司がどうしても八木の詩集を読みたくて、舞を誘って日参するようになっただろうなと思うのですが。
道具や材料は家にあるだろうから、舞は自宅で飛行機作った方が効率いいだろうにとは思ったよね。浩太にも相談できるし。なんなら、浩太に秘密で作って驚かせようとしてるのかと思ったら、あっさり制作中であることを話しちゃったし。ますますなぜ古本屋なのかわからん。
貴司は将来、文章の世界に行くことになってるらしいから、その布石として必要な場面なんだろうけど。幼馴染ふたりの夢の始まりは、この店にあるみたいな。
明日も読んでアラモード。