NHK『おちょやん』第11回

スター・ウォーズのスピンオフ連続ドラマ『マンダロリアン』を一気観したせいか、自分がマンダロリアンの一員になる夢を見てしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第11回めの放送を見ましたよ。

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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』

大正13年(1924年)秋。千代(杉咲花)は数え歳で17になり、岡安で奉公をはじめてから8年が経った。

千代はすっかり一人前のお茶子となっていた。得意客の好物をほとんど暗記しているなど、先輩お茶子よりも秀でているところもあった。岡安の本家ではあるが今や勢いの衰えつつある芝居茶屋・福富のお茶子たちに嫌味を言われることもあるが、千代は口先も達者で逆に言い負かすほどである。

岡安は、先代女将・ハナ(宮田圭子)が夫と共に開いた。その夫は早くに亡くなった。ハナは女手一つで店の切り盛りと一人娘・シズ(篠原涼子)の養育を行った。
店の得意客だった宗助(名倉潤)がシズに惚れ込み、婿養子となった。シズと宗助の間には一人娘・みつえ(東野絢香)が生まれた。千代と同い年のみつえは、岡安を継ぐつもりでいる。ハナと宗助はそれを喜んでいるが、シズはどこか面白くなかった。

千代は忙しい仕事の合間を縫って、芝居を盗み見するのが常だった。
今日は、早川延四郎(片岡松十郎)の芝居である。興行の中日を過ぎ、役者たちが疲れて精彩を欠いているのがわかった。そんな中、延四郎だけは張り切っているように見えた。聞けば、この興行は延四郎の最後の公演なのだという。彼は役者を辞めて故郷に帰るのだという。

その日の夜、千代はシズに呼ばれた。
岡安では数え歳で18になると年季明けという決まりになっているという。あと数ヶ月で年が明ければ、千代も年季明けである。身の振り方を考えろというのだ。千代は即座に女中として引き続き働きたいと申し出るが、シズは安易に決めるなと言って受け入れなかった。よく考えずに決めてしまうと後悔する結果になるというのだ。
それで千代はしばらく考えることにした。しかし、自分が本当は何がしたいのかなど考えたことがなかったので困ってしまった。これまではその日を生きることが精一杯で、将来の展望など考える暇もなかったのである。

千代は、道頓堀の乞食たちとも仲良くやっている。余った弁当を彼らに分け与えたりしているのだ。
その日も乞食たちの所へ行くと、頭からボロ布を被った見慣れない乞食がいた。その者は施しなど受けないと言って弁当を受け取ろうとしない。

不審に思って千代がしつこく声をかけると、それは千代の憧れの役者・高城百合子(井川遥)だった。

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