NHK『舞いあがれ』第6回

将来、一時的に北海道も舞台になるという情報をキャッチした道産子の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の6回めの放送を見ましたよ。

* * *
第2週『ばらもん凧、あがれ!』

祖母・祥子(高畑淳子)から見ると、母・めぐみ(永作博美)は舞(浅田芭路)に対して過保護すぎた。そこで祥子はめぐみを一人で東大阪に帰らせた。そうして、舞と祥子の五島での生活が始まった。

生まれて初めてめぐみと離れて暮らす舞は失敗の連続だった。

同級生の一太(野原壱太)が揚げていたばらもん凧を持たせてもらったが、うまく走ることができずにすぐに墜落させ、壊してしまった。一太は許してくれたが、舞はひどく落ち込んで微熱が出てしまった。

夜には熱は下がり、夕食を摂ることはできた。しかし、少し残してしまった。残したことを謝りつつ自室に戻ろうとすると、祥子に呼び止められた。食器を自分で片付けろと言うのだ。舞は自分で食器を洗ったことがなかった。祥子に教えてもらいつつ洗いはじめたが、手を滑らせて皿を割ってしまった。祥子が怒ることはなかったが、舞は気落ちした。

その晩、早くもめぐみのことを思い出して寂しくなりながら床に着いた。
翌朝、舞が目を覚ましたのは学校の始業時間だった。舞は目覚まし時計をかけていなかったし、祥子が起こしてくれることもなかった。
舞はどうして起こしてくれなかったのかと迫ったが、祥子は「自分のことは自分でやれ」と答えるだけだった。

舞は小走りで学校に向かったが、走ることを禁じられていたことを思い出し、途中からは歩いて行った。そのため、大幅に遅刻して到着した。寝癖頭のまま教室に入っていくと、クラスメイトから大笑いされた。
その日はみんなで方言カルタをやった。舞は方言の早口言葉をうまく言うことができなかった。そのことを下級生の子たちにまで笑われた。

帰宅した舞は熱が出て寝込んだ。

舞は、自分が何をやってもうまくできないことを悔やみながら祥子に話した。
祥子は、今できないことは次にできるようになればいいし、なんならできることを探してそれをやればいいのだと優しく諭した。
加えて、今後の休みに祥子の手伝いをしてくれないかと舞に提案した。舞はワクワクして承諾した。

祥子は、手伝いは朝が早いから自分で目覚ましをかけて起きろと茶化した。舞も笑って答えた。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第5回

今週のマクラは一貫して永作博美さんのことしか書いてないわけだけれど、それは放送開始前から決めていたことであり、「俺が本作を見るモチベーションは永作ただ一人である」ということを言外に伝えることが目的だったのだけれど、蓋を開けてみれば人情の機微がうまく練り込まれた脚本であり、それを表現する役者たちもみんな素晴らしく、永作さん以外にもたくさん見所があると思えるようになってきた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の5回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『お母ちゃんとわたし』

舞(浅田芭路)は校外学習で磯へ行った。海の生物をたくさん捕まえたり、めぐみ(永作博美)が早起きして作ってくれた美味しい弁当を食べたりして、とても楽しく過ごしていた。

同級生の耕平(奏音)は、その方がきもちいいといって裸足で海に入っていた。子どもたちはみんなそれを真似した。舞も気持ちよさを実感した。ところが、当の耕平が素足でオコゼを踏みつけてしまい、棘で刺された。大騒ぎになり、引率者は子どもたちに長靴を履くよう指示した。
慌てて長靴を履いて逃げようとした舞は、その拍子に転んでしまった。

舞を送り出しためぐみは、祥子(高畑淳子)が作ったいちごジャムの出荷を手伝っていた。島では若者を中心に人がいなくなり、たくさん収穫された果物も活用されずに腐らせることが増えてきたという。そこで祥子が売り物のジャムにして売っているのだという。
ふたりは瓶詰めしたジャムを車に積み込み、納品へ向かった。

納品に向かう道中、ふたりは舞たちの校外学習の磯を通りがかった。遠目に見ても様子のおかしいことがわかった。助手席に乗っていためぐみは、祥子に車を止めてもらい、大急ぎで磯へ降りていった。
海の中で転んだ舞は、全身がずぶ濡れであることに加え、膝まですりむいていた。ほんのかすり傷のようではあったが、ひどく心配しためぐみは自分の上着を舞に着させ、おろおろした。
祥子は車から降りることなく、その様子をじっと眺めていた。

幸い、舞は大事には至らず、その日の夕食も普通にとることができた。
食卓で、めぐみは舞に注意した。もっと慎重に考えて行動しなければならないと話した。舞は黙ってその言いなりになっていた。

はじめは黙って聞いていた祥子であるが、ついにめぐみは大袈裟だと口を挟んだ。そればかりか、舞を残してめぐみは東大阪へ帰れと言い出した。
祥子は、めぐみが過保護すぎるのだと話しはじめた。そればかりか、舞の方はめぐみの顔色ばかり伺っており、遠慮して自分の気持ちを言うことができない。不健全なので、ふたりは離れた方がいいと言うのだ。

めぐみは当然反発した。しかし、一人になって思い返してみると、確かに舞が口答えせずに自分の言いなりになっていたことばかり思い返された。それで自分だけ帰ることを決めた。
めぐみの決定を聞かされた時も、舞は冷静にそれを聞いていた。舞は特に何を言うわけでもなかったが、夜中に隣の布団で寝ているめぐみに無言で抱きついた。めぐみも何も答えず、その手をそっと握った。

翌朝、めぐみはフェリーに乗って島を去った。
めぐみの姿が船中に消えると、舞はそれまで我慢していた涙を流した。祥子に対して、これでいいのだと話した。自分と一緒にいるとめぐみが辛そうにしているのがわかるのだと言う。そして、めぐみが別離を望んでいるのだから、自分がどんなに寂しくてもそれを帰ることはできないと話した。
祥子は、舞が自分の気持ちを正直に言えたことを褒めた。少しずつであったも、いい兆候であると言った。

港からの帰り道、ばらもん凧が揚がっているのを見た。「ばらもん」とは元気者という意味だそうだ。
舞は、よく知らない島で、よく知らない祖母とふたりきりにされてしまったが、ばらもん凧を見ていると少し気が晴れるような気がした。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第4回

昨日の放送ではめぐみ(永作博美)と舞(浅田芭路)がフェリーターミナルに降り立つシーンがあったわけだけれど、僕にとって”フェリーターミナルに立つ永作博美”といえば真っ先に思い出すのが映画『八日目の蝉』(アマゾンプライムビデオで見る)であり、以前に小豆島へ行った機会には同作の終盤でパンを買った店を見つけ、「その子は・・・、まだご飯を食べていません」と劇中のセリフを言いながら記念撮影をしたことのある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の4回めの放送を見ましたよ。
小豆島のフェリーターミナル

* * *
第1週『お母ちゃんとわたし』

五島の祥子(高畑淳子)の家には、いろんな人々が気さくにやってくる。
船大工の木戸豪(哀川翔)は古くの馴染みで、祥子が今乗っている船も彼の手によるものである。山中さくら(長濱ねる)は獲れたての生きたタコを持ってきてくれた。
彼らは、めぐみ(永作博美)と舞(浅田芭路)の帰郷を遠慮のない親しみをもって歓迎してくれた。

舞は初めて目にする生きたタコに大はしゃぎだった。めぐみは、熱が出るからと言ってたしなめてやめさせた。
案の定、翌日になって舞は39度の熱が出た。

島の診療所の医師・谷(前川清)が往診に来てくれた。
以前の検査で何も異常が見つからなかったと聞いた谷は、何か心の問題やストレスを抱えているのではないかと推測した。しかし、めぐみは心当たりがないこと、および、仕事が忙しくてあまり向き合うことができなかったと反省を述べた。

舞は、元気にならないと東大阪には帰れないと落ち込んだ。
しかし、その翌朝には回復し、舞は新しい学校へ行けることになった。

舞は小学3年生であったが、島の学校では1年生と3年生の複式学級だった。
クラスには、めぐみの幼馴染の子・浦一太(野原壱太)もいた。彼は祥子の家を我が家のように走り回る子で、舞ともすでに顔見知りだった。すぐに調子にのるひょうきんな子どもであるが、熱を出した舞を励ましにきたり、小学1年生の妹・凛(絢香)の面倒を見たりと優しい男の子でもあった。

学校では、翌週に校外学習が予定されていた。磯に出かけ、水棲生物の捕獲や観察を行うのだ。楽しそうな行事であり、舞は磯に行くのも初めてでワクワクした。家に帰って、案内のプリントをめぐみと祥子に嬉しそうに見せた。
ところが、めぐみは難色を示した。磯に遠出すると体調を崩すのではないかと思われたからだ。はっきりとは止めないめぐみであったが、舞はその顔色をうかがって校外学習は諦めると言った。

その時、祥子はめぐみをたしなめた。本人の意思を確認せずに決めるべきではないというのだ。めぐみ自身はそんなことは想像もしていなかったが、舞がめぐみの顔色をうかがって取り下げたことは祥子の目には明らかだった。

祥子に促されると、舞は校外学習に行きたいとはっきり述べた。
こうして、当日、舞は磯へ出かけていった。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第3回

永作博美さんの代表作といえば、月桂冠つきのはるか昔のCMを挙げてしまうし、その時のディレクターと結婚したと聞いて「ディレクターのやつ、うまくやりやがったな。つーか、まじ愛してないとあの夫婦ラブラブCMは作れなかったな」などと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の3回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『お母ちゃんとわたし』

病弱な舞(浅田芭路)は静養のため、母・めぐみ(永作博美)とともに長崎県の五島へ行くことになった。

飼育係として大好きなウサギの世話ができなくなったり、せっかく友達になれた久留美(大野さき)と離れてしまうのはさみしかったが、きっと元気になって帰ってくるのだと決意した。久留美には、別れは一時的なものであると手紙で伝えた。

舞とめぐみはフェリーで五島列島に到着した。
そこは長崎県の西に位置しており、大小150以上の島々がある地域である。美しい海や入江といった自然の景観に加え、古い教会などの建つ風光明媚な場所である。舞の住んでいた東大阪からは900kmも離れていた。

港には、めぐみの母であり、舞の祖母にあたる祥子(高畑淳子)が迎えに来ていた。そこからさらに、祥子の操縦する小型船に乗り換えて彼女の住む島へ向かった。
その間、会話らしい会話はほとんどなかった。

舞が祖母に会うのは初めてのことである。めぐみは帰省はおろか連絡もほとんどとっていなかったので、舞も祖母の存在を意識することはほとんどなかったのである。ほとんど喋らない祖母を見て、自分は歓迎されていないのではないかと不安になった。

それというのも、めぐみは大学進学で島を出た後、勝手に中退して夫となる浩太(高橋克典)と駆け落ちしてしまった。二度と島には戻らないと啖呵を切り、めぐみは祥子と縁を切っていたのだ。それにもかかわらず、急に戻ってきたことにめぐみは引け目を感じていた。

祥子は島で一人暮らしをしていた。夫はすでに亡くなっており、子どももめぐみ一人だった。
めぐみは祥子と二人きりで向き合うと、自分の身勝手な行動を謝った。そして、結婚してからの家族のことをぽつりぽつりと話し始めた。しかし、祥子はそれをすぐに遮ってしまった。実は、めぐみの夫・浩太がまめに年賀状を送っていたのだ。それで祥子はおよそのことは知っていた。

まだ祥子とのわだかまりが解消されたとは思わないが、めぐみはここで焦らすにゆっくりと暮らして、舞が元気になってくれさえすればいいと思うのだった。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第2回

永作博美さんのことはずっと前からそれなりに好きだったんだけれど、完全にハマって大好きになったのは映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』を観た時である当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の2回めの放送を見ましたよ。

* * *
第1週『お母ちゃんとわたし』

学校でウサギの飼育係になった舞(浅田芭路)であったが、脱走したウサギを走って追いかけたことで熱を出してしまった。舞は、昨年から原因不明の熱を出しやすい体質になってしまっていたのだ。

医師(ぼんちおさむ)は舞を取り巻く環境がよくないのではないかと見解を述べた。親が慌ただしくなると、子どもはその影響を受けて不調になるというのだ。

実際、父・浩太(高橋克典)の町工場は、職人が一人辞めてしまったため火の車になりつつあった。かといって、新たに人を雇う余裕もなかった。
職人が抜けた穴は、めぐみ(永作博美)が埋め合わせていた。めぐみは主婦として家事育児に加え、工場での事務処理を一手に引き受けていた。そればかりか、家族や職人たちの前ではいつも笑顔で、苦労を見せることはなかった。父・浩太もそんなめぐみについつい甘えてしまっていた。

そんな中、病弱な舞の世話まで負うことになっている。舞の兄・悠人(海老塚幸穏)も最近は難しい年頃になってきた。中学受験を控えて追い込みの時期だが、両親は仕事や舞の看病につきっきりで、悠人のことはどうしても後回しになってしまう。それが彼には不満なのだ。

ついに、めぐみの緊張の糸が切れてしまった。夜の洗い場で、浩太を前にして泣き崩れてしまった。
浩太は、めぐみに舞を連れて五島へ里帰りすることを勧めた。舞はもちろん、めぐみにとっても環境が変わることはいいことだと思ったのだ。
しかし、めぐみはなかなかそれを受け入れようとはしなかった。めぐみは実家の母・祥子(高畑淳子)と折り合いがよくないのだ。そのことは浩太もよく理解していた。しかし、すでに家庭が崩壊しかかっていることは事実であり、祥子に助けを求める以外に方法はないと説得した。

めぐみは意を決して、実家の母・祥子に電話をかけた。久しぶりのことで、めぐみはうまく言葉が出てこなかった。それでもなんとか舞とともにしばらく里帰りしたいと願い出た。祥子はぶっきらぼうに来たければ来ればいいとだけ告げて電話を切った。

その頃、舞は学校で一緒に飼育係をしている久留美(大野さき)からの手紙を受け取った。隣に住んでいる幼馴染でクラスメイトの貴司(齋藤絢永)が預かってきてくれたのだ。
久留美の手紙には、舞が回復して学校に来ること、そして一緒にウサギの世話ができるといいと書いてあった。舞は喜び、早く体調を治したいと願った。

翌朝、舞の熱は下がった。これで学校に行けると嬉しくなった。
そんな舞に、めぐみはふたりで五島に行くことを提案した。今の学校には行けなくなるが、五島の学校に通えばよいと言う。
舞はしばらく考えたが、五島行きに同意した。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第1回

永作博美さんのことを大好きな当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の第1回の放送を見ましたよ。

* * *
第1週『お母ちゃんとわたし』

1994年4月、東大阪市。
小学生の岩倉舞(浅田芭路)は始業式の後、7日連続で学校を休んでいた。去年の秋頃から頻繁に原因不明の熱が出るようになり、今週もずっと体調が悪かったのだ。
今日はずいぶんと調子は良かったので、母・めぐみ(永作博美)から登校するよう促された。けれども、舞はあまり乗り気になれなかった。新年度にクラス替えがあり、すでにクラスメイトたちは友人グループを作ってしまったと思われた。今ごろ学校に行ってもクラスに馴染めないのではないかと不安なのだ。
それでも、舞は学校へ行くことにした。母をあまり心配させたくなかったし、学校で飼育しているウサギにも会いたかったからだ。

学校に来たものの、やはり舞はあまりクラスに馴染めなかった。発熱のおそれがあるので運動が禁じられており、体育の授業は見学のみだった。休み時間にクラスメイトたちが校庭で楽しそうに遊んでいても、舞はそれに参加することができなかった。ひとりでウサギを眺めるだけだった。本当はウサギに触りたかったのだが、それをしていいのは飼育係のみだと決められていた。

各児童はクラスでなんらかの係を担わなければならない。どの係を希望するか聞かれたが、舞はもじもじするだけで何も答えられたなかった。
舞の幼馴染で、家の隣のお好み焼き屋の息子である梅津貴司(齋藤絢永)はそんな舞を見かねて、飼育係に推薦してくれた。そうして舞は飼育係に決まった。

放課後、同じ飼育係の望月久留美(大野さき)と共にウサギの世話に行った。しかし、ウサギは飼育小屋の地面に穴を掘って逃げ出してしまっていた。望月久留美はすぐに走って探しに行ってしまった。
舞は迷った。自分も急いで探しにいかなければならない。けれども、熱の出る恐れがあるので走ってはならない。
しかし、ことは急を要する。舞は構わずに駆け出した。

はたして、逃げ出したウサギは偶然通りがかった幼馴染の梅津貴司が捕まえた。無事にウサギが戻り、飼育作業を終えた舞は貴司と一緒に下校した。
貴司は舞を飼育係に勝手に推薦したことを謝った。一方の舞は、飼育係を希望していたけれど言えなかったので助かったと感謝を述べた。

舞が帰宅すると、1枚の絵葉書が届いていた。そこには美しい海と島々の風景が写っていた。舞はその写真に魅了された。母に尋ねると、彼女の故郷である五島列島の風景だという。舞は母にねだって、その絵葉書をもらった。

その時、舞はまたしても発熱した。

* * *

続きを読む

『ちむどんどん』まとめ記事終了します

NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』の第7回の放送も見たのですが、もう耐えきれませんでした。買ったばかりの運動靴や体操着が一晩で豚にボロボロにされるとか、バカバカしくて見てられませんでした。

黒島結菜さん登場まで我慢できなかったことが残念ですが、今回の朝ドラのまとめ記事は終了させていただきます。
ご愛読ありがとうございました。

次回は、福原遥さん主演の『舞いあがれ!』でお会いしましょう。

NHK『ちむどんどん』第6回

昨夜は奈良市三条通の海風という店で沖縄料理を食べてちむどんどんした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』の第6回の放送を見ましたよ。

* * *
第2週『別れの沖縄そば』

父・賢三(大森南朋)が心臓発作で倒れた。
連絡を受けが暢子(稲垣来泉)たちきょうだいは急いで家に帰った。なんとか最期には間に合ったものの、賢三はそのまま息を引き取った。

亡くなる直前、賢三は家族のひとりひとりに励ましや感謝の言葉を述べた。けれども、暢子にだけは何も言わず、微笑みながら数回頷いただけだった。
暢子は、自分だけ何も言われなかったことを悔やんだ。しかし、姉・良子(土屋希乃)によれば、それは暢子は今のままでよいという意味だと説明した。確かに、生前の父から何度も言われていたことだ。それで暢子は納得し、自分は自分らしく生きていこうと決意した。

暢子たちの家には、家屋の建築費やさとうきび畑の購入費など多額の借金が残った。村の人々が連帯保証人になっており、彼らは家を売ってなるべく借金を返すよう迫った。
しかし、母・優子(仲間由紀恵)をはじめ、子どもたちは猛反発した。この家は父・賢三が自ら建てたものである。それだけはどうしても手放したくないのだ。

保証人たちも渋々納得し、彼らの紹介で母・優子は建築現場のまかない係として働きに出ることになった。そこでの仕事は日給を現金でもらうことができ、より早く借金返済にあてられるのだ。

優子は朝早く家を出て働きに行くようになった。子どもたちも朝早くから分担して家事や畑仕事を担うようになった。
優子の方こそ気丈に仕事を続けていたが、子どもたちの方は10日もしたら生活が破綻した。朝寝坊して家事が滞るようになり、イライラして夕食の場では喧嘩を繰り広げるようになってしまった。

そしてもうすぐ運動会である。
兄・賢秀(浅川大治)は運動靴、姉・良子は体操着がそれぞれボロボロになっていたが、そもそも賢三の生前から比嘉家には買い替える余裕がなかった。ましてや、今の状態ではとてもじゃないが買えそうになかった。

* * *

続きを読む

NHK『ちむどんどん』第5回

芋たこなんきん』の田畑智子がいい感じだなと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』の第5回の放送を見ましたよ。

* * *
第1週『シークワーサーの少女』

暢子(稲垣来泉)たち比嘉一家は、青柳(戸次重幸)に那覇のレストランに招待してもらった。

暢子は、レストランの瀟洒な雰囲気や美味しい料理に感激した。
出された料理は全てメモに取り、忘れないように一生の思い出にするつもりだ。シェフが客席を回って挨拶する姿もかっこよく、憧れの眼差しで見つめた。
東京にはたくさんのレストランがあると聞き、暢子はより強く東京に行ってみたいと思うのだった。

1ヶ月後には、青柳父子は東京に戻る。
沖縄の生活にすっかり馴染んだ和彦(田中奏生)も暢子たちとの食事を楽しみ、どこか名残惜しそうだった。

レストランから帰ってきても子どもたちの興奮は冷めやらなかった。
母・優子(仲間由紀恵)と父・賢三(大森南朋)はそんな様子に目を細めて喜んだ一方で、心配事も尽きなかった。自分たちは子どもらに十分なことをしてやれているのか自問自答した。

実際、比嘉家の家計は余裕があるとは言えなかった。子どもたちの運動靴や体操着すら簡単には買ってやれず、知人からのお下がりなどを使わせている。暢子がどんなに東京に行きたいと言っても、その旅費を工面できるはずがない。
さとうきび畑や自宅は大きな借金をして購入した。農閑期になると賢三は那覇へ大工仕事の出稼ぎをしなければ立ち行かない。
金のことは両親の悩みのタネだった。

ある日、さとうきび畑での作業中に賢三が倒れた。

* * *

続きを読む

NHK『ちむどんどん』第4回

再放送で見た『ちゅらさん』のまとめ記事は6回しか続かなかったし、結局、最後まで見た覚えもない方が、NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』の第4回の放送を見ましたよ。

* * *
第1週『シークワーサーの少女』

比嘉家は、青柳父子を夕食に招いた。家で買っていた豚を潰して振る舞うなど、これ以上ないもてなしだった。
しかし、沖縄に連れて来たことを後悔している和彦(田中奏生)は仏頂面のままで、あまり箸を進めようとしなかった。

ところが、暢子(稲垣来泉)が味付けをしたという沖縄そばを一口食べてみると、それは今まで食べたことがないほど美味しかった。和彦の表情は一気に和らぎ、その他の料理も次々と口に運んだ。
暢子は自分の手伝った料理を褒めてもらって大喜びした。

この出来事を契機に、和彦は沖縄のことも比嘉家のこともすっかり気に入った。
それからというもの、暢子たち兄弟と仲良く交流するようになった。

暢子は和彦にシークワーサーを食べさせてみた。
その酸っぱさに和彦は顔をしかめた。暢子の説明によれば、シークワーサーは冬になると黄色く熟して甘くなるという。その頃にまた食べさせたいと話した。
ところが、それを聞いた和彦は顔を曇らせた。彼らは運動会が終わる頃に東京に帰るのだという。冬のシークワーサーは食べられないのである。しかも、東京で中学を卒業した後はアメリカの高校へ留学することを考えているという。東京を訪問したいと望む暢子の願いも叶えてやれなさそうだった。

ある日、和彦の父・史彦(戸次重幸)が、比嘉家を那覇のレストランに誘ってくれた。
暢子たちは、初めて見るレストランの華やかな様子に感激した。

* * *

続きを読む