NHK『ブギウギ』第22回

東海道新幹線の車内販売が今日で終了するというニュースを聞いて、ワゴン販売員がその仕事内容を記述した徳渕真利子(2007)『新幹線ガール』を久しぶりにパラパラと眺めた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第22回めの放送を見ましたよ。

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第5週『ほんまの家族や』

産みの母・キヌ(中越典子)の家を去った鈴子(趣里)は呆然と歩いていた。自分の出生の秘密を知り、身体中が熱くて張り裂けそうな思いをしていた。

その日の夕方になって、やっと祖母・トシ(三林京子)の家に帰ってきた。
弟・六郎(黒崎煌代)はずっと鈴子のことを心配していて、体がバラバラになってしまいそうな思いをしていたという。鈴子も六郎も別々の場所で同じような感情を抱いていたのだ。鈴子は六郎に抱きしめてくれるよう頼み、彼にしがみついて泣いた。

母方の祖母・トシは、これまで黙っていたことを鈴子に謝った。
そして、本人の本心はわからないとしながらもツヤ(水川あさみ)のことを弁護した。きっと、ツヤは前後の見境がつかなくなるほど鈴子のことを大切に思い、鈴子の心も体も自分のものにしたくなり、二度と返したくなくなったのだろうと話した。トシの本音は、孫の鈴子や六郎よりも、自分の子であるツヤの方が大切に思っているという。それと同じように、ツヤも自分の子が大切だと思っているのだろうし、鈴子のことを本当の子だと思っているのだろうと話した。
最後にトシは、今回のことをツヤに話すかどうかは鈴子が決める問題だと話した。トシは自分の大切な娘であるツヤが悲しむのは見たくないと言いながらも、鈴子もひとりの人間なのだから、鈴子を尊重すると話した。

そして、鈴子と六郎は大阪に帰ってきた。
帰りの道中、鈴子はずっと決めかねていた。しかし、実家の建物を見ると決断をした。出生の秘密を知らないふりをし続けようと決めた。弟・六郎にも口止めをした。
母・ツヤは川で何かあったのではないかと心配そうな顔つきをしていたが、鈴子が満面の笑みで帰ってきたのを見て安堵した。

こうして、鈴子の1週間の休暇は終わった。またいつも通りの稽古と本番の日々が始まった。

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NHK『ブギウギ』第21回

昨夜はTBS日曜劇場『下剋上球児』の3回めの放送で、野球部監督を辞退した南雲(鈴木亮平)から彼が教員免許を偽造していたと聞かされ、一度は距離を置こうとした山住(黒木華)が結局それを受け入れて秘密を共有しようと決意するという話を見た当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第21回めの放送を見ましたよ。

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第5週『ほんまの家族や』

鈴子(趣里)は、自分の本当の父母を知らされた。
父は治郎丸(石倉三郎)の亡き息子・菊三郎で、母は西野キヌ(中越典子)だという。治郎丸家はキヌのことをよく思っておらず、かろうじて菊三郎の法事にだけ顔を出すことが許されているという。今は隣村の百姓に嫁いでいる。
真実を知った鈴子はひどく傷つき、そのまま行方をくらました。夜になっても帰ってこなかった。

翌日、鈴子はひとりで隣村の百姓・西村家を訪ねた。そこには、キヌとふたりの男児がいた。
鈴子に請われたキヌは、20年前に鈴子を産んだ時の経緯を話した。

治郎丸家で働いていたキヌは、身籠ったことがわかるや否や追い出されてしまった。実家からも勘当され、行くあてがなくなってしまった。
そんな時、偶然、知り合いだったツヤ(水川あさみ)に再会した。ツヤもお産のため里帰りしていたのだ。ツヤはキヌを自分の家に連れて帰り、そこで世話になりながら鈴子を産んだ。
ツヤは、自分が鈴子を育てることを申し出た。身寄りのなくなったキヌがひとりで育てることは難しいことが明白だったからだ。ツヤは年に一度鈴子を連れて帰り、キヌと会わせることを約束した。キヌが落ち着いて、育てられるようになったら返すというのだ。
キヌはその提案を受け入れた。子育てできるとは到底思えず、そのままでは母子共に生きていけないと思われたからだ。それからしばらくは、年に一度の鈴子の里帰りの際に抱くことで、キヌは生きる気力が湧いたという。

それらは鈴子に物心がつく前のことで、鈴子には全く記憶がなかった。鈴子に物心がついた後は、ツヤは銭湯の仕事で忙しくなり、帰省もままならなくなり、鈴子とキヌが会うこともなかった。鈴子はキヌの話を信じたくなかった。
その時、キヌの幼い子がぐずりはじめた。キヌは子守唄でその子を寝かしつけた。鈴子はその子守唄に聞き覚えがあった。自分の母である証拠のように思えた。

それでもまだ事実を受け入れ難い鈴子は、キヌが席を外したすきに黙って家を出た。
キヌは鈴子を追いかけてきて、懐中時計を手渡した。それは菊二郎の形見だという。高価な品なので、困った時には金に変えるよう言われていたという。しかし、今まで取っておいたという。その形見の時計をどうしても鈴子に渡したいというのだ。
強引に海中時計を握らされるまま、鈴子は何も言わず呆然と歩き去った。

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NHK『ブギウギ』第20回

昨日のマクラでは、僕は「弟のいるしっかり者の年上の女」と交際すべきだと人から言われたというエピソードを書いたわけだけれど、実は山瀬まみこそ条件にぴったりだと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第20回めの放送を見ましたよ。

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第4週『ワテ、香川に行くで』

鈴子(趣里)と六郎(黒崎煌代)の姉弟は、両親の郷里である香川にやってきた。地元の名士・治郎丸(石倉三郎)の亡き息子・菊三郎の法事への参列を請われたからだ。
ふたりは、両親の親族らと共に治郎丸の屋敷へ向かった。そこは大阪ではあまり見ないような大きな屋敷だった。

治郎丸は鈴子の到来を熱烈に歓迎した。しかし、どこか様子がおかしかった。鈴子の顔を見ながら、しきりに「似てる、似てる」などと呟いた。
一方、彼の妻・ミネ(湖条千秋)はどこかよそよそしく、鈴子に対していくぶん冷たい態度であり、治郎丸を鈴子から遠ざけようとするかのようだった。

法事が無事に終わり、宴会が始まると治郎丸はしこたま酔った。鈴子を隣に座らせ、酌をさせたり、劇団の儲けを不躾に尋ねたりした。梅丸少女歌劇団 “USK” のことを何度も USA と言い間違えたりした。さらに治郎丸は言動が奇妙になった。鈴子の目元が、亡き息子・菊三郎に似ているだの、鈴子たちは他人ではないのだから遠慮することはないなどと口走り始めた。
それでも鈴子は、招待された立場をわきまえ、笑顔で接しながら聞き流していた。

余興として鈴子が踊りを披露することになった。『金毘羅船船』という、香川ではよく知られた舞である。
それを見ていた治郎丸の様子はますますおかしくなった。菊三郎の写真を胸に抱え、写真に鈴子の踊りが見えるようにした。さらには、周りが止めるのも聞かず、「一緒に踊る。初めて会う孫なのだから、どうしても踊りたい」などと口走った。ついに、それまで冷たかった彼の妻・ミネも感極まり、鈴子は菊三郎にそっくりだと言い出した。次郎丸とミネは互いに、鈴子の目元が菊三郎の生き写しだと言い合った。

とうとう鈴子も様子がおかしいことに我慢できなくなった。鈴子は何か隠し事をされているに違いないと思い至った。白状するよう人々に迫った。喚き叫ぶ鈴子と、亡き息子の面影を語る治郎丸夫婦とで場は大混乱になった。双方はすぐに引き離された。

母方のおば・タカ(西村亜矢子)は鈴子を外に連れ出すと、謝りながら真相を白状した。鈴子は、確かに治郎丸家の子であり、亡き菊三郎の子なのだという。
鈴子は驚きつつも、六郎がしきりに自分たちは本当の姉弟ではないと言っていたことや、自分が高熱で生死の縁をさまよった時に母・ツヤ(水川あさみ)が鈴子を死なせるとどこかに顔向けできないと言っていたことを思い出し、合点がいった。

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NHK『ブギウギ』第19回

昔々、とある姐さんから「木公くんはさぁ、小さくてか弱そうで幼い感じの妹みたいな女の子が好きよねぇ。だけどね、君には年上の女が合うと思う。しかも、弟のいるしっかり者の女」と言われたことのある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第19回めの放送を見ましたよ。

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第4週『ワテ、香川に行くで』

鈴子(趣里)の弟・六郎(黒崎煌代)は幼い頃から間抜けな言動や行動が目立つ。飼っているカメを溺愛し、そのカメを模った帽子をいつも被ってる。さらに、木彫りのカッパの人形を常に携えている。

そんな六郎には、最近気になっていることがあった。自分の顔が父・梅吉(柳葉敏郎)と似ていないと思われるのだ。小さい頃、アホのおっちゃん(岡部たかし)から、六郎はカッパの子で、鈴子はクジラの子だとからかわれたことも半ば本気で信じていた。言われてみれば、自分と鈴子は似ていないようにも思える。

六郎からそのことを打ち明けられた鈴子は一笑に付し、自分たちは姉弟に違いないと説明してやった。六郎はまったくもってアホな子である。普通なら、これだけアホな子は嫌われるはずである。しかし、自分は六郎のことが大好きだ。これだけ好きなのだから姉弟に違いないと言って聞かせた。

しかし、後にひとりになって考えてみると、鈴子にも思い当たるところがあった。
過去に鈴子が高熱で倒れた時(第9回)、六郎が枕元で同じ「カッパの子、クジラの子」話をしていた。それに加えて、父と母(水川あさみ)が部屋の外でコソコソ話をしているのが聞こえたのだ。ふたりは、何があっても鈴子だけは死なせるわけにはいかないと言っていた。
鈴子は、その時のことは熱にうなされた悪夢だと思っていた。しかし、六郎の話した内容が過去と現在で合致していることから、あれは現実だったのだ。
そして鈴子は、あり得るとするなら、六郎の方こそ貰われてきた子だと思った。なぜなら、両親は鈴子だけは死なせるわけにはいかないと言っていたからだ。しかし、鈴子はそのことは自分の胸にしまっておくことにした。

この頃(1934年; 昭和9年)には、USKのストライキ騒動から1年が経っていた。勝ち取った待遇改善は実現し、劇団員たちは1週間の休暇が与えられた。他の団員たちはそれぞれに旅行の計画などを立てていたが、鈴子だけはどこにも出かける予定はなかった。むしろ、家の銭湯の手伝いをすることを楽しみにしていた。

そんなある日、母・ツヤの元へ郷里の香川の妹から手紙が届いた。それは、「白壁の家」と呼ばれる地元の名士の家の法事へ鈴子を連れて来て欲しいというものであった。ツヤの実家は手袋工場を営んでおり、「白壁の家」の主人には客を大勢紹介してもらうなど並々ならぬ世話になっていた。ツヤの実家にとっては断ることはかなり難しいことであった。
一方でツヤにとっても、郷里には帰りにくい事情があった。キヌ(中越典子)という女性に顔を合わせられない事情があったのだ。そのことを理解している父・梅吉と相談し、鈴子と六郎だけで行かせることにした。

ツヤは、「白壁の家」の法事に行って欲しいと鈴子と六郎に話した。そこの息子は早くに亡くなったが、主人はまだ生きている。その主人が梅丸少女歌劇団のファンであり、鈴子の活躍を聞きつけて会いたいと言っていると説明した。鈴子は悪い気がしなかった。
そして、父と母は銭湯の切り盛りで手が離せないので、鈴子と六郎のふたりだけで行って欲しいと話した。六郎は自分たちだけで出かける旅行に興奮した。
こうして、姉弟だけの香川行きが決まった。

六郎が香川行きを喜んで受け入れたのにはもう一つ理由があった。母の実家に行けば、自分たちの出生の秘密が明らかになると期待しているのだ。
その話を聞いた鈴子は呆れつつも、やはり六郎の方こそが貰われた子のはずであり、本人がそれを知るとどう思うかと心配になるのだった。

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NHK『ブギウギ』第18回

ラインダンスを見るとどうしてもえっちな気持ちになってしまい、それはきっと自分が足フェチだからだと思っていたのだけれど、もしかしたら懐かしの深夜番組『11PM』のアニメーションが思い出され、そこから同番組のお色気コーナーが連想されるせいかもしれないと思い至った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第18回めの放送を見ましたよ。

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第4週『ワテ、香川に行くで』

USKのストライキが始まってから1週間、大熊社長(升毅)はついに劇団員たちの要求を受け入れ、賃金を元の水準に戻し、人員解雇も取り消されることになった。
知らせを受けた劇団員たちは有頂天になって喜んだ。

翌日、劇団員たちは稽古場に集まり、久しぶりに古巣で稽古できることにワクワクしていた。
しかし、大和礼子(蒼井優)と橘アオイ(翼和希)がなかなか姿を見せない。やっと現れたかと思えば、神妙な面持ちの林部長(橋本じゅん)も同行していた。

林部長は、本日付で大和礼子と橘アオイが騒動の責任をとって退団すると発表した。突然のことに劇団員たちは動揺し、口々に抗議の声をあげた。
大和礼子はそれをなだめるように話し始めた。ストライキによる公演中止で客や会社に迷惑や損害を与えた。誰かがその責任を取らなければならず、それはまさしくストライキを主導した自分こそが責めを負わなければならないと説明した。そして、今回みんなが団結したことを忘れず、みんなで新しい梅丸少女歌劇団を作って欲しいと期待を述べた。自分がいなくなってもみんなならやれるはずだと励ました。
橘アオイは、大和礼子ひとりに責任を負わせるわけにはいかず、自分も一緒に辞めるのだと話した。

鈴子(趣里)は到底承服できなかった。ふたりがいなくなる結果になるのだったらストライキなどしなければよかったし、賃金や人員の削減も受け入れるからふたりには残って欲しいと泣きながら喚いた。ふたりがあってこその梅丸少女歌劇団なのだから、いっそのことこの劇団はなくなってしまえばいいとまで喚き散らした。
橘アオイは鈴子にビンタを張って黙らせた。大和礼子はみんなのことを守るために辞めるのだから、それを無碍にするなと説得した。

どんなに抗議しても、会社にふたりの退団を取りやめさせることはできなかった。なにより、当の本人たちの決意が一番固かった。
団員たちは泣きながら別れを惜しむしかなかった。

たったふたりがいなくなっただけなのに、鈴子には大勢の団員がいなくなったような寂しさを感じた。
それでも、解雇されていた同期の桜庭和希(木村湖音)や新人研究生たちが戻ってくると、少しだけ気分も前向きになれた。いつまでも寂しがっておらず、稽古に打ち込もうと思えた。

大熊社長はにとって、自ら決めたこととはいえ、トップスター2名を一度に失うということは大きな痛手だった。彼女らの不在を言い訳に粗末なショーを見せるわけにはいかない。残された団員たちが輝くような新しい出し物はないものかと頭を抱えていた。
その相談を受けた林部長は、大和礼子が中心となって稽古を続けていたラインダンスを社長に提案した。

こうして、USKは客前で初めてラインダンスを披露した。
大和礼子の置き土産である練習の成果が大いに発揮され、一糸乱れぬ見事なダンスだった。観客たちにも大好評だった。

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NHK『ブギウギ』第17回

数年ぶりの大不調に陥っているのだけれど、今回のまとめ記事だけはなんとか死守しようと力を振り絞る当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第17回めの放送を見ましたよ。

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第4週『ワテ、香川に行くで』

山寺に籠ってストライキを続ける梅丸少女歌劇団であったが、会社側との交渉は全く進んでいなかった。それでも、劇団員たちは事態が好転することを信じ、明るく前向きに稽古を続けていた。

休憩中、鈴子(趣里)は、大和礼子(蒼井優)が梅丸に入った理由を尋ねた。鈴子は、彼女が親の反対を押し切って家出同然で大阪に来たことは知っていた。しかし、もっと詳しい事情を知りたくなったのだ。大和礼子ほどの実力者であれば、より格上の花咲音楽学校に入学することもできたはずだからだ。

大和礼子は、親に反対され、自分ひとりでは花咲音楽学校の受験費用すら捻出できなかったからと説明した。そして、彼女の少女時代(山下桐里)のバレエの先生が梅丸の大熊社長(升毅)と知り合いだったという。
大熊社長は、授業料は一切取らないない上、親代わりとしてずっと面倒を見る約束をしてくれた。それが梅丸に入団した理由だという。大熊社長は、親に反対されて夢を諦めた若者をたくさん見てきた。そんな中、大和礼子は親と縁を切ってでも夢を追いかけようとしており、それを応援したかったのだという。

その頃、ひとりだけストライキに参加しなかった橘アオイ(翼和希)は、大和礼子と一緒に写っている古い写真を眺めていた。それで決意を固め、社長へ直談判に向かった。橘アオイは、自分が劇団を辞めるのと引き換えに、劇団員たちの条件(賃金維持、解雇団員の復帰)を叶えてくれるよう懇願した。
大熊社長は、劇団員たちの条件をのむことに決めたという。ただし、首謀者である大和礼子だけは辞めさせるつもりだと話した。大和礼子本人も初めからそのつもりだったに違いないというのが社長の見立てであった。

翌朝、楽団員の股野義夫(森永悠希)がストライキ中の大和礼子を尋ねて来た。
股野も会社の取り崩しに応じてしまい、一時金を受け取ってストライキに参加しなかったのだ。股野はそのことを恥じており、楽団を辞めようと決意したのだ。また、股野は大和礼子に片思いをしていた。辞める前に、一言思いを伝えたいと思った。

股野は大和礼子とふたりきりの場を作ってもらい、梅丸を去ることを話した。そもそも彼は、歌劇団の楽団員ではなく、オーケストラに入団する夢を持っていた。それはもう諦めかけていたが、もう一度挑戦することに決めたと説明した。股野は、梅丸を見捨てることで大和礼子から軽蔑されるだろうことを覚悟した。

ところが、礼子は優しい笑顔で股野の夢を応援してくれた。
それで気が楽になった股野は、ついに自分の礼子に対する恋心を告白した。

しかし、鈴子は今度は険しい表情になった。今は、恋愛に現を抜かす状況ではないと言うのだ。
それでも、股野は後悔しなかった。今ここで告白しなければ、もう二度と会えないかもしれないので気持ちを伝えることができてよかったと話した。
鈴子は、二度と会えないと言う股野を否定した。今は別々になってしまったとしても、音楽や歌劇を続けていれば、いつか再会できるはずだと言うのだ。股野には簡単に挫けずに頑張って欲しいと話した。
股野は続けることを約束した。

そこへ、橘アオイを伴って、歌劇団責任者の林部長(橋本じゅん)も山寺にやって来た。
林部長は、自身の力不足を謝りつつ、礼子にある通告を行った。

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NHK『ブギウギ』第16回

昨夜はTBS日曜劇場『下剋上球児』の2回めの放送で、弱小高校野球部のやる気のない部員たちが強豪高校チームと練習試合をしてボロ負けするも野球の面白さを知って結束が高まっていよいよ良い方向に動き出すのかと思いきや、監督・南雲(鈴木亮平)は教員免許を偽造して高校教師になったと同僚の山住(黒木華)にだけ打ち明けるという話を見た当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第16回めの放送を見ましたよ。

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第4週『ワテ、香川に行くで』

ストライキに参加したUSKの団員が山寺に立てこもって1週間が経った。
この騒動は新聞でも報道され、世間の注目を集めた。団員たちは寺にこもっても稽古を怠らず、取材に来た記者たちにはストライキが明けたらより立派な公演を見せると話した。

一方、梅丸の大熊社長(升毅)は団員の親たちに会って、取り崩し工作を始めた。そのせいで団員の親たちが退去して山寺に押しかけて来た。彼らは自分の子にストライキをやめるよう迫った。
大和礼子(蒼井優)は親たちと宴会を開き、自分たちの稽古の様子を披露した。そして、団員たちが傷つくようなことはしないので、もう少し待っていて欲しいと頭を下げた。
それを見聞きして、親たちの態度は軟化した。最後にはストライキを応援する態度になり、帰っていった。

帰っていく親たちを見ながら、大和礼子は鈴子(趣里)に対して独り言のように話しかけた。大和礼子は家出同然で入団した。そのため、親に一度も見てもらったことがない。今回のストライキは報道を通して親の目に留まればいいと思ってやっているのかもしれない。鈴子らの家庭には関係ないことに巻き込んでしまったと謝った。

梅丸劇場の前には、公演を求めて人々が集まっていた。ストライキに参加しなかった男役スター・橘アオイ(翼和希)や楽団員・股野義夫(森永悠希)は劇場前で客への謝罪対応に追われた。

劇団統括の林部長(橋本じゅん)も心肺になり始めた。このままでは客が梅丸少女歌劇団のことを見限ってしまって、復活できないかもしれない。大熊社長にそう訴えた。

しかし、大熊社長は何も答えなかった。代わりに彼は、大和礼子と初めて会った15年前のことを思い出していた。

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NHK『ブギウギ』第15回

毎日のマクラでNHK夜ドラ『ミワさんなりすます』のあらすじを簡潔に書こうと試みていたのだけれど、どうにも僕の能力では追いつかず、しんどくなったのでもうやめることを宣言しつつ、同作にReiちゃんさん(バーの店長役)が出てくる日を待ち望む当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第15回めの放送を見ましたよ。

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第3週『桃色争議や!』

ストライキ実施を決めた大和礼子(蒼井優)に対して、橘アオイ(翼和希)は猛反対し、声を荒げた。大和礼子がいつも言っているのは、客に現実を見せてはいけないということだ。ストライキを実施することは、客に最悪の現実を見せつけることになると言って、橘アオイは思いとどまらせようとした。
しかし、大和礼子の決意は揺るがなかった。客に現実を見せてしまうことよりも、さらにやってはいけないことに気づいたのだと言う。それは、自分たちを大切にしないことであると話した。自分たちは一方的な都合で翻弄されるだけの会社の道具ではない、梅丸を楽しい場所にするために自分たちを守る必要があると説明した。

大和礼子は、劇団を代表して次の日に社長に直談判することを決めた。そこで交渉が決裂すればストライキに突入する。ストライキに参加すると二度と舞台に立たせてもらえなくなるかもしれない。参加するかどうかは各自の判断に任せ、それを尊重すると述べた。
橘アオイは参加しないことを宣言した。

翌日、鈴子(趣里)は梅丸本社に向かった。
鈴子自身はまだ態度を決めかねていた。しかし、自分の思いを社長にぶつけなければ気が済まないと思ったからだ。母・ツヤ(水川あさみ)も、どのような結果であれ鈴子の決断を支持すると応援してくれていた。

鈴子と大和礼子が社長室の前まで来ると、中から言い争う声が聞こえた。
一足先に橘アオイが来て、大和礼子の主張に耳を傾けるよう社長(升毅)に懇願していた。しかし、社長は聞く耳を持たない様子だった。大和礼子がいなくなっても会社は困らない、さっさと劇団を辞めるよう言っておけなどと聞こえてきた。

それを聞いた鈴子は頭に血が上り、大和礼子を押し除けて社長室に怒鳴り込んだ。自分も本当はストライキなどしたくはないが、いやなことを嫌だと言える人間にならなければならない気がすると語った。会社や客、世の中のために働くのは結構なことだと主張した。しかし、のぼせ上がってそれ以上話せなくなった。
鈴子を補ったのは大和礼子だった。まずは自分自身を大切にする必要があると述べた。自分を大切にできない人間には、会社や客を大切にすることができない。だから、ストライキを決行して自分たちを守ると宣言した。

社長室を出て行こうとする鈴子と大和礼子の前に、橘アオイが立ちはだかった。大和礼子のストライキを止めようと最後の抵抗をしたのだ。
大和礼子はそんな彼女を抱きしめ、橘アオイのおかげで頑張ってこられたと述べた。感謝の言葉だけ伝えると、部屋を出ていった。橘アオイはその場で泣き崩れてしまった。

こうしてストライキが始まった。

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NHK『ブギウギ』第14回

昨夜はNHK夜ドラ『ミワさんなりすます』の3回目の放送で、主人公(松本穂香)は別人の家政婦になりすましていることに罪悪感を感じ、主人の俳優(堤真一)に打ち明ける手紙を書いて渡そうとするのだが、不注意でふたりそろって地下室に閉じ込められるという内容を見たのだけれど、楽しみにしていたReiちゃんさん(バーの店長役)はやっぱり出てこなくてがっかりしたんだけれど、昨夜は夜ドラの前にReiちゃんさんのインスタライブを見ていたのでチョー機嫌のよかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第14回めの放送を見ましたよ。

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第3週『桃色争議や!』

1933年(昭和8年)4月、アメリカの株価大暴落から始まった大恐慌の影響が日本にも表れはじめた。梅丸少女歌劇団でも賃金削減と人員削減が会社側から通達された。即座に新人研究生の3人と楽団員数名が解雇されてしまった。
解雇を免れた者も給料が一律3分の2にされてしまった。
家業が火の車の桜庭和希(片山友希)は、ただでさえ苦しかったのに給料も下がったら家族の生活が立ち行かないと言って自ら去ってしまった。

大和礼子(蒼井優)が中心となって、労働争議が開始された。大和は劇団員たちに自分たちにはプライドがあると話した。賃金や休暇など、きちんとした待遇のもと歌って踊る権利がある。会社側にそう主張し、賃金削減と解雇人員の取り消しを求める嘆願書を会社側に提出した。

労働争議が始まるや否や、鈴子(趣里)の家に初対面の梅丸社員(浅雛拓)が訪ねて来た。彼は、労働争議をやめた者には一時金を支払うと申し出た。
それを聞いた鈴子は頭に来た。一時金を出すだけの金があるなら解雇を取り消すべきだし、ましてや劇団員たちの団結の切り崩しを試みる態度が許せなかったのだ。自分たちは劇団を大きくするよう頑張っているのに、会社側がそれを妨害するのはなぜかと詰め寄った。
梅丸社員は、自分たちも会社のためを思ってやっているのであって、劇団員たちが歌って踊れる場をなんとか守ろうと努めているだけだと答えた。そして、両者は決裂し、梅丸社員は帰っていった。

翌日、稽古場に行くと騒ぎになっていた。一時金を餌にした労働争議の妨害工作は他の団員たちのところにあったというのだ。劇団員で応じた者はいなかったが、楽団のピアノ担当でいつも稽古の伴奏をしてくれている股野(森永悠希)は応じてしまったという。

大和礼子はストライキすることを決めた。公演本番が近いので、今ストライキをすると公演もできなくなる。しかも、この公演は大和が初めて演出を手がけるものである。自らの演出作品を諦めてでも労働争議を続ける必要があると決断した。この労働争議は今いる劇団員だけのものではなく、将来の劇団員など多くの者に関わる問題である。だから絶対に引き下がるわけにはいかないと言うのだ。

しかし、橘アオイ(翼和希)はストライキに反対した。大和の言い分は劇団員のことばかりの身勝手なもので、公演を楽しみにしている観客のことが一切考慮されていないと反発した。

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NHK『ブギウギ』第13回

昨夜はNHK夜ドラ『ミワさんなりすます』の2回目の放送で、主人公(松本穂香)が敏腕家政婦の別人になりすまして大ファンの俳優(堤真一)の家で働き始め想像以上の仕事の厳しさに挫けそうになりつつ、俳優から声をかけられて有頂天になった直後、不可抗力で彼の作りかけのボトルシップを壊してしまうという内容を見たのだけれど、楽しみにしていたReiちゃんさん(バーの店長役)がやっぱり出てこなくてがっかりしたんだけれど、今日は彼女の新曲のリリースだから結局機嫌のいい当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第13回めの放送を見ましたよ。

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第3週『桃色争議や!』

大和礼子(蒼井優)は新たな演出としてラインダンスを取り入れることにした。一列に並んで一糸乱れずに足を上げてステップを踏むことでみんながまとまるし、やる方も見る方も楽しいからだ。しかし初めてのことで、なかなかうまくできなかった。劇団員たちはヘトヘトになっている。

桜庭辰美(片山友希)が1週間ぶりに稽古場にやって来た。梅丸少女歌劇団を辞めるつもりだという。今の不況で家業の畳屋が火の車なのだという。病弱な母も入院し、とにかく家の手伝いで金がいるというのだ。
あくまで家庭の事情だと言い張り、ライバルの秋山美月(伊原六花)に追い抜かれたことは関係ないと否定した。
しかし、秋山とのライバル関係が理由であろうことは誰の目にも明らかだった。

大和礼子は、桜庭がやる気を失っている根本は秋山とのライバル関係ではなく、自分自身から逃げている点にあると指摘した。誰しも逃げ出したい時はあるが、続けるべきだと忠告しようとした。
そこへ鈴子(趣里)が割って入り、大和礼子に食ってかかった。誰にだってどうしようもないことはあるのだから、逃げてもいいし、桜庭が劇団を辞めるのも仕方ないと主張した。鈴子自身も大和礼子や同期の娘役・リリー白川(清水くるみ)には敵わないと自覚して悩んでいると打ち明けた。自分の売りとなる点が見つけられず、どうしていいかわからないというのだ。

そのような悩みを抱えているにも関わらず、なぜ劇団を続けられるのかと桜庭が問うた。
鈴子は自分でもわからないが、なぜか辞められないと話した。下手ではあるが、歌って踊るのが大好きだからかもしれないと答えた。
桜庭も同様に、歌って踊るのが大好きだと同意した。しかし、後輩に抜かれるのがどうにも悔しくて辛いのだと本心を打ち明けた。
鈴子も、抜かれるのは辛いが、ふたりで一緒に抜かれようと話した。そして、いつか抜き返して見返してやろうと言った。
ふたりは泣きながら抱き合った。

大和が再び話しはじめた。
自分は新しい演出のことばかりを考えていて、劇団員の状況に目が向いていなかったかもしれないと謝った。
大和の本心としては、誰も辞めさせることなく、みんなで楽しくやりたいのだと話した。みんなが劇団員を続けて、劇団を楽しい場所にしたいのだと述べた。

橘アオイ(翼和希)は、大和礼子がラインダンスを新たに採用した理由に合点がいった。全員が一丸となって楽しむことが主眼なのだと理解した。
みんなにそう話し、全員でひとつずつ壁を乗り越えていこう、永遠に修行あるのみだと呼びかけた。

こうして、劇団員たちの結束がより高まった。ラインダンスも以前よりはうまくできるようになった。

陰から様子を窺っていた林部長(橋本じゅん)は丸く収まったことに安堵し、以前よりも良くなったことを喜んで大熊社長(升毅)に報告した。
しかし、大熊社長は厳しい表情を崩さず、賃金と人員の削減が必要だと告げた。

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