誰が書いたかは知らないが、wikipedia の天本英世に「忘れえぬ人を想い続け、生涯独身であった。」と書いてあるのを見つけて、そのフレーズも、天本英世もカッコいいなと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第45回目の放送を見ましたよ。
糸子(尾野真千子)が店で仕事をしていると、神戸の祖父(宝田明)がひょっこり現れた。仲の良いふたりは、はしゃぎながら再会を喜んだ。
しかし、祖父の背後から善作(小林薫)が姿を表すと、糸子は怪訝な表情を浮かべた。折り合いの悪いはずのふたりが一緒にいる理由に心当たりがなかった。身近な誰かに不幸でもあったのではないかと、不安が募るばかりだった。けれども、彼らはにこやかで、これまでになかったほどふたりは親しげにしていた。
善作の話は、糸子の結婚についてだった。
糸子は21歳で適齢期、自分の店を開店させた直後でもあり、時期として申し分がないという。相手の川本(駿河太郎)も評判のいい好青年であり、婿養子になっても良いと言ってくれている。糸子が婦人服、川本が紳士服を担当すれば店の繁盛も間違いない。これ以上の相手はいないと強く推すのだった。
その場はそれで収まったが、糸子は全く結婚する気になれなかった。今は仕事のことで頭がいっぱいで、それ以外のことは全て排除しておきたかったのだ。
糸子は、良き相談相手の八重子(田丸麻紀)を訪ねた。しかし、八重子の意見も糸子に結婚を勧めるものだった。
八重子も糸子と同じように、自分の仕事を第一だと考え、結婚する気は全くなかった。自分は美容師として大成することを考えていた。親に勝手に進めた縁談で、結婚式の日まで夫となる泰蔵(須賀貴匡)に会ったことすらなかったという。けれども、今では強引に結婚を決めた親に感謝をしているという。嫁ぎ先の義母(濱田マリ)は髪結いであり、自分はそれを手伝うことで夢を実現できた。幸せな家族にも恵まれている。
今にして考えれば、無理強いした親にむしろ感謝していると言うのだった。
八重子の話を聞いて家に帰ると、母・千代(麻生祐未)が隣町から訪ねてきてくれた。
早合点した母は、糸子の結婚がすでに決まったものと思い、泣きながら喜んだ。母は川本に一度だけ会ったことがあるが、その時のことを引き合いに出し、あの男なら間違いなく糸子とうまくやれると言っておいおい嬉し泣きをした。
その母の様子が決め手となって、糸子は結婚することを承諾した。
結婚を決めてしまうと、その後は物事がトントン拍子に決まっていくし、周囲もにわかに騒がしくなった。会う人はみな、口々に糸子のことを祝福してくれたし、糸子の結婚式の噂で持ちきりになった。けれども、糸子はそれが却って気に入らなくてムシャクシャした。自分が晒し者になった気がして、少しも嬉しくなかった。
ある日、糸子の店に一人の客(はりた照久)がやって来た。彼は大八車に大量の生地を載せ、他の店で仕事を引き受けてもらえなかった、糸子が最後の望みだと言って必死にすがるのだった。かなり難しい仕事のように思えたが、彼の困った様子を見ていると助けてやらずにはいられなくなった。
糸子が結婚を決める経緯が、八重子のジャブと千代のアッパーカットというのが、僕にはよーわかりませんでした。あれくらいのことで、人生の大事である結婚(しかも、あまり乗り気じゃない)を決めるものなのでしょうか。
女心のわからない、少年の心を持ったオッサンの当方です。
それはそうと、婚約者の川本(駿河太郎)が回想シーンですら出てこないという、この流れに軽く吹いた僕がいます。
もう少しかまってやれよ。
相手を知らぬままの結婚(八重子)と
周囲から反対される結婚(千代)の2つに比べ
大きく拒む理由がなかった・・・からでしょうか?
そういった葛藤をあえてカットしているような気がします。
実際の所はよーわからんですけど・・。
そうか。葛藤をあえてカットして、後追いでいろいろ描くというシナリオかもしれませんね。ここまでの渡辺あやをみる限り、それくらいの工夫は入れてるかもしれないですね。
そして、他の女性ふたりに比べればマシかもしらんっつーのは、まさにそうかもしれない。