NHK『カーネーション』第36回

今朝はオープニング・テロップを見ながら「???」となった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第36回目の放送を見ましたよ。

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第6週「乙女の真心」
サエ(黒谷友香)と喧嘩別れしたことで、糸子(尾野真千子)は店主(団時朗)に激しく叱責された。他の職人たちが帰った後も、長く怒鳴られていた。

やっと解放され、店から出ると同僚の川本(駿河太郎)が待ってくれていた。糸子が泣きながら出てくると思い、慰めてやろうと思っていたのだ。
しかし、意外にケロッとした様子で川本はあてがはずれた。それでも、川本はかき氷を食べに誘った。

かき氷をペロリと平らげ、この暑いなか休むことなく怒鳴り続けた店長の方が大変だったに違いないなどと、糸子は少しも悪びれる様子がなかった。けれども、洋服づくりに没頭すると儲けを度外視してしまう悪い癖があるのだと川本に打ち明けた。父(小林薫)にも叱られた過ちを繰り返したことを反省するのだった。
そこまで話して一人で満足してしまうと、糸子は後ろを振り返ることもなくさっさと家へ帰ってしまった。川本はもう少し糸子と一緒に居たかったのだが、それを口に出すことはできなかった。

翌日は激しい雷雨になった。
そんな悪天候にもかかわらず、サエが再びロイヤル紳士服店にやって来た。

サエは糸子に正直な胸の内を語りだした。
自分は客のことを単なる金づるだと思い、彼らを適当にあしらうように踊りの相手をしているのは真実だ。岸和田の客には、どうせ踊りの良し悪しなどもわかるはずがない。
しかし、一人だけサエの踊りを褒めてくれた客がいた。その人は、彼の仕事の世界で成功している立派な人物である。道を極めた人に認められたことはとても嬉しかった。サエには踊りの才能があると認め、修行を積めばもっと上手になると言ってくれた。けれども、自分は精進することもなく、相変わらずその場しのぎの仕事しかしなかった。そのうち、その客にも指名されなくなってしまった。

その客というのが、サエにイブニングドレスのことを話した客であり、サエがドレスを見せたい相手だった。衣装をいくら着飾ったところで、中身が変わるわけではないことはわかっているが、どうしても着たいのだと、サエは本心を語った。

糸子はその話に感じ入るものがあった。糸子は洋裁講師・根岸(財前直見)の教えを常に忘れていない。人は着るものによって中身が変わると信じている。
糸子はサエのドレス作りを再び請け負うことに決めた。そして、自分が全身全霊をかけて一流のドレスを作ると約束した。サエに対しては、その一流のドレスに吊り合うだけの踊り子になるよう精進しろと、傲慢ながらもサエを勇気づけるに十分なエールを贈るのだった。

それからふたりは二人三脚でドレス作りにとりかかった。生地選びや試着、仮縫いなどを何度も繰り返した。糸子は少しも妥協を許さなかった。サエも嫌な顔ひとつせず付き合った。納期が遅れることも気にしなかった。ふたりは目標に向かって最大限の努力をした。

そしてついに、満足の行くイブニングドレスが完成した。
その日の夜、早速サエが着用するというので、糸子はダンスホールの見学に行った。そこでは、サエは男性客に取り囲まれ、ひっきりなしに指名を受けていた。ホールの真ん中で踊る姿も華やかで、堂々として見えた。糸子もそれを見て満足だった。

しばらくすると、上等な身なりをした男がホールに現れた。彼が入ってくると、店内は時が止まったかのように静まり返った。サエを取り囲む人垣が自然に崩れ、その男は一直線にサエへ向かって歩いた。サエは何も言わず、優雅に彼の誘いを受けた。
意中の客と踊るサエは、さっきまでの様子に輪をかけて美しかった。ホールにはふたりの他には誰もいないかのように見えた。

ただし、その客というのは歌舞伎役者の春太郎(小泉孝太郎)だった。糸子がこの世でもっとも嫌いな男の一人だった。彼のニヤケ顔を見ていると胸がムカムカしてくるのだった。

ちょうどその頃、奈津(栗山千明)の父親(鍋島浩)がこの世を去った。
* * *

やばい。やばい。

最初の話題。
春太郎(小泉孝太郎)に全部持っていかれた。テレビを見ながらゲラゲラ笑い、テーブルをバシバシ叩き、腹を抱えてしまった。

オープニング・テロップで小泉孝太郎の出演を見て、「???」となっていた。春太郎は東京が拠点の歌舞伎役者と思われ(関西弁が下手だと描かれている)、大阪に来たとしてもせいぜい心斎橋までだった。これまで岸和田には一度も登場していない。それに今週の流れにどう絡むのかも全く読めなかった。

それが、実はサエの意中の男だったと言うのだから笑った。確かに春太郎は女癖が悪く、これまでの登場シーンは全て同伴する女が違う。まさかサエにまで手を付けていたとは!!!後にして思えば、なるほど、うまいなと思うが、オープニングの時点ではさっぱり読めませんでした。

今日の本編に登場した時もずっと後ろ姿ばかりで、最後のダンスシーンで振り返ってやっと顔が写り、糸子も彼の正体に気づくという演出。いいねぇ、笑わせるねぇ。
僕はテロップで彼の出演を知っていたので、ダンスホールに高級車で乗り付けた時点で「あ!」と気づいたのですが、そこからはずーっとゲラゲラ笑いっぱなしでした。
いやあ、本当に良かった。


次の話題。
実は、昨日の時点で「今週の話は破綻している」と思っていました。
週の前半、駒子(宮嶋麻衣)の洋服を無償で作ったことで糸子は善作を激しく落胆させる。この時点で、糸子の成長の鍵は「金儲けのことを考える」という事になりました。そのため、ロイヤル紳士服店に修行に出されます。

修行先でサエのドレスを作ることになる。ところが、彼女と喧嘩別れしてしまい、せっかくの上客や儲けの機会を自ら放棄してしまいます。善作の教えが守られていないのはもちろんですし、ドラマの脚本が週の前半で提示した問題も完全に無視しているように見えました。

ついに本作の脚本にもヤキが回ったと思ってしまいました。

ところが。
本日、ちゃんとその件を回収。川本とのかき氷のシーンで、糸子が自分の課題をきちんと忘れていないことが語られていました。

この1シーンがあったおかげで、きちんと週の前半の駒子エピソードが活きました。しかも、トントンと糸子が成長していくのではなく、もがきながら成長していく様子を丹念に描いていることが分かります。

素晴らしいプロットです。

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