次作『てっぱん』の出演者に関する報道を見て、尾美としのり、柳沢慎吾、川中美幸、赤井英和あたりのラインになんとなく衝撃を受けた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第40回めの放送を見ましたよ。
「消えた紙芝居」
杉浦(上條恒彦)が訪ねてきて、一晩明けた。茂(向井理)はふたりで出かけてくると言って、布美枝(松下奈緒)に小遣いをせびる。
貸本屋に鬼太郎がたくさん並んでいたのを見ていた杉浦は、茂は儲かっていると信じている。だから、彼に金を借りようと思っているのだ。しかし、杉浦はそれをうまく口に出すことができずに、ちぐはぐな話しかできないでいる。茂自身も極貧状態にあるのだが、それを杉浦に知られないようにと取り繕っている。
杉浦はもう1泊することになり、ふたりは揃って帰宅した。茂は仕事にとりかかり、布美枝が買い物で留守の間に、家の中を物色する杉浦。ちょうど布美枝が帰宅した。杉浦が退屈しているように見えたため、布美枝は彼を深大寺に案内することにした。そこは茂に初めて連れてきてもらったところであり、茂の大好きな墓場もある所である。
墓場では、貸本屋の美智子(松坂慶子)に出くわした。誰の墓参りなのか言葉を濁す美智子であった(墓前にはメンコやチョコレートが供えてあるが、布美枝の位置からは見えない)。すると美智子は、杉浦に気づいた。店で鬼太郎を全巻立ち読みした人ではないかと訪ねる。すると、杉浦は気まずそうに立ち去ってしまった。後を追った布美枝と一休みしながら、紙芝居に対する心からの情熱を語る杉浦であった。
ふたりが出かけている間に、浦木(杉浦太陽)が茂を訪ねてやって来た。彼は2つの噂をもたらした。
一つは、神戸の杉浦が金の無心のために東京に出てきたという話だった。すでに茂のところに身を寄せているとは知らない浦木は、気をつけろと忠告をする。
もう一つの噂は、出版社の富田社長(うじきつよし)が商売の手を広げて、また失敗したという話であった。茂の原稿料が支払われないのは、戦記物の失敗の穴埋めというのはウソであり、新事業につぎ込んだのだという。このままでは、踏み倒されるおそれがあると入れ知恵する。
富田社長の話を聞いた茂は、頭に来てそのまま家を飛び出して行った。原稿料回収の手伝いをして手数料をせしめようと思っていた浦木は、そのまま茂の帰宅を待つことにした。
しばらくして布美枝と杉浦が帰宅し、浦木と顔を合わせる。杉浦は浦木の姿を認め、昔貸した金を返せと問い詰める。立場の悪くなった浦木は、ほうほうの体で逃げ出すのであった。
不穏な時は、小手先のギャグで話を和ませるという、本ドラマの演出が今日も炸裂。喫茶店で金の無心をしたいのだが、それをなかなか言い出せない杉浦のセリフにそれが出てきた。
茂に向かって「景気が良さそうじゃないか」と言おうとするのだが、言い出せない。「景気、景気・・・」とモゴモゴ言っているうちに、隣の客の食べているケーキに目が留まり「ケーキを・・・」なんてことになったり。小遣いがなくて困っている茂だが、杉浦のためにケーキをおごる。なお、カネがないので1個だけしか注文できない。
同様に、杉浦は「金を貸してくれ」と言いたいのだが、「金を・・・、金を・・・」と口ごもる。すると別の客のカレーライスに気づき、「カレーを」などと言ったり。さすがにカレーは注文しなかったが、その日の夕食としてカレーライスを作るように布美枝に命じる茂であった。カレーライスを作るとなると、肉を買いに行かなければならないので、またしても出費がかさんで肩を落とす布美枝。
てなわけでベタなギャグ満載でしたが、話の進展としては、いよいよ杉浦の窮状が茂の知るところとなったわけである。しかし、当の茂は、杉浦のことよりも自分の原稿料が危ないことを知って飛び出していったのだけれど。
さて、明日辺り、茂が飛び出していって留守の家の中で、茂がいないことに焦れた杉浦が布美枝に金の無心をするという展開になるんじゃないかと軽く予想。家でのやりとりと、出版社でのやり取りが平行に進む形になるんじゃないだろうか。
で、杉浦の話を聞くうちに同情してしまった布美枝が、なんとかお金を工面して杉浦を助けようと決意する。それを経て、土曜日あたりの放送で、丸く収まって(理由は想像が付かないが、杉浦は借金せずに身一つで働くことを決意)、ハッピーエンドじゃないかと想像している。
ところで、神戸の紙芝居屋の杉浦が、まったく関西弁を話さないのはアリなんですか?