NHK『あさが来た』第45回

AKB48の主題歌『365日の紙飛行機』を最初はなんとも思っていなかったのだけれど、さすがに50回近くも毎朝聞いていたら耳に残るようになり、気付いたら鼻歌まで口ずさむようになっていたし、昨夜はついにギターで弾いてみようと思ってスコアを買ったし、夜遅くまで弾き語りの練習をしていたら秋元康の歌詞がすごくいいことに気付いて、「よし、明日の朝は空を見上げて笑顔でいられるように祈ろう」と決意したのだけれど、見事に今朝は寝坊し、その上雨だし、「思い通りにならない日は明日がんばろう」と自分を慰めて二度寝した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第45回めの放送を見ましたよ。

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第8週『京都、最後の贈り物』

京都のあさ(波瑠)の実家に五代友厚(ディーン・フジオカ)がやって来た。
実家・今井家が日本初の銀行を作るにあたり、政府の役人である五代が協力しているからだ。

あさの弟・久太郎(興津正太郎)は五代を慕い、彼を目標としていた。五代の作った英語の辞書を入手し、英語の勉強に励んでいる。久太郎は、近いうちにアメリカへ留学することが決まっており、銀行について学んでくる予定なのだという。

しかし、あさは今井家が銀行を興す理由がわからなかった。
あさの本音では、銀行は悪しき商売としか思えないのだ。石炭は蒸気機関を動かし、人々の幸福に直結する。一方、あさはカネのせいで苦しむ人をたくさん見てきた。たとえば、貨幣改革の折に自分の銀貨の価値がなくなり、泣いたり怒ったりした人たちを何人も見た。はつ(宮﨑あおい)の嫁ぎ先の山王寺屋も借金が返せなくて夜逃げする羽目になった。
銀行の存在は、カネにまつわる揉め事を増やすことにしかならないのではないかと言うのだ。

その疑問をぶつけられた五代は、カネの一面だけ見ればそれも正しいと同意した。しかし、別の側面を見れば、カネこそが困った人を助ける力になるのだと説明した。
これから時代が代わり、新しい事業があちこちで立ち上がる。何かを始める時には必ずカネが必要であるが、個人ではそれを工面することができない。そこで、銀行が多くのカネを集めておいて貸し出すことが重要だと説いた。
ただし、むやみにカネを貸せば良いというものではない。銀行は、事業を始めようとする人の話をよく聞き、もし問題点があれば指摘して改善を促す。そうすることで事業が成功しやすくなる。事業が成功すれば、借り手は幸せになる。その手助けをするのが銀行だと力説した。志のある人を救うのが銀行であり、志のある人が増えれば、人々も町も元気になる。最終的に人々を元気づけるのが銀行の使命であり、五代の志だと説明した。
あさはその話に感服した。

その時、ちょうど新次郎(玉木宏)と舅・正吉(近藤正臣)もあさの実家に到着した。失くなった祖父・忠政(林与一)の弔問のために訪れたのだ。
あさと五代の話は部屋の外まで聞こえていた。新次郎は五代の話に嫌悪感を抱いた。新次郎は、幼なじみの家が借金のせいで潰れてしまったのを目の当たりにしてから、カネが心底嫌いになっていたからだ。

五代の帰り際、新次郎は密かに彼を呼び止めた。
そして、五代があさに預けていた拳銃を返した。その時、拳銃のおかげで助かったとおざなりの礼を述べた。さらに皮肉を交えて、外国帰りの人は女に親切だと付け加えた。
新次郎の喧嘩腰に、五代も皮肉で答えた。彼は、自分は誰にでも優しいわけではないと言い、あさに対して特別な好意を寄せていることをほのめかした。
五代は、新次郎に睨みつけられながら帰って行った。

翌日、あさとはつは大阪に帰ることになった。新次郎らと同行すると都合がいいからだ。

はつが帰る直前、母・梨江(寺島しのぶ)は小さな包を手渡した。それは梨江のへそくりで、家を買うくらいのカネにはなるという。百姓から借りている家を出て、生活を立て直せというのだ。特に梨江は、山王寺屋が潰れる前、はつと惣兵衛(柄本佑)が金の無心に来た時のことを気にしていた。その時に援助を断ったのだ。

しかし、はつは遠慮した。家を守りきれなかったのは自分のせいであり、梨江が気にすることではないというのだ。
それに、はつは嫁入り前に梨江から手作りのお守り袋を貰っている。それがあれば十分なのだという。お守り袋と一緒に、梨江からは「あんたは幸せになれる」と言われたことをいつも思い出しているという。
確かに、はつは不安で押し潰れそうになることもあると打ち明けた。いつ借金取りに見つかるかと怯えているし、働いても働いても金はたまらない。息子・藍之助の将来も不安である。しかし、不安になる度に母から貰ったお守り袋と言葉を思い出している。それがあればどんな苦労も乗りきれるというのだ。
はつの健気な言葉に梨江は涙した。健気なはつに対して、それ以上金を押し付けようとはしなかった。

こうして、あさとはつは大阪の家へそれぞれ帰って行った。

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NHK『あさが来た』第44回

本ドラマを一度も見たことがないという女子となぜか五代友厚の話になり、彼の像が大阪証券取引所にあるという話を教えてもらった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第44回めの放送を見ましたよ。

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第8週『京都、最後の贈り物』

新次郎(玉木宏)は、女中・ふゆ(清原果耶)が泣いているのを見つけた。
ふゆは実家から送られてきた手紙を読んでおり、それには家族の誰かが死んだと書いてあるらしい。ただし、雨で濡れてしまったため、誰が死んだのか肝心なところがわからない。ふゆは不安で悲しくなり、泣いていたのだ。

新次郎は手紙をよく読んでみた。すると、ふゆの勘違いであることがすぐに分かった。どうやら「妹がにしにゆく」(妹が西の方へ奉公へ行くことになった)と書いてあるはずのところを、ふゆは「しに」(死に)だけ読んでしまったようなのだ。

新次郎はふゆの肩を抱きしめ、慰めつつ安心させた。ふゆは新次郎の優しさにうっとりとしてしまった。
そのやり取りを うめ(友近)が見つけた。うめはふゆが新次郎に対して恋心を抱いているのではないかと疑った。新次郎が立ち去った後、うめはふゆに対して良からぬ気持ちを抱かぬよう厳しく注意するのだった。
その様子は、新次郎の母・よの(風吹ジュン)にも見られていた。新次郎に妾を持たせたいと思っているよのはほくそ笑むのだった。

祖父・忠政(林与一)危篤のため、あさ(波瑠)は京都の実家に戻っていた。
忠政に残された時間は少なかった。あさはもっとたくさん祖父と話がしたいと思ったが、それも叶わない。

忠政はあさにふたつの言葉を贈った。
ひとつは、今まではあさが「なんでどす?」と人に尋ねる立場だったが、これからは人から物を尋ねられたら説明してやれるようにせよということだった。
もう一つは、笑顔でいろということだった。忠政はあさの笑顔が大好きだったと言い、あさの頬をつまんで引っ張るのだった。
しかし、あさは悲しくて泣くのを止めることができない。
そうしているうちに、忠政は静かに息を引き取った。

忠政の葬儀が終わり、家が落ち着いた頃、父・忠興(升毅)はあさとはつ(宮﨑あおい)を呼び、家の今後のことを話した。
今井家は年内に京都を完全に引き払い、東京へ移るという。これまでは忠興も、失くなった忠政も京都に愛着があって離れがたかったが、そろそろ潮時だという。

東京へ移ったら、25歳になった跡取り息子・久太郎(興津正太郎)と共に銀行を経営するのだという。政府からの要請で、他の商家とともに国立銀行を設置することになったというのだ。
従来の両替商は主に金や銀を両替するものであったが、これからの銀行というものは大量の金を集めて、それを貸し付けて儲けることを主要な業務とする。そもそも大量の金を集める必要があり、それには多くの商人の協力や政府の支援が必要なのだと言う。

そこへ、五代友厚(ディーン・フジオカ)が姿を現した。今後のことの相談のために呼んであったのだ。

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NHK『あさが来た』第43回

来週カラオケに行くことが決まったので、今から自主練を始めようかと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第43回めの放送を見ましたよ。

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第8週『京都、最後の贈り物』

あさ(波瑠)が九州の炭鉱に来て1ヶ月が経った。鉱夫たちはあさを受け入れ、まじめに働くようになった。鉱山は加野炭鉱と称され、事業も軌道に乗り始めた。
あさも顔を炭だらけにしながら一緒に働いた。ここで採れる石炭が加野屋の利益になると思えば、どんな小さな欠片でも大切に扱った。また、鉱夫たちに対しては我が子のように接したし、彼らからも慕われるようになっていた。

炭鉱が一段落したので、あさは大阪に戻ることを決めた。
ところが、帰阪しようとした矢先、京都の実家からあさへ手紙が届いた。そこには祖父・忠政(林与一)が危篤に陥ったと記されていた。
あさは、急遽実家へ戻ることにした。

忠政はすでに弱り切っており、医者からももう長くはないと言われていた。床から動くこともできず、眠ってばかりいた。
それでも、あさとはつ(宮﨑あおい)がやって来ると、体を起こして元気そうに話をした。忠政は、数年ぶりの孫との再会を何より喜んだのだ。

炭鉱からまっすぐやって来たあさは旅装束だったし、家が潰れたはつは百姓ぐらしである。ふたりともまともな着物を持っていなかった。そこで、母・梨江(寺島しのぶ)がふたりに自分の着物を貸してやった。

特に梨江ははつのことを心配していた。あさは大阪に戻ればまともな着物を持っているが、はつには全く無いからだ。梨江ははつのために着物を仕立ててやりたいと話した。
しかし、はつはそれを断った。自分は身の丈にあった生活をしたいというのだ。しかも、貧しくはあるが、今の生活が楽しいという。姑・菊(萬田久子)も最近は丸くなり始めたし、夫・惣兵衛(柄本佑)も畑仕事に精を出して明るく健康的なのだという。それだけで自分は幸せだとしみじみ話すのだった。

その頃、新次郎(玉木宏)は寂しい思いをしていた。そろそろ朝が帰ってくると思っていたのに、京都へ立ち寄ってしまったからだ。それでも新次郎は、あさが祖父・忠政と特に仲の良いことは知っていたし、自分の女々しさを家人に知られたくもなかった。そのため、みなの前では強がっていた。

そんな新次郎は、陰で一人で泣いている女中・ふゆ(清原果耶)の姿に気付いた。

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NHK『あさが来た』第42回

漫画家の中崎タツヤが今年8月の還暦を期に断筆し、26年続いた『じみへん』の連載も終了していたということを今頃知り、諸行無常だなぁと感じ入ってしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第42回めの放送を見ましたよ。

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第7週『だんな様の秘密』

あさ(波瑠)は鉱夫たちに相撲勝負を挑んだ。自分がか弱い女ではなく、男と対等だと証明するというのだ。自分が勝てば、加野屋のために働けと迫った。

いきり立った鉱夫たちは我こそはと取組み相手として名乗りでた。しかし、あさは彼らを尻目に、鉱夫の親分・治郎作(山崎銀之丞)に勝負しろと迫った。
けれども、治郎作は断った。山の男が女と勝負することはプライドが許さないというのだ。他の鉱夫たちにも勝負をさせなかった。

代わりに、治郎作は炭鉱支配人の宮部(梶原善)を自分たちの代表に指名した。彼は自分たちのまとめ役ではあるが、鉱夫ではないので男のプライドとも関係ないからだ。
宮部は渋々ながらも請け負った。

あさと宮部の取り組みは一進一退だった。
あさを敵視していた鉱夫たちも、あさの健闘を見るうちに情が移ってきた。ついには、親分・治郎作までもがあさを応援した。
そしてついに、あさは宮部を投げ飛ばし、勝利した。

鉱夫たちはすっかりあさに魅了された。
これまでの10日あまりのサボタージュを心から謝罪し、今後は加野屋のために一生懸命働くと約束した。あさから拳銃で脅された時は渋々応じただけだったが、今は心の底からあさを信頼しているというのだ。鉱夫たちは早速炭鉱へ向かった。
あさは結果に満足した。

あさの様子を見に来ていた新次郎(玉木宏)だが、炭鉱事業が無事に動き出したことを見届けたので、大阪に帰ることにした。あさも一緒に帰るよう促したが、あさはもうしばらく残って炭鉱のことを勉強したいという。

あさは、新次郎の見守りのおかげで商売に精が出ると感謝した。ところが、新次郎は商売に対してあまりいい顔をしなかった。

新次郎は、金があまり好きではないと打ち明けた。それには、幼なじみとの苦い思い出があるからだという。
新次郎が10歳くらいの頃、加野屋には真面目で優秀な番頭がいた。彼は正吉(近藤正臣)からの信頼も篤く、早くに独立して加野屋の近所で両替商を始めた。しかし、なかなか軌道に乗らず、魔が差した彼は博打に手を出して大失敗したという。通常なら加野屋から援助するところであるが、博打で失敗したとなると外聞もあるので見捨ててしまった。そのまま、元番頭は失踪し、新次郎の幼なじみと母親だけが残された。母子は借金取りに追われ、近所からも白い目で見られ、いつしか姿を消した。

それからというもの、新次郎は金が恐ろしくなったという。どんなにいい人でも、金がなくなった途端に人が変わってしまうからだ。金を集めることが何よりも優先されることも気に入らない。自分の家が金の亡者のような両替商をしていることも皮肉だと言うのだ。

ただし、新次郎はあさが金儲けをしようとしていることは批判しなかった。
あさが奮闘してくれているおかげで加野屋は潰れず、自分も生きていられる。だから、あさを励ましに来たのだと告げた。

新次郎は予定通り帰って行った。

そして、あさの炭鉱事業が本格的に始まった。

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初めての失神の話をしようか。

2-3週間前から、左腕全体が痺れるようになった。
ギター奏者は腱鞘炎と無縁ではないという話をよく聞くので、「オレもついに腱鞘炎デビュー!?やっとギタリストの第一歩を踏み出したな」などと悦に入っていた。

しかし、ギタリストの腱鞘炎は指だけだったり、手首あたりに出ることが多いらしい。
それに比べて、僕は腕全体なのでちょっと違う。そもそも、ギターを弾いていて違和感を感じることはない。むしろ、何もしてない寝起きなんかにピリピリ痺れたりする。

「これは、神経のどっかがおかしいのかもしれない」とちょっと不安になった。
そんなわけで、整形外科へ行ってみた。
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NHK『あさが来た』第41回

高見沢俊彦作詞・作曲『真赤なウソ』(歌・明石家さんま)には「どんなに男が偉くても女の乳房にゃかなわない」という歌詞があるのだけれど、女のほっぺたもかなりグッと来るよなと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第41回めの放送を見ましたよ。

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第7週『だんな様の秘密』

九州の炭鉱に、前触れもなく新次郎(玉木宏)がやって来た。
鉱夫たちは緊張した。拳銃を持ち歩くあさ(波瑠)のような気性の荒い妻を従える夫なので、どれほど強い男なのかと恐ろしくなったのだ。
しかし、あさと話をする新次郎を見ると、どうにも頼りない優男である。鉱夫たちはわけがわからなくなった。

あさは新次郎に炭鉱の様子を説明した。
鉱夫たちは10日以上も仕事をサボっているが、明日から仕事を再開することになったと話した。鉱夫たちが態度を改めた理由は、あさが拳銃で脅したからであると説明した。

それを聞いた新次郎は、あまりいい顔をしなかった。
武器で相手を従わせようとすると、相手はそれに負けない武器を持つようになる。するとこちらは、さらに強い武器を手に入れて対抗しなくてはならない。つまり、力づくで押さえつけようとしても、争いがエスカレートするだけだというのだ。特に男はそうである。

続けて新次郎は、女には女の良さがあると話した。
特に、女としてのあさの武器は「やわらかいほっぺた」だと言う。新次郎は、あさのやわらかいほっぺたに触れ、いつもそれには敵わないと降参した。
鉱夫たちを働かせるにしても、拳銃に頼らず、あさなりのやり方があると諭すのだった。

翌日、約束通り鉱夫たちは仕事を始めた。
彼らの前であさが挨拶することになった。炭鉱支配人・宮部(梶原善)は新次郎にも一言話すように水を向けたが、弱虫の新次郎はコソコソと逃げてしまった。

あさは、拳銃で脅したことを謝罪した。二度と拳銃を使わないことを誓った。
加えて、鉱夫たちの噂通り、加野屋の経営状況も苦しいことを打ち明けた。しかし、炭鉱が将来の日本を背負って立つ重要な産業であることに間違いはなく、加野屋の景気が良くなることは間違いないと力説した。蒸気機関の利用により、大量の人や物資を運ぶことができるようになるが、その原動力となるのは石炭であり、炭鉱だからだ。

炭鉱が将来の日本を支えていくことになるが、炭鉱の中で一番偉いのは所有者である自分ではないと話した。実際に山に入って、石炭を採る鉱夫たちこそが一番偉いのだと強調した。鉱夫ひとりひとりが誇りを持って働き、九州から日本を支えて欲しいと応援した。
この話に鉱夫たちも感じ入った。

あさは鉱夫たちに勝負を持ちかけた。
自分と相撲をとれというのだ。あさが勝てば、鉱夫たちは今まで休業した分を取り戻すだけ働けという条件をつけた。

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NHK『あさが来た』第40回

今週、とにかく気分が晴れなくてどんよりしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第40回めの放送を見ましたよ。

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第7週『だんな様の秘密』

鉱夫たちは仕事を再開しようとしない。
あさ(波瑠)が説得するも鉱夫たちは言うことを聞かないどころか、あさを囲んで揉み合いになった。そのはずみで、あさの拳銃が暴発した。
あさは拳銃を手にし、不退転の決意を宣言した。自分はこの炭鉱を成功させるために来たのであり、鉱夫たちが働くと約束するまで絶対に大阪に帰らないと言うのだ。

話し合いは物別れのまま中断した。
あさが宿舎で休んでいると、炭鉱の女たちが嘆願に来た。早くも、あさが鉱夫たちを拳銃で脅し、働かない鉱夫を殺すという噂が広まったのだ。話が大げさになっていることに、あさは呆れた。

大阪・寺町の賭場へ夫を探しに来たはつ(宮﨑あおい)は、博徒から逃げまわる惣兵衛(柄本佑)を見つけた。
驚いて呆然とする惣兵衛であったが、はつは彼の腕を引っ張り、共に逃げた。

安全な所まで来ると、惣兵衛はポツポツと話を始めた。
まず惣兵衛は、はつの身なりを見て、彼女が未だに百姓として暮らしていることに驚いた。惣兵衛は自分が行方をくらませば、はつも自由になって逃げ出してくれると思っていたのだ。そのあてが外れてしまったのだ。惣兵衛は、はつに苦労をかけたのは自分の責任だと感じていた。両替商・山王寺屋を潰し、百姓となってしまったのは全て自分の甲斐性のなさだと言うのだ。
続けて、はつが新次郎(玉木宏)と結婚していればどんなに良かっただろうかと想像するのだった。はつの器量と気立ての良さから嫁となり、得意な琴を毎日演奏し、姑からいびられることも無かっただろうと言うのだ。

一方で、惣兵衛は百姓仕事が楽しかったと振り返った。土の匂いと照りつける太陽は気持ちよかったこと、自分で作った新鮮な野菜の美味さなどを思い出した。誰かに対して見栄を張ったり、気取ったりする必要もなく気楽な生活だったと言うのだ。

それを聞いたはつは、自分も同じことを考えており、決して不幸になったわけではないと言って笑った。
そうして、惣兵衛を家に連れて帰った。

惣兵衛は、自分の息子・藍之助と初めて会った。両親との再会も果たした。
母・菊(萬田久子)は「いまさら何をしに帰って来たのか」などと厳しく咎め立てたが、言葉とは裏腹に泣きながら惣兵衛に抱きつくのだった。

そのころ、九州の炭鉱では、炭鉱支配人・宮部(梶原善)が鉱夫たちの意向をあさに伝えた。翌日から鉱夫たちは山に入ると言っているという。あさはにわかに喜んだ。

そこへ、前触れもなく炭鉱へ籠がやって来た。
乗っていたのは新次郎だった。

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NHK『あさが来た』第39回

今日の昼、会社の元フクロウの手下ちゃんからとある相談ごとを受けたわけだけれど、数分後に彼女がもう一度僕の所にやって来て「さっきの件ですけど、絶対に内容をtwitterに書いちゃダメですよ」と釘を刺され、自分の信用のなさにガックリきた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第39回めの放送を見ましたよ。

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第7週『だんな様の秘密』

鉱夫たちがサボタージュしていることに業を煮やしたあさ(波瑠)は、少しでも自分で石炭を掘るべく、提灯を持って一人で炭鉱に入っていった。

その姿を見つけた炭鉱の親分・治郎作(山崎銀之丞)は即座にあさを外に連れ出し、いきなり頬を張り手した。
治郎作は、素人が一人で炭鉱に入るなど自殺行為だと叱った。石炭は可燃性であり火の気があると危険である。そればかりか、不用意な身のこなしによって坑道が崩れて生き埋めになったり、鉄砲水が出て溺れたりする可能性もある。そんな知識もなく勝手に入ったことを激しく叱責したのだ。

あさは自分が世間知らずであることを反省した。それからしばらく、じっと鉱夫たちの生活を観察した。
まずわかったことは、鉱夫たちは必ず2人一組で行動するということだった。他人同士だけではなく、親子や兄弟といった肉親同士も少なくはなかった。

中でもあさが一番驚いたことは、夫婦が一緒に暮らし、働くこともまれではないことだった。あさが思っていたよりも多くの女たちが働いていた。
炭鉱の女たちは、掘り出した石炭を外に運びだしたり、選り分けたり、ある程度重要な作業を担っていた。それだけではなく、炊事や洗濯といった鉱夫たちの身の回りの世話を行い、子供の面倒も見ていた。

男たちと同じかそれ以上の働きぶりだったが、どの女たちもいつも笑顔を絶やさずにいた。
あさはそんな彼女らの様子を見て、自身の世間知らずぶりを反省するとともに、勇気づけられるのだった。

その頃、大阪では、はつ(宮﨑あおい)の所へ五代友厚(ディーン・フジオカ)が訪ねてきた。ふたりは初対面だったが、五代はあさからはつのことを聞いていたという。
五代の来訪の理由は、惣兵衛(柄本佑)の噂を伝えるためだった。五代が調べたところ、惣兵衛らしき男が寺町の賭場で頻繁に目撃されているという。そこで、はつの許可さえ得られれば、本格的に捜索するつもりだと申し出た。

しかし、はつは五代の申し出を断った。あくまで身内の問題であるし、面識の無い相手に親切にしてもらうわけにもいかないと言うのだ。五代ははつの意向を汲み、それ以上は何も言わなかった。

はつは早速、一人で賭場街へ向かった。粗暴な男たちが徘徊しており、はつは恐ろしくなった。
それでも、その日は惣兵衛の姿を見つけることはできなかった。

あさが炭鉱に来てから10日が過ぎた。その間、鉱夫たちは一貫して仕事をしなかった。
あさは心細くなって、新次郎(玉木宏)に会いたくなった。粗野な鉱夫たちも男らしいといえば男らしいが、あさから見れば新次郎も立派な男だと思えた。ただし、男らしさの種類が違うと考えた。新次郎は女のことを見下したりせず、口出しをせずになんでも任せてくれる。
あさは新次郎のことを思い、自分を奮い立たせた。

その夜、あさは再度鉱夫たちに話をした。彼らの雇用と待遇改善することを約束し、休業することは加野屋も鉱夫も共倒れになることだと説明し、採掘を再開するよう説得した。
しかし、鉱夫たちの態度は頑ななままだった。加野屋が潰れかかっているという噂を聞いたと言い、女のあさでは話にならないから主人を連れて来いと言うばかりだった。自分たちは女なんかと話をする気はないと言い張った。

あさは女が馬鹿にされたことに激怒した。鉱夫たちだって女から生まれてきたのだと指摘し、女も社会の一員であり、これからの時代は男と女が協力しあって作らなければならないと主張した。

あさの言葉を挑発だと受け取った鉱夫たちは、あさに襲いかかり組み伏せた。
その拍子に、あさの懐から拳銃がこぼれ落ちた。そして、地面に落下した衝撃で暴発した。

鉱夫たちは驚いて腰を抜かした。
あさは拳銃を拾い上げて握った。

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NHK『あさが来た』第38回

日照時間が短くなってるのに加え、雨や曇りが続くと気分も晴れなくて困るね、とつぶやいている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第38回めの放送を見ましたよ。

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第7週『だんな様の秘密』

農家の納屋で暮らすはつ(宮﨑あおい)の所へ、あさ(波瑠)の義母・よの(風吹ジュン)が訪ねてきた。

よのは、本来ならはつが自分の嫁になるはずだったと打ち明け、現在のはつの暮らしが不憫でならないと話した。はつと息子の藍之助を家に引き取っても良いというのだ。
特に、よのは子供が大好きだった。あさに子供ができないこともあり、藍之助を手に入れたいと思っていたのだ。
しかし、はつにはその気が全く無かった。よのの申し出を丁重に断るのだった。よのは諦めて帰るしかなかった。

九州のあさは、親方・治郎作(山崎銀之丞)に促されて、鉱夫たちを前で改めて挨拶をした。これからの日本で石炭の需要が爆発的に増えるという予測を説明し、みんなが豊かになる将来展望を語った。

けれども鉱夫たちは一切聞く耳を持たなかった。
あさの大阪弁と共に、あさが女であることをバカにして笑い者にした。さらに、加野屋のことを単なる金貸しだと断じ、加野屋の主人は女に仕事を任せるほどの腰抜けの能無しだと愚弄した。鉱夫たちは全く働こうとしなかった。

それでも諦めないあさは、翌朝、一人で坑道に入って行った。
その姿を見つけた親分・治郎作が慌てて後を追い、あさの腕を引っ張って外へ釣れ出した。そして、あさの顔に張り手した。

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NHK『あさが来た』第37回

とある原稿の著者校正が依頼されたのだけれど、ちょうど1行だけ余裕があったので、10日前に入ってきたばかりニュースを追記することにした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第37回めの放送を見ましたよ。

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第7週『だんな様の秘密』

あさ(波瑠)は加野屋が購入した九州の炭鉱へ向かった。

あさのいなくなった加野屋はどこか賑やかさが失われていた。大阪商人たちのたまり場となっている五代(ディーン・フジオカ)の寄り合い所も同様だった。

その頃、大阪では寺町に怪しい男がいると噂になっていた。それは、どうやら2年前に失踪した惣兵衛(柄本佑)らしかった。
ただし、農村に暮らすはつ(宮﨑あおい)はまだその噂を知らなかった。

あさは炭鉱に到着した。
しかし、鉱夫たちは飯場で酒を飲んで仕事をサボっていた。道案内をして来た炭鉱支配人・宮部(梶原善)もどこかやる気が無い。

あさは困惑し、挫けそうになった。
けれども、正吉(近藤正臣)から手渡された、加野屋の名入りの手ぬぐいや袱紗(この袱紗で五代の拳銃を包んでいる)を眺めると勇気が湧いてきた。自分は加野屋の正当な代表なのだと自らを奮い立たせ、鉱夫たちと対峙した。

鉱夫たちはいずれも九州男児を自認しており、山で命がけで働いている。そのため、とても気性が荒かった。自分たちに相談もなく鉱山の所有者が代わったことでへそを曲げていたのだ。
その上、新しい所有者の代表があさだと知るやいなや、ますます意固地になった。女に指図されることなど許しがたいことなのだ。

あさは、鉱夫たちの待遇が変わらないどころか、今まで以上に優遇することを約束した。その上で、鉱夫たちが一生懸命働くほど、鉱夫自身の賃金に反映されるのだと説得した。そして、鉱夫たちが産出する石炭でこれからの世の中は大きく変わっていくのだと力説した。

それでも鉱夫たちは全く納得しなかった。
加野屋は自分たちが儲けることしか考えていない、その上、女に牛耳られている商家など腰抜けで将来もわかったものではないなどと揶揄した。

それでも逃げ帰らないあさに向かって、鉱夫の親分・治郎作(山崎銀之丞)が話しはじめた。
坑道に入って命がけで仕事をするのは自分たち鉱夫である。その鉱夫を従えたいのならば、あさの実力を見せてみろというのだ。

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