第16週『若き者たち』
シェアハウスに集まった百音(清原果耶)の幼なじみたちは、故郷に暮らすことの是非について深刻に話し合っていた。
特に、亮(永瀬廉)が地元で漁師になったのは周囲からの期待に応えようとしているからであり、それが彼を苦しめているのではないかと議論になった。しかし、亮は本音を話そうとはしなかった。もう大人になってしまったのだから、軽々しく話すわけにはいかないというのだ。
それを聞いた三生(前田航基)は感極まった。亮をそれ以上問いただすことなく、人それぞれ生き方があって良いとまとめた。誰がどこで暮らし、互いに離れ離れになっても、笑いあえる関係が良いと主張した。
それまで表情の硬かった亮であったが、三生に応えるように笑顔を取り戻した。そして、腹が減ったと言いいだした。そうして一同も笑顔になった。
それから一同は、築地の場外市場に出かけた。美味しいものを食べ、たくさんのお土産を買い込んで戻ってきた。
みんなは通常の出入り口から戻ってきたが、亮だけは裏口にあたるコインランドリーへ向かった。それに気づいた百音はこっそりと亮の元へ向かった。
亮は、父・新次(浅野忠信)に電話をかけていたという。何度かけても無視されるので、留守番電話を吹き込んでおいたという。亮にとっても直接話をするのは気まずいので、留守番電話で助かったという。
その頃、気仙沼では新次が亮からのメッセージを聞いていた。亮は無断で船に戻らず騒ぎを起こしたことを謝った。それから、新次がいつまでもだらしないことを叱った。
新次は、酔って警察沙汰になった後、家まで付き添ってくれたにいた耕治(内野聖陽)と亜哉子(鈴木京香)に留守電の内容を話した。そして、自分の態度や行動が亮を苦しめていたのだと反省の弁を述べた。
自分が妻・美波(坂井真紀)の死亡届を提出すれば全て落ち着くのではないかと思うようになった。そうやって自分が踏ん切りを付けて立ち直ることで亮が楽になるはずである。そして、亮の苦労がなくなることは妻・美波も望むものであると考えたのだ。
東京のコインランドリーでは、みんなのところへ戻るよう百音が亮を促した。その時、ドアへ向かうため背を向けた百音の腕を亮が掴んだ。
亮は、前夜の電話で百音しか話せる相手がいないと口走ったことを謝った。百音は、幼馴染なのだから話を聞くのは当然だと答えた。
しかし、それは明らかに亮からの愛の告白だったのだ。百音はそれに気付きながらも素知らぬ顔をしていた。
亮は、百音が本当の意味を知っているはずだと詰め寄った。
百音は本心を話し始めた。亮の苦しみが消えるなら何でもするという気持ちは変わらない。しかし、不幸な境遇に同情して恋愛関係になるべきではないとはっきりと拒絶した。
我に返った亮は百音から離れた。そして、自分が言ったことを悔いた。
亮は、誰かを好きになることをやめたのだと話した。父・新次は、誰よりも愛していた妻・美波を失ったことで破滅した。自分もそうなるのが怖いと思っており、人を愛することをやめたのだと話した。
その後、百音はふたりっきりで未知(蒔田彩珠)の帰り支度に付き合った。
未知は、百音と亮の話を聞いてしまったと打ち明けた。もう誰も好きにならないと言っていた亮がかわいそうだと話した。そして、彼からの愛を拒絶した百音の言動は正論であるが冷たいと断じた。
未知は、自分が亮のそばにいると決意を述べた。