昨日、一見すると草食系男子だけれど、中身は肉食系男子を表す「ロールキャベツ系男子」という言葉を覚えた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第138回めの放送を見ましたよ。
アキ(能年玲奈)はみんなと一緒に海女カフェの様子を見に行った。海女カフェは、アキが中心となって開設したものであり、北三陸でのアキの大きな思い出の一つなのだ。海のそばに建てられていた海女カフェは、大津波の被害をまともに受けていた。建物内部は流されてきた瓦礫で埋め尽くされており、壊滅状態だった。みんなは営業再開はほぼ不可能だと肩を落としている。
夏(宮本信子)はアキに話しかけた。海女カフェが破壊されてしまったのは誰のせいでもない、自然のせいなのだと諭した。人間は、普段から自然の良いところばかり利用するが、自然の恐ろしさからは目を背けている。それは傲慢なことだと言うのだ。
夏はアキに諦めさせるために話したつもりだった。しかし、アキは逆の意味に受け取った。自然には敵わないのだから、起きてしまったことをクヨクヨと悩んでも仕方がないのだと解釈した。それで、海女カフェの復活を目指すことを宣言した。他の人々は反対したが、そんなことに屈するアキではなかった。夏はアキのことを頼もしく思った。不敵に笑うと、何も言わず好きにさせることにした。
東日本大震災以降、アキは自分の無力さを思い悩んでいた。地元の復興に対してどんな貢献ができるかわからず、鬱屈していた。東京でニュースを見聞きしていると、つらいことばかり伝えられ、良い話はほとんど耳に入ってこない。しかし、実際に被災地に来てみると、人々は意外にも元気に笑っている。その笑顔を一層輝かせるためにも、海女カフェの再建が必要だと思った。そして、自らが作った海女カフェだからこそ、その中心になるのは自分しかいないと思うのだった。
しかし、ユイ(橋本愛)は冷ややかだった。アキが出演する番組『じぇじぇじぇのぎょぎょぎょ』ならば映像を逆回転させることで、壊れたものを簡単に直すことができる。しかし、現実の世界は逆回転できないのだと指摘した。
アキとユイは、久しぶりにふたりきりで話をした。ユイは新しい恋人ができたと打ち明けた。ハゼとジミ・ヘンドリックスを足して2で割ったような外見で良くはないが、とても優しい男性だという。スナック梨明日での仕事も再開し、今は落ち着いて暮らしているという。昔は大嫌いだった北三陸だけれど、今は少しずつ好きになり始めていた。
ユイは、アキに帰ってきた理由を訪ねた。アキは、震災で心細くなったユイから会いに来て欲しいと言われたことも帰郷の理由だと位置づけていた。しかし、ユイは自分の言葉を忘れている日のようだった。アキは少しがっかりした。
それでもアキは明るく答えた。東京へ行ったことがなく、ほとんど地元しか知らないユイのために、北三陸が世界で一番良い場所だと教えるために帰ってきたと話した。だから、ユイは北三陸で暮らせば良いと肯定した。それを聞いたユイも、満面の笑みを浮かべた。大好きなアキが嘘を言うはずがなく、その言葉を信じると言うのだ。ユイは、東京でアイドルになることは完全に諦めたと言った。自分がファンの待つ東京に行くのではなく、ファンの方が北三陸まで会いに来ればいいのだと言う。
ユイはアキが帰ってきたことを心から感謝した。アキも胸のつかえが取れ、満面の笑みを浮かべるのだった。
7月1日、海開きが行われた。今年の海開きは、復興祈願を兼ねたイベントと位置付けられた。地元の新聞やタウン誌の取材の他、大勢のアイドルおたく達も駆けつけた。
アキも絣半纏の海女装束を身につけ、海女として復帰した。
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