今夜22時からNHK総合で『秋の夜長のあまちゃんライブ: 大友良英と仲間たち大音楽祭』が放送されることをお忘れなきようアナウンスする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第143回めの放送を見ましたよ。
袖が浜では、磯野(皆川猿時)や種市(福士蒼汰)が中心となって海中の瓦礫やヘドロの撤去作業が急ピッチで行われた。それと並行して、ウニの放流も行われた。袖が浜の再生は急ピッチで進められていた。
ある夜、アキ(能年玲奈)はスナック梨明日の営業を手伝った。店の客は少なかったが、そこには種市もいた。アキと種市をふたりきりにしてやろうと画策したユイは、下戸の大吉(杉本哲太)に大量のアルコールを飲ませて酔い潰し、ヒロシ(小池徹平)を連れて家に帰ってしまった。店に残った客は、琥珀磨きに熱中する勉(塩見三省)だけとなった。
そうしてアキと種市は、ふたりだけで話をする機会を得た。
種市は、久しぶりに海に潜って、北三陸の海の素晴らしさを再認識したと話した。そして、地元の人々がどんなに落ち込んでいるかと心配していたが、みんなが明るく笑っていることに驚いたという。みんなが笑っていられる理由は、中心にアキがいるからだと断定した。東京時代もそうだったが、アキの周りにはいつも人が集まり、楽しそうに笑うのだという。
アキとユイの違いもそこにあるという。ユイは、彼女の笑顔を見たくてみんなが集まる。一方のアキは、見ている側を笑顔にするのだ。それはまるで、太陽と月のようだという(はじめは勉が言った言葉)。太陽であるアキが、月であるユイを照らし、それぞれに独特の輝きがある。そしてその2つは最強の組み合わせだと言うのだった。
翌朝、アキはユイから首尾を聞かれた。しかし、アキが話をしただけだと報告すると、アキの消極的な態度に、ユイは呆れるとともに怒りだした。ユイによれば、女ざかりは短いのだから、もっと積極的に種市と付き合わなくてはならないと言うのだ。しかも、ユイはアイドルは諦めたけれど、「女」は諦めていないという。アキがうかうかしていると、自分が種市を奪うかもしれないと脅すのだった。
ユイと種市は以前に付き合っていたことがある。しかも、種市がユイに惚れていたのだ。種市が北三陸に帰ってきて、ユイと接近すると、ふたりが元の鞘に収まってしまうかもしれない。アキは戦慄するのだった。種市は瓦礫撤去作業が終わるまで残ることを決めたという。アキは嬉しい半面、ユイのことが気になって、種市を隔離したいと思った。種市に早く東京に帰れなどとめちゃくちゃなことを言うのだった。
そんな時、岩手こっちゃこいTVのディレクター・池田(野間口徹)が北三陸市を訪れた。彼は以前からユイとアキに注目していた人物であり、ユイが情報番組に出演するきっかけを作ったり、潮騒のメモリーズのお座敷列車を番組で取りあげたりしてきた。今回、復興ドキュメントの制作を企画しており『震災が変えた少女達の運命』というタイトルの下、アキやユイの取材をしたいのだという。池田は、アキからユイの出演を説得して欲しいと言う。ふたりの姿が放送されれば、全国から応援の声が届き、励まされるだろうと言うのだ。
しかし、アキは即座に取材を断った。アキが北三陸に帰ってきたのは、地元の復興のための自己犠牲の精神や全国の同情を誘うためではないというのだ。自分は海に潜りたいだけであり、そのために海の浄化をするという利己的な目的なのだという。海女カフェを再建するのも親しい人々の集いの場を作りたいだけであり、北三陸鉄道の復旧も自分の大好きな可愛らしい車両の走る姿をもう一度見たいだけなのだという。だから、全国からの応援はいらないというのだ。
それに、ドキュメンタリの企画書を見ると、アキだけが頑張っていて、アイドルの夢の破れたユイがスナックのママとなってくすぶっているように見える。ユイは表舞台に出ることを諦めたのではなく、辛い体験を乗り越えようと奮闘している最中だというのがアキの見立てだ。難しい時期のユイを無理に表舞台を立たせるようなことはしたくないというのがアキの意見だ。それでドキュメンタリ取材を断った。
その時、駅にいるユイから連絡が入った。全身黒のライダースーツに身を包んだ怪しい男が駅にいるという。どうやらアキの知り合いらしいというのだ。
それは無頼鮨の大将・梅頭(ピエール瀧)だった。
続きを読む