NHK『あまちゃん』第124回

39年生きてきた中で女の子から「家に誰もいない」と言われて誘われたことはたったの1回しかなく、たいへん貴重な機会だったにも関わらず、たらこスパゲティをご馳走になっただけで何もしないで帰ってきたことを20年以上経った今でも後悔している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第124回めの放送を見ましたよ。

ロマンチックな思い出は何もないのに、昨夜たらこスパゲティを自作して食べた当方である。

ロマンチックな思い出は何もないのに、無性に食べたくなって昨夜自作した当方である。


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第21週「おらたちの大逆転」

オーディション2次審査を終えて緊張感から開放されたせいで、アキ(能年玲奈)は大胆にも種市(福士蒼汰)を家に誘った。春子(小泉今日子)は夏(宮本信子)の看病で帰省、正宗(尾美としのり)はタクシー営業、水口(松田龍平)はオーディション参加の挨拶として東京EDOシアターに残るなどしており、その夜は家に誰もいないからだ。アキは半分無意識に大胆なことを言ってしまったことに驚き動揺したが、流れに身を任せることにした。

アキの家に着くや否や、種市はシャワーを浴びたいと言い出した。無頼鮨で修行中の種市は、卵焼きを任されるようになったのだという。炭火でじっくりと45分かけて焼きあげるため、汗だくになってしまい気持ち悪いのだという。仕事が終わるとすぐにシャワーを浴びるのが習慣になっているのだ。種市は単に習慣に従ったつもりだったが、現在のふたりの状況においては意味深な発言だった。それに気付いた種市もアキも、動揺してしまった。

アキが種市を浴室に案内した直後、自宅兼事務所の電話が鳴った。アキが電話にでると相手は春子だった。春子は留守番電話のメッセージを聞くために電話をかけたのだという。アキはごく簡単にオーディションの出来栄えを報告した。

電話の最中、種市が浴室から出てきた。天野家のシャンプーとリンスのボトルにはラベルがついていないので、どっちがどっちかわからないというのだ。アキは受話器を持ったまま種市に説明した。そのやりとりの詳細まではわからなかったが、春子には誰かの気配が伝わった。尋ねられたアキは、水口が来ていると嘘をついて誤魔化した。それでその場は収まり、春子は電話を切った。

シャワーを出たふたりは、ソファーに座って話を始めた。種市は今の仕事が面白くなってきたのだという。無頼鮨で修行を終えたら、北三陸市に帰って店を開きたいと夢を語った。そうしているうちにいい雰囲気になってきた。ふたりは以前にも来た三陸鉄道の倉庫で並んで座りながら話をしたことを思い出した(第46回)。その時、種市はユイ(橋本愛)が好きだったこと、吉田(荒川良々)の忘れていった携帯電話が突然鳴り出したことなどを懐かしく話した。

そうしているうちに、種市の感情が高ぶった。種市はアキに顔を寄せ、キスしようとした。

しかしその時、またしても家の電話が鳴った。すんでのところでアキは顔を離し、電話に出た。再び春子からの電話だった。春子は留守番電話を聞きたいのだと言う。アキに電話に出ないよう指示すると電話を切った。

せっかくの雰囲気をぶち壊されたアキだったが、そのことが却ってアキを大胆にさせた。自分もシャワーを浴びてくると言い、種市には寝室で待っているよう告げた。

その頃、東京EDOシアターではオーディションの2次審査会議が行われていた。荒巻(古田新太)はアキを無条件に落選させるつもりでいたが、荒巻の思惑を知らない2人のプロデューサー(諏訪太朗望月章男)は公平な立場からアキを評価し、最終選考へ残すべきだと主張した。鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)もアキを残すことに異存はない。

しかし、荒巻はその意見を却下しようとした。山口百恵の『伊豆の踊子』や松田聖子の『野菊の墓』、鈴鹿ひろ美の『潮騒のメモリー』など、アイドルのデビュー映画にはインパクトが重要だという。その点、「天野春子」にはインパクトが無いため、主演するには力不足なのだという。荒巻は演技テストのアキの迫真の演技が、若かりし頃の春子(有村架純)に重なって見えた。春子ををデビューさせてやれなかった負い目もあり、頭がすっかり春子に占領されていたのだ。本人も無自覚のまま、アキのことを「春子」と呼んでしまっていた。鈴鹿らに指摘され、荒巻は黙りこんでしまった。それでアキの審査通過が認められる形となり、GMTの小野寺薫子(優希美青)と共に最終選考へ進むこととなった。

劇場に残っていた水口は、すぐさま審査結果を聞くことができた。嬉しさのあまり気の大きくなった水口は、無頼鮨で腹いっぱい食べることにした。ただし、店に入る前に、事務所の留守番電話にアキのオーディション通貨の報告だけは吹き込んでいた。

アキがシャワーを浴びている間、春子は三度留守電を聞こうと電話をかけた。今度はアキが電話に出なかったので、遠隔操作でメッセージを再生することができた。するとそこには、水口からのオーディション通過報告と共に、彼が事務所によらずに直帰するという連絡が入っていた。春子は矛盾に気付いた。先ほどの電話で、アキは水口が事務所に来ていると話していた。しかし、水口本人の留守録メッセージでは直帰すると言っているのだ。

春子はすぐさま水口のケータイに電話をかけ、事務所へ行くよう命令した。

シャワーを出たアキは、今まさに種市の待つ寝室のドアを開けようとしていた。

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春子(小泉今日子)から電話がかかってきた時、種市(福士蒼汰)の話し声がしてしまった。アキ(能年玲奈)は水口(松田龍平)が来ていると嘘をついて誤魔化したが、それが綻びとなって最終的に春子に怪しまれてしまった。

俺なら「ん?ああ、ごめん、テレビの音。なんかオモロイのやってて、声出して笑っちゃった。悪い悪い、テレビ消すね(がさごそ)」と誤魔化すかな。誰かの名前を出すとアリバイが崩れるよねー。

そんなわけで、若い男女の密室の情事を見ていて、いろいろドキドキした当方です。

『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)
『あまちゃん』 つづく

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