NHK『あさが来た』第36回

やんごとなき事情により、まとめ記事の投稿が夕方になってしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第36回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

筑前の炭鉱の所有者・櫛田そえ(木村佳乃)が加野屋を訪ねてきた。

彼女は、亡き夫から炭鉱を相続したが、跡取りの子供はおらず、自分で経営することも無理だと考えていた。そのため、炭鉱を買い手を探していたのだ。ただし、その炭鉱は生前の夫が手塩にかけて開発したものだ。その遺志を継いでくれる相手でなければ売りたくないと思っていた。

あさ(波瑠)は櫛田そえに鉱山購入の意思を伝える手紙を書いていた。しかし、その文面だけでは、あさの決意がわからなかった。それで櫛田そえは直接彼女に会ってみたいと思ったのだ。

あさは、加野屋の苦しい財務状況から、即金で購入することができないことを説明し、分割で購入したい旨を改めて伝えた。さらに義父・正吉(近藤正臣)は、加野屋が所有する米蔵の土地家屋を売却し、少しでも頭金を増やすつもりだと付け加えた。

米蔵を売るという話は、あさにとっても寝耳に水だった。土地を手放すことは加野屋の財産と経営においてかなり危険な行為である。あさは、櫛田そえの目の前であるにもかかわらず、正吉を思い留まらせようとした。しかし、正吉はあさの挑戦に全てを賭けると言って聞かなかった。

その一連のやり取りを聞いていた櫛田そえは、満面の笑顔を浮かべ、加野屋に鉱山を売ることを決めたと伝えた。夫の鉱山にそこまでしてくれる買い手は他にいないからだ。
こうして、あさの希望通り鉱山が手に入った。

櫛田そえは、あさに自分の恵まれた境遇に感謝するよう伝えた。
女を信頼して大きな商売を任せてくれる例など、これまでほとんど聞いたことがない。あさがどれだけ信頼され、恵まれているか決して忘れるべきではないというのだ。
そして同時に、これからは時代が変わっていくだろうと将来の展望を話した。近頃、やっと女子の海外留学が認められるようになった。これが追い風となって、家の外で活躍する女も増えていくだろうと言って、あさを応援するのだった。

炭鉱の所有権は加野屋に移ったが、実際の経営となるといくつもの問題があった。
さしあたって、鉱山の視察、および炭鉱夫たちへの経営主体の変更告知をしなければならない。そのためには、現地へ1ヶ月ほどの出張が必要である。
それは当然あさの仕事であったが、嫁の役目を放棄することになり、まだ夫・新次郎(玉木宏)の許可が得られていなかった。

あさが新次郎と話をすると、意外にも新次郎はあさの九州行きを認めてくれた。
新次郎は、子供の生まれたはつ(宮﨑あおい)の所に足繁く通って面倒を見ている。その折に、はつからあさを泣かさないようにと念を押されたのだという。さらに、櫛田そえから、あさは立派な妻で将来的な見込みがあると聞かされたことも後押しになった。

新次郎は長い間あさと離れることを寂しがったが、無理をせず無事に帰ってくるという約束のもと、彼女を気持よく送り出した。

あさが九州へ旅立つ日、五代友厚(ディーン・フジオカ)もやって来た。彼は餞別として、あさに拳銃を差し出した。それは、幼いあさ(鈴木梨央)が五代と初めて会った日に、あさが過って持ち去ってしまった思い出の拳銃なのだという。
あさは恐ろしくて辞退したが、五代は無理に持たせた。炭鉱夫たちはそれだけ危険な男たちなのだから護身用として持って行けと言われ、あさは渋々それを受け取った。こうして、五代からも応援されて、あさは九州へ旅だった。

あさは、番頭の亀助(三宅弘城)ただ一人を伴って筑前に入った。そこでは、炭鉱の支配人である宮部(梶原善)が案内役として待っていた。
鉱山への道は、男の足でも険しいものだった。あさは、少しの金でも節約して返済に回したいと言って、籠も使わず徒歩で向かった。今日中に着かないようであれば、野宿するのも厭わないと言うのだ。
あさの豪胆さに、亀助も宮部も震え上がるのだった。

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NHK『あさが来た』第35回

安彦良和の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』Kindle版の1-3巻がそれぞれ30円で売られているのを見つけ、「300円の間違いではないか?」と目を30回くらいこすって確認した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第35回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

あさ(波瑠)は新次郎(玉木宏)に対して、妾を囲うよう願い出た。
自分たちの結婚は、家を繁栄させるためのものである。それにもかかわらず、あさには子供ができなかった。それならば、妾との間に子供を作ってくれというのだ。あさは自らそう言うことは屈辱であったが、家のことを考えれば仕方なかった。

新次郎はあさが本気かどうか確認した。それでもあさは取り消そうとしない。そのことに腹を立てた新次郎は、その提案を受け入れることにし、寝室を出て行ってしまった。

その騒ぎを聞きつけた義母・よの(風吹ジュン)は、さっそく三味線師匠の美和(野々すみ花)を妾に迎える準備を始めた。はじめは渋っていた義父・正吉(近藤正臣)も、彼女の美しさを一目見ると、すっかりその気になってしまった。
近所に美和を住まわせる家の手配も整えられた。

あさは勢いで妾を取るよう提案したことをすぐに後悔した。しかし、すでに引っ込みがつかなくなっていた。
家を盛りたてることが自分の使命であり、今は炭鉱事業で加野屋を立て直すこと、および新次郎に子作りをしてもらうことが何より重要だと自分に言い聞かせた。それでも、悲しくて、あさは陰で泣いてばかりいた。

あさは姉・はつ(宮﨑あおい)に相談した。
はつは、あさの決意を後押しした。自分で決めたことなのだから、後悔せずに邁進するのが良いというのだ。

さらにはつは、炭鉱に行けば男前でたくましい鉱夫がたくさんいるだろうと話した。その中からいい男を見つければ、寂しさも紛れると冗談を言った。あさも負けず、惣兵衛(柄本佑)が行方不明のままなのだから、はつも新しい夫を探すべきだと言い返した。
姉妹は、今度は全く違うタイプの夫を見つけようと冗談を言い合って笑った。その場では気が楽になったが、あさには未だわだかまりがあった。

続いてあさは、うめ(友近)を伴って、五代(ディーン・フジオカ)を訪ねた。彼は東京から大阪に戻り、再び大阪の商業発展のために働いている。そこで、炭鉱経営について助言をしてもらおうと思ったのだ。

五代を待つ間、あさはうめと新次郎の妾問題について話をしていた。悪いことに、それを五代に聞かれてしまった。

五代は、炭鉱の話はそっちのけで、新次郎の悪口を言い始めた。
新次郎は、家の商売が大変なときも芸事にうつつを抜かし、頼りない男である。加野屋を支えているのは新次郎ではなく、あさ本人である。ゆえに、新次郎はあさが惚れる価値の無い男だと切り捨てた。

五代の言葉を聞き、あさは勇気づけられるどころか、夫をバカにされたことに腹を立てた。
芸事に精を出すのは大阪商人の粋だということを五代はわかっていないと言い返した。自分は、フラフラとしていてか弱い新次郎のことが大好きなのだと言い捨て、怒って帰ってしまった。

家に帰ると、義母・よのが留守だった。うっかり者の使用人・弥七(竹下健人)は、妾の美和が近所に引っ越してくるので手伝いに言っていると漏らしてしまった。
それを聞いたあさは、悲しくなって家を飛び出した。

あてもなく町を歩いていると、雨が降ってきた。
あさは新次郎が雨男であることを思い出した。彼にとって嬉しいことのある日は必ず雨が降る。新次郎は、美和を妾とすることを喜んでいるのだと解釈できた。あさは雨に濡れながら涙を流した。

あさが家を飛び出したと知った新次郎は、すぐにあさを探しに出た。
はたして、神社で雨宿りしているあさを見つけた。

あさは、本当は妾を囲ってほしくないと本心を打ち明けた。
新次郎も、妾をとることは取りやめると話した。あさの代わりになる女などいないと言って、あさを安心させた。あさほど心が女らしい女は他にはいないと告げ、新次郎はあさの肩を優しく抱き寄せるのだった。
新次郎の言葉を証明するかのように、雨はなかなかやまなかった。

ふたりが家に帰ると、予期せぬ客が来ていた。
それは、炭鉱所有者の櫛田そえ(木村佳乃)だった。

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NHK『あさが来た』第34回

東海林さだおや中島らもリリー・フランキーあたりのエッセイをつまみ読みしてアホみたいに笑いたいと思う程度に心がささくれだっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第34回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

あさ(波瑠)に会いに来たはつ(宮﨑あおい)が急に産気づいた。
加野屋は大騒ぎになり、女中たちが総掛かりでお産を手伝った。その結果、はつは無事に男の子を産んだ。

はつは夜逃げしたことを恥じており、そんな自分が会いに来てはあさに迷惑をかけると思い、素性を隠していたはずだった。しかし、お産の騒ぎですっかり正体がばれてしまった。
けれども、加野屋の者は誰もはつを咎め立てたりはしなかった。それどころか、めでたい場面に居合わせることができたと言って大喜びするのだった。

そんな中、あさの義母・よの(風吹ジュン)だけは少々面白くなかった。あさには子供が生まれないのに、姉のはつには子供ができたからだ。本来ならあさではなく、はつが嫁に来るはずだった。そうなっていれば、赤ん坊は自分たちの孫になっていたはずだと言うのだ。

その愚痴をあさが偶然聞いてしまった。
あさは家族の前では何でもない風を装っていたが、内心は傷ついた。

その頃、明治政府は廃藩置県を行った。それに伴い、両替商が旧幕府の藩に貸していた金は政府が肩代わりしてくれることになった。ただし、返還対象となるのは特定の条件を満たす一部のものだけであり、しかも利息なしで50年の分割払いと決められた。
両替商にとっては大損ではあったが、何もないよりはましである。加野屋では条件を満たす債権の洗い出しに大忙しとなった。あさも男たちに混じって帳簿調べに奮闘した。

そんなある日、商人の山屋(南条好輝)が石炭の見本を持ってやって来た。黒光りする石炭の美しさや、実際に燃える様子を目の当たりにし、あさはますます石炭に夢中になった。

山屋の話によれば、その石炭は筑前の鉱山で採れたものだという。その山は質の良い石炭を算出し、埋蔵量も甚大だという。
しかも、その鉱山の持ち主が先日亡くなったという。その人物に子はなく、妻が一人残された。妻は鉱山経営をするつもりもなく、買い手を探しているという。山屋によれば、あさにぴったりの物件だというのだ。

あさは正吉(近藤正臣)に相談した。加野屋の経済状況では言い値を一括で支払うことは無理である。そこで、いくらかの手付金を支払い、残りは分割払いにしてもらう計画を立てた。そのための交渉のため、九州に行きたいと持ちかけた。

正吉は、あさの熱意と先見性を評価していたので、計画に異存は無かった。
ただし、九州へ交渉の旅に出るとなると、1ヶ月近くは家を空けることになる。それだけの間、嫁が家を空けることなど非常識なことである。そうまでして行く覚悟があるなら許可すると正吉は話した。

あさは迷った。そこで即決ができなかった。

その日の夜。珍しく新次郎(玉木宏)が寝室にいた。

あさは、新次郎に妾を囲うよう願い出て、頭を下げた。
それはあさにとって苦渋の選択だった。

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NHK『あさが来た』第33回

数カ月前から左肩の凝りがまったく解消されず、いよいよ俺も四十肩かとがっくり来ていたのだけれど、さらに悪いことに先週からたまに左腕が軽く痺れるようになってきて、これは何か悪い病気か怪我かと心配していたりして、特に寝起きにしびれていることが多いわけで、まさにそれこそが今朝の寝坊の理由だと言い訳の口実にしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第33回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

新次郎(玉木宏)は、あさ(波瑠)が自分の言うことを聞かず、炭鉱経営に乗り気なことが面白くなかった。毎晩出歩くようになり、今夜も三味線師匠・美和(野々すみ花)の家に来ていた。

普段は他の弟子も一緒なのだが、その日はたまたま新次郎しかいなかった。
新次郎に対して好意のある美和は、彼の手を握って誘惑した。

新次郎もその気になりかけた。
しかし、腕を動かした拍子に自分の裾の縫い目に気付いた。それは、あさが不器用に繕った痕だった。あさのことを思い出して我に返った新次郎は、美和の誘惑をさりげなく振り切って帰って行った。

新次郎が家に帰ると、あさはまだ眠っていた。
新次郎は、あさの寝顔を飽きることなく眺めていた。

それからしばらく経ったある日、あさは義母・よの(風吹ジュン)が新次郎に小言を言っているのを盗み聞いた。

よのは、新次郎が結婚してから4年が過ぎたのに、子供ができないことを不満に思っていたのだ。しかも、番頭の亀助(三宅弘城)に後をつけさせ、新次郎が足繁く美和の家に通っていることも調べあげていた。これらのことから、美和を新次郎の妾として子供を産ませるよう勧めるのだった。
この時代、地位のある男が跡取りを作るために妾を囲うことは珍しいことではなかった。新次郎ほどの立場であれば、妾を持っていても世間から後ろ指をさされるようなこともない。よのはしきりに勧めた。

新次郎には全くその気がなかった。しかし、母の手前、はっきりと口に出して断りはしなかった。
陰から聞いていたあさには、新次郎の表情や様子ははっきり見えなかった。新次郎がきっぱりと拒絶しなかったことや、自分に子供ができないことなどが相まって、あさはすっかり落ち込んでしまった。

その直後、はつ(宮﨑あおい)が家に訪ねてきた。ただし、はつは自分のような落ちぶれた者が姉だと知れてはあさに恥をかかせると心配した。そこで、通りすがりの物売り女を装って会いに来た。
はつのお腹はすっかり大きくなっており、赤ん坊は無事に成長しているようだった。

はつは、あさに折り入って頼みがあるという。それは、はつの付き従う ふゆ(清原果耶)のことだった。ふゆは、京都の実家からずっとはつの世話係をしており、今も一緒に百姓の納屋に住み込んでいる。はつの赤ん坊が生まれたら、その子の世話も引き受けると張り切っているという。

しかし、はつは、ふゆの将来を思えば、いつまでも自分の元には置いていけないというのだ。ふゆは働き者であるし、美しい女性でもある。なんとか良い夫へ嫁がせてやりたいが、百姓に落ちぶれた自分には無理だという。
そこで、加野屋の女中としして雇ってもらえないかと言うのだ。そして、あさが良い嫁ぎ先を世話して欲しいと頼んだ。

あさは、喜んで引き受けた。ふゆがいなくなった後、はつの世話係がいなくなることは心配だが、ふゆのためを思えばそれが良いと思ったからだ。しかも、慕っている姉の願いを断るわけにもいかない。

あさは、新次郎が妾を取るかもしれないと聞いて落ち込んでいたが、久しぶりにはつに会えたことですっかり機嫌が良くなった。
はつも、あさの様子がどこかおかしかったことに気付いて訪ねてみたが、あさは話そうとはしなかった。はつにだけは知られたくないと言うのだ。今はただ、幸せそうにしているはつが羨ましいと答えるだけだった。

その直後、はつが腹を抱えて苦しみだした。

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NHK『あさが来た』第32回

今日は文化の日だというのに、特に文化的なことをする予定のない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第32回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

実家の父・忠興(升毅)は明治政府の仕事を請け負うことで頭角を現し、今や日本経済を背負って立つほどの大実業家になっていた。本拠地を東京に移すことになり、忙しい合間を縫って大阪の娘たちに会いに来た。

まずは、あさ(波瑠)を訪ねた。
忠興は、嫁入り前の娘たちに家事で家や夫を助けることこそ女の努めだと厳しく躾けた。それにもかかわらず、あさは炭鉱産業で頭がいっぱいで、忠興への近況報告でもそのことばかり話した。
忠興は激怒し、子供の頃のようにあさを追いかけ、尻を叩くのだった。

忠興は義父・正吉(近藤正臣)とふたりきりになり、改めて娘のことを謝罪した。家事を行わず、商売への口出しばかりしていることを謝罪したのだ。

しかし、正吉の評価は違っていた。
正吉によれば、あさには類まれな度胸と商才があるというのだ。時代の流れに翻弄され、両替商の先行きは不安である。そんな中、あさは事業を拡大し、家勢を取り戻そうと努力してくれている。正吉は年老いて頭が固くなっているし、跡取りの榮三郎(吉田八起)はまだ幼い。榮三郎の後見人である新次郎(玉木宏)はいくつになっても頼りない。
新しいことに物怖じしない、あさの柔軟な態度のおかげで家が助けられていると大いに評価した。加えて、新次郎も少しずつだが変わってきており、それはあさの良い影響だと褒めた。
忠興は、自分の娘が大切にされていることに感激した。

忠興は、あさに案内されてはつ(宮﨑あおい)の様子を見に行った。しかし、忠興ははつに一切会おうとはせず、農作業をするはつを遠くから眺めるだけだった。
はつは、義父・栄達(辰巳琢郎)と共に忙しく働いていた。けれども悲壮感はなく、栄達との関係も良さそうで明るかった。
はつは全く気付かなかったが、栄達は忠興の姿を見つけた。栄達と忠興は互いに遠くから無言のまま頭を下げた。その様子だけで、忠興には はつもはつなりに大切にされていることがわかり、安心した。

帰り道、あさは自分とはつの境遇が明暗を分けたとつぶやいた。そして、本当の幸せとは何かがわからなくなったとこぼした。忠興にも思うところがあった。

忠興は、歩きながらぶっきらぼうにあさへ助言をした。
炭鉱は日本の国力増強に貢献する意義ある事業だという。各地で鉄道設立の動きもあり、石炭の需要が大きく増えることは間違いがなく、将来性がある。しかし、炭鉱には手に負えない荒くれ者が多く、よほど肝の座った男でなければ統率できず、女には難しい商売だと言うのだ。
それでも、よく考え、自分でもできると結論を下したなら、やってみるといいと応援した。
あさはたいそう勇気づけられた。

1870年(明治3年)になった。
時代がどんどん変わり、昔ながらの両替商は時代の流れに取り残され始めた。加野屋の商売も楽ではなくなってきた。

あさは相変わらず炭鉱のことばかり考えていた。しかし、鉱山を買うための資金の準備もままならない。
そこであさは、自分の嫁入り道具や持参金を処分することを考え始めた。

一方、新次郎は相変わらず夜遊びばかりしていた。行き先は、いつものように三味線の師匠・美和(野々すみ花)の家だった。
いつもは弟子たちが何人か一緒にいるのだが、その日は珍しく、家には新次郎しかいなかった。

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NHK『あさが来た』第31回

雨が降っているせいで、いまいちテンションの上がらない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第31回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

あさ(波瑠)は石炭のことで頭がいっぱいだった。これからの時代は石炭の需要が爆発的に増えることが予想され、大儲けのできる可能性があるからだ。寝ても覚めても、石炭の話ばかりしていた。

しかし、新次郎(玉木宏)は石炭の取引に猛反対だった。石炭に手を出すことはかなり投機的であり、確実に儲けが出るという保証が無いからだ。それに加え、あさが九州の炭鉱へ視察に言って聞かないことにも腹を立てていた。炭鉱は荒くれ者ばかりなので、そのようなところにあさを行かせるのが心配でもあるのだ。

あさが石炭に夢中なせいで、新次郎は面白くない。新次郎は家を留守がちになり、毎晩のように三味線の師匠・美和(野々すみ花)のところに通い、朝帰りするようになった。

新次郎に相手にされなくなったあさは、姉・はつ(宮﨑あおい)の所へ足繁く通うになった。百姓の納屋で貧しい暮らしをしている彼女らのことが心配だからだ。

そこであさは、2つの大きな事件を知った。
一つは、はつの妊娠である。家が潰れて暗いことばかりのはつにとって、久しぶりの明るい事件であった。はつはつわりに苦しみながらも、健気に農作業に精を出していた。
もう一つの事件は、惣兵衛(柄本佑)の蒸発である。突然姿を消し、もう何日も行方が知れないという。
はつは、あさに対して、自分の所へ来る暇があったら新次郎と仲良くすべきだと諭した。
はつによれば、あさの来ていない時に新次郎が顔を出しているのだという。彼の口から、あさと仲が悪くなっているという話も聞いていたのだ。
また、新次郎は伝手を使って、行方不明の惣兵衛を探してくれているという。はつはそんな新次郎に感謝するとともに、あさとの仲を心配した。

それを聞いたあさは、新次郎と仲直りをしようと決意した。早起きをして、朝帰りをする新次郎を近所まで迎えに出た。
あさはにこやかに話しかけたが、新次郎は石炭のことを根に持っており、そちらへ話題を向けた。水を向けられてあさは、石炭のよさをつい喋り出してしまった。
あさの勢いに、新次郎は面白くなくなった。話を打ち切って、一人で家に入っていった。仲直りすることはできなかった。

ある日、あさの実父・忠興(升毅)が訪ねてきた。

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