NHK『ばけばけ』第2回

山瀬が復帰する!それだけでもう天にも登る思いの当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第2回めをNHK+で見ましたよ。

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第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

父・司之介(岡部たかし)は武士の矜持が捨てられず、働くことは恥だと思っている。祖父・勘右衛門(小日向文世)も隠居の身であり、食い扶持を稼ぐことをしない。母・フミ(池脇千鶴)が細々とした内職で家計を助けていたが、一家を支えることは到底無理である。松野家の貯金は今にも底をつきそうだった。

トキ(高石あかり)の通う小学校では、各々が将来就きたい職業を発表していた。トキは武士の娘として育てられており、女子が働くなど論外だと考えていた。そのため、他の子たちが活発に夢を語る中、小さくなっていた。

トキと仲のよいサワ(小山愛珠)は学校の先生になりたいと発表した。女は男ほど給金を貰えない中でも、他の職業と比べて教師は高給だと聞いたからだという。病弱で貧乏な両親を自分で養うことがサワの夢だという。

それを聞いたトキは大いに感じ入った。自分も教師になって一家を支えようと決意した。
その日、夕食の場でトキは家族に向かってその決意を述べた。父と祖父が武士のままでいられるよう、自分が一家の面倒をみると宣言した。家族は驚きながらも、トキの心意気を褒めた。

その頃トキは、遠縁の格式高い武家へお稽古に通っていた。そこの妻。雨清水タエ(北川景子)から茶の湯、三味線、華道などを習っていた。タエは武家の妻の鑑のような女性で、気位が高く、口調は物静かでも威厳に満ち溢れていた。

その稽古の日、トキは単刀直入に今日いっぱいで稽古をやめると言い出した。自分は小学校の先生になるつもりであり、それには茶も三味線も花もいらないというのが理由だった。付き添いで来ていた母・フミも突然のことに驚いてしまった。

タエは落ち着き払ってトキを諭した。武士の娘は嗜みを持ち、夫や家を支えることが本懐である。商いをしたり、教師になったりするなど、外で働くことなどすべきではないと静かに話した。
タエから水を向けられた母・フミもその冷酷な雰囲気に気圧され、一も二もなく頷いた。

その直後、タエの夫・傅(堤真一)が部屋に入ってきた。昨日まで髷を結っていた傅であったが、理髪店に行ってきた帰りだという。彼は自分の散切り頭を気に入り、妻や女中に一刻も早く見せたかったのだという。しかし、一同はあまりのことに言葉を失った。
唯一、トキのみがよく似合っていて立派に見えると本心から述べた。しかし、他の者たちは相変わらず黙ったままだった。もちろん、タエも黙ったままだった。

さらに傅は、織物工場を始めると宣言した。すでに武士の時代は終わり、これからは時代に即して生きていかねば路頭に迷うというのが傅の考えだった。
タエは、武士であった夫が商売を始めると聞いて、二の句が継げなくなった。

帰宅したトキは、傅のことを思い出してうっとりした。立派な大人物な上、散切り頭もよく似合っていた。加えて、お土産のお菓子までくれたのだ。自分の父は正反対である。傅が父であったらよかったとボヤいた。
そのボヤキが、ちょうど帰宅した父・司之介に聞かれてしまった。拗ねる父に対してトキは、よその家のことは気にせず、司之介は司之介らしく武士を続けてほしいと話すのだった。

ある日、学校から帰ってくると見知らぬ客人(田中穂先)が父と一緒にトキの帰りを待っていた。彼は風呂敷で覆った大きな荷物を持っていた。
風呂敷を取り除くと、そこにはカゴに入った一羽のウサギがいた。トキは思わぬことに喜んだ。

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トキ(福地美晴)の本心がよくわからず、僕は困惑しています。ていうかまとめ記事も書きにくい。
武士の娘としてよく躾けられて育ったようで、礼儀作法や言葉遣い、生き方の考えなどはしっかり身についているようです。その一方で、言動の端々に武家としての生き方を否定しているようにも見えます。武士を捨てた雨清水傅(堤真一)に憧れる一方で、武士にしがみつく父・松野司之介(岡部たかし)を受容していたり。
どういう人物として主人公を捉えればいいのかわからなくて困ってしまいます。

朝ドラでよくあるパターンとしては、旧態然とした家族に反発心を持っていて、そこから飛び出して社会で活躍するみたいな感じだと思うんだけれど、そういうふうに見えないし。逆に、旧態然とした生き方にすっかり染まっているんだけれど、先進的な人物との劇的な邂逅があって新たな生き方を獲得していくとかもあるよね。
そういうのだとわかりやすいんだけれど、今回はどうも掴みかねてます。

単に僕の好みの問題で、分かる人には分かってるし、面白がってる人もいるのかもしらんけど。

『ジョゼと虎と魚たち』の勝ち気で細身で粗野な関西弁の池脇千鶴さんが大好きだった僕は今のいけわきちd・・・
いや、山瀬が帰ってくるから何でも許せる。山瀬の変化を受け入れた俺なので、池脇千鶴さんの変化だって受け入れられる。

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