昨日のマクラでは「蒼井優さんが早く出てこないかと楽しみにしている」と書いたのだけれど、6年前には『わろてんか』の2回めのマクラで「岡本玲さんが早く出てこないかなと、それだけを楽しみにしている」と書いているのを見つけて苦笑した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第3回めの放送を見ましたよ。
鈴子(澤井梨丘)がタイ子(清水胡桃)と一緒に縁日に出かけると、同級生の男子たちと偶然出くわした。その中には、タイ子が片想いしている松岡(湯田大夢)もいた。
彼らは、鈴子が松岡に宛てた恋文を書きかけているのを以前に目撃していた。実際にはタイ子のために代筆していたものだが、男子たちは鈴子は松岡のことが好きだから探しに来たのだろうとはやし立てた。
そのやりとりを聞いていた鈴子の弟・六郎(又野暁仁)は、松岡のことが好きなのは鈴子ではなくタイ子であるとバラしてしまった。まだ幼くて、なにかとドジな六郎は空気が読めないのである。
男子たちは、より一層はやし立てた。松岡が、芸者であり妾の子であるタイ子に惚れられたと言ってからかった。
鈴子は激しく腹を立て、松岡を除いた男子3人を相手に取っ組み合いの喧嘩を始めた。
それまでうつむいて黙っていたタイ子であったが、ついに声を上げた。自分が松岡のことを好きであることを認めた。過去に学校でお漏らしをしたとき、松岡が慰めてくれた。それ以来、ずっと松岡のことが好きなのだと白状した。
しかし、松岡は他に好きな人がいると言って、タイ子の告白を拒絶した。鈴子は松岡に食ってかかった。なぜタイ子の愛を受け入れないのかと激しく問い詰めた。
タイ子は鈴子を止めに入った。
タイ子は、松岡に気持ちを言うことができてスッキリして、未練はないと言う。そして、以前から鈴子のようにはっきりとものを言える人になりたいと思っていたと話した。今日、松岡に気持ちを伝えるという形で、やっとそういう人になれた。鈴子のおかげだと感謝し、鈴子への恩返しができたと言った。
ふたりは松岡のことはそっちのけでご機嫌になった。手を繋いで歌いながら仲良く帰っていった。
そんなふたりに、松岡は「なんかええな」と声をかけた。
その年の暮れ、大正天皇が崩御し、元号が昭和に変わった。
1927年(昭和2年)、小学校卒業が間近に迫り、鈴子は進路を考えるべき時期になった。
タイ子は女学校へ進学することになったという。家が貧しく学費のことが心配であったが、芸者である母の客であり、タイ子の父である男が援助してくれることになったと言う。タイ子は勉強が得意であり、鈴子はよいことだと思った。
一方の鈴子は、卒業後の進路が明確に描けていなかった。
実家の風呂屋の仕事は好きなので、漠然と家業の手伝いをするものだと考えいた。しかし、歌や踊りも得意であり大好きだ。タイ子に教えてもらった花咲歌劇団のことも少々気になる。けれども、養成学校に通うのにも金がかかり、現実的ではないと思っていた。
父・梅吉(柳葉敏郎)に話を聞いてみると、「卒業後のことは卒業してから考えればいい」と言って、ほとんどあてにならなかった。
母・ツヤ(水川あさみ)には、彼女の昔の夢を聞いてみた。ツヤは外国に行くのが夢だったと答えた。海の近くで育ったので、その向こうにはどんな国があるのだろうかといつも考えていたのだと言う。
そしてツヤは、人は自分がこれだと決めたことで生きていくのだと話した。そしてまた、それが何なのか探し続けるものだとも話した。今の自分は風呂屋をすごく楽しんでいると言った。
鈴子は、自分にとってはそれがなんなのか考え始めた。