夢一夜: iPhone vs 俺

こんな夢を見た。

Siri が暴走し、高度で邪悪な知性を獲得したiPhoneと戦うことになった。

戦場は昼日中のマクドナルド。相手より先にビッグマックを食べた方の勝ち。
敵は、周囲の善良な客をコントロールし、彼らに手分けして一口ずつ食べさせている。かなりのスピードだ。こちらは一人きり。ビッグマックで口の中がパサパサになり、思うように食べ進められない。苦戦を強いられる。
それどころか、やつは様々な機械を遠隔操作する能力も有しているようだ。フォークやナイフを僕に向けて飛ばしてくる。なんとか避けることはできるものの、ますますビッグマックを食べる速度が落ちる。
絶体絶命のピンチである。
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橋本愛の弁当(夢一夜)

こんな夢を見た。

女優の橋本愛と結婚して5年経った。
自分で言うと気恥ずかしいが、夫婦仲は100点満点だと思う。長生きはするものである。
一人娘は4歳になった。妻の幼少期の写真を見たこともあるが、それと瓜二つで驚く。どう考えても僕の遺伝子を受け継いでいるとは思えない。妻は単為生殖で子を産んだのではないかと思うことがある。
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初夢二〇二〇

こんな夢を見た。

社会心理学者バンド・ざじょんくすが大阪で練習をすることになった。
しかし、スタジオの予約時間にはまだ早いので、難波のブッコフで時間を潰すことにした。銘々はいい大人だし、中高生のように金魚のフンのように連れだって歩くことはない。ていうか、そもそも「音楽性の違い」が表面化しているメンバーであり、それぞれ趣味がバラバラである。集合時間だけ決めて、各々が好きな売り場へ散っていった。
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老眼の夢

 こんな夢を見た。

 久しぶりに母校の大学に出向いてみると、ベネトンの派手なトレーナーを着た若い男が、静かな声で今日から後期が始まると言う。ツヤツヤした頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。楽しい夏休みを謳歌したに違いない。しかし男は静かな声で、今日から後期が始まるとはっきり言った。自分もたしかに、今日から後期が始まるなと思った。そこで、そうかい、もう後期が始まるのかい、と男を見上げるように聞いてみた。
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こんな夢を見た

時差ボケがまったく直らず、変な時間に寝起きしまくっている当方が、尾野真千子の登場する夢を見ましたよ。

* * *

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木公(当方)はある研究会に参加した。
それには、どういうわけか尾野真千子も参加していた。NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』を全話見てまとめ記事を書いたのはもちろん、尾野真千子本人のことも大好きな木公は彼女と話をしてみたいと思った。
しかし、ブログ上では厚顔無恥の怖いもの知らずだが実生活では大人しくて恥ずかしがり屋という、典型的なネット弁慶である木公は、尾野真千子に声をかけることができずにモジモジするばかりであった。

研究会が終わり、汽車に乗って帰路についた。田舎のローカル路線ではあるが、車内は思いのほか混雑していた。
駅でもたもたしていた木公は危うく乗り遅れそうになり、慌ててドアに飛び込んだ。息を整えて座席を探したが、座れるような場所はなかった。

その時、すぐ近くのボックス席に尾野真千子が座っているのを見つけた。
木公は、ここで会ったのも何かの縁と思って声をかけようかと試みたのだが、恥ずかしくて声が出なかった。尾野真千子を凝視して、口をパクパクさせるだけだった。

その視線に気付いた尾野真千子は、口をいたずらっぽく歪めてニヤリと笑った。
その意味深な笑みに、木公はゾクゾクしつつも、彼女に声をかける勇気を得た。

「尾野さん、すみません。こんなところで失礼ですが、サインを頂けないでしょうか?」
と言って、木公はペンとノートを取り出そうと鞄の中を引っ掻き回した。尾野真千子を前に緊張していたので、うまく見つけることができなかった。

その様子を見ていた尾野真千子は、座っていたボックス席から立ち上がり、ドアの横に立っている木公の所へ来た。

「ほんまはこんなところでサインはせぇへんねん。カフェとか落ち着いた場所やないとアカンな。それに、電車は揺れるからうまいことサインでけへんねん。」
と、尾野真千子は白けた表情で言った。

木公はサインが貰えなかったことにがっかりするよりも、公衆の面前で恥をかかされた思いがして、顔から火が出そうだった。

すると尾野真千子は、今度は満面の笑みを浮かべた。そして、顔を木公の耳元に寄せてこう言った。
「けど、君は『カーネーション』をよー見てくれたし、サインくらい気前よーせなバチがあたるかもしれん」

車内にはサインをするのにちょうどいい台もなかったので、彼女は自分の膝の上でサインを書こうとした。僕からノートとペンをひったくると、フラミンゴのように片足立ちになり、折り曲げた右足の上にノートをのせた。そして、上半身を前かがみにしてサインを書こうとした。

尾野真千子はタイトミニスカートを履いていた。持ち上げた右足がスカートから覗いた。白くてエロかった。前かがみになった際に、髪がはらりと落ちて、彼女の横顔を覆う様子もエロかった。

* * *

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夢一夜: 文章教室

こんな夢を見た。

有名な小説家が文章教室を開いたというので入門することにした。
当世には珍しい畳敷きの日本家屋で、古めかしい文机が数列並べられていた。ひとつの机に2人ずつ、計7-8人が背筋を伸ばし、きちんと正座をしてまんじりともせずにいた。いつもだらし無い立ち居振る舞いしかできない僕も、さすがに緊張してしゃんとしていた。左手の障子は大きく開け放たれていて、松葉が目に青かった。

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夢十夜 / 夏目漱石

こんな夢を見た.

しとしとと雨が降る中,道端に車を停めて往来を見ている.
色を失った町並みと雨雲の下を,真っ白な傘がこちらに向かってくる.小さな傘の中から,どこか懐かしいような顔が車中の僕に向かって会釈をしてくる.
初めて会う人に違いはないはずだけれど,ドアを開けてエスコートするのが礼儀だと思って,ドアを開けて彼女を車の中に招き入れた.

「赤い車だから,すぐわかりましたよ」
と言われたけれど,なんだか気恥ずかしくて,携帯電話を取り出してケーキのおいしいお店を予約してそこに連れて行こうと思った.

30分もたたずに,僕は彼女のことが好きになってしまったようで,嫌われないように退屈させないように,べらべらと喋りまくった.

まだ名前も知らなかったので,尋ねてみると
「私には,3つの名前があるのです」
と,返事があった.
あまり問い詰めるのも失礼だと思ったので
「僕には,3つの人生があるから,おあいこだね」
と答えた.

今欲しいものは何かと尋ねると,
「正直いって,ミーは,あなたをペットにしたいです.次に,ミーの秘密を教えようと思います.実はミーは,不死身なのです.内緒ですよ.」
と,返事があった.
ペットになってもいいと思ったけれど,
「正直いって,俺は,君はかなりの変態だと強く感じています.次に,俺の秘密を教えようと思います.実は俺は,あなたが好きです! キャ!」
と答えた.

そう言うと,彼女はゴーバンズの “あいにきて I・NEED・YOU! ” をニコニコと歌いながら近鉄の改札口に消えて行った.

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