NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』第20回

 今日の近畿地方は雨。しかし、夕方にはあがるため、帰宅時に傘の置き忘れに注意しろと気象情報で聞いた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第20回めの放送を見ましたよ。

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 茂(向井理)の屁に対して、彼の父(風間杜夫)は古今東西の屁のエピソードを披露することで場を和ませた。一瞬ドキりとした布美枝(松下奈緒)ではあったが、動じない茂の飄々とした態度に悪い気はしていなかった。

 下戸の茂は、勧められるがままに酒を飲んでしまう。
 布美枝の父(大杉漣)は娘のために安来節を歌う。彼の歌は、今までに自分の結婚の初夜と妻が倒れて看病したときの2度しか披露されたことの無いとても珍しいものである。彼の愛情がその歌に込められていることを知っている布美枝は感激して涙を流す。

 しかし、布美枝の父の歌が始まったために中座できなくなり、我慢の限界に達した茂は酔いつぶれて倒れてしまった。

 茂の数々の失態に対して、布美枝の親族たちは不安を口にする。それに対して布美枝は、父の歌が終わるまで席を立たなかったことは、礼儀正しく気の利く人物であるのだと彼をかばう。ただし、本音では彼女も不安でいっぱいなのだが、家族に心配をかけないよう気を利かせて気丈に振舞っているのだった。

 式が一通り終わり、布美枝は茂の実家に一泊し、翌日東京へ発つことになった。茂は相変わらず酔いつぶれたままであったが、布美枝は実家の家族へ爽やかな挨拶をして別れていくのであった。

 その晩、茂はまだ酔いが覚めず、一人で引っ込んでしまった。居間に残された布美枝は、茂の母(竹下景子)から彼の事を頼むと頭を下げられる。布美枝もまた、嫁としてしっかりと挨拶をするのであった。

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 15分の間に、笑いと涙の忙しい展開。
 屁エピソードの笑いで開始し、布美枝の父の安来節でしんみりと涙を誘う。そして、ラストは布美枝と茂の母が互いに「いやいや、こちらがお世話になります」と頭下げ合戦を開始し、それを尻目に一人でお茶を飲んでいる父がツッコミを入れて落とすという、ソツのない泣き笑い展開。
 よくできた脚本ですな。

 過去に一度、布美枝の母が疲労のため倒れたことがある(第6回)。その時、封建的でぶっきらぼうな父がつきっきりで看病をした。その時、初夜の事を思い出しつつ安来節が歌われた。父の隠された愛情深さを布美枝らが垣間見るというシーンが過去にあったのだが、その伏線が見事に回収されたの素晴らしかった。
 細かいところまで見逃せない脚本なので、見るのに気を使う。嬉しい悲鳴。

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