今年2月に いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記』を読んで仏像に興味を持ち、初めて見仏に出かけたのが、ここ西大寺だ。そして、偶然目にした愛染明王のカッコよさにノックアウトされ、愛染明王フリークとなるきっかけを作ってくれたのも、ここ西大寺だ。(その時の記事)
それから8ヶ月、僕は西大寺に戻ってきた。
しかも今日から、愛染堂の秘仏開扉で、普段は見ることのできない愛染明王像を拝むことができる。
(毎年 1/15-2/4 と 10/25-11/15 の2回)
身を引き締めて、見仏した。
西国愛染十七霊場の12番、大阪府枚方市の久修園院(くしゅうおんいん)に行ってきた。
ここに収蔵されている愛染明王は、高さが6尺(約2m)もあり、日本で最も大きい愛染明王像ではないかと言われているそうだ。確かに、薄暗いお堂の中で見ると、その巨大さに思わず息をのんだ。造形も雄々しく、なかなかの迫力。この愛染明王の前では、悪いことできないなぁ、って感じになってくる。
愛染明王と言えば真っ赤なボディが特徴だが、ここの愛染明王は黒くすすけている。指の間やわきの下など、かげになる部分は赤い色が見て取れたが、それ以外は黒くなっていた。
案内してくれたおばあさんの話(後述するが、彼女の話は要領を得なくて、僕の理解が間違っているかもしれない)によれば、一度火災に巻き込まれて、煤だらけになったそうだ。煤を払って身を清めようとしたのだけれど、当時の住職さんの「仏さんの体に軽々しく触れるべきではない」という意見に従ってそのままにしてあるとか。
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