最近どうも朝が辛くて、昨夜はいつもより1時間早く寝たはずなのに、起きる時間もきっかり1時間増えてしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第74回めの放送を見ましたよ。
タナケン(生瀬勝久)の舞台稽古で、鈴子(趣里)はどうしてもうまくやれなかった。しかし、タナケンは鈴子に良いも悪いも一切言わなかった。
鈴子の拙い演技は、周りの役者にも悪影響を与えはじめていた。役者・田中(西村直人)は鈴子の間の悪さに引きずられて思うように芝居ができない。そのせいで、後輩の中村(曽我廼家桃太郎)と役を交代させられてしまった。彼は明らかに自分より下手くそであり、田中は納得がいかなかった。しかし、タナケンの決定に異を唱えることはできなかった。
代わりに田中は、鈴子に八つ当たりした。歌のステージで素人と一緒に歌わされたら鈴子の調子が狂うのと同じように、素人同然の鈴子と一緒に芝居をさせられたせいで調子が狂い、役を取られたと文句をつけると立ち去った。
鈴子は稽古場に一人で残っていたタナケンに自分の芝居が下手なのか訪ねた。しかし、タナケンは「どうだろうね?」と言うだけで明確な返事をせずに去ってしまった。
鈴子は、そばにいたマネージャー・山下(近藤芳正)に弱音を吐いた。
これまで鈴子は新しいことを始めるたびに先達から指導を受けてきた。USKに入団した時は先輩団員たちから、東京に進出した時には羽鳥(草彅剛)から厳しいレッスンを受けた。これから芝居に取り組むにあたっても同様に指導が欲しいのだ。それなのにタナケンは鈴子のことを無視してばかりである。ほとんど嫌気がさしていた。
ところが山下は、もう少し我慢するよう話した。そして、鈴子に芝居をやってもらいたい理由を述べた。
山下によれば、鈴子よりも上手な歌手はたくさんいる。それでも、多くの人が鈴子の歌を聴きにくる。それは、鈴子自身の面白さや魅力があるからだという。これからは鈴子の歌しか知らない人に、もっと別の魅力を知ってもらいたい。そのためには芝居に出ることが必要だと言うのだ。
鈴子は渋々従った。
家に帰ってしばらくすると、行方をくらましていた小夜(富田望生)が泣きながらやってきた。恋人だと思っていたアメリカ兵・サム(ジャック・ケネディ)がアメリカに帰ると言い出したというのだ。それで、捨てられるのだと思い、鈴子のところに逃げ帰ってきたという。
鈴子は頭に来た。サムと会っていた場所を聞くと、そこへ一目散に駆けて行った。
鈴子はサムを見つけるや否や、胸ぐらを掴んで日本語で捲し立てた。一方のサムは英語で一生懸命に何かを伝えようとしている。
鈴子の後を追ってきた愛助(水上恒司)と小夜によれば、サムは小夜にプロポーズしているのだという。彼は小夜と一緒にアメリカに帰って結婚したいと言うつもりだったが、小夜は帰国のことしか聞かずに捨てられると早合点していたのだ。
それでも鈴子の怒りは収まらなかった。言葉もわからず知り合いもいない異国に小夜を連れ去るなど許せることではないと思うのだ。鈴子は小夜を連れて家に帰った。
鈴子は、サムと別れるよう小夜を説得した。自分の付き人として戻ってきて欲しいと話した。
小夜は鈴子の優しさが嬉しかった。しかし、これ以上鈴子に優しくされると自分がもっとダメな人間になるような気がした。それで、鈴子に謝りつつ、家を飛び出してしまった。
追いかけようとしたところ、愛助が帰ってきた。彼は、鈴子と小夜が去った後、サムとふたりで話をしていたという。鈴子はひとまず愛助の話を聞くことにした。
愛助によれば、サムはたいそう真面目な男だったという。帰国したら軍を除隊し、実家の農園を継ぐつもりだと話していた。
そして何よりも、サムは怒鳴り込んできた鈴子の姿を見て嬉しかったと話していたという。サムは、小夜は親に捨てられて奉公に出されたと聞いていた。彼女は天涯孤独だと思っていた。ところが、激しい形相でやってきた鈴子のことを小夜の家族だと思ったという。孤独だったはずの小夜にも家族がいたのだと思って心底嬉しかったと話していたいう。
愛助は、鈴子にふたりのことを考え直してやるよう言った。