NHK『あまちゃん』第44回

2年近く通っているコンビニのカワイコちゃん店員さんの左手薬指に指輪があることをつい最近知って、いろいろショックを受けたりしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第44回めの放送を見ましたよ。


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第8週「おら、ドキドキがとまんねぇ」

アキ(能年玲奈)の誕生日を祝うという名目で北三陸市にやって来た正宗(尾美としのり)は、タクシー会社に就職までして居座ったままだった。離婚したがっている春子(小泉今日子)は、12月のある日、彼と話し合った。

自分の落ち度がわからない正宗に対し、春子は正宗は変わらなくていい、自分が変わるために離婚したいのだと説明した。24年ぶりの昔馴染や家族と向き合い、変わりたいのだという。その時、正宗は本当の春子のことを知りすぎており、正宗と一緒にいると本当の自分に見られているような気になって息が詰まるのだという。

正宗は春子の決意に協力することにし、離婚に応じることにした。ただし、せめてクリスマスまでは一緒に過ごしたいと希望を述べた。アキは今でもサンタクロースの存在を信じきっており、毎年正宗がプレゼントを渡していたのだ。春子もそれを受け入れた。

12月24日の深夜、正宗は念入りなサンタクロースの扮装をして、アキの部屋に忍び込んだ。眠っているアキの枕元にプレゼントを置き、立ち去ろうとした。その時、アキが目を覚ました。寝ぼけているアキは、正宗だとは気づかず、本物のサンタクロースだと思い込んでいる。

正宗もサンタクロースのふりを続け、正宗からの伝言だと言ってアキに話しかけた。春子と正宗が正式に離婚し、東京に帰ることを伝えた。アキが元気に暮らすことを願い、辛くなった時にはいつでも東京に会いに来るよう言いおいた。

それを終えると、正宗は扮装を解き、夜中のうちに天野家を出て行った。正宗は世話になったことを夏(宮本信子)に丁寧に感謝した。春子と夏に加えて、大吉(杉本哲太)が見送りに来てくれた。これまで犬猿の仲だった正宗と大吉であったが、正宗は彼に天野一家の面倒を見ることを頼んだ。大吉もそれを請け負い、正宗に心を許し、固い握手を交わした。

去り際、正宗は春子と言葉を交わした。幸せにしてやれなかったことを謝罪した。春子も自分の身勝手な行為を謝った。ふたりは握手をして別れた。

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NHK『あまちゃん』第43回

先週土曜日の放送は録画を20回くらい見返して「潮騒のメモリー」の歌詞を全て聞き取ろうとしたのだが、どうしても1箇所だけわからず悶々としていたのだけれど、今日の放送で字幕が出て肩透かしを食らうと共に、「三途の川のマーメイド」に衝撃を受けた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第43回めの放送を見ましたよ。

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第8週「おら、ドキドキがとまんねぇ」

忠兵衛(蟹江敬三)の旅立ちの日。カメラマン(若尾義昭)を呼んで家族5人の写真と忠兵衛の遺影を撮影した。忠兵衛はいつもの年と同じように「自分は死んだものと思え」と言い残した。夏(宮本信子)もいつもの日曜日と同様にウニ丼作りの手を休めない。ふたりはさよならも言わず、素っ気ない態度で別れた。忠兵衛は八戸の漁港まで大向(杉本哲太)に車で送られていった。

そうして、2008年の暮れも近づいてきた。アキ(能年玲奈)と夏は家でクリスマスツリーを飾り立てた。

しかし、アキは楽しんでばかりもいられない。年明け1月には潜水士の資格試験があるのだ。遅くまで学校に残って補習や模擬試験を受けているが、どうも芳しくない。

いつもアキと一緒に下校していたユイ(橋本愛)は一人で帰ることが多くなった。ある日、ユイは駅の待合室で種市(福士蒼汰)を待っていた。友だちとゲーセンで遊んでいたという種市は、最終列車の時刻になってやっと駅に現れた。ユイは珍しくイライラした態度を隠そうともせず、種市に詰め寄った。種市がアキのことをどう思っているのか問いただした。

種市は、アキの「頑張り」を褒めた。その一言が、さらにユイの怒りに油を注いだ。ユイは「頑張る」という言葉が嫌いなのだという。「頑張る」ということは、現状ではその人が報われていないということを意味する。種市がアキに対して「頑張れ」と言うことは、アキが報われていないことになる。それが腹立たしいのだ。種市は、アキが種市のことを好きであることを知っている。それにも関わらず、知らんふりをしているのが残酷だと言うのだ。ユイは興奮してまくし立てた。

居残りで最終列車を逃したアキは、スナック梨明日で正宗(尾美としのり)を待つことにした。彼のタクシーで家まで送ってもらうためだ。

すると、琥珀掘り見習いの水口(松田龍平)が話しかけてきた。潜水士の資格を取ったとして、アキは将来何をしたいのかと聞いてきた。ところが、アキには具体的な将来設計ができていなかった。単に年中海に潜れればそれで良いと答えた。

水口は、アキがネットやテレビで人気になったことを知っていた。アキにはまだ知らない世界や無限の可能性があるはずだなどと、アイドルとしてのアキを評価するかのような発言をした。それを聞いていたマネージャー役のヒロシ(小池徹平)や春子(小泉今日子)は、アキに妙なことを吹きこまないように止めに入った。

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NHK『あまちゃん』第42回

三島由紀夫の『潮騒』については原作はもちろん、山口百恵主演の映画も見たことはないのだけれど、「その火を飛び越して来い」というのはなんとなく知っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第42回めの放送を見ましたよ。

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第7週「おらのママに歴史あり」

陸での生活に張り合いの見いだせない忠兵衛(蟹江敬三)は、再度漁へ出ることを決めた。夏(宮本信子)は悲しみのあまり深く落ち込んでしまった。

忠兵衛は素直に夏を慰めることをしない。自分は陸にいるとジジイになってしまう、それにつられて夏もババアになる、そんな夏を見ているのに耐えられないなどと乱暴な言葉をかけた。それを聞いた夏は気丈に言い返した。弁当や晩酌の準備、洗濯など、忠兵衛の世話をしていたら息が詰まると述べ、いなくなれば清々すると喧嘩腰で応えた。忠兵衛は、今年で最後にすると頭を下げた。夏によれば、それは忠兵衛の毎年の決まり文句だという。夏は二度と帰ってくるなと啖呵を切った。それも毎年の決まり文句だった。

急遽、忠兵衛の送別会がスナック梨明日で開かれた。しかし、夏は相変わらずむっつりとしている。常々「去る者は追わず」と言っている夏は、夫に対しても同じ態度を貫いていた。それを見かねた春子(小泉今日子)は、追ってもらえないのは気楽である一方、寂しいものであると話した。去る者はきちんと送り出してもらうことを期待しているものだと言うのだ。

春子は忠兵衛を送り出すためにカラオケを披露した。それは20年以上前のヒット曲である「潮騒のメモリー」であった。いつも不機嫌でがさつな春子がアキ(能年玲奈)には別人に見えた。それほど見事な歌唱だった。

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NHK『あまちゃん』第41回

シャンプーの種類が変わったり、ジミヘンの曲を聞いたりすると山瀬まみ作詞の「軽蔑」を思い出して必ず口ずさむ当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第41回めの放送を見ましたよ。

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第7週「おらのママに歴史あり」

忠兵衛(蟹江敬三)はスーパーの鮮魚コーナーで働き出した。夏(宮本信子)は弁当を持たせて送り出す。結婚以来、忠兵衛はずっと遠洋漁業に出ていたので、弁当を作ることなど初めてのことだ。ふたりはまるで新婚夫婦のように楽しそうだった。さらに新婚気分を満喫するため、夏はふたりで温泉旅行に行くことを計画し始めた。

しかし、忠兵衛は必ずしも仕事に満足していなかった。刺身の値引きについて主任(須藤公一)に叱られてしまった。刺身パックに半額シールを貼るよう指示されたことに反発したのだ。まだ鮮度が落ちておらず美味しく食べられる刺身を半額にする理由がわからなかった。その魚を苦労して獲った漁師の気持ちもわかるので、軽々しくたたき売りすることにも納得できなかった。渋々命令に従ったが、忠兵衛は面白くなかった。

こっそり様子を見に来た春子(小泉今日子)はその一部始終を目撃した。家に帰ってきた後も、忠兵衛はどこか元気が無い。春子は忠兵衛のことが少々気になり始めた。

そんなある日、忠兵衛が勤め先から消えたという連絡が入った。昼休憩を取ったまま姿が見えなくなったというのだ。高齢で体も悪くなり始めた忠兵衛のことなので、どこかで倒れでもしたのではないかと心配された。すぐさま家族に連絡が入った。ところが、春子がすぐに忠兵衛を見つけた。正宗(尾美としのり)との同居のストレス発散のためにパチンコ屋に入り浸っている春子が、同じ店内に忠兵衛を見つけたのだ。

すぐさま家に連れ帰り、家族や知人が集まって話し合いがもたれた。漁協長・長内(でんでん)は、自分が紹介した仕事がマズかったのではないかと心配した。港の監視小屋など、人と顔を合わせずに済む仕事を再度紹介しようとした。忠兵衛は多くを話そうとはしなかったが、人と接するのが原因ではないという。

夏が忠兵衛の気持ちを代弁した。忠兵衛は海が恋しいのだ。陸にいることに我慢できず、船に乗って沖に出たいのだ。そう指摘されて忠兵衛は認めた。一時は自分の歳や体調のことを考えて漁師を引退することにした。定期健診の結果、心臓が悪くなっている事がわかった。沖合で何かあっても医師に診てもらうことができない。船に乗ると、もう生きて帰ってこれないかもしれないというのだ。

それでも忠兵衛は船に乗りたかった。漁師の血が騒ぎ、海上にいた方が気が張っていて体の調子もいいのだという。陸上にいると、身も心も緩んでしまって再起不能になるだろうと訴えた。スーパーの仕事を辞め、船に乗ることを半ば決めた。夏が計画していた温泉旅行にも行かないと言う。そんなことをすると、夏との別れが辛くなるというのだ。

その話し合いの最中、夏はいつの間にか家を出て行った。春子に促されてアキ(能年玲奈)が様子を見に行くと、離れのウニ丼作業場に座り込んでいた。

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NHK『あまちゃん』第40回

とある20歳代女子から「10歳くらい年上の男性を落とす方法を教えて欲しい」と相談を受けたので、「『抱いて』の一言でいいんじゃね?」と素っ気なく答えたところ激しく落胆され、軽蔑されかかったわけだが、「アンタのその貧相な胸を精一杯寄せ上げて豊満さを装い、プール上がりみたいに血色の悪い唇と手入れを怠ってカッサカサの頬にベッタリと紅を挿し、女芸人の下品なギャグみたいな舌なめずりをかましながら、いつもドライアイ気味の目を無理やり潤ませつつ『抱いて。このままじゃ蜘蛛の巣が張っちゃうぅぅ』で一発くらいはヤれるんじゃね?」と言わなかっただけマシじゃねーかとこの場でイタチの最後っ屁をかましながらも、万事うまく行くことを心から祈念してやまない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第40回めの放送を見ましたよ。

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第7週「おらのママに歴史あり」

現在67歳の忠兵衛(蟹江敬三)は定期検診の結果あまり芳しくなく、漁師を辞めるよう忠告された。春子(小泉今日子)やアキ(能年玲奈)が一所に暮らし始めたこともあり、きっぱりと辞める決意をした。代わりに、スーパーの鮮魚コーナーで陳列や接客の仕事を始めることとなった。魚のことをよく知っているので適した部署ではあったが、40年以上も船に乗ってばかりいたので少々社会常識が不安視された。

アキとユイ(橋本愛)は学校でいろいろな話をした。まず話題に登ったのは、春子がアイドルを目指していたことについてである。アキは春子から聞いた話をユイに伝えた。それを聞いたユイは、春子がアキに嫉妬しているのではないかと言う。娘がテレビやインターネットで人気を得、自分の果たせなかった夢を簡単に実現させていく姿を見るのは面白く無いはずだと言うのだ。アキは否定したが、ユイはそう信じている。

続いてユイは、ふたりのユニット名や決めポーズを考えようと言い出した。今後、ローカル情報番組のレギュラーを獲得した際にそれを使うというのだ。アキは呆気にとられるが、ユイは構うことなく次々とアイディアを出していった。

その後下校し、ふたりは喫茶リアスの隅でコソコソを話を始めた。そこでの話題は、アキの恋愛についてだった。アキは、自分が潜水士の試験に合格したら、種市(福士蒼汰)にデート(デート?デートなのか!?)してくれるよう約束を取り付けたことを報告した。ただし、それ以上の進展はない。

ユイは、来年の3月以降のことをアキに尋ねた。種市は高校卒業後、東京で暮らすことになる。そうすると、仮にふたりが交際を始めたとしても、遠距離恋愛になってしまうのだ。そのことを指摘したユイは、アキも東京で暮らすことを進めた。東京で正宗と一緒に住めばよいというのだ。ユイも高校を卒業したら東京に行く予定なので、また会えるという。加えて、東京で自分と一緒にアイドルを目指そうと誘うのだった。

それを盗み聞きしていた春子は嫌悪感を示した。アキは海女を目指しているのだから東京に行くなどと誘わないで欲しいと言うのだ。しかも、正宗とは離婚して縁を切るのだから、東京でアキが暮らすことはないと言い切った。

そこへ正宗(尾美としのり)が店に飛び込んできた。彼は北三陸市のタクシー会社への就職を決めてきたのだ。春子は正宗の独断に腹を立てた。しかし、正宗は意に介さなかったし、「来る者は拒まず」がモットーの夏(宮本信子)も彼を受け入れた。こうして天野家は5人が一緒に暮らすこととなった。

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NHK『あまちゃん』第39回

今から18年くらい前、僕がAL-Mailを使い始めた頃、ユーザー交流用メーリングリスト alm-hokkai で一回り年上のおっちゃんやお姉さんたちと知り合いになったのだけれど、彼らはみんな村下孝蔵の「初恋」が好きだと言っていたなぁと思い出した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第39回めの放送を見ましたよ。

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第7週「おらのママに歴史あり」

春子(小泉今日子)は自分が17歳の時に歌った村下孝蔵「初恋」のデモテープをアキ(能年玲奈)に聞かせた。漁協からカラオケセットを借りてきて自分の部屋で録音したのだという。本当は松田聖子の歌にしたかったが、そのカラオケセットには収録されていなかったのだ。

同じ頃、スナック梨明日でも春子のデモテープが聞かれていた。春子からテープをもらった大向(杉本哲太)が大事に保管していたものだ。それがオーディション用のものだと知らなかった大向は、歌の内容から春子が自分に特別な思いを寄せていると勘違いして、大切にしていたのだ。自分と春子の特別な関係を見せつけ、正宗(尾美としのり)を嫉妬させようという魂胆もあった。しかし、正宗は冷静で、自分の知らない春子のことを知れてよかったと言うのだった。

春子はアキにそのテープを吹き込んだ時のことを話し始めた。1984年6月、デモテープは一次審査を通過し、当時17歳の春子(有村架純)はオーディション番組に出場できることとなった。その番組で10週勝ち抜けばアイドル歌手としてデビューできる。1回めの出場が7月7日(土)と決まり、その日に東京のスタジオへ行かなくてはならない。

6月30日の夜、春子は夏(宮本信子)に東京行きを願い出た。その日は観光海女の手伝いをすることになっていたが、東京でオーディションを受けることを希望した。10週勝ち抜くことは無理だろうが、1-2回程度なら勝てそうだ。どうしても出場したいと訴えた。

しかし、夏は難色を示した。春子が家を出て歌手になることを容認しがたかったのだ。春子が自ら10週勝ち抜きは難しいなどと、初めから諦めている態度が特に気に入らなかった。全勝して歌手になるなら認めるが、そうでないなら絶対に行かせないというのだった。そこで春子は、自分の決意が固いことを述べた。絶対に10週勝ち抜くことを約束した。それを聞いた夏は、春子の東京行きを認めることにした。漁協長・長内(でんでん)らは春子が海女になることを希望しているが、夏が彼らの説得にあたると約束してくれた。

その直後に長内が市長(北見敏之)を連れて家にやって来た。翌日の北三陸鉄道開通に合わせて、春子に高校生海女として海に潜って欲しいと頼みに来たのだ(第6回参照)。すると夏は、先ほどの約束を忘れてしまったかのように何もしゃべらず、春子を一切弁護しなかった。春子の海女就任を親として黙認する形となった。

春子はひどく腹を立てた。そんな夏の様子を見て、春子は北三陸鉄道の開通始発列車で家出したのだ。

そこまで話した春子は、未だに当時の夏の気持ちがわからないという。そして、結局アイドルになれなかった自分を省みて、東京に行ったことは失敗だったと後悔する素振りを見せた。そんな母に対してアキは、夏はきっと春子を応援していたのだろうと慰めた。そして、春子が東京に行ったおかげで正宗と出会い、自分が生まれたのだと喜びを表現した。

春子は、自分がアキの母親であることを思い出した。夏がそうであったように、子を持つ親というのは難しいものだと思い至った。春子は、アキが海女や南部もぐりを始めたいと言った時に強く反対ができなかった。同じ年頃の時に、自分が親の静止を振りきって家出した過去があったからだ。つくづく、親になるのは難しいものだと話した。

そこまで話すと、ふたりは明るく打ち解けた。話を打ち切り、今へ降りることにした。そろそろ夕食の時間である。

食卓に着くと、忠兵衛(蟹江敬三)は漁師を辞めると発表した。春子とアキという家族が増えたので、一緒に陸で暮らしたくなったのだという。67歳であるが、新しい仕事を見つけて働くのだという。アキは喜んだ。

しかし、夏は浮かない顔をしている。実は定期健診の結果、忠兵衛の体は漁師の仕事に耐え切れなくなって来ているのだという。それが漁師を辞める本当の理由だ。夏は春子にだけそのことを知らせた。

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NHK『あまちゃん』第38回

山瀬まみがホリプロタレントスカウトキャラバンで優勝したのは1985年のことであるが、最終選考で彼女が歌ったのが小泉今日子の「The Stardust Memory」であり、本人がラジオ『ごごばん!』(確か2013年4月12日の放送)で語ったところによると、実は山瀬まみの地声は低く、中森明菜の歌が得意であったのだが、ホリプロのタレントの特色は明るく元気な女の子なので、中森明菜の歌ではなく、それに比べれば明るめな小泉今日子の歌をあえて選んで歌ったという彼女の談話をお伝えする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第38回めの放送を見ましたよ。

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第7週「おらのママに歴史あり」

アキ(能年玲奈)は、春子(小泉今日子)が若い時にアイドル・オーディションを受けたことがあるらしいと知った。わざわざ写真館で写真を撮って送ったという。その写真を、昔の春子の部屋で探すことにした。

すると、それを察した春子本人が部屋に入ってきた。春子はいつまでも黙っていられないと思い、自分がアイドルを目指していたことをついにアキに打ち明けた。自らオーディション写真をアキに見せ、当時の話を始めるのだった。春子の話は長かった。スナックの仕事を休み(偶然店にいた正宗(尾美としのり)が代わりに手伝うことにした)、明るいうちからビールを飲みながら話をした。

山口百恵やキャンディーズ、ピンクレディーなどでアイドルに興味を持ち始め、松田聖子の登場で春子の憧れは頂点に達した。松田聖子は異性に媚びるようにかわいこぶっているの二、同性からも嫌われず、むしろ女の子みんなの憧れであったという。彼女を応援していると自分まで元気が出てきたのだという。春子によれば、そう感じさせず存在であることこそがアイドルの本質だという。春子はいつしか自分もアイドルになりたいと思った。

高校に入ると、歌のレッスンに通ったのだという。レッスン料は、観光海女の仕事で賄ったという。ただし、春子は海に潜らず、接客や歌を担当するのみだった。春子自身は本気だったが、周囲には反対された。当時の春子(有村架純)はデモテープを作り、オーディションに送るとともに、就職したばかりの大向(東出昌大)や同級生の菅原((落合モトキ)に配ったりしていた。

その時のデモテープが部屋から出てきた。

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NHK『あまちゃん』第37回

後に『機動戦士Zガンダム』の主題歌「水の星へ愛をこめて」でデビューした森口博子も素人時代はのど自慢荒らしで有名だったらしいよね、などとつぶやく当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第37回めの放送を見ましたよ。

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第7週「おらのママに歴史あり」

スナックでアキ(能年玲奈)の誕生会が開かれていたのだが、忠兵衛(蟹江敬三)が爆弾発言を行い、緊迫した雰囲気となった。

忠兵衛によれば、春子(小泉今日子)が家出した原因はアイドル歌手になるためだったという。アキは寝耳に水だったが、昔から街にいる人はみんな知っていた。知っていて、それに触れないようにしていたのだ。彼らは、忠兵衛の言葉も聞こえないふりをした。

春子は、周囲のそのような反応に腹を立てた。田舎の人達は上辺だけの優しさを見せて、自分を腫れ物のように扱う様子があった。今にして思えば、それが不満だったという。通常のスナックでは、客がママにカラオケを歌うようせがむことがよくある。それにもかかわらず、北三陸市の人々は誰一人として春子に歌うよう頼まなかった。みんなの白々しい態度が気に入らなかったのだ。

アキの誕生会は急にお開きになってしまった。

アキは自分の誕生会が台無しになったことよりも、春子の過去が気になって仕方がなかった。確かに春子は、アキが観光海女としてアイドル的扱いをされることに難色を示した。それは、春子がアイドルになることに挫折し、異常な警戒心や被害妄想を持っていると考えると合点がいく。一方で、アキは春子の歌を一度も聞いたことのないことを思い出した。子守唄や童謡ですら歌ってもらったことがない。

現在アイドルになることを目指しているユイ(橋本愛)も、春子の過去が気になった。ユイとアキは、高校時代の春子(有村架純)の担任だった功(平泉成)に話を聞いた。功によれば、春子はスケバンではあったが、かわいくて歌が上手かったという。地元の歌謡大会に出場しては連続で優勝し、県内ではコンクール荒らしとして知られていたという。その時の写真も見せてもらった。

続いてアキは、漁協に話を聞きに行った。漁協長・長内(でんでん)やかつ枝(木野花)が押し入れを探ると、当時の写真やトロフィーが何本も出てきた。さらに彼らの話を聞くと、春子と夏(宮本信子)は頻繁に喧嘩をしていたが、忠兵衛とはとても仲が良くどこにでも付いて行ったという。遠洋漁業船が出港する前日は必ず漁協で宴会が開かれる。春子はそこで必ず歌を歌い、大人たちから小遣いをもらったり、忠兵衛を喜ばせたりしていたという。

アキは、春子が過去にアイドルを目指していたことに間違いはないと確信を得た。しかし、どうして春子や街の人々がそれをひた隠しにしていたのか、その理由がわからない。春子に直接聞けば済むのだが、アキは恐ろしくてそれができずにいた。

いつしか、アキは高校時代の春子の部屋を自分の寝室として使うようになっていた。これまではきれいに使っていたのだが、春子の過去が知りたくて、あちこちひっくり返して手がかりを探し始めた。するとそこへ、春子が何かを持ってやって来た。

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NHK『あまちゃん』第36回

夕方のローカル情報番組といえば、20年近く前に『どさんこワイド』が札幌駅前に神主を呼んで受験生合格祈願をするというので参加し、大騒ぎして木村洋二を呆れさせたことのある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第36回めの放送を見ましたよ。

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第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」

アキ(能年玲奈)の誕生日を祝うため、正宗(尾美としのり)が東京からやって来た。翌日がアキの誕生日なのだ。

アキはひどく驚いた。忙しさのせいか自分の誕生日を忘れてしまっていたことに驚いた。それほど仲が良いわけでもない父が誕生日をちゃんと覚えていて、会いに来てくれたことに驚いた。

そして何よりも、憧れの種市先輩(福士蒼汰)が自分の誕生日を知っていたらしいことに一番驚いた。それというのも、数日前に種市が「ちょっと早いが」と言いつつ、ミサンガをプレゼントしてくれていたのだ。もらった時は何のことだかわからなかったが、今にして思えばそれは誕生日プレゼントだと思われた。アキは嬉しくなった。

その時にちゃんと言えなかったお礼を今すぐ伝えたくなった。しかし夜も遅いし、もう帰宅してしまっていたので、電話をかけることにした。ところが、種市の電話番号がわからない。ユイ(橋本愛)に聞いてみたが、彼女も連絡先を知らないという。その夜は連絡がつかなかった。

正宗は夏(宮本信子)や忠兵衛(蟹江敬三)に気に入られ、歓迎されていた。ところが、春子(小泉今日子)は相変わらず正宗に冷たい。正宗に文句をまくし立てる。アキは、春子に自分の誕生日のお祝いをして欲しいと頼んだ。しかし、正宗の登場でイライラしている春子は、アキの願いを聞くことなくあしらうのだった。

翌日の日曜日も、アキにとってはいつもと同じ日だった。ウニ丼の車内販売をして1日を過ごした。

ユイによれば、何人かに聞いてみたのだけれど種市の連絡先は誰も知らなかったという。さらに、アキがもらったミサンガは漁協で海女たちが内職で作っている土産品であり、色気がなさすぎるので、誕生日プレゼントではないと指摘した。実際、弥生(渡辺えり)やかつ枝(木野花)は、余った糸でアキのミサンガと全く同じ模様のアクセサリーを身に着けていた。それでも、アキは種市から贈り物をもらったという事実だけで嬉しかった。

その日の仕事を終えたアキはまっすぐ家に帰ろうとした。大向(杉本哲太)が車をとってくる間、アキはスナック梨明日で待つことになった。

アキがスナックのドアを開けるとクラッカーがなった。街の人々がサプライズパーティーを開いてくれたのだ。さらに、ユイの計らいで種市も来てくれた。春子が冷たい態度だったのも、ユイが種市の連絡先を知らないふりをしたのも、全てはアキを驚かせるためだった。アキは幸せな気持ちでいっぱいになった。

アキは種市にミサンガのお礼を直接述べることができた。しかし、種市はアキの誕生日のことは知らなかったのだという。贈り物は潜水士試験の合格祈願のためだと説明した。もちろん、目的が違ってもアキの嬉しい気持ちに変わりはなかった。

さらにアキは、試験に合格したら種市とデート(デート?デートなのか!?)をして欲しいと頼んだ。種市は一瞬困った顔をしたが、アキはそれに気づかなかった。種市は、考えておくなどとその場をごまかし、時間になったので帰宅した。アキはその言葉をいい方に解釈し、さらに喜んだ。

スナックではカラオケ大会が始まった。忠兵衛は自分が歌い終えると、次は春子の番だと言ってマイクを握らせた。昔の春子は、よく船出前の忠兵衛のために歌を歌ってくれたのだという。しかし、春子は頑なに拒んだ。その様子を傍から見ていた正宗は、勝手にリモコンで「潮騒のメモリー」を予約した。

20年ほど前の流行歌「潮騒のメモリー」は、どうやら春子の思い出の歌らしい。ただし、春子には正宗がその曲を選んだ理由がわからなかった。前奏が流れ始め、歌い出しになったが春子は黙ったままだった。そして、自分で演奏を止めてしまった。
忠兵衛はがっかりした。がっかりして、「東京でアイドル歌手になると言って家出したのに、なぜ歌わないのだ」などと口走ってしまった。春子の家出の真相は、これまで街の人々が話すのを避けていた事実だ。楽しい誕生会の雰囲気が一気に冷え込んだ。

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NHK『あまちゃん』第35回

昨日の晩飯は自作ぶり大根&ぶり照り焼きにしようかと思ったのだけれど、なんだかスーパーで買い物するのすら面倒くさくなって、家にストックされていたインスタントラーメン(冷蔵庫にあった野菜とチャーシューを炒めてのせた)にしてしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第35回めの放送を見ましたよ。

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第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」

ディレクター池田(野間口徹)が再来し、アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)のテレビ出演に関して、春子(小泉今日子)とユイの両親(平泉成、八木亜希子)を交えて話し合いがもたれた。

春子は、ふたりがストーカー行為等に悩まされ、一生を台無しにするのではないかという懸念を表明した。ただし、彼女が特に心配しているのはユイのことだった。アキは北三陸市のことが大好きであり、自分が地元に貢献できることに喜びを感じている。だから、少々のトラブルが合ってもへこたれないだろうと信じている。しかし、ユイは別だというのだ。ユイの目標は東京に進出してアイドルになることである。田舎でチヤホヤされ有頂天になって都会に行ったりすると、挫折を味わうことになる。田舎の大人たちは、ユイの将来を考えずに食い物にしようとしている。春子はそのような状況が許せないのだ。

そんな春子の意見に異を唱えたのは、当のユイ本人だった。田舎が自分を利用するのと同様に、自分も割りきって田舎を利用するという、自分の考えをしっかり持っていると述べた。その証拠に、全てを方言を使って話し、自分の売り込み戦略もしっかり計算していることを示した。

その様子を見て、春子もテレビ出演を許可した。ただし、アキとユイの将来を考え、街興しに協力するのは来年の3月までと期限を決めた。

はたして、密着取材が始まった。街の人々は初めてのテレビカメラに舞い上がった。アキとユイの車内販売の様子のほか、アキの総父母(宮本信子、蟹江敬三)、ウニ丼の調理場、通っている高校の様子、北三陸市の風景など、全てが夕方のローカル情報番組『5時だべ わんこチャンネル』で魅力的に紹介された。

放送当日は、VTRの他、アキとユイがスタジオで生出演した。スタジオには、街興しの中心人物である大向(杉本哲太)と、引きこもり生活から復帰したヒロシ(小池徹平)がマネージャーとして同行した。

ユイは生放送でも動じることなく、卒なくコメントができた。続いて、アキがしゃべろうとした瞬間、画面が臨時ニュースに切り替わってしまった。アキの初めてのテレビ出演はよくわからないまま終わってしまった。

アキとユイのテレビ出演は、意外な結果をもたらした。次の週末、北三陸鉄道で訪れる人が激減してしまった。ヒビキ一郎(村杉蝉之介)の分析によれば、
ふたりがテレビに出たことでインターネットのファンが離れて行ったというのだ。彼らは飛びつくのも早いが、気持ちが離れるのも早いのだ。

ところが、別の報せがもたらされた。列車の利用客は激減したのだが、道路が大渋滞しているというのだ。ふたりが取り上げられたのは岩手ローカル番組なので、県内の人々が列車ではなく車で殺到したのだ。渋滞に巻き込まれた観光バスの100人以上もの観光客を北鉄に乗せ換えて欲しいという依頼も舞い込んだ。それを受け入れるため、大向は列車の出発を10分以上送らせて乗客を待つよう指示を出した。こうして、結局その日も北三陸市は観光客で大賑わいとなった。

アキがクタクタに疲れて帰ってくると、家の前に正宗(尾美としのり)のタクシーが停まっていた。アキは忙しくて忘れていたのだが、翌日はアキの誕生日なのだ。正宗はそれを祝うためにやって来たのだという。

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