NHK『カーネーション』第42回

北大で日本人間行動進化学会第4回大会が開催されており、昨夜はたくさんの知り合いのセンセー方が札幌での飲食を楽しんだようで羨ましいなぁ、今日と明日の発表も面白そうだしいいなぁ、僕も行くことにすれば良かったなぁ、と今になってに残念がっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第42回目の放送を見ましたよ。

* * *
第7週「移りゆく日々」
昭和9年(1934年)、2月。
年内で末松商会を辞め、洋裁屋として独立するつもりだった糸子(尾野真千子)だが、それは叶わなかった。相変わらず、末松商会で働いていた。客がひっきりなしに訪れ、昼食すらゆっくり摂れない毎日だった。

ある日、仕事を終えて家に帰ってくると、店の戸がしっかりと閉められ、家はひっそりしていた。何よりも驚いたことは、小原呉服店の看板が降ろされていたことだった。


その前日、善作(小林薫)はある決意をしていた。

相変わらず呉服店の仕事はさっぱりで、もっぱら謡教室などの副業ばかりをやっていた。しかし、謡教室の方も弟子がどんどん減っていき、今では1人だけになってしまった。弟子の方も本当は辞めたかったのだが、自分が最後の1人かと思うと言い出しにくかったのだ。
ついに善作は教室を閉じることにした。弟子に将来のことを聞かれても、新しいことをするつもりはないと力なく答えるだけだった。

その夜、善作は吉田屋に商店街の旦那連中を集めて宴を催した。
若女将の奈津(栗山千明)は、珍しいことなのでそっと座敷の中を覗いていた。善作はいつになく真剣な表情で、これまで22年間呉服屋をやってきた礼と、これからのことで頼みがあると話し始めた。話の核心に迫った時、奈津は客の見送りに呼ばれた。急いで戻ってきたが、すでに善作の挨拶は終わっており、座敷の中は無礼講になっていた。結局、善作の決意が何なのか分からないままだった。


翌朝、またしても酔いつぶれた善作は、居間に転がったまま寝坊した。娘たちが出かけていく物音を聞きながら、物憂げに目を覚ました。娘らが全員家を出ると、ハル(正司照枝)は何かを言いかけながら善作を起こした。
ハルの小言を黙らせると、一人で外に出ていき、店の張り紙を全部剥がし、看板も降ろしてしまった。善作の決定に抗えないハルはもう何も言わなかった。千代(麻生祐未)は涙を浮かべながらじっと見つめるだけだった。


そして、その夕に糸子が帰ってきた。看板が降ろされ驚いていると、祖母のハルを残して家族全員がいなくなっていることにも気づいた。
ハルによれば、これからはふたりだけの生活が始まるのだという。
* * *

今日の放送は、神がかっている。とてもじゃないが、僕ごときがまとめ記事を書いて良い放送ではない。

本気で「善作が呉服店を閉め、ハルと糸子だけを残して、家族と一緒にどこかに消えました」の1文だけで終わらせようかと思った。それ以上書くことは不遜に思えた。

しかし、それはそれで、(数は少ないが)このまとめ記事シリーズを楽しみにしてくれている読者の期待も裏切るだろうことが懸念された。
そこで、自分なりに今日の放送の雰囲気を残すよう努力して書き起こしてみた。あまりうまくいったとは思えないが。放送を見た人は、僕の苦労の痕跡を見て、ニヤニヤしてもらえればと思う。

今日の放送は、上に書いた通り、「善作が呉服店を閉め、ハルと糸子だけを残して、家族と一緒にどこかに消えました」という内容しかありません。ところがそれを、断片的なシーンを次々に見せることで、核心を伏せつつ輪郭を浮かび上がらせるという演出がなされていました。
カッコつけて言うなら、レリーフのような脚本でした。

謡の弟子との会話や、親しい近所の商店主ら(上杉祥三甲本雅裕)の様子から、善作が何か重大な決心をしたことが分かります。そして、宴会を開いて、その内容を発表しようとします。

そこで、突然、会場となっている吉田屋の若女将・奈津の視点に変わってしまいます。奈津の憧れの泰蔵(須賀貴匡)も呼ばれてやってきたからです。彼のことが気になって座敷を覗き始めるという、なかなかニクい流れです。
そうすることで、宴会を垣間見ている奈津の視点と視聴者の視点をあわせてきたわけです。一体何が話されるのだろうかと、ドキドキしているところへ、奈津は他の仕事に呼ばれます。それで結局、話の内容がわからないわけです。
このもどかしい演出よ。

次にシーンが変わると、畳で寝ている善作のアップです。
彼の顔の前を、娘たちの足が通りすぎていきます。「行ってきます」などと言う声も聞こえてきます。何か重大な決心をしたはずの善作なのに、いつもと変わらない平和な朝の風景です。
何が起きたのだろうかと、視聴者はわけがわからなくなります。

ところが、その直後に思いつめた善作とハル、千代の行動が続きます。けれども、説明が無いので、何が起きたかわかりません。

そしてついに、糸子が仕事から帰ってきて、家のさらなる異変が提示される。ハル以外の家族がいなくなっている!
そこで、今週の放送はブツリと終了。
うわー、すげぇ。

ハンパねぇ。


その他の情報。
奈津の夫が初登場。名は吉田康夫(真鍋拓)。仕事中に芸妓にうつつを抜かすというダメキャラとして描かれています。奈津から叱り飛ばされるというシーンしかありませんでした(つーか、栗山千明様に罵倒されることは、僕たちマゾヒストの永遠の憧れだよね!)。
きっと、あまりのダメ男ぶりに夫婦関係に亀裂が入るとか、そういう将来が待っていることでしょう。

さらに、予告をみる限り、来週は糸子が結婚。
うわー、超展開!

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