NHK『おかえりモネ』第46回

2016年といえば東京の豊洲市場が完成し、夏くらいに土壌汚染問題でゴタゴタする頃だよなぁと思い出した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第46回めの放送を見ましたよ。

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第10週『気象予報は誰のため?』

2016年4月、百音(清原果耶)は東京にやって来た。

百音は、祖父・龍己(藤竜也)の伝手で築地にあるシェアハウスに住むことになった。急に上京することになったので住まいの下見をする暇もなかったからである。それでも、気象会社まで徒歩15分で利便性はよかったし、漁師の家にそだったので「築地」という地名に馴染みがあった。

そして何よりも、家賃の安いことが良かった。
勢いで東京に来たものの、百音はまだ就職が決まったわけではない。気象会社の面接は翌日であり、しかもそれはアルバイト採用である。百音は少しでも節約せねばならなかった。

住む予定のシェアハウスの住所に来てみれば、その建物は銭湯だった。煙突や番台が残っている
おそるおそる覗くと、井上菜津(マイコ)が出迎えてくれた。

菜津によれば、銭湯は赤字続きであったため、改装してシェアハウスにしたのだという。女湯は風呂として残し、男湯はとてもきれいな食堂になっていた。ところが、こざっぱりしていたのはそこまでだった。2階の居住スペースはオンボロのままだった。部屋もまだ余っているようで、百音は好きな個室を選ぶことができるありさまだった。

それでも百音はそこを気に入った。昔ながらの建物は実家を思い出させ、百音にとっては安心できる場所だった。
菜津も百音のことを気に入った。オンボロなシェアハウスにも感激してくれたり、まだ仕事も決まっていないのに上京した無鉄砲さを面白がったのだ。

無事に住まいが決まると、翌日の面接試験に備えるため、百音は気象会社の下見に向かった。気象会社 Weather Experts はおしゃれで立派なビルだった。1階ロビーにはデモ展示もあり、百音はそれらを興味深く見学した。ガラス張りの社員用スペースからピースサインを向けてくる変なおじさんもいたが、それはそれで愉快だった。

そこへ、社員の内田(清水尋也)と野坂(森田望智)が通りがかかった。ふたりは登米でフィールドワークをしたことがあり、百音とは顔見知りであった。

野坂は挨拶もそこそこに、百音に一緒に着いてきて欲しいと言い出した。さっき、そばから百音にピースサインを送ってきたおじさんは社長の安西(井上順)だという。野坂が彼に許可を求めると、安西は軽妙な様子で同意した。
そうして、百音は事情もわからないままテレビ局に連れて行かれた。

テレビ局の報道スタッフルームの中には気象予報班の場所もあった。そこに到着すると朝岡(西島秀俊)が入れ替わりに帰ろうとしていたところだった。
朝岡は講演会に呼ばれていて、今すぐにでも出発しなければならないという。そのため、夜の報道番組の気象コーナーに出演することができない。そればかりか、テレビ局との契約で、番組には必ず4人の気象予報士が関与しなければならないと定められていた。

レポーター初挑戦だという神野マリアンナ莉子(今田美桜)、たった今駆けつけた内田と野坂、そして百音を加えればちょうど4人の気象予報士が揃うのだという。ほとんど全員が報道番組の経験はなかったが、朝岡はすでに原稿を書き上げているので心配ないと考えていた。

ところが、当然報道デスクの高村(高岡早紀)は難癖をつけた。経験も人気もある朝岡が出演しないのは困るというのだ。しかも、朝岡が留守のまま、神野が初めてレポーターをやると言うのだ。本人は自信満々であるが、高村には不安しかなかった。さらに、百音などは気象予報士の資格はあるものの、なんの仕事もしたこともなくオドオドとしている。高村にとって何も良い点が見つからなかった。

それでも朝岡は強硬に講演会へ出かけることを主張した。将来のために若手に経験を積ませる必要があると言うのだ。そして何よりも、今日の講演会は高村本人が仲介しているものである。講演会を中止しては高村デスクの顔を潰すことになってしまう。
そこまで言われたら高村デスクも認めざるを得なくなった。

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聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うがいい

急に始まったガンプラブーム。
シャアが謀るシーンを作ってみました。

次回への課題
・ランナー痕や継ぎ目はちゃんと消しましょう。
・シールを歪まずに貼れるようになりましょう。
・汚しにもチャンジしましょう。
・ジオラマの背景をなんとかしましょう。

NHK『おかえりモネ』第45回

10年前の今日は東海道五十三クリングで京都三条大橋にゴールした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第45回めの放送を見ましたよ。

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第9週『雨のち旅立ち』

東京へ行って気象予報会社に転職することを報告するために実家に戻った百音(清原果耶)であったが、なかなか話を切り出すことができず、しこたま酒に酔いつぶれて眠ってしまった。うつらうつらと幼い頃の家族の楽しかった様子を夢に見た。そして目を覚ますと、さっぱりと晴れやかな気持ちになった。

百音は、やっと東京で気象に関わる仕事をしたいと打ち明けた。そしてそれは、東日本大震災の経験とも関わっているのだという。
震災の日、百音は高校入試の合格発表を見るために仙台に行っており、地元の島にはいなかった。帰ってこられたのは数日後だった。地元のみんなが目の当たりにした悲惨な状況を共有していないし、自分は何の役にも立つことができなかった。その後ろめたさが心の澱のように溜まっていき、もう島にはいられないと思ったのだという。

そうして高校卒業後に登米に行った。そこで気象に出会い、今の自分ならいつか誰かの役に立てるかもしれないと思ったのだという。
気象は未来のことが予測でき、それによって誰かが危険な目に遭うのを止められるかもしれない。大切なものをなくして傷つく人を生まないために、気象の仕事で人々を守りたいと強く思うようになったという。

家族は誰も口を挟まず、百音の決意に全員が賛成した。
家族の了承を得ると、百音は翌朝早くに登米に戻り転居の準備を始めた。

そしていよいよ出発の日。
森林組合の人々は明るくにぎやかに百音を送り出してくれた。しかし、サヤカ(夏木マリ)だけはその場にいなかった。

サヤカは山にいた。切られたばかりのヒバはまだそこに置かれており、サヤカはそれを愛おしく眺めていた。百音はサヤカがそこいることを知っていて別れの挨拶に来た。
サヤカは百音を見送るつもりはないと告げた。百音もそのことをよくわかっていた。

ヒバが切り倒されたため、その付近は空が大きく開けていた。日光がよく届くようになったので、そこにおかれたままのヒバはよく乾くし、ヒバのあった場所には新しい木がよく育つだろうとサヤカは話した。

いよいよ百音が立ち去る時、空のある方向を指差し、10分後に見るように言い残した。

一人になったサヤカはヒバの切り株に腰を下ろした。
何気なく足元を見ると、すでにもう新しい植物の芽が出ていた。続いて空を見上げると、百音の予言通り雲が虹色に光る彩雲が出ていた。
サヤカは声を上げて百音の明るい未来を祈った。

百音は晴れ晴れとした表情で駅に向かう道を歩いていた。

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NHK『おかえりモネ』第44回

昨日のマクラで「約30年ぶりにガンプラを作ってみれば」などと書いたのだけれど、2005年に知人のおみやげで貰ったガンダムを作っていたことを思い出した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第44回めの放送を見ましたよ。

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第9週『雨のち旅立ち』

早朝、百音(清原果耶)は能舞台で舞の稽古をしているサヤカ(夏木マリ)のもとを訪れた。そこで気象予報士試験が不合格だったと嘘をついたことを謝った。

サヤカは怒ることはなく、静かに話しだした。
人は甘やかすとダメになる。百音は身寄りのない年寄りである自分に情けをかけようとしたのだとわかっている。しかし、そうされると自分は弱くなってしまう。これまで一人で生きてきた自分は、これからも一人で強く生きて行くことができる。だから情けは無用であり、百音は自分が本当にやりたい道へ進むべきだと説いた。
こうして百音も登米を去る決意を固めた。

話を終えると雨が降り出した。
能の舞には雨乞いの意味もあるという。舞によって陰と陽のバランスが整えば雨が降るという。今降り出した雨は百音の決断を祝福しているように思えた。

百音は森林組合で辞意を伝えた。人々は百音を惜しみ、思いとどまらせようとした。
しかし、サヤカが助け舟を出した。百音は山の仕事が嫌いになって辞めるのではない。熱心に仕事に取り組み山のことを知ったら、それと関連する空の仕事をしたくなったのだ。また、登米の人々が百音を見守って育てたことによって彼女は大きく成長した。みんなの尽力があってこそ百音が本当にやりたいことをい見つけられたのだ、温かく送り出すべきだと説得した。
こうして百音は、新しい進路を応援されつつ、辞任が受け入れられた。

その様子を見ていた菅波(坂口健太郎)も当面の目標を定めた。
指導医の中村(平山祐介)から登米へ通うことをやめるよう打診されていたが、登米の診療所での仕事を続けたいと彼に伝えた。
菅波は頭でっかちで、何かをする前に考えすぎる傾向にある。中村は、そんな菅波を変えるために登米に送り込んだのだと自覚した。自分はまだそれを克服できていないので、もうしばらく登米で診療に当たりたいと話した。中村もそれを受け入れ、4月以降も登米で働くことになった。

百音は実家に里帰りすることになった。サヤカから、自分の進路について家族にしっかりと説明しなくてはならないと諭されたからだ。
急な里帰りに家族は大喜びしたが、百音はなかなか話を切り出そうとはしなかった。耕治(内野聖陽)から何か大事な話があるのではないかと水を向けられても、二十歳になったから酒が飲めるようになった、などとはぐらかす始末だった。
おちょこ1杯の酒を飲んで百音は上機嫌になった。2杯3杯と飲みすすめた。

百音には、家族だからこそうまく言えないこともあるのだった。

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NHK『おかえりモネ』第43回

約30年ぶりにガンプラを作ってみれば、キットの進歩が目まぐるしく、ついていけない・・・なんてことはなく、進歩がすごすぎて却って作りやすくなっていることにビビった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第43回めの放送を見ましたよ。

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第9週『雨のち旅立ち』

樹齢300年のヒバは無事に切り倒された。
その場では涙ぐんでいたサヤカ(夏木マリ)であったが、森林組合の事務所に戻って来る頃にはさっぱりとした表情になっていた。みんなも大きな仕事を終えてほっとした。

しかし、能舞台の柱にする予定の木材の保管場所が決まっていないままだった。50年もの乾燥期間が必要なので誰も協力したがらなかったのだ。
保管場所の手配を任されていた百音(清原果耶)は、地元の神社に預かって貰えれば一番だという考えをみんなに話した。地域のハザードマップと過去の水害の情報を合わせ見ると、神社のある場所はこれまでほとんど被害に遭ったことがない。おそらく将来もリスクが低く、長期保存に向いていると考えた。

一同は、たまたま隣のカフェでくつろいでいた宮司(小杉幸彦)を見つけた。彼を取り囲み、半ば威圧的に説得にかかった。
ついに宮司は根負けした。必ずしも能舞台の材料にせずとも、災害時には復興のための材料にしてもよいと言われたからだ。そもそも神社は地域を守る役目を担っており、いざという時のための資材を準備しておくことも大事な仕事だと納得したからだ。

その後、みんなが出払い、事務所に残ったのは百音とサヤカのふたりきりになった。
サヤカは、百音が気象予報士試験に落ちたと言ったことは嘘だと見抜いていた。なぜ嘘をついたのか問い詰めた。しかし、百音は言葉を発することができなかった。
サヤカは、百音が東京の気象会社で働きたがっていることもわかっていた。しかし、70歳近くて財産も残っていないサヤカに同情して登米に残って世話をしたいと考えいるのだろうと指摘した。その上で、自分のことをバカにしないで欲しいと言って立ち去った。

家に帰りづらくなった百音は遅くまでひとりでカフェに佇んでいた。
そこへ菅波(坂口健太郎)がやって来た。彼は昼間の百音とサヤカのやりとりを偶然外から聞いてしまったのだ。

菅波は、サヤカの気持ちを代弁した。彼女は、百音の合格を一緒に喜びたかったのだと説明した。百音がやりたい仕事を見つけて、そのための資格を自力で手に入れたのだ。そばにいる人間としてそんなに嬉しいことはないはずだと話した。たとえ離れ離れになろうとも、サヤカなら喜んで送り出してくれるはずである。

百音にもそのことはわかっていた。けれども、怖くなったことがあると話し始めた。
東日本大震災の発生時、百音は高校の合格発表を見るために仙台に滞在していた。そのため、津波を自分の目では見ていない。その時から、自分がいない間に親しい人が辛い目に遭うのではないかと恐ろしく思うようになったのだと話した。

菅波は、一度サヤカとしっかり話をするよう助言した。

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NHK『おかえりモネ』第42回

山瀬まみには『夏、7月13日』という歌があって「起きたらランチタイムを過ぎていた」という歌詞があるのだが、今日は起きたら放送時間の過ぎていた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第42回めの放送を見ましたよ。

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第9週『雨のち旅立ち』

百音(清原果耶)は気象予報士試験の合格通知を受け取った。一刻も早くサヤカ(夏木マリ)に知らせたかったが、彼女はどこかへ出かけたままなかなか帰ってこなかった。

やっとサヤカが帰宅した。
しかし彼女の顔を見ると、百音はなぜか合格のことを言えなくなってしまった。

何日か経って、今度はサヤカが百音に結果を尋ねた。百音は我知らず引きつった表情になり、不合格だったと嘘をついた。
その様子を嘘だと見抜いたサヤカは、こっそりと菅波(坂口健太郎)に話を聞こうとした。しかし、サヤカの様子から何かを読み取った菅波は、守秘義務があるなどと言って結果を教えなかった。

一方、樹齢300年のヒバを切る日が近づいていた。
伐採後は、いくつもの木材に加工し、使用目的に応じて10年から50年ほどの乾燥が必要である。材木関係者に協力を依頼し、ほとんどの木材の預かり先は決まった。しかし、能舞台の柱に使う予定の木材だけは引き取り手が見つからないままだった。乾燥には50年が必要であり、誰にとっても負担が大きいからだ。

協力者が見つからないまま、伐採の日になった。
大鋸の一方をサヤカ、もう一方を百音が持ち、挽き始めた。

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NHK『おかえりモネ』第41回

左太ももの粉瘤は先週やっと通院が終わって、今朝ついに1ヶ月ぶりにガーゼをはずした(グロ写真閲覧注意)当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第41回めの放送を見ましたよ。

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第9週『雨のち旅立ち』

2016年1月、百音(清原果耶)は3度めの気象予報士試験を受けた。通信講座を受講するなど力を入れていたおかげで百音は合格の手応えを感じ、有頂天になっていた。毎日こっそりと東京の気象会社の求人ページを眺めたりしていた。

サヤカ(夏木マリ)は機嫌のよい百音を見て安心する一方、気象予報士合格後の百音の身の振り方について心配にもなった。本人には直接聞きづらかったため、菅波(坂口健太郎)にそれとなく探りを入れた。
菅波は、百音が気象会社に興味を示していることを知っていた。しかし、サヤカにはなんとなく言いづらく、素知らぬふりをした。

試験が一段落したことで、百音は森林組合の仕事にも精を出していた。
約2ヶ月後の3月10日には、サヤカが大切にしていた樹齢300年のヒバの伐採が行われる。その木材を能舞台の修繕に使うためには50年間乾燥させなければならない。百音はその保管場所を確保する係を任された。大量の木材を長期間にわたって保管することになる。森林組合の倉庫だけでは足りず、登米市内外に協力者を募って分散させなくてはならない。
しかし、保管場所の確保は難航した。

ヒバの伐採の後、4月には登米能の定例会が開かれる。いつもは笛でお囃子をやっているサヤカであるが、4月の能では舞を行うという。
佐々木(浜野謙太)は百音がお囃子をすることを勧めた。百音は吹奏楽の経験者なので比較的簡単にできるだろうし、サヤカも百音のお囃子で舞うことを喜ぶだろうというのだ。
百音が返事を躊躇していると、サヤカが茶化した。百音は高校の音楽コースの入試に失敗した経緯があり、楽器にはトラウマがあるなどとみんなの前で話した。それを聞いた佐々木はそれ以上なにも言わなくなった。

その頃、菅波は今後のキャリアについて指導医の中村(平山祐介)から提案を受けていた。登米の診療所に通うようになってもうすぐ2年になるが、いつまでもこのような生活を続けていると不利になるというのだ。そろそろ登米での仕事は辞めて、東京の病院での勤務に集中した方が良いという。
その提案に対して、菅波は同意も反対もせず、曖昧にやり過ごした。

3月になった。ヒバの伐採まで残り1週間ほどである。
百音に試験結果の通知書が届いた。しかし、一人で開封する勇気がなかった。そこでサヤカと一緒に見ようと思ったが、あいにく家にサヤカはいなかった。そこで、職場に持参し勤務終了後に菅波を捕まえ、一緒に見てもらうことにした。

百音は合格率5%の狭き門を突破し、無事に合格した。百音は大喜びした。
早速、家に帰ってサヤカにも報告しようとした。しかし、夕方になっても家にサヤカの姿はなかった。

その頃、サヤカは能舞台で一人黙々と舞の稽古をしていた。

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NHK『おかえりモネ』第40回

明日はReiちゃんさんの10本のギターを見物することにした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第40回めの放送を見ましたよ。

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第8週『それでも海は』

朝早く目が覚めてしまった百音(清原果耶)は縁側に座ってぼんやりしていた。そこへ、前夜から泊まっていた及川亮(永瀬廉)も目を覚ましてやって来た。
亮は、未だ漁師の仕事に慣れないと話し始めた。仕事はキツいし、周りの漁師たちはがさつだし、特に親方は誰よりも厳しいなどと愚痴を述べた。
それでも亮は、海は大好きだと話した。東日本大震災の津波で大切なものをたくさん奪っていった海であるが、それでも海を恨んではいないと話すのだった。

その日、百音と亮の幼馴染たちも集合した。彼らが亮に会うのも久しぶりである。それぞれ近況報告と今後の予定を話した。

未知(蒔田彩珠)は県職員になり、水産試験場で働くことを目指している。それを聞いた亮は、海の仲間として一緒に頑張ろうと応援した。未知はそれ以上何も言わなかったが、嬉しくてニヤけた。
野村明日美(恒松祐里)は短大を卒業してすぐに東京で働くことを報告した。幼い時から毎年亮に告白していた明日美であるが、今はもう未練はないと強がった。亮と正反対のタイプである、色白でかわいい男の子が好きだと啖呵を切った。亮は反論せず、明日美には華やかな東京が似合うと述べた。
以前、実家の寺を継ぎたくないと言って騒動を起こした後藤三生(前田航基)は僧侶になる意思を固めたという。ただし、大学を卒業するまでは好きなことをやって自由に過ごしたいと話した。亮は、今のうちに好きなことをやるのはいいことだと肯定した。
早坂悠人(高田彪我)は、地元の島に戻って公務員になる予定だという。亮はそんな地元愛を肯定した。

みんなの話を聞いた亮は、自分たちは親とは違う、過去に縛られて未来まで壊されることはごめんだと話した。自分たちは自分たちの好きなように生きてよいし、そうすることで前向きに生きていくべきだと熱く語った。

百音が登米に戻る前の晩になった。
母・亜哉子(鈴木京香)は百音と未知を呼んで話し始めた。ふたりには自分の好きなことをして欲しいのだという。それは亡くなった祖母・雅代(竹下景子)にも言われたことだという。
新婚当時、亜哉子は仙台で暮らしていた。しかし、耕治(内野聖陽)は単身赴任で家にはいなかった。そこで、島で暮らしたいと雅代に相談したという。すると雅代は歓迎するが、亜哉子が教師の仕事を続けることが条件であると話した。女が好きな仕事を選ぶことなど、雅代の若い時分には叶わないことだった。亜哉子にはそうなって欲しくないと言うのだ。
結局、教師を辞めることになったが、家業のカキ養殖や雅代の民宿の手伝いをすることは亜哉子にとって心の底から好きな仕事なのだという。自分はこうして好きなことをやって来たのだから、娘たちにもそうして欲しいと話した。

翌早朝、百音は登米に戻るため島の港にいた。そこで、新次(浅野忠信)の姿を見つけた。百音は、新次がまた酒を飲んで感傷に浸っているのではないかと疑い声をかけた。
しかし、新次は酒を飲んでいなかった。海面に霧が立ち込めており、その中を出港する船の美しい姿を見に来たのだと説明した。亮の乗った船もあるはずで、それも見たいのだという。
百音は蒸気霧が発生するメカニズムを説明した。冬は気温よりも海水温の方が高い。そのため、蒸発直後の海水が海面で冷やされることにより海の上に霧が発生するのだ。

新次は蒸気霧のメカニズムにはまったく興味を示さなかった。どのようなメカニズムであれ、海が好きなのだと話した。
大きな被害をもたらした海であっても、新次は海が好きだと話した。それは、亮が百音に話していたのと全く同じことだった。そのことを教えると新次は嬉しそうにした。

百音の気象予報士試験まであと2日となった。

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NHK『おかえりモネ』第39回

にゃんこスターのアンゴラ村長とウフフキャキャできるなら縄跳びやってもいいなと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第39回めの放送を見ましたよ。

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第8週『それでも海は』

及川新次(浅野忠信)は5年前の東日本大震災で自宅と漁船、そして妻・美波(坂井真紀)を失い、漁船の購入費用の莫大な借金が残った。一時はひどく荒れていたが、最近は土木作業員として真面目に働き、借金も少しずつ返していた。亜哉子(鈴木京香)に付き添われて通院することで、禁酒治療も順調だった。
それなのに突如として自宅跡地に佇み、ひとりで泥酔していた。耕治(内野聖陽)たちが保護し、事情を聞いた。

新次はずっとどん底の生活だったという。そんな中、とても嬉しいことがあった。息子・亮(永瀬廉)が漁師になり、ひとりで50匹ものメカジキを獲ったと船から連絡があった。まだ19歳で子どもだと思っていた息子が一人前になったように思えたのだと言う。
新次はその喜びを妻と分かち合いたかった。しかし、肝心の妻はすでに亡くなっていて叶わない。気付いたら酒を持って自宅跡地にいたのだと泣きながら話した。

漁から帰ってきた亮は連絡を受け、まっすぐに永浦家にやって来た。父の告白を聞いた亮は、父と共に酒を飲みたいと話した。けれどもまだ未成年なので酒は飲めない。その代わりに、母の好きだった歌をがなり始めた。
新次はそんな亮を止めた。自分はそんなことをされても立ち直る気はないと声を上げた。

その日、及川親子は永浦家に泊まることになった。二人は早くに床についた。

百音(清原果耶)は、未知(蒔田彩珠)に亮のことを聞いた。未知が県内の水産試験場に就職するのは、亮と一緒に海の仕事をしたいからではないかと尋ねた。そしてそれは、亮にとっても心強いことだからいい考えだと話した。
しかし、未知は亮とは無関係だと頑なに否定した。

同じ頃、耕治は亜哉子と話していた。耕治は新次の借金のことがあってから関係が気まずくなっていた。亜哉子が面倒を見てくれなければ、新次が素直に通院することもなかっただろう。これから先も面倒をかけるが協力して欲しいと頼んだ。
耕治の依頼を受け入れつつも、亜哉子は怒った。耕治と新次、そして亡くなった美波は幼なじみの強い絆で結ばれていることはわかっている。一方で、自分をその仲間だと受け入れてくれないことが不満だと抗議した。

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NHK『おかえりモネ』第38回

律儀に年に1度のTシャツを着ることで世の恋人たちの逢瀬を応援しようと思ったのだけれど、しわくちゃになってるせいで今日は雨なんですねごめんなさいと言っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第38回めの放送を見ましたよ。

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第8週『それでも海は』

行方不明になっていた及川新次(浅野忠信)が見つかった。津波で流された自宅跡に昨夜からひとりで座り込んでいたという。耕治(内野聖陽)たちが保護し、家につれてきた。

耕治と新次は幼なじみで、昔から助け合ってきた。

2011年10月のことだった。
津波で漁船を流された新次に対して、耕治は再度船を購入するよう勧めた。先の船を造るための借金1億2000万円のあることが問題だった。耕治はまず、雇われ漁師として稼ぎ、借金返済と船の購入資金の準備をすることを提案した。しかし、漁師としてのプライドを持つ新次は人に雇われることを良しとしなかった。
そこで耕治は、自分の務める銀行から借り入れをする手はずを整えた。
国からの補助金も申請すれば借入額を減らすことができる。また、耕治が手を尽くして、審査が通りやすいよう工作することを約束した。それは銀行内での耕治の立場が悪くする可能性もある。しかし耕治は新次のためならば一肌脱ぐつもりである。その決意は新次にもよくわかった。それで新次は銀行から借金することに決めた。

ところが、新次は銀行の審査に落ちた。
新次は、別の知人が飲食店を開業する際に共同経営者として名義貸しを行い、開店資金として1000万円の借金をしていたのだ。そのことを申告せず、銀行の調査によって暴かれてしまった。それは耕治にとっても寝耳に水だった。

耕治は他に助ける方法を模索した。自分の家に住まわせることで、少しでも負担を減らしてやれないかと家族に相談した。しかし、龍己(藤竜也)が強く反対した。銀行員である耕治には、漁師として生きている新次の意地がわかっていないと叱られた。彼のプライドを潰してしまうわけにはいかないと断固反対した。

こうして、新次へのそれ以上の援助はできなくなった。
それから5年、新次は仮設住宅で酒浸りの生活となった。

そのような顛末を思い出して、百音(清原果耶)は気象予報士試験の勉強が手につかなくなってしまった。
当時の耕治は「何もできない」と嘆いていた。それは、震災当日に何もできなかったと悔やんでいた自分の姿に重なった。そしてまた、朝岡(西島秀俊)から「何もできなかったと思っているのはあなただけではない」と言われたことも思い出された。

気象予報士試験に合格したからといって、すぐに誰かを助けられるわけではないのだと思い悩んでしまった。

そんな矢先、菅波(坂口健太郎)から電話がかかってきた。何も事情を知らない菅波は、自分のプレゼントした縄跳びについて一方的に話し始めた。1日3分運動しろと伝えてあったが、よく調べると縄跳びは5分間の運動が必要なのだという。
けれども、難の反応が無い百音のことを不審に思い、優しく話を聞いた。

百音は、全ての悩みを打ち明けたわけではないが、気象予報士になったからと言ってすぐに誰かを助けられるわけではないと話した。しかし、今は合格に向けて勉強するしかないと言った。
菅波は、自分からは何も助言できることはないが、話を聞くことはできると答えた。

その控えめな回答に百音は少し安心した。
縄跳びをすると言って電話を切った。

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