NHK『おかえりモネ』第59回

起床直前に「うでん を食いたい!今すぐ うでん を持ってこい!!」と叫んでいる夢を見たのだけれど、うどん と おでん のどちらを望んでいたのか、それとも両方食べたかったのか全く思い出せないし、起きてみたらそのどちらも食べたいとは思わない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第59回めの放送を見ましたよ。

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第12週『あなたのおかげで』

朝岡(西島秀俊)は周囲の反対を押し切り、車椅子マラソン選手・鮫島祐希(菅原小春)のサポートを行うと言い出した。それをきっかけに、社内にスポーツ気象班を立ち上げたいのだと言う。行きがかり上、百音(清原果耶)たち報道気象班が協力することになった。

さらに、朝岡はスポーツ気象に本腰を入れ、近いうちにテレビの気象キャスターも辞めるつもりだと打ち明けた。
気象班のメンバーにとっては朝岡の真意を掴みかねた。朝岡は気象キャスターとして人気もあり、会社からも期待されている。キャスターを辞めたら会社に居づらくなるかもしれない。そうなるとスポーツ気象班を立ち上げるという計画も頓挫する。
また、気象情報を広く伝えて人々の生活を守るという朝岡の信念にもそぐわないように思われた。一同は困惑するばかりだった。さらに、しばらくの間、朝岡との関係が気まずくなってしまった。

ただし、神野(今田美桜)だけはまんざらでもなかった。朝岡が気象キャスターを引退したら自分にチャンスが回ってくると思うからだ。テレビ局の高村(高岡早紀)デスクに話を聞くと、以前から朝岡がキャスターを辞めたがっていることは知っていたという。そうなれば神野に任せることになるかもしれないとも話した。神野はますます期待に胸が膨らんだ。

高村はあらためて朝岡と二人で話をした。
朝岡は、今後ますます、細分化された情報が重要になっていくと考えているという。マスメディアのような画一的な情報提供ではなく、生活者ひとりひとりに特化し、具体的に役に立つ情報が必要だと主張した。それは、百音が地元の人々に知らせたようなパーソナルメディアだと話した。
その意義を認めつつも、高村は抽象化した画一的な情報も相変わらず必要だと反論した。たとえば、九州で起きた災害を北海道の人々が知ることで心を痛め、支援しようと動機づけられる。そのような視点や報道も大切だと主張した。
ふたりの間で結論は出なかったが、互いの立場は認めあった。

鮫島への支援も始動した。朝岡らのチームは、9月に行われる代表選考会に向けて、2つの側面からサポートする方針を立てた。
ひとつは、体質面である。気温や湿度による鮫島の体調変化を調査し、弱点を見定めることとした。9月の選考会はまだ暑い時期と考えられるので、しっかり対策をする必要がある。
ふたつめは、選考会当日の会場の気象予測である。気温、湿度、風などを詳細に予測することでレースの戦略に役立てるのである。
百音は、鮫島のトレーニング風景を撮影した。そこで、鮫島の勝利への執念や迫力に圧倒された。

ある日、内田(清水尋也)が23年前の新聞記事を見つけてきた。そこには学生駅伝の選手だった朝岡が取り上げられていた。名門校の主力選手として有名だった朝岡であるが、熱中症でリタイアしたという記事だった。同校が駅伝大会で棄権するのは、50年の出場歴の中で初めての出来事だったという。

朝岡はそれが自分であることを認め、詳しく話し始めた。
現役時代の朝岡は風に強い選手だったという。特に、空気の乾燥した寒い日を得意としていた。1月に行われる駅伝大会は朝岡にとって絶好の時期である。
しかし、当日の天気予報は雨で、気温も高くなると言うものだった。朝岡にとっては不利なコンディションである。監督も懸念を表明したが、朝岡は気合で克服できると信じ出場した。はたして、レース中は雨がふらず気温がぐんぐんと上昇した。その上、風も吹かず、朝岡にとっては最悪の状況となった。その結果、熱中症で痙攣を起こしリタイアしたのだ。
朝岡は自身の体質の弱点を全く考慮していなかったことを反省した。今の自分なら気象と体質の科学的根拠に基づいて、他の選手への交代を望むだろうと話した。

朝岡が鮫島への支援やスポーツ気象に拘るのは、当時のリベンジを果たしたいからだと言う。あくまで個人的な理由だと白状した。

百音は鮫島への支援プランが朝岡の経験に即していることを理解した。そして、鮫島が不本意なリタイアへのリベンジを果たしたいと願っている点との共通点を見出した。

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