今は日本の成人年齢が18歳になったわけだけれど、数年前までは20歳で成人とされていたし、今でも酒やタバコは20歳以上にならないと認められないわけで。20年というのはなかなかの長期間ですわな。
僕も20歳になったときは感慨深かったし。
ところで、本ブログも本日で設立20年を迎えました。
開設日の記事がこれで、10周年がこっちです。
ご愛顧ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
今日の12時からテレビ東京系列で放送される『バクタン』は、俺界隈では「山瀬まみ以外に見るべきところがない」と言われているわけだけれど、今回は天下一品のスープ誕生秘話が紹介されるらしく、いつもよりは興味を持って見れそうだなと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第64回めの放送を見ましたよ。
鈴子(趣里)が慰問先の京都から帰ってくると、東京中心部は焼け野原になっていた。
ただし、鈴子の自宅のある三鷹周辺は空襲を逃れていた。愛助(水上恒司)も無事だった。鈴子は安堵した。
しかし、情報が集まってくると、多くの人々の安否がわからなかった。大阪も大空襲に襲われたというが、はな湯の人々やUSKの仲間たちがどうなったのか鈴子にはわからないままだった。愛助の母・トミ(小雪)は芦屋の別邸に滞在していて無事だという。ただし、村山興業の社員や芸人の多くと連絡が取れないままになっているという。東京支社長・坂口(黒田有)は無事であるが、会社は一からやり直しだと言って肩を落とした。
それからは、頻繁な空襲警報に怯えつつも、鈴子と愛助は毎日を大切に仲良く暮らした。
鈴子は、愛助と一時も離れたくなかった。母・ツヤ(水川あさみ)や弟・六郎(黒崎煌代)の死に目に遭えなかったことを後悔しており、万が一の時に必ずそばにいたいと思うからだ。
地方巡業の依頼もいくつかあったが、鈴子はそれらを全て断ってしまった。
ある晩も空襲警報が鳴り、鈴子たちは防空壕へ避難した。
赤ん坊が泣き出したことで、ある男が怒鳴りつけた。敵機に見つかるから泣き止ませるか、防空壕から出て行けと言うのだ。もちろん、赤ん坊の鳴き声が上空の飛行機まで届くわけがない。男は連日の空襲にイライラして八つ当たりしただけだった。
鈴子は愛助に促され、防空壕の中で「アイレ可愛や」を歌った。場をわきまえた控えめな声だったが、防空壕の中の雰囲気が和やかになった。歌い終えるや否や拍手が起こり、もう一度歌うよう頼まれた。
鈴子はもう一度同じ歌を歌った。しかし、今度はより大きな声であった。人々も大きな手拍子を打った。人々はみんな大喜びした。
警報が解除され、人々はそれぞれの家に帰って行った。ただし、みながみな、鈴子に礼を言ってから立ち去った。
愛助は、鈴子の歌には力があると話した。愛助が病気で徴兵されず、自分は役立たずだと思っていた時、鈴子の歌に勇気づけられたのも同様だと言う。
そして愛助は、こんな状況だからこそ、鈴子には歌い続けてほしいと頼んだ。戦争に怯えながらも懸命に生きている人々にとって、鈴子の歌は希望になると言うのだ。
鈴子は、昨夜の防空壕で自分の歌を聞いてくれた人々ばかりか、慰問で各地を訪問した時のことを思い出した。確かに誰もが笑顔になり、喜んでくれていた。愛助の言う通りだった。
こうして、鈴子は再び地方への慰問公演に出る決意を固めた。
今日が仕事納めな当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第63回めの放送を見ましたよ。
村山興業の元社員であり、愛助(水上恒司)の父親代わりでもあった山下(近藤芳正)が、正式に「福来スズ子とその楽団」のマネージャーに就任した。戦況の激しくなった現状では、通常の公演依頼は一切なかった。しかし、地方への慰問公演ならばいくつかアテがあった。
地方公演では、まともな会場とは思えない場所で演奏した。工場の一角や、ゴザを敷いただけで壁や天井もない広場などである。
それでも人々は慰問を楽しんでくれたし、鈴子(趣里)も手を抜くことなく、精一杯歌った。
鈴子は地方での慰問公演を終えると東京に戻り、愛助の看病を行う。そしてまた地方へ出かける。その繰り返しで忙しい日々だった。
鈴子は、母・ツヤ(水川あさみ)が病気になった時に何もしてやれなかったことを悔やんでいた。弟・六郎(黒崎煌代)も鈴子の知らない場所でいつの間にか死んだ。そのような後悔は二度としたくないと思い、全力で愛助の看病をした。
その甲斐あって、愛助の結核は順調に回復した。もう咳が出ないし、腹を下すこともない。医者(要冷蔵)からも、再発の恐れはあるものの、症状は落ち着いたと診断された。
それから鈴子と愛助は病人と世話係としてではなく、まるで夫婦のように仲良く暮らした。
アメリカ軍の空襲が東京にも及ぶようになったが、まだそれは鈴子たちの住む三鷹からは遠い場所だった。赤く燃える夜空を不安げに見つめていたが、ふたりにとってはどこか違う世界の出来事のようにも感じられた。それくらい、鈴子と愛助はふたりで一緒にいることが幸せだった。これまでの人生で一番幸せだと思うほどだった。
その日、鈴子は京都の繊維工場で慰問公演を行なっていた。
開演直前、東京が大空襲に襲われたとの知らせが入った。あたり一面が焼け野原になっているとのことだった。主催者や楽団員たちは慰問公演を延期してすぐに帰郷すべきだと考えた。
もちろん鈴子も、愛助のことが心配で、胸が潰れそうなくらい不安になった。しかし、慰問を行うと言って聞かなかった。せっかく集まった客をそのまま帰すわけには行かないと言うのだ。
こうして、鈴子はいつも通りに快活に歌った。
慰問公演が終わると、急いで東京行きの汽車で帰った。
するとそこは、一面瓦礫ばかりで、すっかり様子の変わってしまった東京だった。
今朝はどうしても起きることのできなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第62回めの放送を見ましたよ。
鈴子(趣里)と愛助(水上恒司)は、村山興業東京支社長・坂口(黒田有)が手配した三鷹の一軒家で生活を始めた。
鈴子は姉さんかぶりと割烹着姿で、愛助の看護と家事を甲斐甲斐しく行った。そのおかげで、愛助の結核は快方に向かっていた。
鈴子は歌を歌い、軽快に踊りながら家事を行う。その姿は心底楽しそうであった。
しかし、愛助は心苦しく思いはじめた。愛助は福来スズ子の大ファンだからこそ、彼女が歌って踊ることが大好きであることを知っている。それなのに、自分の看護のために舞台から降ろさせてしまったと思われてならないのだ。思い切ってそのことを打ち明けても、鈴子は愛助の体を治すのが一番だし、愛助のことも歌や踊りと同じくらい好きだと答えるだけだった。
実際には、鈴子は仕事をしたくもできない事情があった。
マネージャーだった五木(村上信悟)が出奔してしまい、新しく仕事をとってくることができなくなっているのだ。
一度は、村山興業の元社員で愛助の子守り役でもあった山下(近藤芳正)を新マネージャーとして仕事を再開するつもりだったが、愛助の母であり村山興業社長のトミ(小雪)に露見し、山下がマネージャーに就任することができなくなった。トミは鈴子と愛助が交際することに猛反対しており、山下を介して鈴子と愛助が接点を持つことのないようにしたのだ。
坂口は、鈴子が愛助と一緒に暮らしていることについて、トミには秘密にしていた。「専属の世話係が見つかった」と言うにとどめ、その世話係の素性については一切を伏せていた。世話係の件はそれでうまく誤魔化せたが、山下のマネージャー就任はどうしても叶わなかった。
愛助は、見舞いにきた坂口にも、鈴子が表舞台から消えてしまう懸念を話した。なんとか山下をマネージャーにできないかと相談した。しかし、坂口の返答はつれないものだった。山下をマネージャーにすることは、トミが愛助と鈴子の交際を認めるのも同然であり、トミがそれを許すわけがないと言うのだ。
焦れた愛助は、自分が大阪に行ってトミに直談判すると言い出した。もちろん坂口はそれを止めた。戦時中で何が起きるかわからない状況なのに、結核で衰弱している愛助を大阪に旅行させるわけにはいかないからだ。
愛助の熱意に押され、坂口は自分がトミに相談すると口走ってしまった。ちょうど業務報告で大阪本社へ行く用事があるからちょうどいいという。愛助は目を輝かせ、坂口に任せることにした。
帰り道、坂口は勢いで安請け合いしたことを後悔した。トミはこの世で一番恐ろしい相手だからだ。
大阪本社に戻った坂口は、まずはトミに業務報告を行なった。最近、東京支社の業績は芳しくない。悪い報告を聞かされて、トミは機嫌が悪くなった。業績低迷の原因は、ライバル会社の芸人たちの人気が高まっているせいだと説明した。トミはますます機嫌が悪くなった。坂口が言い訳ばかりして、自社の魅力を高める努力を怠っているように見えたからだ。不機嫌な態度で坂口を部屋から追い出そうとした。
その時、坂口は愛助との約束をやっと切り出した。山下を鈴子のマネージャーにさせたいという相談である。
もちろん、トミは即座に拒否した。山下が鈴子のマネージャーになれば、愛助とより戻す可能性が高いからだ。やっと別れさせたのに、どうしてそんな危険な真似ができるのかと、面白くなさそうに毒づいた。
そこで坂口は、愛助の世話係が鈴子だと打ち明けた。トミはその日一番の不愉快な気分になった。
坂口は、鈴子を見直したと話し始めた。普通ならば、感染を恐れるあまり結核患者の世話係をしたがる人間はいない。それなのに、鈴子は連日連夜の看病を行なっている。それなのに偉そうにすることもなく、愛助のことを思って身を尽くしている。それでいて、ちょっと抜けているところもあって愛嬌がある。愛助でなくても鈴子に惚れるのも当然だ。自分も鈴子に惚れた、と話した。
だから、鈴子の力になりたいのだと力説した。
ついに、トミは山下を鈴子のマネージャーにすることを認めた。坂口は、帰京するとまっすぐに愛助の家に向かって報告した。
ただし、これは鈴子が愛助の世話をしていることへの恩返しだという。トミはふたりの交際を認めたわけではないと釘を刺されたという。
それでも鈴子と愛助は喜んだ。
こうして、鈴子の楽団は活動を再開することになった。
今朝も寒くて、さっきからずっと「寒い、寒い」と独り言を言っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第61回めの放送を見ましたよ。
愛助(水上恒司)が喀血した。愛助は過去に結核になったことがあり、それが再発したようだった。
往診に来た医者(要冷蔵)によれば、結核には特効薬や治療法がなく、栄養をとって安静にするかないという。鈴子(趣里)は、愛助の下宿では満足な療養ができないと考え、なんとか頼み込んで愛助を入院させてもらうことにした。
入院したものの、これといった治療があるわけではなく、もっぱら鈴子が四六時中つきっきりで看病した。愛助は結核がうつることを心配したが、鈴子は意に介さなかった。それどころか、病室でふたりきりであるのをいいことに、より体の距離を縮めた。鈴子は疲れると、ベッドの愛助に体を預けて居眠りした。
入院から数日経って、村山興業の坂口(黒田有)が病室に現れた。鈴子は看病に忙殺されて連絡しなかったが、彼はどこからか話を聞きつけたようだ。一大事にもかかわらず報告のなかったことで、坂口はカンカンに怒っていた。
その時、鈴子は愛助にもたれかかり、大いびきをかいて寝ていた。結核患者に密着している鈴子の様子に、坂口は心底驚いた。
坂口の気配に気づくと目を覚まし、きまり悪そうにした。
坂口は、愛助に大阪の療養所に移ることを強い口調で提案した。病院にいてもこれといった治療が施されるわけではなく、金ばかりかかる。それならば、過去に利用したことのある施設で療養するのが一番だと言うのだ。しかし、愛助は頑なに拒んだ。
埒が開かず、また、結核患者と同じ部屋に長時間滞在したくなかった坂口は、その日はそのまま帰って行った。
それからもしばらく、愛助は病院で療養を続けた。
愛助は、病気のおかげで鈴子がずっとそばにいてくれるのだと喜んだ。鈴子も一緒にいられて幸せだと感じていた。
愛助は、病気が治ったら結婚して欲しいとプロポーズした。鈴子は承諾した。
数日後、坂口が再度やってきた。
坂口は、三鷹に家を借りてきたという。退院して、そこで療養生活を行うべきだと主張した。
愛助と一緒に、鈴子も住んでよいという。坂口は、鈴子の献身的な態度を大いに認めたのだと話した。これまでの数々の無礼を謝罪し、愛助のことを任せると話した。
こうして、鈴子と愛助は三鷹の一軒家で暮らし始めた。
付き人・小夜は、その近所に新たな下宿を見つけ移った。
坂口は村山興業の大阪本社に出張し、トミ(小雪)に愛助の病状を報告した。三鷹に借りた家は坂口の家から近いので、いつでも様子を見に行けるから心配はいらないと説明した。トミは一度様子を見に行くと言い出したが、坂口は結核はうつる可能性があるから避けるべきだと説得した。
坂口は、トミに対して嘘はつかず、全てを報告した。ただし、鈴子と同居することだけは巧妙に誤魔化した。曰く、「専属の世話係」をつけることにしたと話した。トミは、結核患者の世話係をやるなど、珍しい人もいるものだと思ったものの、それ以上詮索しなかった。
10年くらい前に買ったうちのHDDレコーダーはしばらく前から挙動が怪しいし、もうすぐクリスマスだから新調しようかなと思うのだけれど、せっかくなら4Kチューナー付きにしようかとも思うけれど、そうするとテレビも4K対応にしなきゃならないし、結構な出費だなと思って決められずにいる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第60回めの放送を見ましたよ。
村山トミ(小雪)が上京し、愛助(水上恒司)は会社に呼ばれた。
トミには、すでに全てバレていた。愛助に鈴子(趣里)と別れるよう命じた。同時に、愛助が紹介した元村山興業社員・山下(近藤芳正)を鈴子のマネージャから解任しろと求めた。山下が間にいると、愛助と鈴子の関係が続くからだという。
愛助は、応じられないと反発した。自分は鈴子を好きだという一点張りだった。
埒が開かないので、トミは鈴子に直接会わせるよう要求した。
こうして、鈴子はトミと会うことになった。鈴子は隠し事が嫌いなので、トミに説明できる機会は大切だと考えていた。一方、芸能界の大物で、恐ろしい人間だと噂を聞いているので、会う前はひどく緊張した。
会うなり、トミは鈴子のことを褒めてくれた。いい歌手として認識しているという。梅丸少女歌劇団での下積みもあって今の立場があるのだろうと話した。
そして、下積みの苦労を知っている人間は分別があるはずだと話した。愛助は村山興業の後継ぎになる人間だということを理解して欲しいと告げた。それだけ話すと、あとは愛助と鈴子のふたりで話し合えと言って部屋を出ていってしまった。
面会があっという間に終わってしまい、愛助は戸惑った。トミの言葉の真意もよくわからなかったものの、自分たちにチャンスが与えられたと思った。
しかし、鈴子はトミの真意がわかっていた。短い会話の中で、言外に別れろと言っていたのだと説明してやった。自分のような歌手では、村山興業社長夫人は務まらないと宣告されたのだ。
愛助は、やはり反発した。鈴子のことが好きだから、このまま交際を続けたい。結婚の段階になれば、必ず自分が母に認めさせてみせる。鈴子には歌手を続けて欲しい。母になんと言われても鈴子を好きだと強情を張った。
鈴子も同じだけ愛助のことが好きだと応えた。
こうして、ふたりは別れることなく、これまで通りの生活を続けた。むしろ、鈴子は以前よりも愛助と一緒の時間が増えた。自分の下宿に帰る日よりも、愛助の下宿に泊まる日の方が多くなるほどだった。
1944年(昭和19年)の暮れになると、東京にもたびたび敵機が襲来するようになった。空襲警報が鳴り響くと、人々は防空壕へ避難する。
ある夜に警報が鳴った時、鈴子はやはり愛助の下宿にいた。ところが、鈴子は腹痛を感じてトイレにこもっていた。愛助が早く避難するよう声をかけても、鈴子は先に行けと言うばかりでなかなかトイレから出なかった。愛助は鈴子を見捨てるわけにもいかず、出てくるまで声をかけながら待った。やっと出てくると、鈴子を抱き抱えて防空壕へ走った。虚弱体質の愛助には珍しい姿だった。
空襲警報が解除され、ふたりは部屋に戻ってきた。
今まで愛助は鈴子のことを「福来さん」と呼んでいたが、これからは「スズ子」と呼んで欲しいと頼んだ。さっき、早く逃げるよう催促する時、愛助は思わず「スズ子」と呼び捨てにした。鈴子はそれにときめいたのだと言う。
そう話して、鈴子は愛助にキスをした。愛助のことが本当に好きだと述べた。
キスを終えると、愛助は咳き込んだ。珍しく思いっきり走ったせいで調子が悪くなったのかと思われた。
しかし、愛助は喀血した。
HDレコーダーに録画していた本作をBlu-rayディスクに移して保存しようとしたところ、どうやらうっかり誤って消してしまったようで51話だけが残っていないことが判明し、先週の月曜の放送回だから再放送を録画することもできず、ものすごくショックを受けている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第59回めの放送を見ましたよ。
鈴子(趣里)と愛助(水上恒司)を別れさせる引き換えとして、マネージャー・五木(村上信悟)は村山興業の坂口(黒田有)から前金を受け取った。しかし、鈴子が承諾するはずもなく、五木は進退窮まった。
そのまま、鈴子たち一同は長野巡業へ出かけた。
公演前の控え室に、五木を訪ねて母子(香月ハル、住田将太)が現れた。息子・三平は五木のことを父と呼び、たいへん仲が良い様子だった。
五木は以前から日本全国に彼女がいると豪語していた。しかし、地方の恋人が実際に訪ねてくるのは初めてのことで、楽団一同は驚いた。しかも、子どもまでいるとは初耳だった。
五木も楽しげに彼らを歓待していたが、しばらくすると二人を人目のつかないところへ連れ出した。鈴子は気になるところがあって、物陰から様子を伺った。
五木は、女・ナツに現金を渡していた。彼女によれば、夕方までに家賃を払うよう督促されていて困っていたという。金を受け取ると、親子は客席へ向かった。
頃合いを見て、鈴子は五木に声をかけた。
先ほどの子・三平は五木の本当の子どもではないという。女・ナツの元夫は、この辺りの地主の息子だったが、戦争で亡くなった。未亡人になってからは夫の実家にいじめられている。そのため、こっそり旅館の女中として働いており、そこで五木と知り合ったのだという。息子・三平は自分によく懐いているが、おそらく本当の父でないことは知っているだろうとのことだった。
出会った頃、五木は彼らのことを不憫に思い、なけなしの中から経済援助をしてやった。その関係が今でもズルズル続いているという。確かに全国に恋人がいたが、それらは全て縁を切り、今はナツと三平の親子とだけにしていると話した。
鈴子は、自分もいくらか金を援助すると申し出た。しかし、五木はそれを断った。日本国中が貧乏であり、それはナツ親子だけを助ければよい問題ではないからだ。それに、五木は自分が助けることに意味があると考えている。鈴子がどんなに言っても五木は断った。
五木は、自分が色恋に溺れていることを自嘲した。鈴子と愛助の恋愛沙汰を冷ややかに見ていたが、自分も同じようなものだと話した。
その後、鈴子の公演が始まった。
しかし、終演後、五木の姿がどこにも見えなくなった。団員たちは、開演直後に彼の姿を見たのが最後だと言っている。
すると、小夜(富田望生)がその日の宿の女将が預かっていたという手紙を持ってきた。
その手紙の中で五木は、鈴子と愛助の手切金として坂口から金をもらっていたことを白状した。その金の一部は楽団に残していくという。その上で、これからはナツと三平を幸せにするために生きていくと宣言されていた。
こうして、五木は逃げるようにマネージャーを辞職した。
東京に帰った鈴子は、愛助に一部始終を報告した。
すると愛助は、新しいマネージャーを紹介したいと言い出した。五木が出奔したのは坂口から手切金を受け取ったせいであり、その手切金のそもそもは自分に責任の一端があると思うからだ。
愛助は、新しいマネージャーとして山下(近藤芳正)を連れてきた。彼は村山興業の元社員だが、今は引退して孫と遊んでいるだけだと言う。
元々、山下は愛助の子守り役であり、父親がわりだった。早くに父を亡くした愛助のために、映画館や芝居などに連れていってくれた。あまりに愛助を甘やかすものだから、愛助の母であり社長でもあるトミ(小雪)からは頻繁に叱られていたという。一方で、仕事には自信を持っており、全国に知り合いも多い。マネージャー業は任せて欲しいと豪語した。
山下は、社長・トミのことを少し心配した。自分が再び愛助に近づいたと知れたらいい顔はしないだろうと言うのだ。ましてや、鈴子まで絡んでいるとなれば逆鱗に触れるのは間違い無い。しかし、山下は、昔からトミに隠れて愛助を遊びに連れ出していた。その時と同じだと言って笑った。もしトミに露見したら、やり返せばいいとまで言った。
隠し事の嫌いな鈴子は、トミに隠し続けることが気にかかった。なぜ報告しないのか訪ねた。
山下によれば、トミは夫を早くに亡くし、愛助の兄弟も夭折した。一人だけ残った愛助へ引き継ぐため、トミは女手一つで会社を大きくしてきた。当然、愛助の交際相手は結婚を見据え、愛助や会社を支えられる者でなければならないと考えていると話した。
急に結婚と言われて、愛助は照れた。しかし、時期が来たら母にきちんと話すと約束した。それで鈴子も納得した。
その頃、トミが上京していた。
坂口に愛助を呼び出すように命令した。直接話をしたいという。
愛助が自分で、鈴子が山瀬まみの夢を見てしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第58回めの放送を見ましたよ。
楽団員たちが見ているのも構わず、鈴子(趣里)と愛助(水上恒司)は話し合い、正式に交際することになった。
しかし、それはまさに地方巡業に出発する矢先の出来事であり、愛助に見送られながら鈴子は慌ただしく出掛けていった。
時は1944年(昭和19年)3月になっており、国内の経済状況や統制が厳しくなっていた。東京や大阪の大劇場は閉鎖されてしまった。
茨城では小さな集会場で公演が行われた。客は満員だったが、興行主からは出演料がすぐには払えないと言われてしまった。前払いとして芋を持って帰って欲しいと頼まれた。マネージャー・五木(村上信悟)は即金払いでなければ困ると抗議したが、鈴子は後日送金することを念押しした上で芋を受け取ることにした。
また、検閲の警察官からは鈴子の衣装や化粧が派手だと注意された。鈴子は、興行主に対する柔和な態度とは打って変わって、自分の装いにケチをつけられたことに強く反発した。ここでは先ほどとは逆に、マネージャー・五木が驚くほど卑屈な態度で場をとりなした。五木は、鈴子が逮捕されたら楽団が立ち行かなくなるので仕方なかったことだと説明した。
こういった顛末を、鈴子は巡業先で手紙に書いて愛助に送った。手紙の最後には「あなたのスズ子」と署名した。鈴子はそう書いたことで有頂天になった。受け取った愛助も、その署名を見て舞い上がった。
10日ほどして鈴子は巡業から帰ってきた。早速、鈴子は愛助の下宿へ会いにいった。
ただし、五木から言われ、愛助に会う時には必ず小夜(富田望生)がついてくるようになった。それでも、鈴子は愛助に会えるだけで嬉しかった。
マネージャー・五木は事務所で経理を行なっていた。今月も収支は赤字だった。このままでは楽団が立ち行かなくなると心配である。
五木は、財布に大事にしまってあった1枚の写真を取り出した。そこには母子(香月ハル、住田将太)が写っており、それを眺めながら五木は考え込んだ。
その後、五木は村山興業東京支社を訪れた。支社長・坂口(黒田有)に呼び出されていたのだ。
坂口は、愛助と鈴子を別れさせたいという。愛助の母であり社長であるトミ(小雪)に知られる前に手を打ちたいという。
五木は、鈴子と愛助は深く愛し合っており別れさせることは容易ではないと告げ、イヤらしい笑みを浮かべた。
その表情を見た坂口は、封筒に入った金を差し出した。五木はそれをそのまま受け取った。
五木は、鈴子とふたりだけで話をした。
単刀直入に愛助と別れて欲しいと頼んだ。今のままでは楽団の経営が苦しいが、鈴子が愛助と別れれば金が入ると言うのだ。鈴子は、すぐに坂口が裏で手を引いているとわかった。
鈴子は坂口のことを思い出して不快な顔をした。五木もそれに調子を合わせ、自分も坂口のことが嫌いだと話した。そこで、坂口を騙して金だけ受け取ることを提案した。鈴子が愛助と別れたふりだけすればよいという。
しかし、鈴子はきっぱりと断った。そのような騙し合いは性に合わないというのだ。楽団の経営が苦しいなら、自分の蓄えを提供するとも申し出た。
最後に鈴子は、まだ坂口からは金を受け取っていないか確認した。五木は、金はまだ受け取っていない、坂口にも断ってくると嘘をついた。
「今日はお前らにタイのかわい子ちゃんを紹介する。よく聞け」などとほざいている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第57回めの放送を見ましたよ。
@ninedayo タイのケンタッキーだよ タイ バンコク ケンタッキー
愛助(水上恒司)は子供の頃から体が弱く、運動も禁じられていた。そのことで彼はずっと劣等感を持っていた。同級生の学生たちが学徒出陣する中、自分だけが徴兵されない。そのような時に、鈴子(趣里)との恋愛にうつつを抜かしていてよいのかと思い悩んでしまった。
鈴子は、愛助が自分自身で折り合いをつけなければならない問題だと思い、何も言わずに彼の決断を待っていた。しばらく愛助からの連絡がなくなった。鈴子は愛助に任せることにしたものの、彼のことが一時も頭から離れなくなってしまった。羽鳥夫婦(草彅剛、市川実和子)に話を聞いてもらったりもしたが気は晴れず、ずっとぼんやりしていた。
そんな中、愛助のもとへ実家の母・トミ(小雪)から手紙が届いた。その手紙は、愛助が自分だけ徴兵されないことに後ろめたさを抱いていることを看破していた。しかし、そのことで思い悩む必要はないと書かれていた。果物も人間も、上等なものほど傷つきやすい。トミは愛助を上等な人間に育てたのだから、繊細で優しく、傷つきやすい子になったのだと主張していた。愛助は今のままでいいし、戦場には行かなくても、自分のやり方で国のためになることをすればよいと書かれていた。
その手紙に鈴子のことは一切触れられていなかったが、愛助は自分は自分らしく鈴子と交際してもよいのだと自信を得た。
村山興業東京支社長・坂口(黒田有)を訪ね、鈴子と交際することを宣言した。もちろん坂口は引き止めようとしたが、愛助の決意は強かった。坂口は、トミに知られたら自分の身も危なくなると恐れながらも、もう何も言えなくなってしまった。
「福来スズ子とその楽団」が巡業に出る日になった。一同が事務所に集まって出発しようとしていたまさにその時、愛助が訪ねてきた。愛助はみんなが見聞きしているのも構わず、鈴子に交際を申し込んだ。母からの手紙で勇気づけられ、戦争に行けなくても自分は自分のできることをすればよいのだと腹を括ることができたと説明した。今は親に頼るばかりで情けないが、この先は必ず鈴子に相応しい男になって見せると豪語した。
鈴子は、自分が愛助の母のように勇気や力を与えられるか自信はないと答えた。しかし、愛助のことを思う気持ちは強いと話した。会えない間、ずっと愛助のことを考えていて、愛助のことが好きな気持ちに間違いはないと思ったと話した。
こうして、二人は正式に交際を始めることとなった。
一部始終を目撃していた楽団員たち(陰山泰、えなりかずき、国木田かっぱ、伊藤えん魔)は、自分たちの楽器で祝福のファンファーレを演奏した。
愛助のことを苦々しく思っている小夜(富田望生)は、鈴子に相応しくなってから出直せだの、鈴子のことを泣かせたら殺すだのと悪態をついたものの、渋々認めた。
マネージャー・五木(村上信悟)はこれからよくないことが起きるのではないかと密かに心配し始めた。
部屋を片付けていたら今年の4月ころに買った『週刊SPA!』が出てきて、当時は黒木華さんの記事しか読んでなかったので改めてパラパラとめくってみたら、「年の差SEXの極意」という中年男性が若い婦女子とセックスする時のコツについて書かれているページがあって冷やかし半分に眺めていたんだけど、筋力が弱まり始めている中高年が立位をすると転倒して怪我をするリスクがあるから避けろと書いてあって、「バカにすんじゃねぇよ」と呟きながら冷笑したんだけれど、その後にコンビニに買い物に行ったら、入口に設置してある点字ブロックもしくは玄関マットのいずれかわからないのだけれど、とにかくそういった類の薄いものに足が引っかかって転倒しドアに激突したものだから店内にいた客やら店員やらから驚きの顔で見られてしまい、すごく恥ずかしかったし、やはり中高年は転倒して怪我をするリスクがあるなと身をもって学んだ当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第56回めの放送を見ましたよ。
鈴子(趣里)は、愛助(水上恒司)との交際を受け入れるつもりで彼の下宿へ向かった。しかし、部屋の中から村山興業東京支社長・坂口(黒田有)の声が聞こえてきて、しばし聞き耳を立てた。坂口は、愛助に鈴子との交際をやめるよう説得しているようだった。その口ぶりは鈴子を愚弄するもので、鈴子が愛助をたぶらかし、仕事を取るために利用しているだけだなどと言うものだった。
鈴子は純粋に愛助のことを好きになっていた。坂口の根も葉もない言葉に頭に来た。鈴子は部屋に怒鳴り込んだ。
坂口は鈴子の姿を見ると、自分の歳と立場をわきまえろと告げた。鈴子も食ってかかり、これ以上ないほど険悪な雰囲気である。
愛助が間に入り、鈴子と二人で話をしたいと坂口に懇願した。坂口は、それを受け入れ、きちんと別れ話をするように告げ、帰って行った。
愛助は鈴子に今の気持ちを話した。学徒出陣が始まった中、自分は体が弱いせいで徴兵されない。同じ年頃の同級生たちが出征しているのに、自分だけが安全なところで色恋にうつつを抜かしていてよいのかと自問自答しているのだと言う。
鈴子は、自分に弟のいたことを話した。彼は愛助より少し年上だが、愛助とほぼ同年代である。彼はトロくさくて周囲からバカにされていたが、鈴子にとってはかわいい弟だった。そんな彼は徴兵検査に合格したことで、やっと自分が認められたと喜んでいた。しかし、戦死してしまった。
鈴子は、学徒出陣の新聞記事を読んだ時、真っ先に愛助のことが思い浮かんだという。愛助が弟のように戦死してしまったらと考えると心が苦しかった。だから、体が弱いせいで愛助が徴兵されないと聞いてホッとしているのだと話した。
一方で鈴子は、愛助が学徒出陣していく同級生たちに申し訳ない気持ちでいっぱいなのも理解できると話した。
出生できない不甲斐なさと恋心の板挟みの結論を出せるのは愛助本人のみだと告げた。どのような答えでも構わないので、決断は愛助に任せると話、鈴子は帰った。
愛助に一任したとはいえ、鈴子はそれでよかったのかと思い悩んでいた。さまざまなことに身が入らず、ぼんやりするようになった。
そんな中でも、日課の発声練習だけは欠かさなかった。いつもの場所で発声練習をしていると、村山興業の坂口がやってきた。
坂口は鈴子に手切れ金を差し出した。愛助が色恋にうつつを抜かしているという噂が、彼の母であり社長でもある村山トミの耳に入ったのだと言う。大事になる前に無かったことにしてしまいたいというのだ。
鈴子はその金を受け取らなかった。自分と愛助はまだ交際していないので、手切れ金を受け取る筋合いはないと断った。ましてや、自分たちのことは自分たちで決めるべきで、誰からも指図を受けないと啖呵を切った。
坂口は大興業主の村山トミを敵に回すつもりかと脅したが、鈴子は一歩も引かなかった。こんなことで敵になるのだったら、それで構わないと答えた。
交渉は決裂した。
そんなことがあったとは知らない愛助は、相変わらず悩み続けていた。
そんな中、実家の母・村山トミから手紙が届いた。