NHK『あまちゃん』第92回

昨日、本屋さんでジャレド・ダイアモンド著、長谷川寿一訳の文庫『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』が平積みで売られているのを見つけ(同じくダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』と並んでいた)、以前は原題(Why is sex fun)を直訳した『セックスはなぜ楽しいか』というタイトルだったのになー、あの書名好きだったのになー、残念だなーと思いつつ訳者あとがきを見たら、「以前の書名では講義の参考書に挙げにくかった」とあったのを見つけてニヤニヤしつつ、前の版を持っているので(中身は変わってないようだし)買わずにそっと棚に戻した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第92回めの放送を見ましたよ。

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第16週「おらのママに歴史あり2」

アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)は夜中にふたりきりで会い、激しい口論を行った。そのせいでふたりとも暗く沈み込んだ。

ふたりの異変に唯一気付いたのは春子(小泉今日子)だった。その夜、一人で駅舎にいるユイを見かけた春子は声をかけた。するとユイは、アキを傷つけてしまったと言って春子の胸でないたのだ。

それを知っていた春子は、翌1月2日にアキに事情を聞いた。するとアキは、自分がユイを傷つけたと答えた。そして、春子からユイに謝っておいて欲しいと告げ、自分の部屋に閉じこもってしまった。アキを元気づけようとした春子は部屋まで追いかけ、あえて明るく芸能界の下世話な噂を聞こうとした。

しかし、アキは荒巻(古田新太)のことを話題にした。すると春子は、当時(1985年)駆け出しのスカウトマンだった荒巻に相談にのってもらった程度だと説明した。デモテープを渡したり、履歴書を常に携帯するようアドバイスされたのだという。アキは、当時の春子(有村架純)と荒巻の間に何かがあり、そのせいで荒巻が自分に冷たく当たるのだと思い込んでいた。しかし、春子の話を聞く限りでは、それは誤解であるように思えた。アキは、自分に芽が出ないのをこれまで人のせいにしていたが、自分の実力不足を反省することにした。

春子はそれ以上何も言わなかったが、アキに見えないところで表情を曇らせた。

その日の夜、アキが出演したドラマが放送される。天野家ではHDDレコーダーと大型テレビを新調し、地元の人々を招いて宴会をしながら見ることになった。みんなは固唾を飲んで見守っていたが、アキはほんの一瞬画面に写っただけで終わってしまった。ひとつだけセリフがあったはずだが、それはカットされていた。

アキは落ち込んでしまった。水口(松田龍平)は、脚本が長すぎたので仕方なくカットされたのだろう、ドラマの撮影ではよくあることだなどと電話でドライに慰めるが、アキの気は少しも晴れなかった。

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アキ(能年玲奈)と共に元日を北三陸で過ごした喜屋武エレン(蔵下穂波)は、2日に沖縄へ帰省しました。彼女は楽しい時を過ごし、それまで苦手だったウニを克服できてよかったなどと話して帰って行きました。
大晦日の合宿所で鮨を食べている時、エレンはアキにウニを分けてやりました(第89回)。そのシーンを見ていた僕は、エレンは本当はウニが好きなんだけれど、落ち込むアキを元気づけようとしてそうしたのだと思っていました。わざわざ「ウニは苦手だ」と言って、アキが自然に食べられるようにしたのだと思っていました。
しかし、今日の放送を見る限り、エレンは本当にウニが苦手だったみたいで。なんだよ、もー。

天野家の宴会シーンでは、大吉(杉本哲太)がくつろいだ部屋着で上座に座っていました。春子にプロポーズをし、まだ返事はもらっていないのだが、すでに亭主気分でいるようです。アキにも、春子へプロポーズしたことを知らせ、「パパと呼んでくれるか?」などと先走ったことを聞いていました。
アキ自身は、自分の出演ドラマを見ている途中だったので、適当にあしらっていましたが。

さて、アキは自分の出演シーンがカットされ、かなり落ち込んでいます。人々は、アキが一瞬しか映らなかったことをかえって面白く思って盛り上がっていたのですが、春子だけはアキの落ち込みを心配しています。また、ユイ(橋本愛)も放送をテレビで見ていて何かを感じ取ったようです。
アキは水口(松田龍平)からいつ戻ってくるのかと聞かれても、答えずに電話を切ってしまいました。

今、アキは挫折寸前です。この危機をどう乗り越えるのか。

『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)
『あまちゃん』 つづく

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