今日は雨っぽいのでテンションの上がらない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第55回めの放送を見ましたよ。
鈴子(趣里)は、愛助(水上恒司)から好きだ、恋人になってほしいと告白された。鈴子は、その場では返事を保留し、去った。
鈴子は本心では嬉しかった。しかし、年齢差や身分の違い、世間体などと考えると躊躇してしまったのだ。鈴子は苦しい気持ちになった。
1943年(昭和18年)10月、それまで大学生の徴兵は免除されていたが、20歳以上の文科系学生を対象に学徒出陣が始まった。愛助も対象となり、いつ召集されてもおかしくない状況となった。
告白されて以来、愛助とは会っていなかったが、鈴子は彼の身を案じた。愛助は体が弱いせいかまだ徴兵されないが、自分の同年代が戦地で戦っていることに対して自身の不甲斐なさを感じていた。
マネージャー・五木(村上信悟)は、鈴子に愛助と別れろと迫った。愛助の母は村山興業の社長であり、恐ろしい人物だとの噂である。彼女を怒らせると、全国の興業主に声をかけて「福来スズ子とその楽団」を使わせないようにすることも簡単だろう。楽団の存続のためにも、波風を立たせないようにしてほしいと言うのだ。
鈴子は、付き人・小夜(富田望生)を伴って、伝蔵(坂田聡)のおでん屋台で酒を飲んだ。その場で、小夜に聞かれるまま、愛助のことを話した。
初めは、亡き弟・六郎(黒崎煌代)のようにぼーっとしていてかわいい子だと思い、まさに弟のように思っていた。しかし、話をするうちにしっかりした人だと思わされるようになった。チャップリンのように世界中の人を笑わせたいなどと夢も大きく、頼もしい。近頃は、学徒出陣の新聞記事を読んで、愛助も戦地に行くかもしれないと思うと胸が苦しくなる。
鈴子は、まだ迷っている。戦争が激しくなり学徒出陣まで始まった時に、ずいぶん年下の男に現を抜かしていることに自己嫌悪を抱くと言うのだ。
一連の話を聞いていた屋台主・伝造は、変な歌を歌っている人間が変なことを気にするなと一括した。以前、鈴子が愛助を連れてきた時のことを思い出し、彼はいい目をした好人物だったと話した。
翌日、決意した鈴子は愛助の下宿を訪ねた。
部屋に入ろうとすると、中から村山興業東京支社長・坂口(黒田有)が愛助を諭す声が聞こえてきた。鈴子はしばらく廊下で聞き耳を立てた。
坂口は、鈴子と別れるよう説得していた。愛助は体が弱くて徴兵されない分、勉学に取り組まなければならない。ゆくゆくは村山興業の立派な跡取りとなり、芸人を戦地慰問に送り出すなどして国に貢献すべき立場である。
鈴子のような歌手にのぼせ上がっている場合ではない。ましてや、向こうは手だれなのだから、愛助は弄ばれた挙句に捨てられるのがオチだ。ましてや、興業会社の跡取りと歌手が結婚することなどできない。ふたりとも一時の気の迷いであり、ままごとをして遊んでいるようなものだ。そうでないとしたら、鈴子は愛助を利用してのし上がろうとしているだけだと結論づけた。
そこまで聞いた鈴子は頭に来て、部屋に怒鳴り込んだ。