NHK『あさが来た』第89回

左手薬指を深爪して思うようにギターが弾けなくてイライラしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第89回めの放送を見ましたよ。

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第15週『大阪の大恩人』

政府が1500万円を投資した北海道開拓事業を五代(ディーン・フジオカ)にたった39万円で払い下げられるということで日本中が大騒ぎになった。
五代に乞われ出資した大阪商人たちも激怒した。五代が密かに私腹を肥やそうとしているのだと思い、裏切られたと感じたからだ。

五代は大阪商工会議所の会員を集め謝罪した。
しかし、ただ頭を下げ、商工会議所会長を辞任すると述べるだけで、事件の真相については何も話さなかった。その態度がますます商人たちを怒らせた。

あさ(波瑠)も真相を知りたかった。他の商人たちが怒鳴る中、あさだけは幾分冷静だった。みんなが納得するよう説明するよう諭した。
けれども、五代は頑なに黙っているばかりだった。

そこへ、商工会議所にはめったに顔を出さない新次郎(玉木宏)がやって来た。

新次郎は北海道開拓事業に関する政府資料を調べたのだという。本来それは機密文書であったが、五代の秘書である三坂(中川浩三)が事態を収拾さえるために見せてくれたのだという。
その写しを大阪商人たちに配布した。

資料によれば、政府の北海道開拓事業はここ10年間失敗ばかりで、全く利益が出ていなかった。しかし、ここで手を引いては投資が全て無駄になる。そこで、政府の方から商売上手な五代に託したのだわかった。
要請を受けた五代も利益が得られる見込みがあるかわからなかった。そこで精一杯投資できる額が39万円だったのだ。それで政府も合意し、払い下げられることとなった。
つまり、五代は儲かるとわかっている事業を安く買い叩いて密かに私腹を肥やそうとしていたのではなく、むしろ逆に損失を出す覚悟で臨んでいたのだ。

儲けが確実ではなかったと知り、大阪商人たちはますます騙された気になり、怒気を強めた。

それをなだめたのは榮三郎(桐山照史)だった。実は、新次郎に政府資料を調べるよう指示を出したのも彼だった。
榮三郎は、五代が自分たち大阪商人が日本一の商売上手だと信じて仕事を任せてくれた期待に応えるべきだと話した。自分たちは、その期待に答えられないばかりか、今まで世話になった五代の初めての失敗に手のひらを返すほど白状だとは恥ずかしいことだと説得した。

その話に商人たちは反省し、溜飲を下げた。五代をもう一度信じ、共に商売をすることを誓った。
五代に大阪商工会議所の会長を続けるよう要請し、一致団結した。
五代もそれを受け入れ、これ以後も大阪商人たちと共に多くの事業を手がけることとなった。

騒動が落ち着き、あさは家に帰った。
千代(中川江奈)は人形遊びをしていた。人形を子供に見立て、千代は母親の役をしていた。彼女は世間一般の母親のセリフを言っているのだ。

あさは自分が普通の母親と違う理由を説明した。
自分は商売が好きである。みんなで力を合わせて困難を乗り越え、世の中を良い方向へ変えていくことが好きでたまらない。だから普通の母親とは違うのだと話した。

あさは、千代には理解できない話だと思っていた。
しかし、意外にも千代はすんなりと受け入れた。千代の物分りのよさに、あさは胸が打たれた。

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NHK『あさが来た』第88回

昨夜は微熱があったのだけれど、たっぷり寝たら熱も下がって持ち直した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第88回めの放送を見ましたよ。

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第15週『大阪の大恩人』

あさ(波瑠)は九州で新たな炭鉱を視察し、問題ないとわかったので現地で購入契約を交わしてきた。
東京や名古屋からも購入の申し出があったが、所有者はあさの到着を待ってくれていたという。加野炭鉱の爆発事故への対応を見ていて、加野屋が真摯に炭鉱業へ取り組んでいることを知っていたからだ。それで他でもない、加野屋に売ろうと思っていたのだという。

大阪に帰ってきたあさは、当主・榮三郎(桐山照史)に事後報告をした。
借金が増えたことで榮三郎が怒ると予期していたが、当の榮三郎は平気な顔をしていた。榮三郎は炭鉱のことはあさが一番良く知っており、彼女の能力を信頼している。あさが問題ないと言うなら、その判断に間違いはないと思うからだ。
また、雁助(山内圭哉)の態度も榮三郎の後押しとなった。雁助はあさに小言を言っているが、きっぱりと止めはしなかった。彼も心の底ではあさの鉱山に対する見識を認めているのだ。彼が認めているなら、榮三郎も止める理由がなかったのだ。

それと前後して、五代(ディーン・フジオカ)のスキャンダルが新聞で叩かれていた。
政府は1400万円(当時の国家予算の20%)をかけて北海道の開拓事業を整備した。それをたった39万円で五代の会社に払い下げると報道されたのだ。政府には薩摩出身の役人がおり、同郷の五代と癒着していると言って激しく批判されたのだ。
全国で五代が悪徳商人だと呼ばれるようになった。

大阪商人たちの間にも動揺が広がった。
五代に事情を聞こうにも、彼は姿をくらましており会うことができなかった。大阪商人の多くは五代の会社に出資しており、混乱していた。
ついには、五代に協力していたという理由で、大阪商人たちも新聞で叩かれるようになったのだ。

そして、新聞での批判を受けて、五代の会社への官有物の払い下げが取り消しになった。

五代は視察と雲隠れを兼ねて、北海道にいた。
払い下げの取り消しを受け、混乱の収拾のために大阪へ帰ることを決意した。大阪商工会議所の会長を辞任するというのだ。

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NHK『あさが来た』第87回

気温が低くて手足が冷えるのに加えて、微熱まで出て、意気消沈している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第87回めの放送を見ましたよ。
2016-01-13 20.51.27

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第15週『大阪の大恩人』

あさ(波瑠)は炭鉱事業を拡大しようと考えていた。
そこで、九州の加野炭鉱に赴任した亀助(三宅弘城)に手頃な鉱山がないか調査させていた。すると、加野炭鉱の近くに売出し中の鉱山があるとの報告が届いた。

あさは加野屋の重役を集めて鉱山買収の計画を相談した。
現在の加野屋には一括で購入するだけの資金はない。だから借金をして購入することとなる。昨今は石炭事業が注目されており、鉱山の価格も上がり続けている。一日でも早く購入することが重要だから、借金してでも買いたいというのだ。
また、鉱山というものは、どれほどの埋蔵量があるかは事前にはわからない。だから、大金をはたくことは大きな博打である。しかし、目をつけている鉱山は加野炭鉱から距離が近い。地勢的に加野炭鉱と同程度の埋蔵量があると読んでいるのだ。

あさの提案に真っ向から反対したのは大番頭の雁助(山内圭哉)である。彼は、加野屋の本業は両替商だと思っている。だから、炭鉱業に入れ込むことには反対なのだ。
それどころか、雁助は加野屋の両替商としての伝統を守ることが何より重要だと信じている。だから、次々に新しいことを始めようとする あさのことが気に入らないのだ。あさは両替商を旧い商売だといい、加野屋を銀行に変えようとしていることもあって、ますます あさのことを腹に据えかねている。

実は雁助は、一度は店を辞めようと思ったこともあるのだ。
雁助は炭鉱事業などやりたくなかったが、先代・正吉(近藤正臣)に頼み込まれて九州に赴任した。その間に、正吉が亡くなった。雁助は正吉こそ唯一の主人であり、恩人であると考えているのだ。彼が亡くなった以上、加野屋に留まる理由もなくなったのだ。
しかし、正吉の実子で跡継ぎである榮三郎(桐山照史)のことも心配だった。彼を盛り立てて、加野屋の暖簾を守るためには、自分が手伝う必要があると思いとどまった。それで今日に至るのだ。

そんな思いを胸に秘めている雁助なので、あさが借金を作ってまで炭鉱業を拡大すると言いだしたことには腹を立てた。

一方で、あさの炭鉱業で加野屋が助けられていることも認めざるを得なかった。
雁助は、不承不承ながら あさの好きにさせることにした。ただし、失敗したとしても二度と自分は手を貸さないという条件をつけた。

翌日、あさは早速九州へ行くことにした。
迷って時間を浪費する間に、他人に鉱山を買われてしまうのではないかと心配だったからだ。自分の目で確認して、問題がなければすぐに契約してくるつもりだ。

あさと新次郎。
また九州に行く。迷っていたら、他の人に買われる。自分で見て、よいと思ったらすぐにはんこを押してくるつもりだ。

そんな矢先の1881年(明治14年)7月、五代(ディーン・フジオカ)の醜聞が全国の新聞で大きく取り上げられた。
薩摩出身の政府役人が同郷の五代と癒着し、北海道の官有事業を五代に安く払い下げていると書かれたのだ。
五代が北海道の開拓事業に乗り出したのは事実であったが、新聞に書かれていることは寝耳に水だった。

大きな騒ぎになった。

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NHK『あさが来た』第86回

来週1月18日から始まるフジテレビの月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(出演: 有村架純高良健吾)が我が故郷であるところの苫小牧市でロケが行われたという噂を聞いて俄然興味を持ったわけだけれど、先ほどあらすじを読んだところ「幼いころに女手ひとつで育ててくれた母を亡くした杉原音(有村架純)は、(中略)北海道のさびれた町で暮らしていた。」などと書かれていて、「なにぃ?さびれた町だと!」とプリプリした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第86回めの放送を見ましたよ。

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第15週『大阪の大恩人』

ままごとで母親役をやっていた千代(中川江奈)は、あさ(波瑠)のように家事をせずに外で働く真似をした。その素振りを友達(かわさき鈴乃細川凛乃)から笑われた。普通の母は家にいて家族の世話をするのが当たり前だと言うのだ。

千代は、あさが普通の母親とは違うのだと知らされた。それで、なぜ普通の母親と違うのかと、あさに直接質問した。
聞かれたあさは困惑し、うまく答えることができなかった。

千代が気にしていると知って、あさは自分が悪いことをしているのではないかと落ち込んだ。
新次郎はそんなあさを励ました。確かに、九州の炭鉱や大阪商人の寄り合い所に出かけてばかりで、ほとんど家にいない。家にいたとしても、店で算盤を弾いてばかりいる。しかし、それがあさの良い所なのだから、今さら気にしても仕方がないと慰めた。
そう言われると、あさも少し気が晴れた。

その頃、大阪商人たちは炭鉱業に進出するものが続出していた。あさが加野炭鉱を始めて10年経っていたが、やっと周囲が追いついてきたのである。あさは商人たちから炭鉱業についての説明を乞われると、喜んで説明した。

あさは幼い時から、疑問に思ったことはなんでも人に聞く質だった。多くの人はそんなあさに辟易していたが、祖父・忠政(林与一)だけは熱心に答えてくれた。そしてまた忠政は、いつかあさが人から尋ねられる立場になったらきちんと説明しなくてはいけないと教えられていた。
あさは、今こそ自分が人に説明をする時だと思い、炭鉱業について親切に話しているのだ。

ただし、あさは「普通の母親と違うのはなぜか?」という千代の質問にだけは答えられないでいた。それだけはずっと心に引っかかっている。

五代(ディーン・フジオカ)が加野屋を訪れ、久しぶりにあさと面会した。
加野屋の銀行経営について尋ねると、五代は今は時期ではないと回答した。確かに今は雨後の筍のように銀行設立が相次いでいる。しかし、その殆どは貴族や氏族が莫大な財力に任せて作ったもので、銀行経営の基本をわかっていない。それらは遅かれ早かれ、潰れていくだろうと予言した。加野屋は出遅れていることを焦る必要はないと諭した。
一方で、昔ながらの両替商が時代の変化の中で消滅していくという あさの考えは正しいと認めた。今は、じっと資金を貯めて将来に備えるのが良いと助言した。

近頃の五代は、北海道の開発を手がけているという。政府が北海道開発を進めているが、結果は芳しくない。五代に協力するよう要請があったという。北海道は農業や漁業、畜産、石炭など多様な資源があり、発展が期待できるため、五代も注力しているという。ぜひ加野屋にも手伝って欲しいというのだ。

あさは、千代のことを思った。ただでさえ、九州と大阪の往復で留守にしていることが多い。その上、北海道にまで出張することになると、ますます不在が増えることになるからだ。
しかし、あさは「大阪一の女商人」だと認められたことも嬉しく思った。千代のことを頭から追い払い、五代の北海道開発に協力することを約束した。

加野屋からの帰り道、五代は誰かにつけられていることに気付いた。

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NHK『あさが来た』第85回

今日は休日なので思いっきり寝つぼった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第85回めの放送を見ましたよ。

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第15週『大阪の大恩人』

1880年(明治13年)。
榮三郎(桐山照史)と結婚した さち(柳生みゆ)が加野屋にやって来た。
さちは生花が得意でまだ若く、あさ(波瑠)と違っておしとやかな女性だった。加野屋の面々は、やっと普通の嫁が来たと言って喜ぶのだった。

1年経ち、1881年となった。
あさの娘・千代(中川江奈)は数え6歳となった。

幼いころのあさは、木登りをしたり、男の子と相撲をとったりするなど、おてんば娘だった。
幸い、娘・千代はそのような性質を引き継がなかった。女の子らしい言葉遣いで、近所の女の子たちとままごとをして遊ぶような子供に育っていた。その様子に新次郎(玉木宏)も満足気だった。

ただし、少々おかしな点もあった。
ままごとで母役をやっていたのだが、家の用事を済ませると「炭鉱に行く」と言って家を出て行ってしまうのだ。あさを見て育った結果であるが、新次郎は呆れてしまった。

この頃、九州の加野炭鉱の復興は順調に進んでいた。
亀助(三宅弘城)の働きもあり、採掘が再開され、わずかであるが利益も出るようになっていた。

あさは銀行設立の希望を捨てていなかった。
しかし、大番頭・雁助(山内圭哉)は猛反対しており、あさと雁助は店先で人目もはばからず口論ばかりしていた。そして、いつもあさがやり込められ、銀行設立の準備は全く進んでいなかった。

また、同じ頃、五代(ディーン・フジオカ)が大阪に商業講習所を設立した。
大阪の若い商人たちを集め、近代的な商売のやり方を伝授する学校である。受講者たちも熱意に溢れており、将来の大阪経済を担う人材が着実に育っていた。

あさは頼もしく思う一方、自分が若かった頃にしっかり勉強できていれば今頃はもっとたくさん稼ぐ事ができただろうにと残念にも思うのだった。
また、講習所には男性ばかりであることも気にかかった。女性にも教育が必要だと思うのだった。

季節は七夕である。
千代は、七夕飾りの作成に熱中していた。

その時、千代は急にあさに質問をした。
あさは、どうして普通の母親とは違うのかと訪ねるのだった。
あさはどう答えていいものかわからず、困惑してしまった。

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NHK『あさが来た』第84回

今日は年に一度のあの日(察してください)にしようと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第84回めの放送を見ましたよ。

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第14週『新春、恋心のゆくえ』

加野屋を臨時休業にして、亀助(三宅弘城)とふゆ(清原果耶)の結婚式が行われた。

あさ(波瑠)と新次郎(玉木宏)は夫婦として初めての仲人である。
ふたりは自分たちの結婚式の日を思い出した。新次郎は式をすっぽかして紅葉狩りに行ってしまったり、男に慣れていないあさは寝室で新次郎を投げ飛ばして初夜に失敗したことなど、互いの失敗を指摘しあった。
始まりは失敗ばかりで先行きが不安だったが、今では夫婦として形になったと言ってふたりで笑い合うのだった。

うめ(友近)がふゆの支度を担当した。ふゆはとても綺麗な花嫁になった。
うめは、女中の先輩として、自分は独身のままふゆを送り出す立場になった。それでもうめは後悔したり、卑屈になったりすることはなかった。自分は色恋や結婚に縁はないものと決めているので、それでよいと言うのだ。時々誰かを思うと心が少しだけ暖かくなる。自分にはそれで十分だと話した。

九州で炭鉱を監督している雁助(山内圭哉)が、亀助の結婚式のために帰ってきた。
うめは表立って声をかけることはしなかったが、陰から雁助の姿を見て心が少しだけ暖かくなった。

こうして、亀助とふゆの結婚式は無事に終わった。

それから数日後、亀助とふゆは九州の炭鉱に赴任したいと願い出た。
亀助は、ふゆに加野炭鉱を見せ、あさがどうやって鉱夫たちの心を掴んだのは話してやりたいという。ふゆも、九州の女たちが強く頼もしいという噂を聞くので、身近で学びたいと言うのだ。
その申し出は受け入れられ、雁助と入れ替わることになった。

早速、雁助は店の帳簿をあらためた。
現在の加野屋の商売の主流は明らかに炭鉱事業になっており、本来の商売である両替商とは扱う金額の桁が違うことがわかった。

あさは、そろそろ銀行業を始めたいと話した。大阪に国立銀行が設立されることとなり、地元での銀行業が発展していく状況に乗り遅れてはならないと思うのだ。
しかし、雁助はきっぱりと反対した。

あさは面白くなかったが、ふと脇においていた算盤が目に留まった。幼いころ新次郎からもらったもので子供用であるが、今でも使い続けている算盤である。それを見ると心が落ち着いた。

寝室であさは新次郎に話した。
自分はこれまで誰かに恋をしてドキドキしたことがなかったと思っていた。自分には親の決めた許嫁がいて、そのまま結婚したからだ。
しかし、その記憶は誤っていたというのだ。小さいころ、新次郎から算盤をもらった時にドキドキした。あれが自分の初恋であり、その時から現在までずっと新次郎に恋をしていたのだと思いだしたという。

新次郎も同じだと答えた。しかも、あさに恋をしたのは一度きりではなく、何度も惚れなおしていると言うのだ。
何度も惚れなおす点はあさも同意した。

ある日、よの(風吹ジュン)と新次郎(玉木宏)は榮三郎(桐山照史)を茶屋に連れ出した。榮三郎の許嫁に引き合わせるというのだ。

榮三郎はまったく乗り気ではなかった。しかし、許嫁・さち(柳生みゆ)は、よのに顔の似た可愛らしい女だった。
榮三郎は一目で気に入ってしまった。

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NHK『あさが来た』第83回

PHPをVer.7(10年ぶりのメジャーバージョンアップらしい。現在の主流は Ver.5)にするとシャア専用くらい速くなるという噂を聞いたのだが、うちのブログでは記事が表示されないという不具合が発生し、とりあえず導入を見送ることとした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第83回めの放送を見ましたよ。

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第14週『新春、恋心のゆくえ』

ある日、ふゆ(清原果耶)の父・日野彦三郎(上杉祥三)が、ふゆの婚約者・山本(山本浩司)と共に加野屋へ怒鳴りこんできた。

先日、山本が町を歩いていると、ふゆを見かけた。後をつけていくと新次郎(玉木宏)と寄り添って逢引きしていたというのだ。さらに、新次郎が帰ったかと思うと、入れ替わりに番頭の亀助(三宅弘城)がやって来た。ふゆは亀助の袖にすがって泣いていたという。
それを見た山本は、結婚を破談にすると言いだしたのだ。特に、ふゆの尻の軽さに失望したという。

ふゆは奥から出てくると、必死に頭を下げて謝った。
しかし、彦三郎は頭ごなしに怒鳴り、彼女を殴った。昔から何の取り柄も無かったのに、男に媚を売ることばかり覚えたふしだらな女になったとなじった。

ふゆが殴られたことで、亀助は辛抱できなくなった。

亀助は、まず山本の軟弱さを批判した。
ふゆが目の前で殴られているのに、山本は傍観しているだけだったのだ。亀助は、男というものは一度惚れた女のことは全力で守るものだと話した。親であれ誰であれ、手をあげさせるようなことはしない。その覚悟ができていないかぎり、山本はふゆはもちろん、他の女を嫁に取る資格もないと避難したのだ。

続いて、彦三郎に向き直った。
亀助にとって、ふゆは自分の店の大事な身内である。一方、必死に頭を下げて謝っている女を殴る者は、その女の親でも身内でもない。故に、彦三郎はふゆと縁のない者になったのだから、今すぐに帰れと迫った。

しかし、そう言われておとなしく聞いている彦三郎ではなかった。
彦三郎は座敷で亀助に殴りかかり、亀助も応戦した。ふたりは取っ組み合いの喧嘩になった。

彦三郎らは帰ったが、亀助はこっぴどくやられた。それをふゆが手当した。

ふゆは山本との結婚が破談になって良かったと微笑んだ。
一方で、もう加野屋にはいられないと言う。これまでさんざん世話になり、結婚準備まで整えてもらったのに、大騒ぎを起こし恩を仇で返すことになったからだ。

ふゆは、亀助が自分のことを「大事な身内」と言ってくれたことは嬉しかったという。その言葉の思い出があれば、自分はどこへ行ってどんなことがあってもやっていけると話した。全て亀助のおかげだと言って感謝した。

亀助は、突如ふゆに結婚を申し込んだ。
自分は顔も悪いし、家も持っていない。しかし、ふゆを思う気持ちだけは誰にも負けないと誓った。

ふゆは、自分などは亀助にふさわしくないと思い、一瞬躊躇した。
しかし、すぐに思い直し、亀助の申し出を受け入れた。

あまりのことに一番驚いたのは当の亀助だった。腰を抜かしてしまった。

こうして、亀助とふゆの結婚が決まった。
あさ(波瑠)と新次郎は、夫婦として初めて仲人を務めることになった。

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NHK『あさが来た』第82回

フォーチュンクッキーってどうしてあんなに美味しくないんだろう、中に占いが入っているという点に力を入れすぎて味の改善を怠っているのではないかと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第82回めの放送を見ましたよ。

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第14週『新春、恋心のゆくえ』

結婚の決まったふゆ(清原果耶)には別に好きな人がいるらしい。そして、そんなふゆに対して亀助(三宅弘城)が片思いをしている。
そのふたりのことを思うと、あさ(波瑠)は胸がドキドキした。自分は幼い頃から許嫁が決められており、誰かに恋をすること現在に至った。だから、恋をするとはどういうものかわからず、そのせいで無性に動悸がするのだ。

新次郎(玉木宏)が辻占煎餅を買ってきた。新次郎には女難の相、あさには家中に争いありという占いが出た。
自分とは違って、いろいろと恋をして来たらしい新次郎に女難の占いが出たことで、あさはイライラするのだった。

亀助は自分の思いをふゆには伝えられないものの、彼女の幸せは願っている。せめて結婚前に新次郎との思い出作りをさせてやりたいと思った。そこで、新次郎にふゆを連れてどこかに遊びに行って欲しいとお願いした。
新次郎もふゆが自分に思いを寄せていることに気付いていた。新次郎にしてみれば面倒なことにならないようにふゆとは距離を置きたかったのだが、亀助の剣幕に押されてしまった。

乗り気ではない新次郎ではあったが、ふゆと一緒になると心底優しく、楽しそうにした。神社で子ども相撲の見物をしたり、茶屋でぜんざいを食べたりした。ふゆもたいそう楽しんだ。

ふゆは自分の育った境遇を話した。
父(上杉祥三)を見てきたせいで、子供の頃は男が苦手だったという。父は母やふゆたち姉妹にすぐに手を上げたり、酷い言葉を投げつけたりするのだという。まさに勝手気ままな乱暴者であり、男は全てそうであると信じ込んでいた。
しかし、あさの実家やはつ(宮﨑あおい)の嫁ぎ先、そして加野屋などで奉公をしているうちに、その認識が大きな誤りであることに気付いたのだという。

自分のような取り柄のない女であっても、男は優しくしてくれることもあるのだとわかり、幸せな気持ちで働けたと話した。
ふゆにとって、男に対する認識を覆した張本人は新次郎であった。ただし、そのことだけは話さないでいた。

気温がぐっと下がり、雪がちらついてきた。新次郎は家に帰ることを促した。
しかし、ふゆは帰りたくなかった。新次郎のそでを掴み、もう少しだけ一緒にいて欲しいと頼んだ。

そして、ふゆは新次郎の妾でもいいからそばにいたいと述べ、自分の恋心を打ち明けた。

しかし、新次郎はきっぱりと断った。
ただし、ふゆを嫌って言うのではなく、ふゆの幸せを願ってのことだった。

新次郎が見るに、ふゆは自分を卑下してばかりいる。もっと自分に自信や誇りを持つべきだと助言した。
妾の地位に甘んじるようなことはすべきではないと伝えたのだ。

新次郎は、泣き出したふゆに自分の羽織をかけてやった。そして、茶屋に彼女を残して、新次郎は一人で大急ぎで帰宅した。

家に着くや否や、新次郎は亀助に襟巻きを持たせた。そして、急いで茶屋まで行けと命じた。亀助は言われるままに駆けつけた。

亀助は、震えながら泣いているふゆの首に襟巻きを巻いてやった。
ふゆは涙声で新次郎との一件を亀助に打ち明けた。
亀助はふゆの勇気を讃えた。気持ちを伝えられてよかったと言うのだった。

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NHK『あさが来た』第81回

つい一瞬前、マクラを書き忘れたまま記事をアップしようとしてしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第81回めの放送を見ましたよ。

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第14週『新春、恋心のゆくえ』

五代(ディーン・フジオカ)の大阪経済復興における陰の立役者とは新次郎(玉木宏)だったという。
大阪商人たちは商工会議所への参加に乗り気ではなかったが、新次郎が説得してまわったのだという。その結果、多くの商人たちが参集する事になったのだという。

ただし、新次郎のやり方というのは、決して表立ったり、積極的なものではなかった。
三味線の会や晴花亭、うどん屋などに出入りした際、世間話のようにさり気なく話を持ちかけた。そして、加野屋が率先して加入することや、大阪商人たちが互いに足を引っ張り合うのではなく、力を合わせて東京や世界の商人たちと戦うべきだと話したのだという。

五代は新次郎の人望に驚き、見なおしたという。あさ(波瑠)も、新次郎の以外な一面に大いに驚いた。

そんな新次郎が、商人たちの晴花亭での新年会に姿を現した。
晴花亭に初めて来たあさは、新次郎が常連であると聞かされた。しかも、自分が九州や東京に出張して忙しかった時期に特に頻繁に来ていたという。さらには、自分以外の家族を連れてきたこともあるし、美和(野々すみ花)とも親しく飲んでいると聞いて、あさは激しく嫉妬した。

そんなやり取りを聞いていた五代は、新次郎に一泡吹かせたくなった。東京で、酔った五代があさに抱きついてしまったことを遠回しに取り上げ、自分とあさにも東京で秘密の出来事があったなどと話した。それを聞いた新次郎は逆にヤキモチを焼くのだった。

その頃、加野屋ではうめ(友近)と亀助(三宅弘城)が話をしていた。

亀助は、ふゆ(清原果耶)が新次郎に心を寄せていることにやっと気付いたのだという。
一方のうめは、ふゆが加野屋に来た時からそのことに気付いていたのだという。ふゆが主人に対する道ならぬ恋に踏み出さないよう、うめと雁助(山内圭哉)は亀助を焚き付けていた面もあったと認めた。

亀助は、自分は新次郎に叶うわけがないと言い、ますますふゆのことを諦め始めるのだった。
しかし、うめは亀助を応援した。新次郎がいい人であることは認めるが、夫にするにはいい加減すぎるというのだ。夫にする男は働き者のほうがよく、その点では亀助の方が優れていると言うのだ。
亀助はうめの励ましに感謝したものの、それ以上どうすることもできなかった。

それから数日後、よの(風吹ジュン)がふゆの婚礼衣装を準備した。よのは使用人の嫁入り支度をするのが昔から好きで、それが当然の努めだと考えているのだ。ふゆは喜んでお礼を言った。

興が乗ったよのは、ふゆを新次郎の妾にしようと考えたこともあったと打ち明けた。結局、新次郎が誰であれ妾を取ることを拒絶したため立ち消えになったが、それほどまでにふゆのことを認めていたという証拠である。

新次郎のことを話に出され、ふゆの心は波だった。せっかく新次郎のことを忘れて結婚しようとしているのに、また彼のことを思い出されたからだ。

その後、ふゆはあさとも話をした。
ふゆは、先輩として働くうめに憧れていたのだという。うめがあさのことを守る姿を見て、自分もはつ(宮﨑あおい)のことを守りぬくと決意していたという。だから、山王寺屋が倒産して夜逃げした時もはつに付き添って行ったのだ。しかし、結果としてはつの元を離れてしまったことを悔やんでいるという。

また、ふゆは6人姉妹の下から2番めで、父からはいらない子だと言われて育ったのだという。そのため、幼い時から自分の居場所がないと思っていた。そんな自分が、はつやうめ、そしてあさと過ごすことで居場所を見つけられて嬉しかったという。また、はつを守りきれなかったことに劣等感も抱いている。
そんな自分を見初めて、嫁に貰いたいと思っている人が現れたのだから、喜んで嫁に行く他に道はないと話した。

あさは、本当は別に好きな人がいるのではないかと訪ねた。あさは、ふゆが誰かに恋をしているということには気付いていたが、相手が誰かまではわかっていなかった。ましてや、新次郎だとはつゆにも思わなかった。
ふゆは、好きな人がいることは認めた。しかし、その人には自分よりもお似合いの人がいるから諦めたと答えるのだった。

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NHK『あさが来た』第80回

気分が乗る乗らないの話では無いのだが、どうも今年は気分が乗らなかったので年賀状作成をしなかったわけだが、みなさんからたくさんの年賀状を頂戴し、恐縮すると共に、どうもありがとうございましたと感謝を述べ、同時に自分の不義理を人知れず謝罪する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第80回めの放送を見ましたよ。

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第14週『新春、恋心のゆくえ』

ふゆ(清原果耶)の縁談相手・山本平蔵(山本浩司)がまたしても加野屋を覗きに来た。
しかし、あさ(波瑠)たちと目が合うと、ばつが悪そうに逃げて行ってしまった。

表でそんなことがあるとは知らず、亀助(三宅弘城)とふゆはふたりだけで話をしていた。

亀助は、いくら親が決めたこととはいえ、一度も会ったこともない相手と結婚することには慎重になった方がよいと助言していた。それに、ふゆは思いを寄せている人がいる様子であり、その人のことを忘れられるのかと訪ねた。

すると、黙って聞いていたふゆがにわかに色をなした。
自分が仕えてきた あさ や はつ(宮﨑あおい)も親の決めた許嫁と結ばれて幸せになった。彼女らとは家柄や身分が違うとはいえ、自分もそうすべきだと考えているのだ。
ふゆの今回の結婚に心の底から納得しているわけではない。しかし、なんとか自分を言い聞かせて、親の言うとおり結婚しようと決意したのだ。
亀助の発言は、ふゆの決意を踏みにじった。それで腹を立てたのだ。

亀助は、自分がふゆのことを強く思っていると言い返した。言い訳まぎれに本心を言ってしまったのだ。ふゆは、亀助の気持ちに驚いた。
言ってしまってから失敗に気づいた亀助は、自分はふゆの兄代わりなのだと取り繕った。兄として、ふゆには幸せになって欲しいのだと言ってごまかした。
ふゆはそれ以上なにも言わなかった。亀助に深く頭を下げて、その場を去った。

以上が、元日の出来事であった。
そして、三が日が明けた。加野屋にも日常が戻り始め、あさも店先で仕事を始めていた。それでもなお、まだ新年の挨拶で人の出入りがあった。

そんな中、加野屋にふゆの父・日野彦三郎(上杉祥三)が、結婚相手の山本と共に挨拶に来た。

日野彦三郎は京都で染物屋を営んでいるという。
あさと新次郎(玉木宏)が見たところ、彼は下品な男だった。ふたりは、日野が家の前に到着した時に加野屋の悪口を言っているのを聞いたのだ。曰く、鉱山に手を出して失敗し潰れかけだと噂になっているのに、存外に立派な店構えだなどと話していたのだ。そのくせ、よの(風吹ジュン)の前に出ると、これ以上ないほどお世辞を言うのだった。

さらに日野は、ふゆの悪口も言った。小さい時は体が弱く、犬や猫の方がまだ丈夫だったなど言って笑うのだ。あさと新次郎はその態度に呆れた。
それでも、山本は嫌な顔をしなかった。男と言われようが、彼はふゆにぞっこんだったのだ。ふゆが挨拶に表れると、嬉しそうにふゆを見つめた。

新次郎は、一部始終を亀助に知らせた。父・日野は問題があるが、結婚相手の山本は悪い男じゃなさそうだと話した。彼は洋傘屋を経営しており、洋装の流行のおかげで景気も良さそうだと言うのだ。ふゆの父にしてみれば、これ以上ないほど良い話に違いないと説明した。

加えて、よのもかなり乗り気だと伝えた。小正月(1月15日ころ)を済ませたら、すぐに嫁に出すと言って張り切っているという。
新次郎は亀助に、なんとかするように迫った。しかし、亀助にはどうする術もなかった。

ふゆの父の対応を終えたあさは、榮三郎(桐山照史)と共に大阪商人の寄り合い所へ出かけた。新次郎も同行するよう誘ったのだが、堅苦しいことの嫌いな彼は行かないと言い張ったのだ。

寄り合い所に集まった後は、皆で晴花亭へ出かけた。そこは、三味線の師匠だった美和(野々すみ花)が開いた店で、大阪では珍しいビールを提供する店だった。

そこであさは、久しぶりに五代(ディーン・フジオカ)と会って話をした。
彼は以前にもまして忙しい身となり、日本中を駆けまわっている。近頃では大阪株式取引所や大阪商工会議所を開設し、それらの会長も務めている。今日は久しぶりに大阪にやって来て、みなと会うことができた。

あさと会うのも随分久しぶりのことであり、大久保利通(柏原収史)が暗殺された日に東京で会った時以来である。

五代は、大久保の死んだ日に酔って抱きついたことを謝罪した。本来、五代は酒に強くめったなことでは酔わないのだが、あの日だけは感情を押さえつけることができなかったと弁解した。
もちろん、あさはもう気にしてはいなかった。

五代が大阪経済を牽引していることは誰もが認めるところだが、五代本人に言わせれば、影で自分を助けてくれた立役者がいたという。
その人物が、ちょうど店にやってきた。

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