今夜19時より日テレ系列で放送の『火曜サプライズ』では、鈴木砂羽が渋谷の隠れ家的グルメを巡るらしいよとお知らせする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第87回目の放送を見ましたよ。
1948年(昭和23年)になった。糸子(尾野真千子)は35歳になった。
戦争が終わってからというもの、祝い事と不幸がめまぐるしくやって来た。
末の妹・光子(杉岡詩織)は1年前に、神戸のイトコ・勇(渡辺大知)は一月前に結婚した。空襲で焼けてしまった神戸の祖父宅は立派な家が再建された。一方で、糸子をかわいがってくれていた祖父・清三郎(宝田明)は前の冬に亡くなっていた。
糸子は、最近特に月日の流れを速く感じ、感慨にふけるのだった。けれども、ぼんやりしている暇は少しもなかった。店は空前の大繁盛で、ミシンや縫い子を増やして休みなく働いているにもかかわらず、注文待ちが少しも減らないのだ。それでも、敗戦から立ち上がり、女性たちがお洒落を楽しめるようになっていることは、糸子の喜びでもあった。
その上、娘たちのおてんばぶりにも苦労させられた。
午前中こそ、彼女らは幼稚園や小学校に行くので静かなものだが、昼過ぎに家に帰って来ると、もう手がつけられない。長女・優子(野田琴乃)と次女・直子(二宮星)は四六時中取っ組み合いの喧嘩ばかりしている。それを仲裁するのは糸子の役目だが、小学生で力もついて来たふたりを止めるのは一苦労だ。それに比べれば、幼稚園児の聡子(杉本湖凛)はおとなしいものだが、上のふたりは聡子の面倒を見ないので、結局糸子が仕事を中断して相手をしなくてはならない。
そんなある日、泉州繊維商業組合の組合長・三浦(近藤正臣)が糸子に会いたがっているという報せを受けた。
一度だけ会合に顔を出したことと、臨時職人として周防(綾野剛)を紹介してもらったこと以外は、この2年間に一度も連絡を取っていなかったので糸子は気まずい思いをした。今さら合わせる顔がないと躊躇する糸子であったが、店の経理担当で業界に顔の効く松田(六角精児)の強い勧めで渋々会いに行くことにした。
呼び出された料理店の座敷には、北村(ほっしゃん。)も同席していた。
三浦は糸子が疎遠になった理由を訪ねた。糸子を責めるではなく、ソリの合わない人間がいるのではないかと優しく訊いてくれた。三浦は、糸子が北村に強引に酒を勧められて酔い潰されてしまったことを知っているのだ。糸子はそれを否定した。商売敵がいるから遠慮しているのでもないと説明した。
糸子は、自分の周防に対する気持ちがバレていないことに安心した。そして、素知らぬ振りをして通した。
すると三浦は過去の詮索を打ち切り、本題に入った。
同席している北村のために手を貸して欲しいというのだ。
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