誕生日にはフレンチネイルを。

「誕生日にはカトレアを忘れない 優しい人だったみたい」というのは、杏里の『オリビアを聴きながら』の一節なわけで。アラフォー以上なら胸キュン間違いなしの名曲。我らが山瀬まみさまも好きな曲だと言っていた(四半世紀前のコメントだけれど)。
しかし、19歳くらいの女の子にはわからんだろうなぁ、と思う。

ところで先週、ベビーフェイスでポニーテールのよく似合う某女の子が19歳の誕生日を迎えた。
何かお祝いをしてあげようということになったのだが、カトレアを贈っても意味をわかってもらえん可能性が高い。19歳の女の子はシルバーリングをもらうと幸せになれるというジンクスをどこかで聞いたことがあるような気もするが、不惑のおっさんからそんなものを貰ってもキモいだけに違いない。

30秒ほど思案した挙句、「そうだネイルのプレゼントはどうだろう」と思い至った。近鉄奈良駅徒歩圏内に親しい友人がいて、彼女がネイルサロンを開いているので、そこでネイルケアさせてあげるのが良いと考えた。

19歳のベビーフェイス(中略)某女の子は長い間ピアノのレッスンをしていて、爪を長く伸ばすことはできなかったという。そのため、興味はあったものの、これまでネイルをしたことはなかったのだという。
そんなわけでトントン拍子に話がまとまり、本日夕、彼女を知人のネイルサロンにご案内した。

そして、出来上がったのがこれ。

らぶりー

らぶりー


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DVD『スジナシ 其ノ八』

スジナシとは、中部日本放送(CBC)が1998年から制作している番組。笑福亭鶴瓶がホストを務め、毎回1人のゲストが登場し、2人で15分程度の即興劇を行う。
本格的なセットと衣装が準備されるが、役割や台本は一切用意されない。鶴瓶とゲストが行き当たりばったりで物語を作っていく。演技を終えた後は、撮影したばかりの映像を見ながらツッコミを入れるというトークショーになっている。

ちょっと前にこの番組の存在を知ったのだけれど、僕の住んでいる地域では放送されていない。調べてみるとDVDが何枚か出ているとわかったので、レンタルで少しずつ楽しんでいる次第。

DVDは選りすぐりを集めたものなのでどれも面白いのだけれど、8巻は感動的な素晴らしさだった。僕のツボにははまった。
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NHK土曜ドラマ『55歳からのハローライフ』 第1話「キャンピングカー」

リリー・フランキーの3大傑作といえば『東京タワー』と『グラビアン魂』と『ロックン・オムレツ』(森高千里)のPVだと考える当方がNHK土曜ドラマ『55歳からのハローライフ』第1話「キャンピングカー」を見ましたよ。

* * *

大手家具メーカーの敏腕営業マン・富裕太郎(リリー・フランキー)は早期退職制度を利用し、50代でリタイアした。彼は仕事一筋だった半生を振り返り、残りの人生は自分の夢と家族のために使おうと考えたのだ。
自宅のローンは完済済みだった。娘の美貴(市川実日子)と息子の(橋爪遼)はまだ独身で実家ぐらしだが、ふたりともすでに就職している。早期退職による特別加算金も貰えるため、当面経済的な心配がない。妻・凪子(戸田恵子)も太郎の早期退職に反対しなかった。

太郎の趣味は美味いコーヒーを飲むことだった。手動のミルで豆を挽き、ネルドリップで自ら淹れて飲むことを好んだ。退職後の夢は、キャンピングカーで悠々自適に全国を回り、先々でコーヒーを楽しむことだ。妻とふたりきりで旅に出ることを望んだ。
早期退職の特別加算金がちょうどキャンピングカーの価格と同等だったので、退職を決めるとともに手付金を支払っていた。ただし、家族を驚かせるためにそのことは秘密にしていた。

退職日の夕食で、太郎はキャンピングカーのことを家族に打ち明けた。家族は確かに驚いたが、歓迎よりも冷淡な雰囲気で迎え入れられた。反対を明言する者はいなかったが、太郎は微妙な空気に戸惑った。

同伴を指名された妻・凪子もいい顔をしなかった。夫婦仲が悪いわけではなく、むしろ関係は良好であったが、突然のことに困惑したのである。
いくら経済的に困窮していないとはいえ、キャンピングカーは決して安いものではない。今後、年金を受給するまでは収入が無い。ふたりの子どもたちの結婚資金も準備しておきたいと考えている。生活が心配になるもの当然であった。また、凪子は趣味で絵画をやっている。教室に通ったり、絵画仲間と写生旅行に出かけたりすることもある。長期旅行に出てしまうと、それらの活動に支障をきたすのだ。

太郎とふたりきりになった時、凪子はあくまで控えめに、上記の懸念を表明した。しかし、太郎にとってはそれが妻のわがままに聞こえてしまうのだった。

娘・美貴も反対だった。特に経済的理由から反対した。キャンピングカーを購入するなら再就職し、その収入を購入費に充てるよう提案した。

娘の言い分にも一理あると思った太郎は発奮し、就職活動を始めた。
家具メーカーの営業マン時代の人脈に片端から連絡をとり、自分を雇ってくれるよう頼んだ。しかし、業界の景気は悪く、太郎を雇い入れる余裕のある会社はなかった。そればかりか、太郎が昔の勤め先の威光をかざし、居丈高な態度でいることで反感を持たれる結果となった。太郎は自分を採用しない人々の陰口を叩くのだった。

人脈の伝手が途切れた太郎は、人材派遣会社に登録することとした。その待合室には覇気のない中高年が大勢おり、太郎は仄暗い気分になった。その上、面接担当者は自分よりずいぶんと若い者であった。昔ながらの営業手法しかしらない太郎は、パソコンや外国語、女性社員の扱い方など、現代の企業で必要とされるスキルを全く有していなかった。若い面接担当者に憐れむような態度で接しられ、太郎は落ち込むのだった。

その頃から、太郎は精神に不調をきたし始めた。
喉に違和感を感じ、咳が止まらなくなり、大好きなコーヒーも飲めなくなった。不眠に苦しめられたり、近所の犬の鳴き声に激しく苛立つようになった。

その上、現実と区別の付かない夢を見るようになった。
夢の中で太郎は、キャンピングカーを手に入れ、凪子とともに旅をしていた。凪子が草原にイーゼルを立てて写生しているのを、太郎はコーヒーを飲みながら眺めていた。

そこへ、阿立(長谷川博己)と名乗る男が近づいてきた。彼は黒いフードを被った不審な姿をしていたが、太郎の話を真摯に聞いてくれた。太郎は会社時代の自分のこと、早期退職を決めたきっかけ、キャンピングカーや妻とのふたり旅に対する憧れなどを話した。

それから阿立が道連れとなったが、しばらくすると彼の姿が消えた。
ところが、太郎と凪子が人気のない露天風呂に入っていると、どこからともなく阿立が現れ、ふたりの入浴姿を眺めていた。妻の裸を覗かれたことに怒った太郎は、阿立を追いかけた。
すると、阿立はキャンピングカーを盗んで走り去った。

太郎はますます怒り狂った。自分の全てをつぎ込んだキャンピングカーを盗まれ、もう自分には何も残っていないと思ったからだ。自分の何よりも大切な物が盗まれたと声をあげて嘆いた。

その叫び声を聞いていた凪子は冷淡に言った。太郎はモノやスタイルを大切にするばかりで、妻である自分を顧みないと言うのだ。結局太郎は、家族や妻を自分の理想のライフスタイルの一部としか見ていなかったと批判したのだ。
夢の中で。

悪夢ばかり見て、気分が塞ぎこむばかりの太郎は、自ら心療内科を受診した。カウンセリングを担当した医師は、身なりこそ異なったが、夢に出てくる阿立と同じ顔をしていた。
太郎から話を聞いた阿立は、「誰でもが、自分だけの時間を持っている」ということを諭した。太郎が自分の夢を実現したいと思い、そのために自分の時間を使うのと同様に、凪子も自己実現のために自由に使う時間を持っていることを確認した。そして、太郎がそのことに気付き始めていると指摘した。自分と他人がそれぞれ固有の時間を持っているという事実を知ることは脅威である。太郎はそれに気づくとともに、その事実を拒否しようとしている。だから精神的に不安定になっているのだと説明した。それを受け入れることが今の太郎には必要だと言うのだ。

ある夕、太郎はコーヒーを保温瓶に準備した。それを携え、丘で写生している凪子を迎えに行った。
太郎の姿を見つけると、凪子は帰り支度を始めた。精神的に不安定な夫を心配するのはもちろん、長年の主婦生活の習慣から、家事に戻る時刻だと思ったからだ。夫を支えることが自分の義務だと考えているのだ。

そんな凪子を、太郎は押しとどめた。もう少し絵を続けて良いと言うのだ。そして、家から持ってきたコーヒーを差し出した。

太郎は、こうして時々コーヒーを持ってきたいと言うのだった。少しずつ始めていって、ずっと先にふたりで共通の夢が持てたら嬉しいと話すのだった。

* * *

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『アオイホノオ』実写ドラマ化: テレビ東京系2014年7月

近年の当方のお気に入り漫画である『アオイホノオ』(島本和彦)が実写ドラマ化されるって言うじゃありませんか!

【ドラマ24】アオイホノオ(テレビ東京)

テレビ東京公式サイトより

テレビ東京公式サイトより

『アオイホノオ』とは、1980年代初頭の美術大学を舞台とした著者の自伝的漫画。当時流行したマンガやアニメに対して主人公が興奮する様子が面白い。その時代を知っている読者なら絶対に楽しめる。
その時代をよく知らない人でも、庵野秀明(ヱヴァンゲリヲンの人)や岡田斗司夫(レコーディングダイエットで激痩せした人)など現在活躍中の人さえ知っていれば楽しめる。彼らが実名で出てくるので。彼らは著者と同世代であり、大阪で活動をし始めた時期も一緒なのだ。
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