昨日の放送で、アキ(能年玲奈)の通学用自転車を用意した大向(杉本哲太)のセリフに「盗まれないようにちゃんと鍵かけろ」というものがあったのだが、wikipediaで調べると、杉本哲太は酔って自転車を盗んで警察沙汰になったことがあったり、『日本の自転車泥棒』という映画に主演したことがあるなどの経歴を知り、その自虐的な展開に思わずニヤニヤした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第14回目の放送を見ましたよ。
アキ(能年玲奈)は学校が終わると一目散に浜へ行き、夕方まで海女漁の練習をした。しかし、未だ一つもウニを獲ることができないでいた。観光客などは、若くてかわいらしいアキが海にも潜らないことを口に出してがっかりした。アキは残念でならなかった。
そこへ、ヒロシ(小池徹平)がやって来た。彼も同様にアキが潜らないことが期待はずれだったようだ。その様子を見て取ったアキは、ヒロシのためにウニを獲ってくると宣言して海に潜った。
1時間経ってもアキは帰ってこない。ヒロシは海女漁がいかに難しいものかと驚くのだった。しかし、弥生(渡辺えり)や美寿々(美保純)に言わせれば、単にアキは運動神経が鈍いから下手なだけだという。アキは下手なりに、若くてハンサムなヒロシのために頑張っているのだろうと軽口を叩いた。アキが自分のために努力してくれていると思うと、ヒロシはまんざらでもなかった。
結局、その日もアキはウニを獲ることができなかった。
9月になると水温が下がり、潮の流れも変わる。危険が増すため、夏(宮本信子)はアキが潜るのは4時までに制限した。学校に行く時間を確保すれば、アキは毎日1時間しか海に入れないことになる。しかも、もうすぐ海女漁のシーズンも終わる。一つもウニを獲ることができず、半人前にすらなっていないアキはひどく焦りだした。
ある日の4時近く、他の海女が観光客の対応をしている間、アキは一人で海に潜った。しかも、功を焦って入江の外に近づいた。その辺りは特に潮の流れが激しく、ベテラン海女でもめったに近づかない。その代わり、手付かずのウニがたくさんいることをアキは知っていたのだ。
案の定、アキは潮に流されてしまった。その上、太い昆布が足に絡みつき、浮上することができなくなった。異変に気づいた美須々が助けに来て、アキは間一髪助かった。最悪の事態を避けられたことに安心したアキは、ヘラヘラと笑ってばかりいた。
しかし、夏は激怒した。4時になっても潜っていたこと、一人で潜ったこと、入江に近づいたことなど、いくつもの約束を破ったからだ。海を甘く見たり、年長者の言いつけを守れない人間は海女失格だと断じた。もう二度と海には来るなと命じた。アキは何も言えなくなってしまった。
騒ぎを聞きつけてやって来た春子(小泉今日子)はアキを弁護した。せっかく袖が浜に残って海女になる決意をしたアキの唯一の楽しみを奪わないでほしいと願い出た。しかも、先日の夏は多少の危険から学ぶこともあると言ったばかりだ、それなのに今日は危険を犯すことは大罪だと言っていることは矛盾であると指摘した。言うことがコロコロ変わると、言われている方は混乱すると激しく口撃した。
もちろん、夏もそう簡単には翻意しない。春子の方こそ、以前は自分も娘も海女になどしたくないと言っていたはずだ、何を今さらアキを海女にしたいと言うのか、などと反論した。
ふたりの口論はエスカレートする一方だった。本人たちも、何をそんなに興奮しているのか、そもそもの原因は何なのかわからなくなる程だった。ふたりの様々な鬱憤が噴出しているのだ。
アキはそんなふたりを見ていて悲しくなった。せっかく24年ぶりに仲直りしかけた親子が、自分のせいで再び仲違いしかかっているからだ。
続きを読む