NHK『舞いあがれ』第34回

朝ドラまとめ記事を書くに当たりマクラが思いつかなくて困ってしまう夢を見て、目覚めの悪い当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の34回めの放送を見ましたよ。

* * *
第7週『パイロットになりたい!』

幼馴染たちは島を去ったが、舞(福原遥)は五島に残り、自分の進路について一人でじっくり考えることにした。

そこへ、地元の船大工・木戸(哀川翔)が立派な鯛をもってやってきた。舞が婚約者を連れて島にやって来たという誤った噂を聞き、勘違いした木戸が祝いとして持ってきたのだ。舞は、自分はまだ学生であり、結婚など考えていないと否定した。
すぐに過ちを認めた木戸であったが、学生だから結婚しないという点には異議を唱えた。舞の母・めぐみ(永作博美)だって学生の時に結婚したというのだ。ただし、祥子(高畑淳子)は反対されて駆け落ちしてしまい、めぐみは故郷に帰ってこなくなった。ふたりは喧嘩したままだったが、祥子はいつもめぐみのことを心配していたという。舞は、両親の結婚の経緯を聞くのは初めてだった。

舞は祥子にも詳しく聞くことにした。すると祥子は正直に話してくれた。
1981年、当時20歳のめぐみは浩太(高橋克典)を連れて結婚の報告に来た。教師になるために大学に通っていたが、中退して大阪の町工場を手伝いながら結婚生活を送るというのだ。祥子は猛反対した。世間知らずの小娘に町工場の女将など務まるはずもなく、苦労するのが目に見えるからだ。浩太にもケチをつけた。めぐみが苦労することは分かりきっているのに、大学を辞めさせて自分の妻にするなど、めぐみのことを大事にしているとは言えないとなじった。
どんなに言われてもめぐみの意思は変わらなかった。それきり喧嘩別れした。
祥子は当時の心境を振り返った。一時の気持ちでそれまで頑張ってきたことを諦めることは誤りだと思っていたし、苦労することが明らかだったので認めることができなかったというのだった。

舞を迎えにきためぐみと浩太が五島に到着した。ふたりには、舞としっかりと話し合いをする目的もあった。

舞は、パイロットになりたい決意は変わらないと話した。当初の夢であった飛行機作りを嫌いになったわけではないが、それよりもやりたいことが見つかったのだという。一方めぐみは、自身の懸念を話した。パイロットは人の命を預かる責任ある仕事であり、同時に男社会でもある。舞はそのような環境で道を切り開くタイプの人間だとは思えず、苦労することが明白だ。ゆえにめぐみは賛成できないというのだ。

舞は、そのような仕事だからこそ挑戦したいと述べた。人力飛行機のパイロットを務めた時、みんなの期待を背負い、重い責任を感じながら飛行した。けれども、実際に飛んでみると楽しかったし、嬉しかった。将来、旅客機のパイロットになった時も、誰かに会ったり仕事のためなど、いろんな思いを持った旅行者を乗せることになる。その責任を背負って飛べる人になりたいと力説した。
さらに、小さい時から働く両親の姿を見て、仕事とは大変なものだということは理解していた。しかし、浩太は夢を持って仕事に打ち込み、めぐみはそれをきちんと支えていた。どんなに仕事は大変でも、辛そうには見えなかった。それと同じように、自分も大変な思いをして働くなら、せめて自分の好きなことをやりたい。

そして、深く頭を下げながら航空学校に行かせてほしいと頼んだ。
めぐみは舞が一時の浮ついた気持ちでないことを理解した。航空学校への転学を認めた。
祥子は話し合いんは参加しなかったものの、そばで一部始終を聞いていた。

祥子とめぐみは台所で夕飯の支度をはじめた。
祥子は、舞が自分の気持ちをしっかり言えるように成長したと話した。小学生の時に初めて五島に来た時は、自分のことは何も言えず、全て母の言いなりとなる子だったのだ。
続いて祥子は、めぐみに謝った。めぐみが結婚すると言い出した時、きちんと話を聞けばよかったと後悔の念を述べた。実際、反対を押し切って結婚しためぐみは現在幸せになっていると誉めた。
めぐみは涙ぐんだ。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第33回

昨日僕の身に起きた恐ろしい話を聞いてほしいのだけれど、どんな話かというと、スマホに着信があったんだけれど手の離しにくい作業をしていたこともあって、必要なら相手からかけ直してくるだろうし、なんなら着信履歴を見てこちらからかけ直してもいいと思って無視したんだけれど、1分くらい鳴り続けたまま止まらなかったわけで、尋常じゃない雰囲気を感じ取って画面を確認したら、そこには20年くらい前に交際していた女の子のお母さんの名前と番号が表示されていたわけで、さすがにそれには寒気がしたわけで、ていうか、そんな昔の交際相手の親御さんの電話番号がスマホ電話帳に残っている僕も僕だけれど、そこはまぁ何かの拍子にヨリが戻ったりするかもしれないし、復縁しないまでも何か特別な要件が発生するかもしれないとも思うし、つーか実際にこうして電話がかかってきたわけで、電話帳に残しておいたからその人だとすぐにわかったわけで、けれども、あんまり良い別れ方もしてないし今さら話をするのもイヤだなぁとは思うわけで、そればかりか、なぜかテレビ電話モードでかかってきていて「え?マジ?20年ぶりくらいに顔見せ合うの?ますますイヤだよ」ってなるわけじゃん、だから電話には出ずに切断ボタンを押したんだけれど、後になって考えればテレビ電話モードで1分以上も呼び出し続けるなんて常識的にはあまりないことだと思うわけで、きっと意図しない誤操作かケータイの故障でかかってしまったんだろうなと思われるし、今回の件は無かったことにしようと決めたんだけれど、誤操作にしろ故障にしろ、まったく無作為な番号にかけてそれがたまたま僕の番号になる確率ってきっと数億分の一くらいの確率のはずでまずあり得ない、けれども電話帳に登録されている番号から無作為に選ばれたならたかだか数千分の一くらいだろうから数億に比べればずいぶんあり得る、だから相手の電話帳に今でも僕の番号が残っているんだろうなと推測できて、自分が登録したままなのは棚に上げたまま、相手の電話帳ではずいぶんと恐ろしい状態が維持されているんだなと身震いした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の33回めの放送を見ましたよ。

* * *
第7週『パイロットになりたい!』

行方不明になった貴司(赤楚衛二)は五島にいるというところまでわかった。舞(福原遥)は、過去に自分が送った絵葉書に写った灯台にいるものと推測し、久留美(山下美月)とともに現地へ向かった。想像通り、そこに貴司がいた。

貴司は、ここに来れば自分は変われると思ったのだと話した。
入社して1年近く経っても営業成績は最下位で叱責されるばかりであった。他の人なら聞き流せるのかもしれないが、貴司にとっては辛い悩みとなった。古本屋の八木(又吉直樹)にだけは苦しい胸の内を明かすことができ、それによってなんとか仕事を続けることはできていた。しかし、八木は店を畳んでいなくなってしまった。その途端、苦しくなって出社することができなくなった。そんな時、舞からもらった絵葉書のことを思い出し、会社を辞めて五島に来たのだという。
貴司は、人との衝突を避けるため、自分の本当の気持ちを抑えて人に合わせていたと打ち明けた。そうしているうちに、自分が何を好きだったのかもわからなくなってしまったという。五島に来て海や空を眺めていたら、世界の広さを思い知ったと語った。同じ青色でも海や空の青さには無限の違いがあること、夜になると無数の星が浮かび上がることなどを実感した。今までの自分はいかに狭い世界しか見ていなかったのかと思い知ったという。ここに来てよかったと心の底から喜びをかった。

その後、舞は貴司と久留美を祖母・祥子(高畑淳子)の家に案内し、泊めてもらうことになった。舞は本人が気に病まないよう、貴司が入浴中に彼の両親に電話で報告した。ひどく取り乱していた雪乃(くわばたりえ)はひとまず安心した。

夕食が始まった。舞も久留美も、腫れ物に触れるように貴司に接した。
しかし、祥子だけは歯に衣着せぬ物言いをした。貴司は社会から逃げてきたのかと尋ねたり、彼の考え方や語り口は変わり者だと評したりした。そして、変わり者なのだから周囲に合わせたりせず、堂々と自分らしく生きていけばいいと助言した。

一夜明けて、貴司はすっかり気が晴れた。
貴司は舞と久留美に今後の抱負を語った。世界は広いのだから、自分が自分のまま生きていける場所がどこかにあるかもしれない。その場所を探しに行きたいと話した。いろいろな場所に行きながら、そこで歌を詠みたいと希望を述べた。
ただし、そんな生き方をするためには、まず両親を説得する必要があると話した。

貴司の決意を聞いた久留美は、自分も新しい挑戦をすると二人に話した。幼い頃に別れたままの母に会ってみるのだという。
舞も同じく決意を新たにした。母・めぐみ(永作博美)に猛反対されたが、パイロットになることを諦めないと決めた。

舞は浩太(高橋克典)にメールを送って、いろいろ考えるためにもう少し五島に滞在すると連絡した。
めぐみもめぐみで、舞をどう扱えばよいかわからず悩んでいた。その様子を見た浩太は、めぐみが舞とじっくり話し合うことが必要だと言い、話し合いのために五島まで舞を迎えに行こうと提案した。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第32回

年が明けてからマメに自炊するようになり、ほぼ毎朝ベーコンエッグを作っているのだけれど、スーパーでいつも同じベーコンを買っているはずなのに、半月前くらいからベーコンを掴んだ時の感触が変わって薄くなったように思うし、気のせいかもしれないし、けれども以前と同じ火加減と加熱時間で調理しているにもかかわらず焦げが増えるようになっていて、これはもしかして価格据え置きのままベーコンの容量が減ったのではないかと疑っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の32回めの放送を見ましたよ。

* * *
第7週『パイロットになりたい!』

貴司(赤楚衛二)が3日間も家に帰らず、ケータイも繋がらなくなった。彼の母・雪乃(くわばたりえ)が勤め先に問い合わせたところ、3日前に突然退職届を提出して会社を去ったのだという。それまではごく普通に働いており、会社側でも事情は全くわからないという。

舞(福原遥)は、幼馴染仲間の久留美(山下美月)にも知らせ、一緒に心当たりを探し回った。最初に思いついたのは古本屋デラシネであったが、入り口に閉店の知らせが貼ってあり無人だった。町中を探しながらも、何度も貴司に電話をかけたが繋がらない。

舞は、今にして思えば、貴司の様子が少し変なことに気づいていた。紙ナプキンに「干からびた犬」と書き留めたり、会社から昼夜を問わず呼び出されるのを目撃していた。貴司が会社のノルマも達成できず、叱られてばかりだと話しているのも直接聞いていた。けれども舞は、人力飛行機で飛ぶことや航空学校への進学のことで頭がいっぱいで、貴司には何もしてやれなかったと悔いた。

そこへ、やっと貴司から電話がかかってきた。
貴司は五島にいるのだという。過去に舞からもらった絵葉書の風景を見てみたくなったのだと話した。そして、今は限界で両親と話をする気にもなれないが、生きているとだけ伝言してほしいと頼んだ。すると一方的に電話が切れた。

舞は早速、貴司の両親に報告した。そして、貴司は一人で考える時間が欲しくて、顔見知りが一人もいない五島に向かったのだろうとの推測を述べた。自分が五島に行って、貴司の様子を見てくることを提案した。
ずっと取り乱したままの母・雪乃は、自分が行くと言い張った。しかし、夫・勝(山口智充)は舞が行くべきだと妻を説得した。貴司は小さい時から本が好きだった。両親は大学で文学を学ばせるつもりであったが、本人が大学以外でも勉強はできると言って高卒で働くことを決めた。そんな経緯があるので、仕事を投げ出して辞めてしまったことを親には言い出しにくかったのだろうと推量した。実際、貴司本人も舞にだけ電話をかけてきたのだ。勝は、だからこそ舞に頼むのが良いと考えた。

こうして翌日、舞は久留美とともに五島に向かった。現地に到着したものの、五島はそれほど狭い土地ではないし、そもそも貴司がまだここにいるのかもわからなかった。
それでも舞には貴司の居場所の心当たりがあった。貴司が電話で言っていた絵葉書は大瀬崎灯台の写真であり、舞は彼がそこにいるに違いないと考えていた。空と海が夕焼けに染まった綺麗な写真で、いかにも貴司の好きそうな景色だったのだ。

ふたりは夕方の灯台に到着した。やはりそこに貴司がいた。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第30回

松尾諭田口浩正はどっちがどっちかたまにわからなくなる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の30回めの放送を見ましたよ。

* * *
第6週『スワン号の奇跡』

2005年1月になった。
舞(福原遥)は航空機のパイロットになりたいという思いが日増しに強くなる一方だった。受験のための勉強に打ち込み、学費のためにバイトの時間も増やした。

しかし、両親にはまだ打ち明けられずにいた。浩太(高橋克典)の会社は取引先も増え好調だった。浩太は、今でも舞の夢は飛行機を作ることだと思っている。このまま工場の調子が続けば、舞の作った飛行機に部品を載せることもできると楽しそうに話した。
舞はますます両親に自分の進路変更を言い出しにくくなった。

一方、舞はなにわバードマンを休部することにした。
そのことを申し出ると、他の部員たちは一斉に苦情を述べた。ただでさえ3回生が引退して人手が少なくなったところで、次の人力飛行機の製作も正念場を迎えようとしている時期なのだ。舞のパイロットになりたいという希望を聞くと、反対の声がますます大きくなった。航空学校の入学倍率は高いことが知られており、ましてや日本に女性パイロットはほとんどいない。なにわバードマンの出身者の中にもパイロットになった者は存在しない。舞がパイロットになれる見込みはないと言うのだ。
そんな中、冬子(吉谷彩子)だけは見方をしてくれた。むしろ、出身者の中から航空機パイロットが出れば凄いことである。そのために応援すべきだとみんなを説得した。
その結果、他の部員たちの考えも変わり、舞を応援しつつ休部を認めてくれた。

その頃、貴司(赤楚衛二)は何もかもがうまくいかなかった。システムエンジニアの仕事には向いておらず、会社に居場所がなくなってしまった。馴染みの古本屋・デラシネで詩を書こうにも、何も言葉が浮かばなかった。
しかも、店主・八木(又吉直樹)は店を畳む準備を始めていた。八木は、朝になると睡蓮の花が開き、春になると白鳥が北へ飛んでいくのは得体の知れない何かに呼ばれるからであって、それと同じように自分も何かに呼ばれたのだとだけ説明した。今の貴司にはよくわからない話だった。
貴司は自分の拠り所であるデラシネがなくなることを不安だと伝えた。すると八木は、短歌を作るよう勧めた。今の貴司が詩を書けないのは言葉が詰まってしまっているからであり、文字数の制約があればむしろ言葉が出てくるものだと話した。
八木は即興で「嬉しさは 忘れんために 悲しさは 忘れるために 短歌にしてみ」と詠んだ。

3月になった。
舞はまだ両親に本当のことを言い出せずにいた。

看護学校に通っている久留美(山下美月)は成績優秀で、翌年度の学費免除が決まった。
夜、上機嫌で帰宅すると、警備員の仕事に出かけているはずの父・佳晴(松尾諭)が灯りもつけずに部屋に佇んでいた。非常階段で足を滑らせて捻挫し、そのまま仕事を辞めたのだと言う。もともと向いている仕事だとは思っておらず、せいせいしたと吐き捨てた。

ふたりは言い争いになった。
久留美は、アルバイトで家計を助けながら、努力して学費免除を獲得した。それでも生活は楽になっていない。佳晴が仕事を辞めてしまったことで、家賃の支払いの目処が立たなくなる。佳晴は、売り言葉に買い言葉で、久留美は本当は別れた妻のところに行きたかったのだろうと言った。そして、自分と一緒にいるのが嫌なら結婚して家を出ればよいと捨て台詞を吐いた。
久留美は、こんな父がいたら結婚できないと答え、家を飛び出した。

久留美は雨の中、傘もささずに舞の家へ向かった。ずぶ濡れの姿に驚いたものの、めぐみ(永作博美)は優しく迎え入れてくれた。その晩、久留美は舞の部屋に泊まることになった。久留美は、舞のことが羨ましいと話した。母は優しく、父は頼りになるからだ。
それから久留美は、もし舞が久留美の立場だったら、年に一度だけバースデーカードを送ってくる別れた母に連絡を取るかと尋ねた。舞は、わからないと正直に答えた。久留美も明確な回答を欲していたわけではなく、自分もわからないままだと話した。
続けて、久留美は父にひどいことを言ったと反省の弁を述べた。しかし、黙って我慢していたら何も変わらないから仕方なかったと話した。

久留美が最後に述べたことは、舞の心を動かした。
後日、ついに舞は両親にパイロットになりたいと打ち明けた。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第29回

スポニチの『「舞いあがれ!」人力飛行機滑走シーン NHK制作統括「福原遙さんの覚悟を感じた」』という記事で、飛行シーンは搭乗していなかったけれど、滑走シーンは福原遥本人が実際にペダルを漕いでいたと知った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の29回めの放送を見ましたよ。

* * *
第6週『スワン号の奇跡』

舞(福原遥)は飛行機で空を飛んだことが忘れられなかった。とても幸せに感じ、自分は空を飛ぶために生まれてきたのだとすら思うほどだった。
翌年のなにわバードマンのパイロットは秋に選考会が行われる。それまでの2ヶ月間、舞は休むことなくトレーニングを続けた。

秋になり、3回生は引退し、なにわバードマンの新代表は2回生の佐伯(トラウデン都仁)となった。
パイロット候補として、舞の他に冬子(吉谷彩子)と藤谷(山形匠)が名乗りを上げた。選考会の結果、3人の中から冬子が翌年のパイロットして選出された。
舞は冬子を心から祝福した。冬子が相手ならば素直に諦めがついた。機体制作班として、彼女のために最高の主翼を作ると約束した。

しかし、舞は空を飛ぶことへの未練でいっぱいだった。授業や機体製作も気がそぞろで、いつもパイロットになることばかり考えていた。
幼い時は父・浩太(高橋克典)と一緒に飛行機を作ることが夢だったが、それがいつしか、自分が飛行機を操縦して飛ぶことへの夢が変わっていたのだ。旅客機のパイロットになりたいという思いを強くなった。

こっそりとパイロット要請に関する本を読んでいるところを冬子に見つかった。舞は気恥ずかしくて隠そうとしたが、冬子は舞の目標を後押ししてくれた。冬子はパイロット養成学校に入りたかったが、規定身長の158cmに満たなくて諦めたのだという。舞の身長は159cmなので受験資格は満たしているようだった。

舞はパイロット養成学校に入学することを具体的に考え始めた。パンフレットも取り寄せ、受験のための勉強も始めた。
しかし、夢が変わったことに後ろめたさを感じ、なかなか誰にも言い出すことができなかった。

最初に相談するのは母・めぐみ(永作博美)と決めていたが、やはり言いにくかった。しかも、彼女は工場の経理の仕事を夜に家で行わなければならないほど忙しそうで、とてもゆっくり話のできる状態ではなかった。また別の日には、兄・悠人(横山裕)が自分からの電話を無視していると言ってイライラしていた。

めぐみに頼まれ、舞は兄・悠人に電話をかけた。すると悠人は舞からの電話にはすぐに出た。めぐみからの伝言として年末には帰省するよう話したが、彼は何かと理由をつけて帰ろうとしなかった。
舞は自分がパイロットになりたいということを悠人に打ち明けた。両親には言い出しにくいと相談した。すると悠人は面白がって、両親に打ち明けるこっけいな様子を見るために帰省するなどと言ってからかった。

クリスマスになった。
舞は幼馴染の久留美(山下美月)と貴司(赤楚衛二)を呼び出した。そして、パイロット養成学校に入りたいこと、しかし、両親にはまだ相談できていないことを打ち明けた。

それを聞いた久留美は、舞の悩みは贅沢だとだけ答えた。久留美の両親は彼女が幼い頃に離婚し、今は不安定な職に就く父・佳晴(松尾諭)と二人暮らしである。家を出た母親とは一切の交流がないが、久留美の誕生日にだけは今でもバースデーカードを贈ってくる。そんな久留美なので、親に相談できないという舞に対して複雑な思いを抱いたのだ。

一方の貴司は、舞のことを羨ましいと述べた。舞が本当の自分を見つけたことを素直に祝福した。
その時、貴司のケータイに上司から電話がかかってきた。彼は一足先に店を出ることにした。電話で貴司は罵倒され、クリスマスの夜にもかかわらず、今すぐに出社するよう命じられた。

幼馴染の3人は仲が良い。しかし、そんな仲でも互いに言えないこともあったのだった。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第28回

Amazonのオリジナルドラマ『モダンラブ: さまざまな愛の形』の第5話に永作博美さん、そして第7話(アニメ)に黒木華さんが出演していることを知った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の28回めの放送を見ましたよ。

* * *
第6週『スワン号の奇跡』

女性パイロットによる人力飛行機の世界記録 15.44km を超えるべく、舞(福原遥)の乗ったスワン号が離陸した。
刈谷(高杉真宙)と冬子(吉谷彩子)は船で後を追いながら、無線で指示を送った。他の部員たちは湖岸から見守った。
出だしは順調で、スムーズに琵琶湖の上を飛行した。舞の視界には空しか見えなかった。その光景に舞は自然と笑顔になった。

しかし、距離1kmを超えたあたりから早くも高度が下がり始めた。風向きが不利で揚力が生まれにくい条件だったのだ。刈谷は、風向きが変わるまで、より強くペダルを漕ぐことを指示した。舞はその通りに力を込めた。
2km通過した頃、無線が不調になり、舞は外部との連絡が取れなくなった。しかも、コクピットの中は蒸し暑く、舞は早くも苦しみはじめた。それでも、みんなが思いを込めて作ったスワン号をより遠くまで飛ばすべく、懸命にペダルを漕ぎ続けた。

そして、飛行時間約10分、飛距離3.5kmほどでスワン号は墜落した。記録には遠く及ばなかった。機体は琵琶湖へ着水した衝撃で大破した。
舞はすぐさま船に救出された。船上の舞は、不甲斐ない結果に終わったことを泣きながら刈谷と冬子に謝った。
けれども、彼らは舞を責めることなく、がんばりを褒めてくれた。刈谷などは、スワン号を舞に任せたことを良かったと思っているし、全ての過程と結果を誇りに思うとまで言ってくれた。
岸に戻ると、部員たちは大はしゃぎで迎えてくれた。誰一人として落胆している者はいなかった。
舞はまだ悔しい思いでいたが、部員たちに礼を述べた。自分と一緒に空を飛んでくれてありがとうと感謝を伝えた。

舞がひとりで佇んでいると、冬子が近寄ってきた。
空を飛んだ感想を聞かれた舞は、とても幸せな気分で、自分はこのために生まれてきたような気がすると答えた。墜落直後は落ち込んでいた舞であるが、今はもう楽しかったことしか思い出せないほど立ち直っているように見えた。
3回生たちは今回で引退だが、冬子は2回生である。来年こそは自分がパイロットとして空を飛ぶと宣言した。舞は自分ももう一度飛びたいと答えた。ふたりはライバルだと言って笑いあった。

こうして、なにわバードマンの夏が終わった。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第27回

昨日のまとめ記事ではあやたんに撮ってもらった写真を掲載したわけだけれど、実は同じ日に彼女にたこ焼きを奢ってもらった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の27回めの放送を見ましたよ。

たこ焼きを持っているのがあやたんである

* * *
第6週『スワン号の奇跡』

記録飛行まであと3日。
舞(福原遥)はついに目標であった44kgにまで減量に成功した。また、ペダルを180ワットで1時間漕ぎ続けることもできるようになった。苦しかったトレーニングや食事制限からあと少しで解放される。

冬子(吉谷彩子)によれば、本番の前日はたっぷりと食事を摂ってよいという。むしろ炭水化物を大量に摂取し、スタミナ切れを起こさないようにする必要があるのだ。その話を聞き、舞はあれも食べようこれも食べようと、食べ物のことばかり考えるようになってしまった。

記録飛行の前日、いつも部室に一番乗りをするはずの舞だったが、その日は舞以外の全員が先に来て作業をしていた。自分が何か予定を見落としていたのかと心配したがそうではなかった。舞に炭水化物を摂らせるため、部員総出でたこ焼きパーティの準備をしていたのだ。
なにわバードマンは学園祭でたこ焼き屋台を出すのが伝統だという。部員たちの手際や連携は見事で、あっという間に美味しいたこ焼きが出来上がった。

みんなで和気藹々とたこ焼きを食べた。
そんな中、刈谷(高杉真宙)はたこ焼き機で野菜を焼いて食べ始めた。彼によれば、炭水化物は頭の回転を鈍らせるから野菜も食べる必要があると言うのだ。そんなことは邪道だと詰め寄る玉本(細川岳)との間で言い争いが起きた。

それを見た部長・鶴田(足立英)が止めに入った。彼ははずみで、「これが最後」だから諍いはするなと言ってしまった。確かに、明日の記録飛行が終われば3回生は引退である。部員たちは沈み込んでしまった。
雰囲気を取り繕うように鶴田は話を続けた。この数ヶ月、鶴田は何度も諦めかけたという。人力飛行機大会の書類審査で落選した時、テスト飛行で冬子が怪我をしてスワン号が壊れた時、それを見て刈谷がやめてしまった時。しかし、それらの逆境を乗り越え、全員が揃って明日を迎えられることが嬉しいのだと話した。

それを聞いた部員たちは再び高揚感に包まれた。
一度壊れた機体は完璧に修復され、冬子と二人三脚で舞の体力も目標に達した。部員が一人も欠けることなく一丸となってスワン号を飛ばすことができるのは奇跡だと言い合った。

その晩、舞はなかなか寝付けなかった。みんなが多くの苦労や心を込めて作った機体である。それを自分が飛ばすのだと考えると怖気付いてしまったのだ。
舞は五島に住む祥子(高畑淳子)に電話をかけて苦しい胸の内を明かした。すると祥子は、みんなは舞を信じているはずである、それと同じように舞も自分自身を信じてやれば良いと助言した。その励ましに舞は安心することができた。

そしていよいよ本番当日。
舞はプロペラを漕ぎ始め、スワン号は世界記録更新に向けて離陸した。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第26回

昨日、あやたんに「もう、まとめ記事やめそうな雰囲気になってません?」とツッこまれた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の26回めの放送を見ましたよ。

あやたんが撮ってくれた大彦&俺

* * *
第6週『スワン号の奇跡』

人力飛行機・スワン号のテスト飛行は成功した。機体を作った部員たちも安堵し、喜んだ。
しかし、舞(福原遥)だけは浮かない顔をしていた。トレーニング機械と違って、実機のペダルは想像以上に重かったと打ち明けた。そして、トレーニング不足を自責した。

設計担当・刈谷(高杉真宙)は、プロペラの取り付け角度を調整すればパイロットの負担を減らすことが可能だと主張した。しかし、そのためには都度調整可能な部品を新たに取り付ける必要がある。本番までに残された時間を考えれば簡単な改造ではなく、製作担当の部員たちは反対した。ましてや、彼らは必要な部品を作るための道具や機械も持っておらず、そもそも改造部品の製造すら不可能なのだ。
それでも刈谷は、記録達成のために妥協はできないと強硬に訴えた。話し合いは平行線のままだった。

冬子(吉谷彩子)は、舞の家がネジ工場であることを思い出した。舞が浩太(高橋克典)に電話で連絡したところ、その日の終業後に相談にのってくれることになった。

浩太は、舞から相談されたことがとても嬉しかった。娘から頼られることは久しぶりのことだったからだ。
ところが、職人の結城(葵揚)が意地悪なことを言い出した。舞は部員の中に恋人がいるかもしれないと言うのだ。年頃の女の子なのだから親に隠れて恋人がいてもおかしくないし、部活動のわりには帰りが遅いのも怪しいと言う。さらに結城は、舞がケータイの待ち受け画面を眺めてうっとりしているのを目撃したという。それはきっと恋人の写真だろうと推測した。
浩太は一気に面白くなくなった。

部員たちが工場にやってきた。
彼らが必要としている部品工作の話を聞いた浩太は、自分の工場では加工できないと回答した。浩太の工場はネジ製作が専門であり、部員たちが欲している部品を作るにはネジ製作とは別種の金属加工が必要だと判明したのだ。
しかし、一緒に話を聞いていた職人・笠巻(古舘寛治)は自分ならできるかもしれないと請け負った。彼は別の工場で働いていたことがあり、そこで金属加工に携わっていたのだという。ネジ工場の設備でも、機械を調整してやれば作れるはずだと言うのだ。

その夜、浩太は自宅の居間で笠巻の作った部品を磨き上げていた。舞は入浴中だが、彼女のケータイがダイニングテーブルの上に置き去りにされていた。浩太は、待ち受けに恋人の写真があるのではないかと気が気でなかった。
風呂からあがった舞は、めぐみ(永作博美)に部品の説明をしはじめた。言葉では伝わらないと思った舞は、実際の写真を見せながら説明した。
その写真というのが、ケータイの待ち受け画面に設定されているスワン号の写真だった。
浩太は自分の取り越し苦労だったことに気づき、苦笑した。

翌日、舞はできあがった部品を部室に持っていった。仮組みしたところ、それは完璧な仕上がりだった。
これで機体に関する憂いはなくなり、残るは舞の体力次第となった。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第25回

今作のまとめ記事連載は5週間目も終わろうとしているのに、まだ専用カテゴリが作られておらず、そこらへんはいろいろ察してほしいなと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の25回めの放送を見ましたよ。

* * *
第5週『空を飛びたい!』

舞(福原遥)の乗る人力飛行機の駆動試験が行われた。地上に設置したまま、ペダルや操縦桿の動き、プロペラの回転、翼の動作などについて確認を行う。その結果、何の問題もなく順調であることがわかった。部員たちはみな喜んだ。

そんな中、舞だけは不安で沈み込んでいた。初めて実機のペダルを漕いでみたのだが、トレーニング用のペダル運動器よりもはるかに重かった。
しかし、冬子(吉谷彩子)によれば、地上で止まったままだからだという。動き出すとペダルは軽くなり、飛び立ってしまえばペダルのことなど忘れてしまうほど気持ちいいのだという。
それを聞いて舞は安心し、むしろ早く飛びたいという高揚感でいっぱいになった。

そしていよいよ、テスト飛行の日。
舞の操縦する人力飛行機・スワン号は無事に離陸した。舞は自分が本当に空を飛んでいることを嬉しく思った。

* * *

続きを読む

NHK『舞いあがれ』第24回

劇中は2004年の夏ころであり、当時の文化的現象として何があったかなぁと考えたら、2chが大流行りだった頃だなと思いたり、ドラマでは描かれないけれど”浪速大学スレ”みたいのがあって、「なにわバードマンの美人パイロットの写真キボンヌ」などと書き込まれたり、舞と冬子のどっちがかわいいかというゲスな論争とかが行われていたんだろうなぁと想像を膨らませた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の24回めの放送を見ましたよ。

* * *
第5週『空を飛びたい!』

女性パイロットによる人力飛行機の飛距離世界記録への挑戦まで残り1ヶ月となった。大学は夏休みになり、舞(福原遥)のトレーニングはますます過酷になった。しかし、減量も体力増強も伸び悩んでしまった。
新記録のためには、体重をさらに1.1kg減らした上、190ワットの力で50分間ペダルを漕ぎ続けなければならない。ところが、舞は29分間しか漕ぐことができなかった。

設計担当・刈谷(高杉真宙)は、負荷を180ワットに減らすよう設計変更することにした。速度が落ちるので、同じ飛距離を達成するためには、漕ぐ時間が60分に増加する。それでも、舞の脚力への負担を減らすことが優先だと判断したのだ。当然、変更によって、機体を作っている部員たち全員の作業が増えることとなった。多少の不平はあったが、それでも舞のためにみんなで努力することになった。

負荷を軽くしたものの、舞は40ほどしか漕ぎ続けることができなかった。舞は黙ってトレーニングに取り組んでいたが、落ち込み気味なことは誰の目にも明らかだった。
そんな時、退院した前任パイロット・冬子(吉谷彩子)が部室に顔を出した。舞の様子が気になった冬子は、琵琶湖の周遊道路でのトレーニングに誘った。

琵琶湖で自転車を走らせたのち、湖畔で風に当たると気持ちよかった。
それで、舞は自分の素直な気持ちを冬子に話すことができた。設計変更のため部員たちが暑くて狭い部室で追加作業をしている中、自分だけが琵琶湖の開放的な環境にいることが申し訳ないと話した。加えて、自分のトレーニングが失敗に終わって、彼らの努力を台無しにしてしまうのではないかと不安だと語った。考えても仕方のないことだとわかっていても、ついそう思ってしまうのだという。

それを聞いた冬子は、そう考えることは誤りではないと諭した。各人にはそれぞれの役割があり、各自がそれぞれの負担があるのは当然だという。舞は空を飛ぶという役割であり、高く飛ぶためには必ず向かい風を受けなければならないと話した。
舞は、はっとした。

部室に戻った舞は表情は晴れやかだった。舞に元気がないことを心配していた部員たちも安堵した。
こうして、なにわバードマンの面々はさらに結束を強めた。部員たちは立場にかかわらず、より楽に操縦できるような工夫を自発的に述べるようになった。それによって作業のやり直しが発生しても、誰も文句を言わなかった。

いよいよ機体が一通り組み上がり、次の週末にテスト飛行を実施することになった。

* * *

続きを読む