木公 について

不良青年になりたいのですが、臆病で不良青年になれない当方です。 幸か不幸か、頭と顔と人格は、生まれつき不良品です。 職業は会社員で、やってることは研究関連。 大学での専攻は心理学。 そのせいかどうか知らないけれど、「理屈っぽいうえに、人の弱みを握ってそこをチクチクやるのが上手い。サイアクー」と言われ、あんまりモテない。 北海道出身のくせにスキーは一度もやったことがない。その上、スポーツ全般が苦手。 太陽光線もあまり浴びないインドア派。酔うとすぐにガンダムの話を始める。おかげで「あなたって、面白みのないオタクね。サイテー」と言われ、まったくモテない。 細かいことはあまり気にせず、ちょっとくらいの困ったことなら適当にジョークにして笑い飛ばすように、日々努力して生きています。 そのおかげで「そういう、明るく生きているところだけは、アナタのいいところかもね」と、ちょっぴりだけお褒めいただいております。

勝手に観光協会と宇都宮餃子

 ここ2年くらいの間に当方の車に乗ったことのある人ならご存知だろうが、当方の車では勝手に観光協会がヘビーローテーションである。飽きることなく、ひたすら再生され続けている。

 勝手に観光協会とは、みうらじゅん安斎肇のユニットで、呼ばれてもいないのに全国の観光地に出かけ、頼まれてもいないのにご当地キャラやポスターを作るというプロジェクトである。
 彼らの視察のクライマックスは、勝手にご当地ソングをつくり、夜更けに旅館の客室で録音するところである。全国都道府県のご当地ソングが作られており、CDで販売されている。
 そのCDが僕の車の中でエンドレスに流れているのである。

 ほぼ全ての歌を覚えてしまった。
 通信カラオケに、勝手に観光協会の歌が収録されていることも知っている。しばらくカラオケなんて行っていないが、誰かに誘われたらホイホイと付いていく。そして、頼まれもしないのに全都道府県48曲(北海道は2曲ある)を北から順番にエンドレスで歌ってしまいそうである。顰蹙を買うだろうが。

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『うなぎの丸かじり』とアメリカンドックのまるかじり

 昼に、東海林さだおの『うなぎの丸かじり』を読んでいた。
 「丸かじりシリーズ」は、20年以上も週刊朝日に連載されている食べ物エッセイである。特に、B級C級グルメが多いので嫌味がなくて、僕は大ファンなのである。

 今月文庫化された『うなぎの丸かじり』には、柿ピーを買ってきて柿の種とピーナツがそれぞれ何個ずつ入っているかこまめに数える話などが書かれている。2つに分離したピーナツはそれぞれ 0.5個とカウントし、割れてしまった柿の種も可能な限り復元(著者は「土器の復元のよう」と書いている)して数えたそうだ。出荷時の柿ピー比率は、メーカーが最適で美味しい柿の種とピーナツの比率を示していると考えられるのだ。メーカー名はイニシャルしか示されていなかったが、3社の製品を調べて結果が提示されている。・・・バカバカしい。
 バカバカしいが、柿ピーが食べたくなる。

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NHK『ゲゲゲの女房』第91回

 朝マックでホットケーキセットを頼んだらフォークがついておらず、ワンセグを見ながら慌ててレジカウンターに戻った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第91回めの放送を見ましたよ。

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「来るべき時が来た」

 梅雨の初め、豊川(眞島秀和)が再び訪ねてきた。どんなジャンルでも良い、茂(向井理)が描きたい作品を32ページ、読み切りで「別冊少年ランド」に掲載するという。その代わり、テレビよりも面白いものを描き、テレビに夢中になっている子供たちを漫画雑誌に取り戻して欲しいと注文が付いた。
 それは、豊川から茂に対する挑戦状であり、試金石でもあった。自由に作品を作れるということは、逆に言えば作家本人の真の実力が試されることである。ここで失敗してしまうと、茂に後はない。それを理解した上で、茂は引き受けることにした。5日後に構想を提案することで話がまとまった。

 茂の仕事部屋を観察した豊川は、精巧な戦艦模型や漫画資料として保管されている大量のスクラップブックに舌を巻く。さらに、茂の描きかけの原稿を見て、緻密で高密度の絵に圧倒された。それは、当時の印刷技術では再現できないほどの細かさだった。茂自身も無駄になることは理解しながらも、自分のやり方なのでやめるつもりはないと言う。

 豊川は、社内では前代未聞の若さで編集長に抜擢され、翌月からその任に就くことになっていた。とはいえ、漫画雑誌編集部は社内でも冷遇されている。自分が編集長に就任したあかつきには、雑誌を大胆に改革し、売上トップを目指すと野望を抱いている。茂の仕事ぶりを間近に見た豊川は、茂の漫画こそが新機軸の中心となる確信を得たのだった。

 布美枝(松下奈緒)は、戌井(梶原善)の貸本出版社へ原稿を届けるついでに、茂に与えられたチャンスの報告をした。自分のことのように喜ぶ戌井であったが、一方で楽観できないことも告げた。豊川からの依頼が茂に与えられた試練であることに布美枝は気付いていなかったのだ。戌井にそのことを説明され、急に不安になる布美枝であった。

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ビッグイシュー・クエスト

ビッグイシュー日本版 146号 ホームレスの自立支援を目的とした雑誌に「ビッグイシュー日本版」がある。大都市にお住まいの人なら、街角にポツンと立った人が有名人の顔写真が表紙になった雑誌を売っているのを見たことがあると思う。
 ホームレス販売員は、1冊 140円で雑誌を仕入れる。それを定価300円で販売し、利ざやの160円を全て自分のものにすることができる。ホームレスの人に対して一方的な施しをするのではなく、彼ら自身が働いて利益を得ることで自立を助けようという目的のもとに発行されている。

 この雑誌は書店では売られていない。書店で売ると、ホームレスが得るはずの利益が失われてしまうからだ。編集部は、定期購読をきっぱりと断るほどスジを通している。全国主要都市の路上販売所でしか手に入らない。僕も定期的に読みたいと思っているのだが、近所(奈良市内)では販売されていないので叶わない。たまに京都や大阪に出かけ、気づいたときに買うという程度である。そんな感じで、細々と応援していた。

 先日、ビッグイシュー日本代表・佐野章二の回顧録「ビッグイシューの挑戦」が出版されたと知った。講談社から出版され、通常の本屋や amazon.co.jp でも買える。しかし、雑誌と同様にホームレスの路上販売員から買うことも可能だと知った(朝日の書評)。利益はちゃんと販売員の取り分になるという。ならば、彼らから買おうと思い、大阪市内に出かけてきた。

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カミカラとペンギン・ハイウェイ

紀伊國屋書店での実演販売 阪急梅田の紀伊國屋書店で面白いものが実演販売されていた。

 ぺっちゃんこの紙細工を机に向かって放り投げる。それが机にぶつかると、ぶわんとペンギンのペーパークラフトに変化するのだ。
 思わず童心に返って、しばし眺めてしまった。

 「カミカラ」という商品とのこと。

 言葉では伝わりにくいので、動画でご覧ください。

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木公は、おたふく風邪の抗体を手に入れた

 めんどくさくて当blogには書いていなかったが、僕は5月中旬ころにおたふく風邪にかかっていた。当blogには書かなかったけれど、twitterではつぶやきまくったので、当方の知人の間ではわりと知れた話(その時のログの一部)。

 それから2ヶ月経った現在、おたふく風邪だと判明したが、当時は原因不明であった。耳の下が腫れて、高熱が出ていたが、おたふく風邪かどうかは判定不能だった。

 その経緯について、ちょっと書いておこう。

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アサガオを秩序づける

伸び放題のアサガオ

 うちのアサガオはこんな感じになってきた。地面付近は相変わらずワサワサと葉が茂っているが、ツルが順調に上方にも伸び始めた。目論見通り、庭の柵に絡みつき始めた。

 しかし、無様だ。あまりに無様だ。
 もうそれ以上柵はないのに、さらに上に伸びようとしているヤツ。つたう先が無いのに、地面に野放図に伸びているヤツ。

 これまで、「Que sera sera」、「Let it be」、「そのうちなんとかなるだろう」と自然に任せていたのだが、それも限界のようだ。少し剪定することにした。

BEFORE   AFTER
BEFORE AFTER

 写真で見ると違いは微妙かもしれない。しかし、現場は明らかにシンプルになり、そして当家のアサガオに秩序が生み出された。

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NHK『ゲゲゲの女房』第90回

 明日はちゃんと参院選挙の投票に行く予定である当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第90回めの放送を見ましたよ。

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「チャンス到来!?」

 大手出版社の編集者・豊川(眞島秀和)からの原稿依頼の内容は以下の通りあった。5月発売の雑誌に32ページの読み切り漫画。ただし、編集長からの命令で、子供たちに大人気の宇宙SF物を描いてもらわなければならない。

 喜んで引き受けようとした瞬間、茂(向井理)は仕事部屋の中のある物に気づいた。そして、仕事をきっぱりと断ってしまった。自分は宇宙SF物は得意ではないというのが理由であった。

 話が終わると、茂は溜まっていた仕事を再開した。豊川が帰るのに気づかないほどの没頭ぶりだった。仕事を断った上、見送りもしようとしない茂の態度に、布美枝(松下奈緒)はひどく恐縮して謝る。しかし、豊川はそれほど意に介するでもなく、茂の仕事姿に何かを感じ取っていた。

 一部始終を見ていた浦木(杉浦太陽)には、テレビも無い生活をしているから人類の初宇宙遊泳などの大ニュースを知らないのだ、そのせいで宇宙物を描くことができないのだろう、となじられる。頭に来た茂は、彼を家から追い出してしまった。
 布美枝も、茂が仕事を断った原因は、宇宙のことを何も知らないからだろうと想像している。そこで、金のことは心配せずに資料を買えば良いと提案した。しかし、茂はかなり虫の居所が悪く、仕事に口出しするなと怒鳴りつけるのだった。

 社に戻った豊川は、茂に断られたことを報告した。編集者たちには、たかが貸本漫画家が大手出版社の仕事を断るとは信じられないことだった。茂は、大舞台で勝負する度胸のない弱虫なのだろうと、編集者たちに嘲笑される。豊川だけは、茂の真意は何か別のところにあると思い、それを知りたいと強く思うのだった。

 夜になったが、布美枝も茂の真意がわからずいたが、やはり世の中の情報に対する知識不足がコンプレックスになっているのだろうと考える。嫁入り道具の一つとして、大切にしていたミシンを金に変え、テレビを買うことを決意する。仕事場を覗き、そのことを相談した。
 しかし、茂は相変わらず不機嫌で、その案を頭ごなしに否定した。すぐに話を打ち切り、夜食を用意するように冷たく言い放つのだった。しかし、茂もさすがに言い過ぎたことを反省し、夜食のカステラをつまみながら本当のことを話し始めた。

 漫画雑誌に移籍した貸本漫画家が、作風を変えて失敗し、消えていった例をたくさん見てきた。自分はその轍を踏まないよう、得意な分野で勝負したい。だから断った、と言うのだ。チャンスだからこそ、失敗しないように万全の備えをしたいというのが茂の意見である。
 それに加えて、豊川の背後で貧乏神(片桐仁)がニタニタ笑っているのが見えたという。貧乏神の罠だと思った茂は、とっさのところで仕事を断ったのだ。

 茂は、豊川の熱意をひしひしと感じたという。彼はきっと再びやってくるという確信を持っていた。
 その予言は的中した。数カ月経った梅雨入りの頃、豊川が訪ねてきた。

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NHK『ゲゲゲの女房』第89回

 昨夜、ものすごく久しぶりに恒例のアレを送ってもらったのに、悪夢の中で四苦八九した・・・などとオヤジ・ギャグを放つ当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第89回めの放送を見ましたよ。

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「チャンス到来!?」

 布美枝(松下奈緒)とはるこ(南明奈)は、深大寺の茶屋で休憩していた。話題は茂(向井理)のことばかりであった。茂の食いしん坊は父(風間杜夫)譲りであること(父は同じ店で団子、まんじゅうを大食いした)、そばにある墓地は茂のお気に入りの場所であることなどを布美枝が話して聞かせていた。
 はるこは、先日、布美枝に対して漫画家の気持ちなど分からないと暴言を吐いたことを改めて謝った。そして、茂の作品に対する布美枝の見えない貢献を高く評価した。茂自身も自覚していないだろうが、妻として支えているから茂は漫画だけに打ち込むことができ、立派な作品が作れるのであると。野に咲くナズナのうに、目立たないがいつもそばにいて、可憐でありながらたくましいところが布美枝のいいところだと、はるこは言うのだった。

 そして、はるこは勢いのあまり、茂のことが好きだと口走ってしまった。失敗したと思ったはるこは、作家として尊敬している、夫婦として自分の憧れという意味であると、慌ててごまかす。しかし、布美枝は彼女が男女の恋愛感情として茂に惚れていると見抜いた。けれども、彼女の気持ちを慮って、気づかぬふりを突き通すのだった。

 はるこは、これまでの生活とはきっぱり決別して山梨へ帰っていった。上京のきっかけとなった深沢(村上弘明)にはハガキではっきりと断筆を知らせた。彼女の才能を評価していた深沢は残念がるが、漫画家の新陳代謝も仕方のないことだと冷静に受け止める。
 そして、はるこが去った下宿には、茂たちと一緒に写った写真だけが残されていた。

 浦木(杉浦太陽)が茂の家にやって来た。はるこが帰郷することを引き止めたり、自分に知らせたりしなかったのはどういうことかと、泣き崩れながらなじるのであった。

 そんな騒ぎの中、人気漫画雑誌の編集者・豊川(眞島秀和)が訪ねて来た。『別冊・少年ランド』への原稿依頼である。貸本漫画の依頼とは違うスマートで羽振りの良い依頼の仕方、そして何よりも、大手出版社からの依頼ということで、布美枝や浦木は茂以上に緊張してしまう。せっかくのチャンスを無駄にしてほしくないと、布美枝は身を縮こませるのだった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第88回

 ドラマの中で茂が自分の趣味を押し付けて布美枝を連れて行った映画『ナバロンの要塞』を僕も見たのだが、予想をはるかに上回る面白さで、いやいや見始めた布美枝が茂以上に熱中した気持ちもよくわかった当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第88回めの放送を見ましたよ。

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「チャンス到来!?」

 茂(向井理)の両親(風間杜夫、竹下景子)が急に泊まっていくと言い出した。迷惑に思うが、強引に押し切られてしまった。女は女同士、男は男同士、一緒に寝ることになった。

 義母は布美枝(松下奈緒)に、茂は朴念仁で昔から女にモテなかった。だから、はるこ(南明奈)と抱き合っていたのも、色恋沙汰であるはずがないと断言した。また、病気を克服し、40歳を過ぎてから大ヒットした三浦綾子を引き合いに出し、茂にもチャンスはあるかもしれないと言って聞かせる。一方、このまま芽が出なくても、茂のことを見捨てないでくれと頭を下げるのだった。

 父は茂に、小説出版が破談になったことを愚痴る。母は芸術を理解しないのに、余計な口出しばかりするのだと文句を言っている。母の言い分が正しいと思う茂は、仕事をしながら適当に聞き流していた。しかし茂は、昔から小説や劇、映画などを愛好した父の姿に共感する部分もあった。また、金だけを追いかける人生はつまらない、好きなことを追いかけていればあとはなんとかなる、という父の「なんとかなる主義」には特に強く共感するのだった。

 翌日、両親は境港に帰っていった。

 それから数日経ち、はるこが村井家に謝罪と近況報告に来た。
 最後の原稿を描き直し、自信満々で出版社に持っていったが、採用されなかった。ついに漫画家の道は断念し、翌日田舎に帰るのだという。

 はるこは、昔から漫画家になることしか頭になかったので、これからどうやって生きていけばいいか分からない、修行をした3年間も全くの無駄になったと話す。それに対して茂は、人生経験はどこでどのように役に立つか分からない、だからそんなに落ち込む必要もないと言い聞かせる。小さい頃、父は周りから馬鹿にされながらも、小説や劇の話を自分に教えてくれた。それが、今になって漫画を描くタネになっている。父から授かった「なんとかなる主義」で生きているのだと話してやった。

 それを聞いて、はるこは持ち前の明るさを取り戻すことができた。
 東京を離れる前に、一度深大寺に行ってみたいと言い、布美枝を強引に連れて出かけていくのだった。

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