こんな夢を見た.
しとしとと雨が降る中,道端に車を停めて往来を見ている.
色を失った町並みと雨雲の下を,真っ白な傘がこちらに向かってくる.小さな傘の中から,どこか懐かしいような顔が車中の僕に向かって会釈をしてくる.
初めて会う人に違いはないはずだけれど,ドアを開けてエスコートするのが礼儀だと思って,ドアを開けて彼女を車の中に招き入れた.
「赤い車だから,すぐわかりましたよ」
と言われたけれど,なんだか気恥ずかしくて,携帯電話を取り出してケーキのおいしいお店を予約してそこに連れて行こうと思った.
30分もたたずに,僕は彼女のことが好きになってしまったようで,嫌われないように退屈させないように,べらべらと喋りまくった.
まだ名前も知らなかったので,尋ねてみると
「私には,3つの名前があるのです」
と,返事があった.
あまり問い詰めるのも失礼だと思ったので
「僕には,3つの人生があるから,おあいこだね」
と答えた.
今欲しいものは何かと尋ねると,
「正直いって,ミーは,あなたをペットにしたいです.次に,ミーの秘密を教えようと思います.実はミーは,不死身なのです.内緒ですよ.」
と,返事があった.
ペットになってもいいと思ったけれど,
「正直いって,俺は,君はかなりの変態だと強く感じています.次に,俺の秘密を教えようと思います.実は俺は,あなたが好きです! キャ!」
と答えた.
そう言うと,彼女はゴーバンズの “あいにきて I・NEED・YOU! ” をニコニコと歌いながら近鉄の改札口に消えて行った.
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