車の中では『あまちゃん 歌のアルバム』をヘビロテ中の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第135回めの放送を見ましたよ。
春子(小泉今日子)はアキ(能年玲奈)の様子のおかしいことが気にかかった。アキは何も言わないが、北三陸市に帰りたがっているように思えるのだ。そのことを水口(松田龍平)に相談した。そんなことを少しも想像していなかった水口は動揺してしまった。
5月20日、アキは雑誌のインタビューを受けていた。現場に立ち会った水口は、確かにアキの表情が硬いことを認めた。特に、話題が北三陸市の被災状況に及ぶと、アキは如実に顔を曇らせるのだ。
それでも東京に残り、健気に頑張るアキの様子を見ていると、水口は辛くなった。アキが北三陸に帰りたがっているなら、それを叶えてやるべきではないかと思うのだ。一方で水口は、ここでアキを北三陸に帰してしまうと、売れ始めたアキの芽を摘んでしまう結果になることを心配した。これまでの苦労が全て水の泡となるのだ。水口は、アキを北三陸に帰してやりたいという考えと、東京でアイドルの仕事をさせたいという考えが葛藤しはじめた。
その頃、GMTが岩手県大船渡市で被災地応援イベントを開いたというニュースがテレビで流れていた。「地元に帰ろう」の歌詞が時流に合い、被災地の人々も大いに盛り上がったという内容だった。アキと水口は、それを複雑な思いで見ていた。
一方、アキの主演映画『潮騒のメモリー: 母娘の島』やその主題歌は大津波を連想されるとして、上映や演奏が自粛されていた。
6月1日、水口がアキの新しい仕事を取ってきた。『私らの音楽』へ、GMTと共に出演して『地元に帰ろう』を歌うという依頼だった。水口の説明によれば、そもそもGMTの出演のみが決まっていたのだが、荒巻(古田新太)やGMTからアキと共演したいという強い要望があったのだという。3月12日に開催されるはずだったアキとGMTのコンサートは結局中止になってしまった。その埋め合わせとして是非共演したいとオファーがあったと言うのだ。アキは喜び、即座に出演を決めた。
ただし、GMT側が希望したという水口の説明は嘘だった。本当は水口が荒巻に持ち込んだ企画だったのだ。荒巻は水口に恩を売るため、渋々ながら希望を叶えてやることにしたのだ。
水口は、アキを東京に留めておきたかった。そのため、なりふり構わぬ手段に出始めていた。荒巻に企画を持ち込んだのもその一環だ。ついには、種市(福士蒼汰)にも協力を仰ぐのだった。アキを東京に繋ぎ止めるためには、種市との恋愛も必要だと決断した。種市に会い、アキと積極的に恋愛関係を進めるよう告げた。予備校との広告契約でアキの恋愛は禁じられていたが、それを破ることを認めるのだった。そうでもしないと、アキは北三陸に帰ってしまうと思われたのだ。
そして、番組『私らの音楽』の収録が行われた。アキとGMTは『地元に帰ろう』を熱唱した。その模様を見ていた水口は感極まってしまった。席を外し、陰でひっそりと泣くのだった。
収録が終わってしばらくしてから、アキは春子と正宗(尾美としのり)の前で岩手に帰りたいと宣言した。
水口(松田龍平)はアキ(能年玲奈)を東京に留めるために必死でした。種市(福士蒼汰)に恋愛を許可するという最後の手段に出ました。
水口は、アイドルを育てるためには手段を選ばない男でした。最初に北三陸にやって来たときも、琥珀掘りの小田勉(塩見三省)への弟子入りを装って、町の人々を騙していました。彼は冷酷な男なのです。アキが北三陸に帰りたがっていることを知って、それを全力で阻止しようとしています。
一方で水口は、アキに対して個人的な好意を抱いているようです。誰にも本心を明かしていませんが、アキへの接し方や種市へのライバル視でドラマ上ではそれが繰り返し表現されています。アキに対する感情は、水口の足かせとなっています。マネージャーとしては東京でアキに仕事をさせたいという思いがあるし、アキのことを好いていればこそ彼女と一緒に東京に居たい。しかし、アキを愛する者として、彼女の好きなようにやらせてやりたい。それが大きな葛藤を生むことになったのです。
歌の収録現場で泣き出したのも、冷酷な自分への嫌悪感、愛する人の苦しむ姿への同情、アキとの別離の悲しさなど、複雑な感情によるものだと考えられます。
くそう、蛇口のやつ、またしても女性ファンの心をガッチリ鷲掴みにしやがって、と敵意メラメラな当方です。
さて、今日の放送の後半では、アキとGMTの『地元に帰ろう』がほぼ全編流れました。ただし、この歌には底抜けに明るいエンディングパートがあるのですが、その部分はカットされていました。僕は『地元に帰ろう』の本編は湿っぽいメロディーであまり好きではないのですが、エンディングの明るいサンバ調(?)の展開は大好きです。車で聞きながら「♪ら~ら~らら~ ら~ら~らら~ ら~ら~らら~ ららら~、 ららら~らら~ ららら~らら~ ららら~ らら~」と一緒に大声で歌っていたりするわけです。
その部分がカットされたのはとても残念。ぜひとも『地元に帰ろう』MP3版を購入してお聞きいただきたいところ。
『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)