NHK『カーネーション』第34回

昨夜、数カ月ぶりにジョギングをしたら、今朝は全身筋肉痛に襲われて難儀している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第34回目の放送を見ましたよ。

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第6週「乙女の真心」

今年の夏は暑くなった。
ロイヤル紳士服店では、雑用のほとんどが糸子(尾野真千子)に押し付けられていた。糸子が炎天下で一人で作業している間、店主(団時朗)と他の従業員たちは屋内でティータイムを満喫していた。

店主の自慢話に、従業員たちはお世辞を言って彼のご機嫌をとっていた。店主によれば、自分はいつまでも岸和田の田舎者を相手に商売するつもりはない。近い将来、心斎橋や東京に進出するつもりだと大きな事を言っていた。

そんな話をしている矢先、ダンスホールの踊り子・サエ(黒谷友香)がロイヤル紳士服店に現れた。店のことは糸子から聞いた、自分のためにイブニングドレスを仕立てて欲しいと言うのだった。
すぐに糸子が店内に呼ばれた。店主は、糸子が心斎橋百貨店の制服を作ったことを紹介し、婦人服に詳しい糸子なら完璧な仕事をこなすだろうと推薦した。この時、糸子はイブニングドレスが何なのか知らなかったが、洋服に詳しい店主なら助言してくれるだろうと思い、控えめながら仕事を引き受けることにした。

早速サエの採寸が始まった。ふたりっきりになった糸子は、勘助(尾上寛之)のことをおずおずと尋ねた。しかし、サエは騒動を起こした勘助などにはこれっぽっちも会う価値がないと面白くなさそうに答えた。とりあえず勘助が更生したことに安心し、糸子はそれ以上何も言わなかった。後に勘助の母(濱田マリ)に聞いてみたところ、その話に嘘はなかった。

現在、サエら岸和田の踊り子は和服にエプロンという出で立ちでダンスをしている。サエは、自分の上客にその姿をバカにされたという。東京などのダンスホールでは女性はイブニングドレスを着ているが、岸和田の踊り子は田舎くさいと笑われたのだという。勝気なサエは、その客を見返したいというのだ。前金として、10円もの大金を躊躇なく置いて帰っていった。あとで知ったことだが、一流の踊り子ともなると、月に軽く300円は稼ぐのだという。

店主は金払いのいいサエにほくほくした。
サエがいなくなったので、糸子は店主にイブニングドレスがどういったものなのか詳しく聞こうとした。しかし、店主も自分は紳士服専門だからと言って、何も知らないことを白状した。これは糸子の仕事だといって、全ての責任を押し付けた。多額の前金を手にしたことで、店主は今さら仕事を断るつもりもなかった。

困った糸子は、ファッションに詳しい八重子(田丸麻紀)にダンスホールの新聞記事を見せてもらったり、舶来物をたくさん持っている神戸の祖母(十朱幸代)にイブニングドレスを見せてもらったりした。それでおよその感じを把握できた。

一方で糸子は、人は老いてゆくという自然の摂理を生まれて初めて意識しはじめた。
勘助の母が奈津(栗山千明)から聞いたという話では、彼女の父は倒れて寝込んだままだという。奈津は母(梅田千絵)と助けあってなんとか料亭を切り盛りしているが、結婚式は延期になったままだという。
神戸の祖母も体調を崩して寝ていた。本人らは風邪をこじらせただけだと軽く言っているが、明らかに様子がおかしかった。あまり喋ろうとしないし、大好きなカステラにもほとんど手を付けられずに残してしまっていた。

自分の父・善作(小林薫)も最近はまったく覇気がない。酒ばかり飲んでは、酔いつぶれて布団に入らずに朝まで寝ていたりする。糸子を怒鳴る声にもめっきり元気がなくなった。糸子は、善作のことを少し見くびるようになった。
けれども、彼の気持ちがわからないでもない糸子だった。歳をとり、店も潰れる瀬戸際にある。目をかけていた長女・糸子が、自分の期待を裏切って商売人として使いものにならない。酒に溺れるのも当然かも知れないと思うのだった。

* * *


ここ数日、裁縫職人としての挫折と成功という成長物語が続くのかと思っていたら、成長は成長でも、人生のライフサイクルっつーか、人が老いるということまで絡めてきやがった。
ビビった。すげぇ。かなり意欲的なシナリオだ。神戸のおばあちゃんが急に寝込んでいるのは都合が良すぎる気もするが、そこは大目に見よう。善作と同年代である、奈津の父がしばらく前に倒れていたという伏線がちゃんと本日きれいな形で回収された。善作に絡めてくるとは、なかなか想像がつかないロングパス伏線だなぁ。

コメント (2)

  1. nekobasan

    今日もありがとうございました。
    昨日はいつもの電車に乗り遅れたものでこちらも楽しく拝読しました。(8:20までにアップいただければ快適トンネル生活です)
    初めは京阪奈 猫 などのキーワードからたどりついて
    ブログ読ませていただいていたのですが、朝の連ドラ日記にも
    すっかりはまってしまいました。
    あるにゃんカレンダーはネコ先輩の分と2つ、購入済です。
    ちなみに四神のロータリーは最寄り駅です。

    • 木公

      四神ロータリーといえば、普通列車しか停まらないあの駅ですね。両隣は特急を含めて全ての列車が停まるのに。

      これから8:20を目標に書き上げるよう努力しますです。でも、内容が濃いからまとめるのにも時間がかかるんですよ、今回のドラマ。

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