NHK『あまちゃん』第65回

毎朝通っているコンビニのカワイコちゃん店員さんとは事務的な会話以外は交わしたことがないのだが、最近「いつもありがとうございます(にこっ)」と言われるようになり、自分の顔を覚えてくれて特別な挨拶をしてくれるようになったのだと喜んでいたのだけれど、先日同じチェーンの他店舗に行ったところ、初対面の店員さんにも「いつもありがとうございます(にこっ)」と言われてしまい、どうやらTポイントカードを提示した時のマニュアル対応らしいと判明し、軽い傷心状態にある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第65回めの放送を見ましたよ。


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第11週「おら、アイドルになりてぇ!」

アキ(能年玲奈)はステージで歌うことを春子(小泉今日子)に秘密にしていた。しかし、予想外にも春子が海女カフェにやって来た。

アキとユイ(橋本愛)の歌が終わると、春子はステージに上がってきた。春子は、大勢の観客が見ているにも関わらず、アキの顔に張り手した。お座敷列車を最後にアイドル活動は辞めるという約束を破ったことを責めたのだ。さらに、客席に向かって啖呵を切った。自分の大事な娘が、男たちの好奇の目に晒されることに耐えられないと言うのだ。アキには普通の高校生活を送らせるつもりだから、ちやほやしないで欲しいと告げた。

公衆の面前で一方的に責められたことで、アキは生まれて初めて春子に反発した。アキと春子の言い争いはエスカレートしそうになったが、夏(宮本信子)が仲裁し、家に戻って話し合いをすることになった。

ところが、家に戻ってもアキと春子の対立は少しも収まらなかった。ユイは、自分を引きこもり生活から抜けださせるために、アキがステージを企画してくれたのだと弁護した。しかし、それは春子に一蹴された。その理由ならば、ユイだけがステージに上がればよく、アキは必要ないからだ。

ついにアキは本心を話し始めた。アキは、人を喜ばせることが気持ちいいと話した。お座敷列車で経験した、客の笑顔と声援が忘れられないという。考えてみれば、海女の仕事も同じだという。海に潜ってウニを獲り、それをその場で客に食べさせると喜んでもらえる。客が元気になって帰っていく姿を見ることが何よりの喜びなのだ。アキにとって、海女もアイドルもサービス業であるという点では同じだと言うのだ。だから、その2つを併せた、歌って潜れるアイドル海女になりたいと希望を述べた。

その話に春子はますます腹を立てた。アキの頬を再び殴り、汚い言葉で罵った。アキは泣きながらも、激しい言葉で口答えした。そして、家を飛び出してしまった。

春子や夏は、アキがアイドルになりたいと言っていたことに心当たりがあった。このところ、映画『潮騒のメモリー』ばかり見ており、印象的なシーンを何度も見返し、台詞の練習もしている姿を見ていたからだ。夏に向かって、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)のような女優になりたいとも言っていた(第63回)。

ユイは家を飛び出したアキを慰めていた。人を元気にしたいというアキの考えを受け、ユイは一緒にアイドルになることを誘った。一緒に東京でアイドルになろうと言うのだ。しかし、アキは東京にだけは行きたくないと答えた。東京にはいい思い出がないし、友だちもいない。「東京」という言葉を聞いただけも足が震えるほど、東京のことが嫌いだと話した。

その時、アキのケータイに水口(松田龍平)から電話がかかってきた。今日のステージの模様がすでに動画共有サイトにアップされており、プロデューサーの荒巻(古田新太)と一緒に見ているのだという。すぐに荒巻が電話口で話し始めた。今は夏休みだから東京に出てこないかという誘いだった。

アキが生まれて初めて春子に反発した夜、東京から誘いの電話がかかって来た。アキの心は乱れるのだった。

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アキ(能年玲奈)を人々の好奇の目に晒したくないという春子(小泉今日子)の考えは、アキが新人海女になりたいと言った時から一貫している考えでした。
一方、海女やアイドルはサービス業であり客を喜ばせるのが第一だというアキの考えは、もともとは夏(宮本信子)のモットーでした。アキがその考えに感化されたわけです。
好奇の目を避ける(春子) vs 客を喜ばせるサービス(夏)の対立図式は、第26回ですでに提示されていました。長いロングパスが通りましたし、本作を貫くテーマの一つですね。

『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)
『あまちゃん』 つづく

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