医療市場の是

【注: 2008/01/04追記】
以下の文章には、特定の境遇にある人々(貧困層)を蔑視しているようにとれる表現が含まれています。これは、なるべく読み手の興味をひきつけようとして、あえて扇情的な表現を使用したためです。表面上の表現とは異なり、筆者自身は貧困層の支援をする方法をマジメに提案しているつもりです。その点を勘案の上、本文をお読みいただければと思います。


「患者の皆さん、あきらめてください」(天国のビザ)という、界隈でちょっぴり話題になってる話。

95歳の認知症の男性が入院し、AB型の血液の輸血が必要となった。しかし、血液が不足していて、治療に十分な血液が手に入らなくなってしまった。

患者の家族は、どんな手段を使ってでも治療をして欲しいと訴える。
それに対して、このブログの著者でもある医師は、この患者の治療にあまり積極的になれない。理由は、医療資源(この場合は血液)は有限であり、その使い方や優先順位を考慮すべきだと考えたから。同じ量の血液を使うなら、そもそも寿命の迫った老人と、それよりも長生きする可能性の高い若者と、どちらに輸血するのが適切か。
#なお、最終的にどういう判断をしたのかは、本文中には書かれていないので分からない。

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最低賃金

最低賃金は、労働者に最低限の生活水準を補償するために設けられている制度。
しかし、賃金単価が上がることで企業は労働者を雇いたくなくなるので、失業が増える。
また、今すぐ働くことのインセンティブが高くなる。つまり、教育を受けて将来高い賃金を得るように努力するよりも、最低賃金法のオマケが付いた賃金を今すぐ貰ったほうが良い。だから、職業訓練を受ける人が少なくなり、非熟練者が増える。

さらに、こんな問題も。

最低賃金労働者のすべてが、家族を貧困から脱出させようと努力している所帯主であるわけではない。実際、最低賃金を稼いでいる人のうち、所得が貧困ラインを下回る過程の人間は3分の1未満である。彼らの多くは、余分に支出するお金が欲しくてパートタイムの仕事で働いている中流階級の家庭の若者なのである。

『マンキュー経済学: ミクロ編 (2版)』 p.169

一律に最低賃金を決める(中流階級の最低賃金も高まる)よりも、所得の少ない人に政府が補助金を与える(本当に生活できない人だけを助ける)のが、より良い方法だ。