NHK『ブギウギ』第12回

昨夜はNHK夜ドラ『ミワさんなりすます』の1回目の放送で、主人公(松本穂香)がひょんなことから大ファンの俳優(堤真一)の屋敷のニセ家政婦になるというところまで話が進んだのだけれど、楽しみにしていたReiちゃんさん(バーの店長役)が出てこなくてがっかりした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第12回めの放送を見ましたよ。

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第3週『桃色争議や!』

大和礼子(蒼井優)が演出を担当することになり、配役も大幅に変更される予定だ。そのため、劇団内では熾烈な役の争奪戦が始まっていた。

特に、男役として桜庭辰美(片山友希)と秋山美月(伊原六花)は大きな争点だった。
秋山は花咲少女歌劇団に所属していた実力派で、自他共にその才能が認められていた。一方、桜庭はそれより明らかに見劣りがした。
鈴子(趣里)は同期として桜庭を自主練習や息抜きに誘ったが、桜庭はふさぎ込みがちになり、それらを全て断った。そして、入団して6年で初めて稽古を休んだ。

鈴子自身も心穏やかではなかった。憧れの大和礼子に比べて、自分には個性や才能が備わっていないと思われたからだ。

鈴子は新人研究生の教育係も担当しているが、その鈴子に相談もなく、秋山が研究生たちを怒鳴りつけているのを見つけた。秋山は、才能がないなら辞めてしまえと説教していた。
鈴子は慌てて彼女らを引き離し、研究生たち3人に甘いものを食べさせて慰めた。劇団を辞めると意気消沈している彼女らに対して、苦しい稽古の後に同期と一緒に食べるおやつは美味しい、自分も才能がないのに頑張って来たのだから同じように頑張れなどと励ました。

同様に、鈴子は秋山を食事に誘って話をした。みながみな、秋山と同じような才能を持つわけではないのだから、新人を追い詰めすぎないよう注意した。
秋山の言い分は、彼女の言う才能とは踊りではなく、頑張る才能のことだということだった。頑張る気がないのなら辞めるべきだという点は譲らなかった。
秋山によれば、踊りの志を同じくした友達がいたと言う。ふたり一緒に花咲音楽学校に合格したが、その友達は入学直前に事故に遭って踊れなくなってしまった。その友達のことを思うと、相手が誰であろうと努力しない者のことは許せないのだと言う。それで拗れて花咲少女歌劇団を辞めてしまった。今は梅丸に拾ってもらった恩を感じており、劇団をもっと大きくして花咲を抜くことを目指している。だから、周囲に厳しく接することをやめるつもりはないと説明した。それで嫌われても構わないと言う。

家に帰ると、父・梅吉(柳葉敏郎)が映画の脚本を書くといって机に向かっていた。彼は季節の変わり目になると脚本家になりたがり、しばらくするとやめてしまうということを昔からずっと繰り返している。鈴子ですら、そんな父に呆れていた。
ちょうど、親友のタイ子(藤間爽子)も遊びに来ていた。彼女は女学校卒業後、母親の反対を押し切って芸者見習いになった。タイ子は、芸者見習いは辛いことよりも楽しいことの方が多いと話した。梅吉の脚本執筆についても褒めた。たとえ才能がなくても継続することが素晴らしいと言うのだ。

鈴子は、周囲の人々が異口同音に努力して続けることが大切だと言っていることに気づいた。誰しも自信がないままにもがいている。鈴子自身ももがき続けるしかないと思うのだった。

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NHK『ブギウギ』第11回

昨夜はTBS日曜劇場『下剋上球児』の初回放送で、野球が大好きな家庭科教諭・山住香南子(黒木華)が野球部員1人だけの高校に赴任して来て、クセのある生徒たちをかき集めてギリギリ試合ができるだけの人数を集めたり、どうやら野球経験者なのだがその過去をひた隠しにしているワケありな社会科教諭・南雲脩司(鈴木亮平)の協力をなんとか取り付けるというお話を見た当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第11回めの放送を見ましたよ。

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第3週『桃色争議や!』

1933年(昭和8年)、鈴子(趣里)が梅丸少女歌劇団は関西で人気の劇団となっていた。もう映画の幕間の余興ではなく、全て単独公演となっていた。公演回数も増え、劇団員たちは公演と稽古で大忙しだった。

鈴子は新人教育係を任されていた。自分が橘アオイ(翼和希)から言われたことを、異口同音に新人たちに伝えていた。口調までそっくりで、橘アオイは陰で苦笑していた。
しかし、鈴子は未だに脇役ばかりであった。自分には大役を任されるような特徴がないのではないかと悩み始めていた。母・ツヤ(水川あさみ)からは持ち前の笑顔を売りにすればよいと励まされたが、鈴子にはどうもピンとこなかった。

同期のリリー白川(清水くるみ)は同じ娘役であったが、鈴子より人気があった。リリー白川は持ち前の美貌と目の表情を武器に男性客を魅了した。また彼女は、稽古が終わるとそそくさと男とデート(デート?デートなのか!?)に出かけるのが常だった。

関西一の歌劇団・花咲歌劇団から秋山美月(伊原六花)が移籍して来た。彼女の実力は自他共に認められていた。男役として何人かの先輩も追い抜き、男役トップの橘アオイですら油断できないほどであった。そしてまた秋山美月は自信家でもあった。劇団内では相手が誰であれ歯に衣着せぬ物言いであった。

鈴子の同期で男役の桜庭和希(片山友希)は焦り始めた。入団順では秋山が先輩に当たるものの、実力は秋山の方が上回っていた。しかも、秋山はみんなの前で桜庭のミスを指摘する。プライドの高い桜庭は少しずつ元気をなくしていった。

当時、日本の景気は悪かった。2年前の世界恐慌の余波が長引いていた。あちこちで労働争議が巻き起こっていた。
鈴子の家の銭湯も景気が悪く、鈴子は月給の半分を家に入れていた。母・ツヤは恐縮しつつも、遠慮なくそれを受け取った。

不景気は梅丸少女歌劇団にも影響を与えた。
代表的演目である『四季の宴』は相変わらず好評であったが、マンネリ化も心配された。そこで新たな試みとして、娘役トップの大和礼子(蒼井優)が演出を手がけることになった。彼女の以前からの希望であり、大和は今までのものを踏襲しつつ新しいものを取り入れたいと抱負を述べた。

新しい演出では役の配置換えが行われる可能性が高い。鈴子は次こそは大きな役を獲得しようと張り切って稽古に参加した。
そんな中、男役を争う同期・桜庭と元花咲・秋山の間でも軋轢が表面化した。稽古中に秋山が桜庭のミスをみなの前で指摘したのだ。まだ稽古は始まったばかりで、振り付けを覚えきれていないのは仕方ないと周りは庇った。
しかし、演出担当の大和は秋山の意見に同意してしまった。桜庭は消沈してしまった。

その日、鈴子は居残り練習をしようと稽古室に向かった。すると、大和と橘が話し合っているのを聞いてしまった。
橘は大和の指導が厳しすぎるとたしなめていた。今のやり方ではついてこられない者もいると懸念を表明した。
しかし大和は応じなかった。大和は劇団をもう一段上にレベルアップさせたいのだと主張した。それを実現するため、今回は自分の方針を貫くと答えた。

鈴子が聞いていることに気づいた大和は、鈴子に声をかけた。
鈴子が自分の個性や特徴を見つけられずに焦っている様子には気づいている。しかし、焦らずに続けていれば自ずと見つかるものだと助言した。ただし、続けることが一番難しいことでもあると付け足した。

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『キリエのうた』を2回見た

本ブログの読者のみなさんならご存知の通り、僕は黒木華さんが大好きなわけで。彼女の出演するドラマや映画ならば、どんな端役であれ、事前に駄作であることが容易に予想できる場合であれ、必ず見ることにしているわけで。
10月13日に公開となった『キリエのうた』に出演すると知ったからには、当然見に行ったわけで。

本作の監督の岩井俊二は確かに僕と女優の趣味がぴったりあって、黒木華のほか蒼井優とか伊藤歩とか中山美穂などなど、僕の好きな女優を起用してくれて、良い監督だと思ってるわけで。中山美穂主演の『Love Letter』なんかでは、僕の母校の高校の駐輪場に鈴木蘭々を連れて来てロケやってくれたし。僕は映画自体は見たけれど、撮影現場は見てないんだけれど。

そんだけ評価している岩井俊二なんだけれど、基本的に尺が長いんですよね。それがちょっと玉に傷。
今回の『キリエのうた』も3時間あるし。見る前は、「黒木華さん出るし、しゃあねぇな。どうせ彼女は主役じゃなし、出番が終わったら居眠りする覚悟で見るか」と消極的だったんだけれど。
ところが、ところが。いざ見てみると、3時間ずっと目が釘づけで、しかも2日連続で2回見ちゃいましたよ。

公開後3日間限定の来場者特典も2つあります。シーン紹介とメインキャストの紹介ミニパンフレット。


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NHK『ブギウギ』第10回

実写版『じゃりん子チエ』をやるとするなら、チエちゃんは鈴子の子役・澤井梨丘、テツは柳葉敏郎、ヨシ江さんは水川あさみ、小鉄は弟役の又野暁仁でぴったりなんじゃないかと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第10回めの放送を見ましたよ。

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第2週『笑う門には福来る』

風邪で1週間稽古を休んだ鈴子(澤井梨丘)は遅れを取り戻そうと必死だった。ただし、同期の3人はすっかり仲が良くなり、白川幸子(小南希良梨)、桜庭辰美(木村湖音)と共に助け合いながら、単独公演でのデビューを目指した。デビューできるのは1人だけと言われていたが、足を引っ張り合うこともなく、前向きに切磋琢磨し合う関係となった。

単独公演を1ヶ月後に控えたある日、研究生の3人は林部長(橋本じゅん)に呼び出された。デビューは1人だけの予定だったが、3人全員をデビューさせ、正式入団させることになったと告げられた。ただし、まともな役はつけられず、水の滴役だという。
それでも3人は大喜びした。

デビューにあたって、それぞれ自分で芸名を考えることになった。
白川幸子は「リリー白川」となった。外国人になりたいのだという。特にグレタ・ガルボに憧れており、彼女の父も彼女のファンだという。
桜庭辰美は「桜庭和希」と名乗ることにした。男に生まれていたら和希という名前になりたかったからだ。

鈴子はデビューが決まったことを帰宅してすぐに伝えた。両親(柳葉敏郎水川あさみ)はもちろん、銭湯の常連客もみな笑顔になった。
鈴子は母・ツヤに芸名の相談をした。するとツヤは「福来スズ子」という芸名を提案した。「笑う門には福来る」にちなんでいると説明した。誰かが笑っているのを見たり、自分が笑うと人は幸せな気分になる。そのように、客にもたくさん福を届けるという願いが込めているのだ。
鈴子はそれを心から気に入った。こうして、福来スズ子と名乗ることにした。

そしていよいよ、単独公演の初日。

鈴子は自分で口紅も塗れないほど緊張していた。
そんな鈴子の様子に気づいた大和礼子(蒼井優)が声をかけてくれた。鈴子の化粧を手伝いながら、自分もいつも緊張しているのだと話した。
さらに、客は現実を忘れたり、現実に立ち向かうための生きる力を貰いにくるものだと言って聞かせた。それを覚えておいて、しっかりやれと励ました。
鈴子は少し気が楽になったように思った。

鈴子は立派に初舞台をやり遂げた。
デビューできたことも嬉しかったが、劇団と一つになったような感覚を得られたことに喜びを覚えた。

それから6年が経ち、鈴子(趣里)はなんとか一人前になった。

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NHK『ブギウギ』第9回

とある女子から「せっちゃん(斉藤和義)の『彼女は言った』を聞いてください。特に、後半の一人掛け合いのところ(2:45あたりから)」と言われて聞いてみたけれど、女子相手になんとコメントしていいかわからなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第9回めの放送を見ましたよ。

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第2週『笑う門には福来る』

鈴子(澤井梨丘)が急に倒れた。
銭湯の常連でもある熱々先生(妹尾和夫; 「体を冷やすな。熱々にせぇ」が口癖なのでこう呼ばれている)に診てもらったところ、百日咳との診断だった。当分の間安静にする必要があり、劇団の稽古に行くことはできない。デビューを賭けた3ヶ月後の単独公演にも参加もできないこととなった。

鈴子が休んでいるので、残ったふたりの同期研究生・白川幸子(小南希良梨)と桜庭辰美(木村湖音)は鈴子の穴を埋めるのに大忙しだった。
新人教育係の橘アオイ(翼和希)は、同期3人のうちデビューできるのは一人だけだが、舞台は全員で作り上げる者だと言って聞かせた。仕事が増えたことを恨んだり、ライバルが減ったことを喜んだりせずに、鈴子の気持ちを考えろと諭した。

ところが、しばらくすると鈴子はすっかり回復してしまった。どうやら百日咳などではなく、単なる普通の風邪だったようだ。熱々先生はヤブ医者だと言ってみんなから責められた。

そうとは知らずに、同期の白川と桜庭が見舞いに来た。仲違いしてほとんど口を聞かないふたりだであり、示し合わせたわけでもないのに偶然同じタイミングでやってきた。
ふたりの来訪を知った鈴子は、一芝居打つことにした。苦しそうに床に伏せ、病気が治らず二度と踊ることができないと言った。自分はもう復帰できないが、ふたりのことは尊敬しているので自分の分まで頑張って欲しいと述べた。
それを聞いた白川と桜庭は、仲直りすると約束した。だから鈴子にも必ず戻ってきて欲しいと願った。

鈴子の芝居で同期3人の関係が修復されようとしたその瞬間、弟・六郎(又野暁仁)と熱々先生が部屋に入ってきた。聴診器を置き忘れたので取りに来たのだ。
そして、何も知らない弟・六郎は深刻そうな3人の様子を見て、鈴子はもう完全に快復したとバラしてしまった。熱々先生からすぐに稽古に復帰してもいいとの許可も出た。

嘘だと知って、白川と桜庭は鈴子のことを睨みつけた。
しかし、すぐに3人は笑い合った。こうして全員が仲直りできた。鈴子が白川と桜庭を尊敬していると言うこと、および、白川と桜庭が仲直りすると約束したことは本心だと分かったからだ。

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NHK『ブギウギ』第8回

今週あまりに寒くて、エアコンを暖房モードにしてしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第8回めの放送を見ましたよ。

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第2週『笑う門には福来る』

鈴子(澤井梨丘)たち新人研究生3人は、公演の衣装の準備などを任されていた。しかし、トップスター・橘アオイ(翼和希)の衣装を忘れてくるという大失態を犯した。ミスをした張本人は白川幸子(小南希良梨)であったが、連帯責任として3人ともがひどく叱られた。
白川と桜庭辰美(木村湖音)は以前から折り合いが悪く、この一件で完全に仲違いした。鈴子がどんなに仲裁しようとしても取り付く島がなかった。

鈴子が、腹を立てて帰ってしまったふたりの分まで掃除と洗濯を終えて帰ろうとすると、誰もいなくなった稽古場で大和礼子(蒼井優)が黙々と踊りの練習をしていた。鈴子は、改めて今日の失敗について謝った。

大和から、今日のミスで一番迷惑を被ったのは誰かと尋ねられた。鈴子は衣装なしで出演する羽目になった橘アオイだと答えた。
しかし、大和によれば、迷惑を被ったのは客だという。客は現実から離れたくて劇場に来ている。それなのに現実を感じさせてしまったからだ。そんなことはプロにあるまじきことだという。

さらに大和は、鈴子はどうして踊るのかと尋ねた。
単に踊りたいからと答える鈴子に対して、大和はそれから先のことを考えろと諭した。しかし、今の鈴子には何も思いつかなかった。

鈴子は足に血豆ができていた。それを見つけた大和は、自分の鞄から紐状の布を取り出して鈴子に手渡した。バレエではそれを足首に巻いて練習するといいと助言した。鈴子は憧れの大和から紐と助言をもらったことが嬉しかった。

そうしていると、橘アオイがやってきた。新人の教育係を兼ねている彼女は、鈴子がグズグズと稽古場に残っていることを叱った。
橘の姿を見た大和は、鈴子に対して同期は大切にしろと告げた。大和と橘は同期で、橘も劣等生だったと話した。劣等生なのに努力して今の地位があり、また同時に梅丸のことを深く愛するようになった。だから進んで新人教育係もやっている。鈴子たちも梅丸のことを愛するようにと言うのだった。

鈴子は上機嫌になった。
大和とお話ができたことで、彼女に近づけたような気になった。また、もらった布を使うことで稽古にもいっそう身が入るようになった。どんなに怒られても頑張れる気がした。
ただし、同期ふたりを仲直りさせる試みだけはどうしてもうまくいかなかった。

ある日、稽古場に劇団の責任者・林部長(橋本じゅん)が梅丸の大熊社長(升毅)とともにやってきた。
これまで梅丸少女歌劇団は映画の幕間の余興しかやれなかったが、ついに単独公演を開催することになったという。期日は3ヶ月後の12月3日だという。団員たちは大喜びした。

その公演では、新人研究生もデビューさせることとなった。ただし、デビューできるのは3人のうち一人だけだという。
それを聞いて、白川と桜庭の関係はますます悪化した。鈴子がとりなそうとすると、それまで仲の良かった白川まで鈴子に敵意を剥き出しにした。自分たちは仲良しごっこをしているわけではない、試験翌日にオマケで入団した鈴子は考えが甘いのだと詰った。

その夜、鈴子は自分がなぜ踊るのか自問自答した。
白川は父に反対されているのを見返すためにデビューしたがっている、桜庭は金を稼ぐためにデビューしたい。橘アオイは梅丸のことを愛している。最後に母・ツヤ(水川あさみ)の「義理と人情」という言葉が思い出された。こうして、鈴子なりの結論が出た。

翌日、鈴子は同期のふたりに啖呵を切った。
自分はふたりに比べたら踊りは下手だが、梅丸愛は負けないと言った。オマケ入団だからこそ、劇団への恩を感じている。この劇団をすごい劇団に成長させることを決意した。それこそが義理と人情だというのだ。
そして、誰がデビューするか決まるまで、ふたりとは口を聞かないと宣言した。

そこまで言うと、鈴子は突然倒れた。

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NHK『ブギウギ』第7回

昨日のマクラでは休日でもちゃんと時間通りに起きて記事を書くと威張ったのに、その舌の根も乾かぬ今日は10分くらい寝坊してしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第7回めの放送を見ましたよ。

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第2週『笑う門には福来る』

鈴子(澤井梨丘)が梅丸に入団して1ヶ月が経った。
7人いた同期の研究生たちは厳しさに耐えかねて次々と辞めていき、残ったのは鈴子のほか、白川幸子(小南希良梨)と桜庭辰美(木村湖音)の3人きりとなった。

鈴子と白川幸子は仲が良かった。一方、桜庭辰美はあまりふたりと仲良くしようとしなかった。彼女はいつもツンケンしていて、稽古後の雑用もさっさと片付けて先に帰ってしまう。
特に白川は、そんな桜庭のことを嫌っていた。稽古中に居眠りしてしまい叱られた桜庭を見て、白川はざまあみろと声を出して言うほどだった。

ある日も、白川は鈴子を相手に桜庭の悪口を言っていた。
そこへ林部長(橋本じゅん)が通りがかり、桜庭には家庭の事情があると教えてくれた。桜庭の生家は畳屋で、夜はその仕事を手伝わなければならないのだと言う。母は病弱で、きょうだいも多いため苦労しているのだという。だから、多少は大目に見てやってほしいというのだ。
それでも白川は桜庭を受け入れる気にはなれなかった。誰しも苦労はしているもので、白川も父から梅丸入りを反対されたままである。早くデビューして父を認めさせたいと話した。

鈴子は、自分は他のふたりより恵まれていると思った。
両親(柳葉敏郎水川あさみ)は決して経済的に豊かではないはずなのに、鈴子の前では金の心配を一切見せない。それどころか、いつも応援してくれている。
その期待に応えられるよう、早くデビューして、大和礼子(蒼井優)のようになろうと改めて思った。稽古場に残って自主練習をはじめるようになった。

また、鈴子は母・ツヤに弁当をふたつ作ってもらうことにした。腹が減って仕方がないのだと説明したが、実際には家のことで苦労している桜庭に食べさせるためであった。彼女はたたでさえ他のふたりより体が大きいのに、昼はいつもほんの少しの芋を食べているだけだったのだ。

鈴子は喜んでもらえると思って弁当を差し出したが、桜庭は大きなお世話だと言って拒絶した。弁当を目の前にして腹が鳴ってしまったが、それでも受け取ろうとはせず、立ち去ってしまった。桜庭のプライドがそうさせたのだ。
鈴子は余計なお節介をしたと反省した。

鈴子は、久しぶりに親友のタイ子(清水胡桃)に会い、その出来事を話した。
タイ子は、鈴子のお節介がいつか人を助けることがあるだろうと話した。また、お節介こそ鈴子の持ち味なのだから、それがなくなったらすずこではなくなると話した。実際、タイ子は同級生に片思いしていた時、鈴子のお節介で人間として成長することができたというのだ。
それを聞いて、鈴子は悩むことをやめた。

それからしばらくして、新人研究生3人に舞台の準備の一切が任されるようになった。
開演の2時間前に誰よりも早く劇場入りし、衣装、小道具を化粧品、着替えなどを用意して運び、楽屋の掃除や化粧の手伝いなどを行う。

ところが、白川が大失敗をしてしまう。
橘アオイ(翼和希)の衣装につける羽を干したまま持ってくるのを忘れてしまったのだ。仕方なく、橘アオイは羽なしでいつもの演目を行った。相手役の大和礼子(蒼井優)はきちんと羽をつけていたため、滑稽な姿になった。

本番後、新人教育係も兼務している橘アオイは新人3人をどやしつけた。
準備は新人研究生の仕事であり、連帯責任だと述べた。全員で持ち物の確認をすればミスは起きなかったはずである。舞台とは全員で作り上げる物であり、自分のことしか考えない者は梅丸には不要であると叱った。

新人の3人だけになると、羽を忘れた白川が謝った。自分はうっかり者だから、また何かあったら助けてほしいと話した。しかし、桜庭は食ってかかった。助けてほしいなどと言うのは甘えである、助けたくないと言うのだ。
売り言葉に買い言葉で、ふたりは激しい口論を始めた。白川は桜庭に対して、家のことで苦労してるからといつもギスギスしているのが気に入らないと不満を述べた。逆に桜庭は、ふたりは遊び半分で来ていると詰った。ふたりとも小さい頃から親の金で日舞やバレエを習っていて、その延長の習い事なのだろうとバカにした。自分は金を稼ぐ目的で来ており、ふたりとは動機が違うと主張した。

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NHK『ブギウギ』第6回

べつに誰に頼まれたわけでもないけれど時間通りにまとめ記事をアップするために、休日返上で惰眠を貪ることなく目覚ましをかけて起床した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第6回めの放送を見ましたよ。

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第2週『笑う門には福来る』

1927年(昭和2年)4月、鈴子(澤井梨丘)は梅丸少女歌劇団(USK)に研究生として入団した。

鈴子たち新人の教育係として、男役スターの橘アオイ(翼和希)が稽古室に現れた。彼女は、新人たちの緊張感のない様子を見るなり怒鳴り声を上げた。上級生にきちんと挨拶ができないできない者にまともな踊りもできるはずがないと叱った。お辞儀の角度も含め、挨拶の仕方から叩き込まれた。
新人たちは上級生よりも1時間早く来て、稽古室の掃除をするよう命じられた。上級生たちと一緒に稽古することはなく、彼女らの稽古を見て覚えろと言われた。その後、ダンスや日舞、バレエなどの初歩のレッスンを受ける。それらで終わりではなく、最後まで残って洗濯をするのも新人たちの仕事だった。

鈴子は初日からヘトヘトになった。それでも、楽しく、充実していると感じることができた。
入団した新人研究生は鈴子を含め7人だった。きれいな子ばかりで、鈴子は早くみんなと友達になりたいとも思った。

はじめに仲良くなったのは白川幸子(小南希良梨)だった。自己紹介ではひ弱な体質だと言っていたが、バレエがずば抜けて上手かった。また、彼女の弁当は誰よりも豪華で、鈴子が卵焼きを貰って食べるとそれは今まで食べた中で一番美味しい卵焼きだった。
聞けば、白川幸子の家は大きな乾物屋なのだという。そのため金には不自由しておらず、小さい頃からバレエを習わせてもらっていた。
ただし、父からはUSK入りを大反対されたという。

もう一人、気になる新人研究生として桜庭辰美(木村湖音)がいた。彼女は、自己紹介で橘アオイのように迫力ある踊りができるようになりたいと抱負を述べていた。
しかし、桜庭辰美は他の研究生とあまり交わろうとしなかった。それでも、命じられた雑用は誰よりも手早く片付けることができた。雑用が終わった者から帰ることができたが、桜庭辰美は自分の仕事を終えると他の者を手伝うこともなく、さっさと一人で帰ってしまう。
そんな態度を白川幸子は気に入らず、陰口を言った。

梅丸少女歌劇団(USK)は結成5年目だが、映画の幕間に余興として公演することしかできない。いつか単独公演できるよう努力を続けている。
公演中、裏方として衣装や小道具の準備を手伝うのも鈴子たち新人研究生たちの仕事である。慣れない新人たちは上級生たちに叱られつつも一生懸命手伝った。

舞台袖から公演を見学した鈴子は、娘役大トップ大和礼子(蒼井優)に見惚れた。彼女が踊ると、本物の蝶がそこにいるかのように思えた。
しかも、大和礼子は本番が終わり、研究生たちが帰ろうとする時間になっても、稽古室でひとり黙々と練習をしていた。

噂好きの白川幸子によれば、大和礼子は東京出身だという。両親に入団を反対されたが、学費を免除してもらえるということで家出同然で大阪にやってきたそうだ。
白川幸子は、自身の境遇と似ていることに共感している様子だった。

鈴子もまた、自分も大和礼子のように努力して、あのようにきれいに踊れるようになりたいと思った。

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NHK『ブギウギ』第5回

OSK日本歌劇団の公演で翼和希さんは何度も見たことがあるのだけれど、毎回ド派手なメイクなので、ちょっとメイクが変わると途端に同定できなくなる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第5回めの放送を見ましたよ。

翼和希主演『へぼ侍: 西南戦争物語』のパンフレットより(2023年8月)

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第1週『ワテ、歌うで!』

花咲音楽学校の入学試験で不合格となった鈴子(澤井梨丘)はひどく落ち込んだ。

そんなある日、父・梅吉(柳葉敏郎)が梅丸少女歌劇団(USK)のチラシを見つけてきた。道頓堀の劇場で、映画の幕間に歌や踊りのレビュー・ショーを披露している、まだ新しい劇団なのだという。
梅吉は鈴子を連れてそれを見に行った。

そこで鈴子は、USKの「胡蝶の舞」という出し物を見た。
大和礼子(蒼井優)と橘アオイ(翼和希)を中心とした、華やかな衣装の歌と踊りだった。
あまりのかっこよさに、鈴子は全身に鳥肌が立つほどだった。

しかも、翌日がUSKの入団試験日だという。鈴子はそれを受験することを決めた。

試験当日、USKの事務所にやってきた鈴子であったが、なんと試験日を読み間違えていた。入団試験は前日に終わってしまったのだと追い返されそうになった。
しかし、鈴子は引き下がらずに食い下がった。来年の試験日を待つと、自分はライバル劇団である花咲に行ってしまうかもしれない、そうなると花丸にとっては大きな損失だと話し始めた。今年は背が小さくて不合格になってしまったが、来年までには背が伸びる。そうすれば合格間違いなしだと主張した。母・ツヤ(水川あさみ)も鈴子にどれだけ才能があるかを捲し立てた。
一度、鈴子の歌を聴いてみてほしいと頼み込んだ。

事務職員たちはほとんど無視を決め込んでいたが、林部長(橋本じゅん) は1曲だけ歌うことを許した。そうすれば納得して帰っていくだろうと思ったのだ。

鈴子は十八番の「恋はやさし野辺の花よ」を朗々と歌いあげた。
目も合わさず書類仕事を続けていた職員たちであったが、態度には出さずとも、たしかに鈴子の歌には感じ入るものがあると思えた。

歌い終わると、林部長は部下に入団手続きを進めるよう命じた。どうせ今年の新人もすぐに何人か辞めるだろうから、帳尻はあうだろうと言い訳した。上層部は自分が説得すると話した。

こうして、鈴子の梅丸少女歌劇団への入団が決まった。

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NHK『ブギウギ』第4回

昨日公開された福来スズ子(趣里)の『東京ブギウギ』がレトロな歌い方ですごくいいなと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第4回めの放送を見ましたよ。

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第1週『ワテ、歌うで!』

小学校卒業後の進路に悩んでいた鈴子(澤井梨丘)は、母・ツヤ(水川あさみ)の言葉に従って、自分がこれだと思うものはなにか考えていた。
そして、やはり自分は歌と踊りが大好きだと悟った。そうしている時が一番楽しいし、披露することでみんなが喜んでくれるのも嬉しい。

鈴子は花咲音楽学校に入りたい旨を両親に伝えた。
すると、母・ツヤも父・梅吉(柳葉敏郎)も即座に大賛成した。何も聞くことなく、笑顔で受け入れて応援してくれた。
鈴子は学費のことを心配したが、両親は何も心配することはないと答えた。

その夜、梅吉とツヤはふたりで話し合った。
鈴子の前では金の心配はいらないと豪語したものの、実際には工面に苦労しそうだった。
それでも、鈴子が自分でやりたいと言ったことはやらせるという方針を以前から決めており、なんの躊躇もなかった。金のことは楽天的に捉えていた。
そもそも、何でも好きなことをやらせるという方針は、母・ツヤの提案だった。なので、ツヤは鈴子から進路の相談を受けた時にほとんど口出ししなかった。その代わり、自分でやりたいものを見つけろとだけ話したのだ。そして実際、鈴子は自分で道を見つけ出した。梅吉は、ツヤの子育ての巧みさに感心した。

翌日から、鈴子は花咲音楽学校の入学試験に向けた準備を始めた。歌や踊りのほか、学科試験や面接もある。それらの稽古に励んだ。
そして、試験を受けた。鈴子は全ての科目において、満足に実力を発揮できたと思った。

試験当日に合格発表が行われた。
しかし、鈴子は不合格だった。
鈴子は、付き添いのツヤに抱きついて泣いた。自分より歌や踊りの下手な者が合格しているのは、自分がチビだからだと嘆いた。

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