NHK『カーネーション』第12回

それが見るに耐えないほど酷いものだと言うつもりは全くないが、尾野真千子の左こめかみにある大きなホクロがどうしても気になってしまうので、どうか左側からは撮影しないでくれと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第12回目の放送を見ましたよ。

* * *

第2週「運命を開く」

店の資金繰りが上手くいかないことで、善作(小林薫)はふさぎこんでいる。しかし、家族は誰一人として原因に気付いていない。妻の千代(麻生祐未)などは、腹に虫がわいたと思って、呑気にも薬を買ってくるほどだった。

大地主(石田太郎)の娘の嫁入り衣装を請け負ったことで起死回生を目指していたが、問屋から反物を仕入れる金もない。どうすることもできなくなった善作は、大地主に正直に打ち明けて仕事を断ってしまった。
大地主は怒りはしなかった。むしろ、善作の今後について心配してくれた。ただし、商売は一度失敗すると坂道を転がるように没落していく、店をたたむなら早い方が良いとアドバイスするのだった。
頭でそれがわかっている善作であったが、どうしても踏ん切りが付かなかった。

糸子(尾野真千子)の女学校は夏休みが終わり、新学期が始まった。夏休みの間はおとなしく家にいた糸子であったが、学校の帰りに寄り道をして、父から出入りを禁じられていたパッチ店を覗いた。中からは店員たちの威勢のいい声やミシンの音が聞こえてきた。それらの音を聞いているだけで満足した糸子は、素直に家路についた。

ところが、帰り道の途中で、幼なじみの勘助(尾上寛之)が同級生にいじめられているのを見つけた。糸子は彼を助けようと思い、2人の男子に飛びかかった。しかし、小学生の頃とは違い、あっさりと返り討ちにあってしまった。
それまではやられるがままだった勘助であったが、糸子の窮地を傍観しているわけにはいかなかった。勇気を振り絞り、自分も加勢した。けれども、勘助も簡単にやられてしまった。

ふたりはボロボロになり、糸子は勘助に背負われて帰宅した。勘助が事情を説明しようとすると、何も言わせないうちに、糸子は勘助に物を投げつけて追い返してしまった。そして、そのまま糸子は布団に寝込んでしまった。

糸子は悔しかったのだ。弱虫で自分の庇護の下にあると思っていた勘助に、逆に助けられたことが悔しかった。男は成長につれて力が強くなっていくのに、女はそうならないことが悔しかった。女である自分は、これから一生男に勝てないのだと思うと悔しかった。だんじりに乗れないことが悔しかった。唯一自分の生きがいである洋服やミシンを父から禁じられていることが悔しかった。
もう自分の人生はお終いだ。そう思うと、普段は絶対に人前で涙を見せない糸子が、祖母(正司照枝)の前で号泣した。

善作は、その様子を陰から覗き見ていた。
翌朝、善作は糸子に声をかけた。だんじり祭が終わったら、女学校を辞めてパッチ店で働くことを許可するという。糸子は有頂天になった。父が話し続けているのにもかかわらず、ニヤニヤして大はしゃぎした。
善作は糸子を落ち着かせると、働きに行かせるのではなく「勉強をさせに行くのだ」ということを強調した。しかし、糸子はパッチ店に行けることが嬉しくて上の空だった。勉強という意味が少しもわかっていなかった。

そして今年も例年通り、勇壮なだんじり祭が行われた。

* * *

ラストシーン、笑顔でだんじりを応援する糸子の姿に目が潤む。明るい未来と大好きなだんじりで、すんげぇ楽しそうな表情なのだ。
「良かったねぇ、良かったねぇ」と心の底から、こちらまで嬉しくなる展開。

今まで朝ドラはずいぶんと見てきて、何度も泣かされたけど、「良かったねぇ、良かったねぇ」という気持ちになったのは初めてのような気がする。これまでの当方の琴線は、一見ヒロインに対して酷い行為を行うのだけれど、実はそれはヒロインの弱みを救うというシーンに対して反応していた。脇役たちの親切心や愛情に反応していて目がうるうるしていた。

それが今回は、純粋にヒロイン自身の心境に共感してグッと来た。
ヤバイ、このドラマは本当にハマる。脚本も演出も、尾野真千子の演技も本当にケチを付けるべき所がない。

これまで、姿を見せていなかった地主の娘が登場し、それが丸々太った不細工ちゃんだったというのにはクソ笑ったけどね。演じてるのは酒井藍という吉本の芸人さん。

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