連続テレビ小説「だんだん」 第11回

連続テレビ小説には3つの波がある。半年でドラマが完結するという波(長波)、1日15分という放送枠(短波)、そしてもう一つは1週間を単位としたミニストーリーが展開されるという構造(中波)である。そんなことに注目している当方が、「今日は金曜日だし、遅くとも今日はミニストーリーの起承転結のうち”転”があるはずだ!」と睨みながら「だんだん」の11回目の放送を見ましたよ。


松江のめぐみ(三倉茉奈)は、自分の真の両親を知るためにさまざまな人にさりげなく話を聞いて回る。しかし、真相を知る者はみな、話をはぐらかす。その態度にますます疑惑を抱くのだが、ついには真相を知ることが恐ろしくなり、事実から目を背けることにする。
祇園ののぞみ(三倉佳奈)は甘い祖父につけこみ、置屋では所有の禁じられていた携帯電話を密かに入手する。簡単に連絡が取れるようになったことに気を良くし、「双子としてまた一緒に歌いたい」などと伝えるが、相手のめぐみからは真実を知りたくないという決別の言葉が返ってくる。





先週のラストから今週初めころまでの展開では、めぐみはのぞみと一緒になることを望んでいたが、のぞみはそうではなかった。しかし、今日の時点では、それぞれの思いが逆転しているという構成の妙。ふたりの間でバトンを渡しあっているように見えてきて、なかなかと感心させられる(別のたとえをすれば、導火線に火のついた爆弾をふたりでパスしあうコントのように見えなくもない)。

いつの間にか心境が入れ替わっていたという結果には感心するのだが、そこに至るプロセスはどうも感心しない。あれほどめぐみとの交流を避けていたのぞみは、花席で産科医の一言を聞いただけで一気に心変わりをしてしまう。なんの脈絡もなく、いきなりである。物語のあらすじとしてはそれでいいのだが、位置づけとしては山場のはずだから、もっと肉付けをして丹念に描いて欲しかった。一方、松江のめぐみの方も、急に真相を知りたくなくなった理由がいまいちわからない。幸せな今の生活が壊れるのがイヤだったんだろうなぁ、と脚本に好意的にみてあげればいいのだろうか。

主人公が何かに悩んで、それを克服しなければならないというドラマの作法による制約があるのはわかる。でも、その制約を満たすために、強引に悩みを植え付けられたり(めぐみに対して)、もしくはいつの間にか悩みが吹っ切れていたりすると(のぞみに対して)、見ているほうはしらけてくる。


主人公二人の心境が入れ替わったという点では、ストーリーの「転」があったようだ。しかし、あまり劇的な転回ではないよなぁ。明日の土曜日にどういう落とし前をつけるのか、気になって待ち遠しい。

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