NHK『カーネーション』第59回

昨夜の展開予測が当たっているかどうか楽しみにしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第59回目の放送を見ましたよ。

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第10週「秘密」

糸子(尾野真千子)と善作(小林薫)は、勝(駿河太郎)の背広から1枚の写真を見つけた。そこには勝と芸妓・菊乃(赤松悠実)が親しげに写っていた。

糸子は、難波の歌舞伎場で菊乃に一度だけ会ったことを思い出した。彼女は勝と不自然に挨拶を交わし、歌舞伎も見ずに帰ってしまった。
善作もその写真に驚き、声をあげた。しかも、糸子が教えたわけではないのに、菊乃の名や働いている店まで知っていた。ところが、糸子が菊乃のことを詳しく聞き出そうとすると、善作は困ったように逃げた。

一人残された糸子は、考えを巡らせた。すると、勝の不審な行為が次々に思い浮かんだ。
勝が歌舞伎に誘ってくれたのは、菊乃の代理だったのかもしれない。当日になって、菊乃の用事が急になくなり、彼女は元の約束通り歌舞伎場に来た。しかし、糸子の姿を見て身を引いたのだと想像できた。
勝は歌舞伎を見慣れていた。弁当を買い揃えたり、役者への声のかけ方も上手だった。菊乃と何度も足を運んだに違いない。

心斎橋百貨店での買い物も堂々としていた。勝には男兄弟しかおらず、仕事でも男性客しか相手にしないはずなのに、女の買い物への付き合いがとても良かった。率先してショールの試着を勧めたのは勝だし、包まずにそのまま着て帰るよう言ったのも勝だった。
さらに考えていくと、百貨店の帰りに勝が追加の包みを持っていたように思えてきた。自分をモデルにショールの吟味し、菊乃への贈り物を密かに購入したに違いないと思った。

菊乃は自分と違って美人だ。美人が好きなら、どうして自分のよう器量の悪い女と結婚したのだろうか?
糸子の出した結論は、勝の目的はカネだということだ。糸子が稼いだ金で、外で自由に遊んでいるのだと考えた。確かに勝は、糸子との結婚の理由として、仕事をする姿に惚れたと行っていた。

糸子は腹が立った。怒りを全て仕事に振り向けることにした。

その矢先、善作と木之元(甲本雅裕)が勝に関する知らせを持って現れた。勝はまだ大阪の駐屯地に滞在しているらしいという。一度面会に行ってみてはどうかという提案だった。

糸子は、善作の脳天気な態度にも腹を立てた。勝の浮気写真を一緒に見たのに、面会に行かせようという心境が理解できなかった。本来なら、父親として勝を叱責する立場にあるはずなのに、そうしないからだ。
しかも善作は、ついうっかりと「男の浮気ぐらいでうるさいことを言うな」と店頭で大声を出してしまった。そのせいで、店中に勝の浮気が知れ渡ってしまった。

糸子の怒りは頂点に達した。
勝や善作だけではなく、糸子は男たち全員を敵視した。男たちが結託して浮気を正当化しているように思えたからだ。男たちが互いに助けあい、浮気を認めさせようとしているようにしか見えないのだ。

店を飛び出して、行き場のなくなった糸子は奈津(栗山千明)を訪ねた。彼女となら、女同士、意見が合うと思ったからだ。

奈津は糸子の突然の訪問に驚いた。そして、糸子が自分をバカにするためにやってきたのだと思い、問わず語りしてしまった。実は、奈津の夫・康夫(真鍋拓)が芸妓と一緒に逃げてしまったと言うのだ。

奈津の話を先に聞いてしまったことで、糸子はずいぶんと落ち着いた。冷静になって自分に起きたことを話した。菊乃は奈津も知っており、美人で有名な芸妓だという。
ところが、奈津は糸子の話を真面目にとり合わなかった。勝のような冴えない男が菊乃を落とせたとは信じられないし、出征してそばにいない夫のことをグチグチ考えても仕方がないと笑い飛ばすのだった。
自分と同じように、夫を奪われた奈津にそう言われると、糸子も妙に納得できるのだった。女同士、悩みを共有できたことでずいぶんと気が晴れた。

奈津のところからの帰り道、ずいぶん久しぶりに泰蔵(須賀貴匡)とすれ違った。安岡家と仲違いしたままだったため、互いに会釈はしたものの、言葉をかわさずに別れた。

見上げると雪が降っていた。

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NHK『カーネーション』第58回

のぞみ56号の車内(少なくとも2名の知り合いが乗っていた)でNHKオンデマンドを有料利用した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第58回目の放送を見ましたよ。

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第10週「秘密」

勝(駿河太郎)に召集令状が届いた。出征まで4日しか猶予がなく、勝はすぐに実家や親戚への挨拶のために泊まりがけで出かけた。帰ってくるのは、出征の前日ということになった。

糸子(尾野真千子)も衝撃を受けたが、家族や雇い人たちの前では弱気を見せず、気丈に振舞った。むしろ、店が繁盛しているおかげで、余計なことを考えずに済むことに感謝するほどだった。

勝が戻って来ると、糸子はバリカンで勝の髪を刈ってやった。出征前にふたりで過ごした時間はその散髪の間だけであった。

夜には、家族と雇い人だけでささやかな壮行会が開かれた。食糧事情は悪くなっていたが、糸子の客が代金の代わりに食料品を持ってきてくれるおかげで、食卓には豪勢にもカツレツが並んだ。糸子は久しぶりのご馳走を勝に腹いっぱい食べさせるつもりだった。しかし、いつものように上機嫌で人のよい勝は、みんなに気前よく分け与えるのだった。

壮行会に来るはずだった善作(小林薫)がなかなか姿を表さない。心配になった糸子と勝が家の前で待っていると、やっと善作が現れた。
善作の姿が見えるやいなや、勝が近づき、「すいません」と何度も繰り返しては深く頭を下げた。そしてそのまま、嗚咽を漏らしつつ泣き出してしまった。善作もなんと声をかけて良いか分からず、苦り切った表情のまま硬直していた。
ふたりの姿を見た糸子も、ついに感情が爆発してしまった。ただし、悲しんでいる姿を勝に見せないために、裏庭に駆けて行って一人でさめざめと泣くのだった。

その晩、善作と勝はふたりっきりで一晩中、静かに酒を酌み交わした。
翌朝、近所の人々に見送られて、勝はいつものように笑顔で出征していった。
勝を送り出すと、糸子はますます仕事に精を出した。

しばらくして、勝が出征時の荷物を送り返してきた。勝の洋服を手に取り、たった数日なのに勝のことがひどく懐かしくなる糸子だった。
荷物に手紙が添えられていたが、それはとても簡素で、ほとんど内容ないものだった。

その様子を見た善作は、手紙は誰に見られるか分からないから当り障りのないことを書いてある、きっとどこかに本当の便りが隠してあるに違いないと言う。
そこで糸子が洋服をよく調べてみると、背広のポケットから1枚の写真が出てきた。

それは、勝と菊乃(赤松悠実)の写真だった。ふたりっきりで浴衣姿で写っていた。

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NHK『カーネーション』第57回

明日の朝は移動の予定で、リアルタイムに放送を見ることができないため、まとめ記事の投稿が遅れることをアナウンスする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第57回目の放送を見ましたよ。

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第10週「秘密」

勝(駿河太郎)が突然、糸子(尾野真千子)を歌舞伎に誘った。
しかし、糸子は全く乗り気がしなかった。まず、仕事を休みたくはなかった。どうせ仕事を休むなら、出かけるよりも寝ている方がよほどマシだ。都会に出かけるのにふさわしい着物を持っていないのも気詰まりだ。大嫌いな歌舞伎役者・春太郎(小泉孝太郎)の顔を見るのもおぞましい。
けれども、結婚してから一度も夫婦らしいことをしたことがないという勝の説得に圧される形で、しぶしぶながら出かけることにした。

糸子が一切化粧をしていないことをハル(正司照枝)に咎められた。自分のためにするのではなく、勝に見てもらうために化粧をするのだとハルに言い含められ、静子(柳生みゆ)が大事にしている口紅を塗ってから出かけた。

電車に乗ってもつまらなそうにしていた糸子であったが、難波の街に一歩足を踏み出すと、急にウキウキとしはじめた。難波には戦争の暗さはほとんどなく、行き交う人々はみなお洒落に着飾っていた。華やかな雰囲気に気分も高揚し、大嫌いだった春太郎にすら寛大な気持ちを持つことができた。

歌舞伎場のホールで、菊乃(赤松悠実)という芸妓が勝に声をかけてきた。彼女は二言三言社交辞令を言うと、歌舞伎の見物もせずに帰ってしまった。
糸子は、勝の意外な顔の広さと、歌舞伎場まで来て何も見ずに帰ってしまった菊乃の行動を不思議に思った。けれども、勝が平然としているのでそれ以上は何も聞かず、歌舞伎に熱中した。

歌舞伎が終わると、心斎橋百貨店に向かった。
ここは、以前に糸子が制服を作った店なのだが、今では旧態然とした和装の制服に戻ってしまっていた。勝に自分の仕事を見せたかったのだが、それがかなわずにがっかりした。

用事がすんだので帰ろうとする糸子を引き止め、勝は百貨店で糸子のためにショールを買ってくれた。何枚か肩に当てて試しているうちに、糸子はますます楽しくなってきた。勝が自分に優しくしてくれることも心地よかった。
ショールを試着しながら鏡を見ると、自分の口紅が取れかかっていることに気づいた。自分が口紅すら持ち歩いていないこと、および、化粧の崩れた姿を勝に見せることに少々恥ずかしい思いがした。

それでも、その日は糸子にとって良い日になった。
ふたりが初めて夫婦らしくなったと思い、とても嬉しかった。これまで、仕事と子供たちのことばかり考え、勝のことは単に仕事に都合の良い同居人くらいにしか思っていなかった。
けれども、この日を境に、勝のことをとても愛おしく思うようになった。糸子は、勝のために毎日口紅を塗るようになった。勝が出かけるときには、姿が見えなくなるまで手を振って見送るようになった。
夫の勝のことを絶対に失いたくないと思うのだった。

ところが昭和17年(1942年) 12月1日、ついに勝に召集令状が届いた。

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NHK『カーネーション』第56回

対談記事が読みたくてわざわざ週刊アスキー12月6日号を2週間前に買っていたのだが、昨日「大槻ケンヂ×みうらじゅん “スティーブ・ジョブズ”をガチで語る!」にその掲載内容はもちろん、紙面ではカットされた秘密部分まで全て公開されているのを見つけ、「すげえや!太っ腹!!」と叫んだ当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第56回目の放送を見ましたよ。

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第10週「秘密」

糸子(尾野真千子)のお節介のせいで、勘助(尾上寛之)は完全に神経が参ってしまった。彼の母・玉枝(濱田マリ)は糸子のせいだと責め立て、ついには糸子の商売繁盛を妬んだり、人格を否定する発言をした。その時、糸子は何も反論をしなかった。

翌朝、糸子が店の雨戸を開けると、勘助の義理の姉・八重子(田丸麻紀)が立っていた。八重子は玉枝の無礼を詫びた。家業の美容院の経営が苦しい上に、勘助の調子も悪くなったことで、玉枝は心労が絶えなかったのだ。近頃では家族にもつらく当たることが多い。根の優しい玉枝のことだから、しばらくすれば元に戻る。どうか許して欲しいと言うのだった。

ところが、糸子はその謝罪を受け入れなかった。
自分は安岡の家族ではないので、そもそも我慢したり仲良くしたりする筋合いはない。元々自分は他前から目障りに思われていたに違いない。店は繁盛しているし、勘助を弟のように構っていた。それらが玉枝には気に入らないのだろうと断定した。
もう二度と安岡家には近づかないと言い放ち、八重子にもよそよそしく接し、彼女を追い返した。

しかし、糸子も苦しかった。本当は安岡家と仲良くしていきたかった。けれども、その態度を素直に表すことができなかった。気持ちとは裏腹に、八重子に八つ当たりしてしまったことに自己嫌悪した。
人恋しくなった糸子は、娘の直子(心花)をきつく抱きしめた。ところが、その無遠慮な行動は直子にまで嫌がられた。自分を受け入れてくれる人は誰もいないと思い、ますます落ち込んだ。
ついに、仕事も放り出して、二階でふてくされて寝てしまった。

糸子の事情には関係なく、店には客が殺到していた。もうすぐ衣料品の配給制度が始まるので、その前に気に入った洋服を手に入れようとする客が多いのだ。
縫い子のリーダー格の昌子(玄覺悠子)に叱られても、糸子は全く仕事をする気がなかった。自分が稼ぐと、その分よその誰かの稼ぎが減り、貧乏な人を苦しめることになる。だから、自分は仕事をしない方が良いなどと屁理屈を言うようになった。

怒った昌子と揉み合いになり、ふたりは絡みあったまま階段を転げ落ちた。それが刺激となり、糸子は自分を取り戻した。
自分には大切な家族のほか、生活の面倒を見ている7人の縫い子、さらに自分を待ってくれている大勢の客がいる。誰から嫌われようとも、自分の大切な人たちを守るために自分が頑張らねばならないと思い出した。戦争にも貧困にも負けず、自分は自分らしくやっていくのだと決意した。

その日の夕、安岡家の前におすそ分けの野菜をこっそりと置き、それを餞別として彼ら一家のことを頭から追いやった。もう玉枝や勘助のことで悩むことはしなかった。

昭和17年(1942年)9月。
衣料品の配給制度が始まった。衣料品の欲しい人は衣料切符と共に購入しなくてはならない。店側は、回収した切符を配給所に提出し、売れた分だけしか生地を仕入れることを許されなかった。仕入れに難儀するかと思われたが、偶然にも勝(駿河太郎)が配給係に任命されたので、何かと融通が効いて助かっていた。

配給制度が始まっても、オハラ洋装店は順調だった。他の勤め先を解雇された妹の清子(坂口あずさ)と光子(杉岡詩織)を縫い子として働かせることができるほどだった。その上、衣料切符の整理係として善作(小林薫)を使うほど、人手が足りなかった。

そして、糸子は3人目を身ごもっていた。

また、最近、勝が夜遊びをするようになった。
本人は夜釣りに誘われたなどと言って健全な遊びであるかのように振る舞うのだが、昌子が言うには悪い遊びに違いないという。けれども、糸子はまったく頓着しなかった。糸子は仕事や子供たちのこと、戦争の行く末など他にたくさん考えるべきことがあった。勝がひとりで機嫌よくしている分には、糸子にとって何の問題もなかった。だから放っておくことにした。

11月のある夕。
店じまいの時間になると、勝が珍しく歌舞伎に誘ってくれた。

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NHK『カーネーション』第55回

本作の善作や、ドラマ『深夜食堂』のマスター役などで小林薫のことを好ましく思っていたのだが、映画『秘密』で僕たちの憧れの広末涼子とイチャイチャしているのを見て敵視していたことを思い出した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第55回目の放送を見ましたよ。

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第10週「秘密」

昭和16年(1941年)12月8日。
日本軍はアメリカ軍と交戦状態になり、大東亜戦争が始まった。人々はそれを喜び、熱狂しだした。
一方で糸子(尾野真千子)は、また戦争が始まったことを苦々しく思うのだった。思うように商売がしたいので、勝っても負けても良いから早く戦争が終われと密かに願うのだった。

国民への規制も強化されていった。
女性はモンペ着用が半ば強制された。洋装店主の矜持として、糸子はモンペなど絶対に履かないと心に決めていた。あまりのブサイクさに我慢がならないのだ。
しかし、強く勧められて試しに履いてみると、意外に着やすく動きやすかったのでいっぺんに気に入ってしまった。戦争中は戦争中のお洒落として、モンペを活かすファッションを考えようと燃え始めるのだった。

また、鉄製品の供出も少しずつ始まっていた。ただし、糸子のミシンやアイロンは、国民服やモンペの縫製によって国に奉仕できるということで供出を免れていた。
ところが、八重子(田丸麻紀)のパーマ機は危機的な状況だった。今のところ取り上げられてはいないが、見つからないようにひっそりと隠していた。それに、女のお洒落は戦争にとって一番無駄なものだと言われ、パーマへの風当たりも強い。パーマ機の購入代金の月賦も終わっていないのに、それで商売ができなくなってしまっていたのだ。

髪結いの玉枝(濱田マリ)ともども、生活が苦しくなり始めていた。戦争から帰ってきたものの、精神を病んでしまった勘助(尾上寛之)も抱え、彼女らの家は火が消えたようにひっそりとしていた。
唯一の明るいニュースは、勘助がなんとか和菓子屋で働けるところまで回復したという話だった。
糸子は早速、和菓子屋を覗きに行った。まだバリバリと仕事をするわけでもなく、ぼんやりと店頭に座っているだけだったが、その姿を垣間見て糸子は嬉しくなった。

糸子は勘助をもっと喜ばせてやろうと思い、仕事帰りに喫茶店に誘った。そして、勘助の初恋の相手であるサエ(黒谷友香)も呼び出して、引き会わせてやった。サエのダンスホールはとっくに閉鎖され、今は軍需工場で働いているという。

ところが、サエの姿を見るやいなや、勘助は様子がおかしくなった。体が震えだし、吐きそうになった。すぐに走って店を飛び出してしまった。その後、河原の草むらにうずくまり、大きな声で泣き叫んでいた。
糸子のお節介が完全に裏目に出てしまった。

その日の夜、雨に濡れながら玉枝が怒りの形相で糸子を訪ねてきた。
勘助は家の2階から飛び降りようとしたという。全ては糸子のせいだと責め立て、もう二度と家に来て欲しくないし、勘助にも会わないようにと言いつけた。
糸子は心が強く、商売も成功し、家族にも恵まれている。そういう人間には、逆の立場の人間の気持ちなどわかるはずがない。勘助の家族がどれだけ神経をすり減らして彼の回復を願い、手を尽くしたかが糸子にわかるはずがない。わからないどころか、糸子は勘助の一家にとって毒であると言い放った。
去っていく玉枝を、糸子は何も言えず呆然と見つめるだけだった。

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NHK『カーネーション』第54回

札幌には「大通公園」があり、名古屋には「久屋大通公園」のあることまでは知っていたが、横浜の関内には「大通り公園」がある(参考: 横浜の公園発達史)と知って驚きつつ、今日は関内で女の子とジンギスカン・デート(デート?デートなのか!?)する予定の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第54回目の放送を見ましたよ。

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第9週「いつも想う」

昭和16年(1941年)。
戦争の影響で、国民の生活にはさらなる変化が表れていた。軍需景気で儲かる商売と、ぜいたく禁止令で経営が難しくなる商売とに分かれてきていた。

ついに背広の売買が禁じられることとなったため、勝(駿河太郎)の仕事はほとんど無くなった。ポツポツと国民服の注文があるのみで、暇な時間は商店街の旦那連中と飲んで遊ぶばかりだった。

隣の履物屋・木岡(上杉祥三)の弟(多々納斉)は小さいながらも縫製工場を持っており、軍から制服の注文を受けたため、時局に乗って大儲けしているという。彼は羽振りよく商店街の旦那連中を招待して宴会を開いた。勝も喜んでそれに出かけるのだった。

奈津(栗山千明)が女将を務める吉田屋も、そういった宴会需要が多くて景気が良かった。また、本土で羽目を外したい軍人たちからも重宝され、奈津は大忙しだった。
一方で、奈津の夫・康夫(真鍋拓)は店の手伝いもせず、商店街の旦那連中に合流して自分の店で飲んだくれる始末だった。婿養子の立場でこれまでは奈津の言いなりになるばかりだったが、周りの男達にはやし立てられたことと酒のせいで気が大きくなり、奈津に口答えして追い返した。奈津は腹を立てるのだった。

糸子(尾野真千子)の婦人服については、今のところ目立った変化はなかった。
ぜいたく禁止令によって、豪華な衣類の売買は禁じられていたが、糸子の巧妙な工夫でそれを回避することができていた。また、女性たちのお洒落心もそう簡単に収まるものではなく、客の方も相変わらずだった。

ところが、同じように女性を相手にする商売である、美容師の八重子(田丸麻紀)は少々事情が違っていた。
パーマネントを求める客の数に変化はなかったが、八重子の心境に変化が表れていた。パーマネントは明示的に禁止されたわけではないが、お洒落は非国民のすることだと言って自粛すべきだという風潮になっているのだ。特に、八重子の息子たちがパーマネントのせいでいじめられるようになってきたことに心を痛めた。しかし玉枝(濱田マリ)は、何事にも良い時と悪い時がある、少々辛いからといって挫けるべきではないと励ますのだった。

そんな矢先、玉枝へ電報が届けられた。戦争に行っていた勘助(尾上寛之)が帰ってくるという。久しぶりの明るい話題に玉枝らは喜んだ。すぐに糸子にも伝えられた。顔見知りだけを集めた、小じんまりとして温かい宴会を糸子の家で開くこととなった。

しかし、主賓の勘助がなかなか現れなかった。
遅れて、兄夫婦の泰蔵(須賀貴匡)と八重子がやってきて、勘助は腹を壊して出席できなくなったという。その日は、主賓抜きであったが明るい夜を過ごした。

ところがおかしなことに、何日経っても勘助は皆の前に姿を現すことがなかった。人に会えないような大怪我でもしているのではないかと心配になった糸子は、勘助の家を訪ねた。
勘助は五体満足であったものの、心神喪失状態で自室に閉じこもっていた。糸子に会うと、無表情のまま「心を失くした」と言って涙を流すのみだった。勘助の変わり果てた姿にショックを受けた糸子は、早々に勘助の元を辞した。

後で、糸子の家に八重子が説明に来た。
戦争でよほど酷い目に遭ったせいだろうということだった。八重子は、懐かしい我が家でゆっくりとさせてやることが何よりの治療法だと言った。必ず良くなると信じて待つのだという。

糸子はやりようのない怒りに震えた。勘助が元通りになると強く願い、信じると共に、彼を変えてしまった戦争を憎むのであった。

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NHK『カーネーション』第53回

童顔巨乳で有名な篠崎愛の主演映画『パンツの穴 THE MOVIE ~童貞喪失ラプソディー~』が11月19日に公開され、2週間も経たずに首都圏で上映する劇場がなくなった挙句、公開から1ヶ月も経たない12月16日に1,470円でDVDが発売されるという情報をゲットし、その潔い投げ売りっぷりに感心する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第53回目の放送を見ましたよ。

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第9週「いつも想う」

次女・直子の子守りが岸和田に見つからない。糸子(尾野真千子)と勝(駿河太郎)は、勝の実家へ彼女を預けることにした。勝の実家は馬場(現・貝塚市)の山奥にあった。小原家から距離があるため、一度預けたら大晦日まで会うことができないが、仕方なかった。

勝の実家は、亘(浜口望海)が継いでいる。糸子から見ても、兄よりも弟の方が立派な人物だと思えた。長男の勝が家を継がず、小原家の婿になった理由もわかるようだった。

勝の弟・亘は快く直子を預かってくれた。
しかし、いざ別れの時になると、糸子は名残惜しくてしょうがなかった。特に、眠っている姿はとてもかわいらしく、別れがたくなった。それは勝も同じであった。糸子らが岸和田に帰ろうと玄関を出るや、直子が目を覚まして泣き出す声が聞こえた。あやしに戻ろうとする糸子であったが、母の顔を見ると直子も別れが辛くなると止められ、会うことができなかった。ますます直子のことが気にかかる糸子だった。

岸和田に戻ってからも直子の事ばかりが気がかりで、糸子は仕事に少しも集中できなかった。それは勝も同様だった。

直子を預けて3日目、夜になって突然、勝は実家の直子に会いに行くと言い出した。当然、糸子も同行することとなった。雪が降りしきる中、暗い山道をランプの灯りだけを頼りにやっとのことで勝の実家にたどり着いた。
けれども、直子に会わせてもらえなかった。直子はやっと眠ったところで、今起きるとまた手が付けられなくなって困るというのだ。家の前には壊れた家財道具が積まれており、亘の顔はアザだらけだった。いずれも直子の仕業と思われた。直子によってこれ以上迷惑をかけられないと思ったふたりは、言われるがままに帰ることにした。

帰りの道中、勝はずっと泣き続けていた。いつも底抜けに明るい勝がこんなにも落ち込んでいる姿を初めて見た。そして、そのような勝を見ていると、糸子は逆に冷静になっていくのだった。人の親になるということは、どこか哀れなものなのだと感じいった。同時に、直子のことを考えてばかりいても仕方がないと悟った。

それからの糸子は、仕事の鬼に戻った。
大晦日までの2週間あまり、食事をモリモリと食べ、睡眠時間も削って仕事に明け暮れた。おかげで、河瀬(南条好輝)から引き取った金糸入りの生地100反を全て売りさばいた。受注していた大量の洋服も全て大晦日までに納品できた。

糸子と勝は直子を迎えに行き、無事に家族揃って正月を迎えることができた。
一家での初詣の行き帰りで、少なくとも8人が糸子の作った洋服を着ているのを見つけた。それは誇らしい眺めだった。

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フォト575大会: 応募作品の紹介と結果発表

当blogで開催した「まいにちにゃんこ2012」争奪 フォト575大会は、11月30日の締切までにのべ5件の応募がありました。

以下、それらの作品の紹介と表彰をいたします。

【最優秀賞】
海石榴さんの作品
「人知れず 離れてそっと 赤くなる」

「人知れず 離れてそっと 赤くなる」 海石榴

この作品を見て、すぐに思い浮かんだのが、片思いしている少女の様子です。大好きな男の子と目があってしまって、恥ずかしくなってキャーキャーと物陰に隠れるあの感じ。
斉藤由貴の「初戀」(作詞: 松本隆)に歌われているような、古き良き昭和のじれったい恋の初々しさが浮かびます。

蛇足ながら、平成に入って『東京ラブストーリー』以後の明け透けで積極的な女性像というのは、そりゃ「セックスしよ」なんて誘われたら断る理由はありませんし、それはそれで好きといえば好きですが、微妙な男の子心はくすぐらないわけで。

繊細でロマンチックな男の子としてはやっぱり、陰で頬を染めながらこっちを見つめる女の子をかわいく思いますし、愛おしく思うわけです。山瀬まみの「Buricco」(作詞: サエキけんぞう)では、「100年たっても 男の子の好み 変わるはずがない」と歌われています。まさにそのとおりだと思います。

恋に恥じらう乙女というのは、今も昔も変わらずにかわいらしい。時代も季節も問わない。長い時の流れの中に組み込まれています。
一方で、紅葉はこの季節にしか見ることができません。その刹那的な風景が写真の中に取り込まれています。
いつまでも変わらない少女の恥じらいを、一瞬の風景の中に閉じ込めたのが見事だと思いました。

作品を投稿して下さった海石榴さんには、「まいにちにゃんこ2012」を贈ります。

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NHK『カーネーション』第52回

先週金曜日のニッポン放送『上柳昌彦 ごごばん!』で、山瀬まみが次の木曜日(すなわち本日)にスパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)へ行くと言っていたので、本当は朝6時に家を出発して追っかけに行きたかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第52回目の放送を見ましたよ。

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第9週「いつも想う」

ぜいたく禁止令が発布されたことで、上等な生地の売買が禁じられた。金糸入りの生地を大量に抱えた問屋・河瀬(南条好輝)を助けるため、糸子(尾野真千子)が一肌脱ぐことになった。

糸子は、金糸の部分に黒いリボンを縫いつけた。その黒い線がアクセントとなるようにデザインに活かした。店で働く昌子(玄覺悠子)や妹の静子(柳生みゆ)に着させて宣伝した。さらには、同じデザインでハル(正司照枝)の前掛けまで作った。

上等な生地にしては破格の安さであることに加え、ぜいたく禁止令が解除された後には黒いリボンをはずして金のラインが浮かび上がるなどといったことも評判になり、オハラ洋装店に客が殺到した。糸子は、問屋の不良在庫を全て売りさばくつもりで、次々に注文を受けた。

しかし、繁盛しすぎるのも問題だった。
糸子が抱える4人の縫い子だけでは仕事が捌ききれなくなった。紳士服部門の勝(駿河太郎)とその職人たち2人に協力を依頼したり、母(麻生祐未)や妹たち(坂口あずさ杉岡詩織)に手伝わせたりして、なんとかやりくりした。

それでもなお、次女・直子の子守りの問題が残された。直子の異常な暴れん坊ぶりのせいで、誰も子守りを引き受けてくれないのだ。店の者も糸子も、注文をさばくのに必死で直子の面倒をみる暇はない。善作(小林薫)は長女の優子ばかりをかわいがり、直子を受け入れるつもりはまったくなかった。

他に頼るところもなく、勝の弟の所へ直子を預けることとなった。
ただし、勝の弟は岸和田から遠い馬場に住んでいるため、毎日預けて引き取るわけにはいかない。一度預けたら、大晦日まで会えなくなってしまう。そのため躊躇する糸子であったが、他に選択肢はなかった。

翌日、糸子と勝は馬場へ直子を連れて出かけた。
糸子は山道がとても長く感じた。前回来たときは結婚直後で、戦争もなかったし、子供もいなかった。当時の自分はもっと若くてきれいだったと思うと、ますます気が重くなるのだった。

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