とりあえず今週だけは頑張ってみようと決意した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第4回めの放送を見ましたよ。
遠くの街で観賞用の鶏を売り、千代(毎田暖乃)とテルヲ(トータス松本)は帰宅した。しかし、弟・ヨシヲ(荒田陽向)の姿が見えない。
栗子(宮沢エマ)も退屈しのぎに近くの街まで出かけていたので、ヨシヲの行方は知らないという。
そのまま翌朝になってもヨシヲは帰ってこなかった。村人たちが総出で捜索することになった。
千代も一人で山道を探していると、ヨシヲの草鞋が落ちているのを見つけた。声をかけると道の下からヨシヲの声が聞こえてきた。彼は滑落し、足を痛めた上、昨夜の雨に濡れて弱りきっていた。千代はヨシヲを背負い、家路についた。
しかし、いつも腹をすかせている千代は思うように力が出ない。
その時、どこからかいい匂いが漂ってきた。それにつられていくと、カゴいっぱいに見たことのない食べ物があった。おそるおそる口に入れてみるとたいへんな美味で、千代は夢中で貪り食った。
そうやって食べていると、山で暮らす彦爺(曾我廼家文童)が現れた。どうやらそれは彼の持ち物らしかった。彦爺によれば、それは豚の飼料とする食パンのミミだという。千代は、自分が豚と同じものを美味しく食べたことを恥ずかしく思った。
彦爺は、ヨシヲに向かって、一人で山に入ってはならないと注意したはずだとたしなめた。
ふたりは無事に帰宅し、父・テルヲのみならず、村人たちは全員喜んだ。
ただし、栗子だけは面白くなかった。
栗子は、テルヲとふたりきりになると、子供たちを家から追い出すように迫った。そうでなければ、テルヲと別れると脅した。
栗子は、子供たちもこの家にいていつも腹を空かせているよりは、奉公に出て腹いっぱい食わせてもらったほうがよほど幸せなはずだと説得した。最初は渋っていたテルヲであったが、そう言われるとまんざら悪い考えではないように思われてきた。
その場で結論は出なかったが、一部始終は千代が盗み聞きをしていた。
その後、テルヲは鶏を何羽か売りにでかけた。千代は、彼の留守中に栗子に意地悪をして追い出す算段を立てた。しかし、その目論見は栗子に見抜かれ失敗に終わった。
そうしていると、彦爺が山で採れた薬草を持って訪ねてきた。聞けば、それは腹痛に効く薬草であり、行方不明になった日にヨシヲが探していたものだという。
ヨシヲはそれを受け取ると、栗子に差し出した。栗子が痛そうに腹をさすっていたのを見たから、それが治るように薬草を探しに行ったのだという。
その様子を見ていて、千代はハッとした。
千代は実母・サエ(三戸なつめ)の記憶を持っているが、まだ小さかったヨシヲには母の記憶が皆無である。栗子がいかに性悪であったとしても、ヨシヲにとっては初めて接する「母」なのである。