大学の話をしましょうか / 森博嗣

名古屋大学工学部建築科助教授にして、売れっ子ミステリー作家である森博嗣氏(森博嗣の本を amazon.co.jp で買う)が語る大学論。
聞き手の質問に森氏が答えるというインタビュー形式。インタビューは2005年夏に行われたものであり、話題はコンテンポラリー。たとえば、ニートの問題などに対して、森氏の「独特の視点」から語られている。

「独特の視点」というのは、巷にあふれる “いわゆる有識者” の意見や “世論” とはかなりかけ離れていると僕が感じたので、そう表現した。
上に上げたニートの問題に対して、森氏は

働かなくても良い感興があれば、誰だって働きたくない、それは至極当然のことではないでしょうか?何故働かなければならないのか、ということに大人はどう答えれば良いでしょうね?

と答えている(p.22)。

社会問題に対して「悪いことばかりじゃない」と主張し、多角的な視点から言及している点が面白い、というか僕のフィーリングに合う。
ただし、前書きに当たる部分で

僕は、こういう視点もある、という一例を示すことしかできません。

(p.9)
と断っているので、その点だけは忘れずに読む必要がある。
それでも、繰り返しになるが、彼の視点は独特で面白い。

彼のように考えることができる人が世の中に増えたら、もっとフレキシブルで住みやすい社会になるんだろうなと思った。

最後に。
この本、題材としては大学にフォーカスが当たっているけれど、最近の若者(本書では大学生)を取り巻く状況に関する記述は、新たな視点を提供するので、多くの人に読んでもらいたいと思った(1章が割り当てられており、活字も大きく行間も広いので10分くらいで立ち読みも可能)。
「最近の若者は!」と憤りを感じたことのある人はいっぱいいるだろうし、そういう人は、この本の内容をちょっと考慮に入れて、クールに見直してみるといいかもしんない。

あと、2章は大学組織の話。国立大学の”お役所的非効率”の話がつらつらと語られているが、通常のお役所とか大企業の融通の利かない制度とかと照らし合わせて考えるのもいいかも。

3章は、森氏個人のお話で、なんで小説家になったかとか、そういう話。ここは正直、彼個人のことに興味のある人意外は楽しめないかもしれない。
ただし、3章の最後(かつ、本書のラスト)に載っている三重大学の同窓会誌に寄稿したエッセイは、森氏個人のことを一切知らず(僕、彼の小説も論文も一切読んだことがない)、三重大学にゆかりのない人でもジーンとくる文章だと思う。立ち読み2分。ぜひご一読を。

追伸:
森氏の本を読み終えたので、社会問題への”オーソドックスな主張”をしている新書を読み始めた。
三浦展「下流社会」という本(ISBN4-334-03321-0)。日本の階層が上流と下流の2極へ分化し始めているという、最近流行の論調。
ダメダメ。データの解釈が恣意的。実際の所得格差と個人の階層意識を混交して議論する意味がわからん。「分析では、階層意識調査で『上』および『中の上』と回答した人を『上』、『下』および『中の下』と回答した人を『下』とする」(僕による要約)とか言ってるし。「中」として分析すべき人を、強引に”上”と”下”にカテゴライズしてるんだから、2極化するのはあたりまえジャン。Amazonのアフィリエイを載せる価値もない。なんでこんなのが「ベストセラー」として平積みされてるねん。

取り消し線のところは、特に気にしないでください。
きっと錯覚です。

機動戦士ガンダムさん(さいしょの巻) / 大和田秀樹

30過ぎてもガンダム ガンダムって・・・
どうかと思うね ボカァ!

とシャアがつぶやく衝撃の表紙。

角川書店から出ているガンダムパロディ物のコミックです。

著者の大和田秀樹氏のサイト(釘バットドットコム)も昔から有名。
5年位前までは、この本の元ネタと思しき4コマ漫画がサイトで公開されていたのだが、きっと大人の事情で現在は見れない。

僕はどちらかと言うと、「トニーたけざきのガンダム漫画」の方が、絵が緻密でキャラの”それらしさ”が立ってるので好き。

しかし、こちらはこちらで、ガンダムへのオマージュとしては成功していると思う。
シャアのこき下ろし方は、一日の長がある。

個人的な最大の見所は、p.108 に掲載されている、現代アニメ風”ボン!キュ!ボン!!”なララァ。
このカットで飯2杯。

「伝説の鈴木さん」と”渦中の末次さん”

ほぼ日刊イトイ新聞の人気(?)コーナー「言いまつがい」では、読者の身の回りで起こった”言い間違い”が”聞き間違い”が投稿されている。

2005年10月25日付けの「言いまつがい」に、「伝説の鈴木さん」というネタがあった。
はじめの2行を読んで、オチが読めた。
ていうか、デジャブかと思うくらい、100%展開が読めた。
つーか、これ昔から有名なジョークじゃん。

嘘だと思ったら、「伝説の鈴木さん」でぐってみ

編者が世の中の森羅万象の出来事を知っているという保障はないので、そうとは知らずに載せてしまったのは仕方ないと思うので、鬼の首を取ったように威張るわけではないけれど。
この話が作り話などではなく、実際にあった話で、しかもその体験者が以前にネット等に発表して、もう一度「言いまつがい」に本人が投稿したのかもしれないけれど。

しかし、なんとなく腑に落ちないなり。


腑に落ちないと言えば、人気漫画「スラムダンク」のバスケットボールの構図をパクったとして(参考:スポニチのWEBニュース)、少女漫画家がつる仕上げを食らった件。講談社のサイトにも広報室および渦中の末次由紀さんのコメントが載っている

末次氏の問題の描写を確認していませんし、基本的に「スラムダンク」は読まない人間なので、両者がどの程度似ていたのかは僕は確認していませんが。
しかし、試合のシーンをパクったくらいで、こんな大事になるのかねぇ。末次氏には、連載打ち切りに加え、過去の全単行本の絶版・回収が決まっている。

どんな作品かぜんぜん知らないのだけれど、「愛すべきスラムダンクへのオマージュです!」と適当にごまかす、熱い思いを述べておけばおとがめなしだったのかなぁ。

・・・とか思ったら、検証サイト (漫画家・末次由紀氏 盗用(盗作)検証)があった。
こりゃすげー。(やった方も、調べた方も)

回収騒ぎになるはずだわ。


そういや、僕のところに”某社の某氏”を中傷する怪文書が届いた。
なにやら、その人は海外ジャーナルの論文を剽窃したり、仲間の未発表の研究を自分の論文として発表しているそうで。

ふむー。本当だとしたら、けしからんけれど。
けれど、”某社の某氏” に該当する人は、僕が調べた限り存在しない。
ていうか、イニシャルで指名されていたんだけれど、イニシャルを一つ書き換えたら、僕になるし。
ぎゃふん。僕って、そんなに人から恨まれることしたかなぁ。

濡れ衣を晴らすために、同僚に述べた一言。
「僕じゃないっすよ。他人の論文パクるどころか、論文書いてねーし。」
非常に説得力はあったが、自分で言っていて痛かった。周りも痛い顔をしていた。


結局、何が言いたいかというと、別に何も言いたくない。
清く正しく、創造的な活動をしたいと思っただけ。

淋しい大人たち

どういうわけか、一条ゆかりの「有閑倶楽部」をブイブイと読んでいる当方。

現在、12巻まで読了。

とりあえず、わかった。
有閑倶楽部のネタは「誘拐」「殺人」「幽霊」「海外旅行」の4種類で回っている。

マンネリと言うなかれ。
お約束はお約束として楽しむ、大人の余裕が欲しい。

なお、有閑倶楽部オフィシャルサイト相性占いをやってみたところ、美童グランマニエという結果が出た。
彼は男性なので相性が良くてもあまり嬉しくないのだが、なんとなく彼のことが他人と思えない自分がいて、ちょっと複雑な思い。

ちなみに、「有閑倶楽部の3人の女性陣のうち、誰を彼女にしたい?」と聞かれたら、「どれもイヤ」と答えておきます、とりあえず。

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機動戦士ガンダム0079カードビルダー

GundamBed.jpg

木公もびっくり。

機動戦士ガンダム0079カードビルダーというアーケード・カードゲームが年内にリリースされるらしい。

このゲーム、プレイヤーはカードを購入し(パックの中にはランダムにカードが封入されている)、それを使ってゲームセンターで対戦するらしい。

お小遣いを全部つぎ込んでしまいそうで心配と言えば心配だが、一日も早く遊びたいなり。

広辞苑の女

中学生くらいの時だった思うけれど、深夜番組でのネタ。
「マジンガーZ」の主題歌に、適当なタイミングでノイズ(TVなどで不適切な音声に対して”ピー”と入れるやつ)を入れると、なまらエロく聞こえるってネタ。

ここでは音声が用意できなかったので、伏字にして載せてみます。
皆さんは伏字の部分で「ピー」と口ずさみながら、想像力を発揮してみてください。

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携帯変換

知り合いのねーさんがた(この人とか、この人とか; mixi ユーザー限定)が、「携帯変換」というのをやってた。
五十音の各文字を入れて変換して、どんな言葉が第一候補として出てくるか調べて遊ぶらしい。
んなわけで、やってみた。

あ:愛
い:家
う:美味い
え:駅
お:送ろうか
【寸評】
いきなり「愛」で始まるところが、なんとなくトホホ。
「駅→送ろうか」のコンボは、良い人のフリをして、暗がりに連れ込んで猥褻な行為におよぶという偽善者っぽくてイヤ。2つ前には「家」とあることから、家まで送る約束してるんだな、きっと。心の中では「美味い」女だぜグヘヘとか思ってそう。

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席を譲らなかった若者 / らくだのひとりごと

私の向かい側座席の前には男性1人、女性2人のハイキング帰りらしい高齢者が立っていた。私に背中を向けているから時たま見える横顔で判断するしかないが、60代半ばぐらいか。彼らの目の前の座席には若者2人と50代ぐらいの女性1人が座っている。若者は2人とも茶髪、1人はサングラスをしていた。

続きは、らくだのひとりごとというブログの「席を譲らなかった若者」を読むこと。

賛否両論あるだろうけれど、社会のあり方について考える良い教材だと思う。