NHK『おかえりモネ』第1回

蒔田彩珠資生堂「マキアージュ」は似てるなと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第1回めの放送を見ましたよ。

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第1週『天気予報って未来がわかる?』

1995年(平成7年)9月、日本列島に大型の台風12号が接近していた。この台風は東北地方にも暴風雨をもたらした。
宮城県気仙沼の離島・亀島では、永浦亜哉子(鈴木京香)が産気づいていた。しかし、島には産院がなく、船で本土に渡らなければならない。
地元の漁師・及川新次(浅野忠信)は危険を顧みず、大しけの海へ船を出して亜哉子を本土へ送り届けた。
こうして生まれたのが永浦百音(清原果耶)である。

2014年(平成26年)、高校卒業を控えた百音は、島を離れて就職したいと言い出した。急なことで困惑する家族であったが、祖父・龍己(藤竜也)のツテを使って、百音は宮城県内陸部の登米の森林組合に就職した。登米は気仙沼の東約60kmに位置し、農業や畜産、そして林業が盛んな地域である。

百音は、祖父・龍己の古い知り合い、新田サヤカ(夏木マリ)の家に下宿している。サヤカは一人暮らしであるが、地域で一番の山主であり、森林組合の実力者でもある。また、伊達家家臣の末裔を自称しており、百音に対しては厳しいながらも優しく接している。

海のそばで育った百音が山の中で暮らすことになったのだが、1ヶ月ですっかり登米での生活に馴染んだ。実家の家族たちも、父・耕治(内野聖陽)を除いて、百音の新生活を応援している。父・耕治だけは、娘のことが心配で、事あるごとに実家に帰ってくるよう本人はもちろん、周囲の人々にも愚痴っている。

5月のある日、百音はよく晴れた気持ちのいい朝を迎えた。洗濯物を屋外に干し、空を見上げると、虹色に光る不思議な雲を見つけた。ますます気分がよくなった。
しかし、天気予報ではキャスター(西島秀俊)が、午後から天気が崩れ雨が降ると言っている。百音はせっかくの気分が台無しにされた気分になった。

午後になって、予報の通り雨が降り出した。
そんな天気の中、サヤカが百音を山に連れ出した。木のことを教えるというのだ。

山に入る頃には雨も上がっていた。それでも、ぬかるんだ山道に足を取られるなどして、百音は面白くない思いをした。つい、家を出ると宣言した陰鬱な家族会議のことを思い出してしまった。

しかし、ふと空を見上げると、今朝見たのと同じような虹色の雲を見つけた。
サヤカによれば、それは彩雲という現象で、見るといいことがあると教えてもらった。

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『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』を観た

どこかで予告編だけ見て。
構想30年で、その間に9回挫折した映画プロジェクトだとか。鉄砲水で撮影機材を喪失しただとか、主演俳優が腰痛で降板しただとか。途中、ジョニー・デップも撮影に参加したけれど、結局降りたとかなんとか。よくわからないけれど、それだけで興味が惹かれて観てみたくなったわけで。

ついに2018年ころ完成したそうで。
主演はアダム・ドライバーになりました。そう、スターウォーズの続3部作で、ハン・ソロとレイアの息子でありダークサイドに堕ちたカイロ・レンを演じてた人。僕はスターウォーズで彼を見たとき、若い頃の鈴井貴之に似てるな、って思った。

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『七人の侍』を観た

日本を代表する映画だって言うじゃない。一度は観ておかないといけないと思って。
アメリカ映画にも影響を与えて、後に『荒野の七人』としてリメイクされたって言うじゃない、僕はそれも観たことないけれど。ますます『七人の侍』を観ておかないといけないと思った。

ポスターなどでは三船敏郎がクローズアップされているから、彼が主人公だと思っていたのだけれど。実際には、志村喬が主役だった。いや、三船敏郎もかなり目立つ役ではあったけれど、これは紛れもなく志村喬の映画ですね。知恵と武勇と人徳を兼ね備えたかっこいい侍役でした。抱かれたい。
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『銀河鉄道999』を観た

1980年代までは鉄道の旅立ちと哀愁というのが多くのジャンルの創作作品のモチーフだったと思うのです。
歌で言えば、『木綿のハンカチーフ』とか『あずさ2号』とか『津軽海峡・冬景色』とか『心の旅』とか。具体的にどれとは言えないけれど、僕より上の世代のエッセイなんかを読むと、「田舎から夜汽車に乗って都会に出た時のことは忘れない。希望と不安でいっぱいだった」みたいな話がよくあるし。
いろいろあると思うけれど、僕は鉄道は「別離」のメタファーだったと思ってる。

当時、少年だった僕も「そういうもんかな。僕もいつかそういう経験をするのかな。切ない別れがあるんだろうな」なんて思っていたりしていたわけで。
18歳で進学(予備校って進学になるの?まぁ進学でいいや)のために実家を出た時は、親の車で下宿先まで送られたので、結局そういう経験はしなかったのだけれど。
就職で北海道を出た時は、飛行機だったし、いろいろな事情で一人ではなかったので、いまひとつ感慨もなかったような気もするわけで。

それから、1990年代からは鉄道の位置づけに関する世間の見方も変化したんじゃないかと思っている。
山下達郎の『クリスマス・イブ』をBGMに、牧瀬里穂が遠距離恋愛の恋人を待つという有名な新幹線のCM。このあたりから、鉄道は人々の別離の象徴ではなく、離れた人と簡単に再会できるという意味付けになったような気がする。
2000年代に新幹線のテーマ曲になったTOKIOの『AMBITIOUS JAPAN!』もかなりポジティブで希望のある曲調だし。
#牧瀬里穂のCMについては、’89 牧瀬里穂のJR東海クリスマスエクスプレスのCMが良すぎて書き殴ってしまったってのがめっちゃ面白いよね。

そんな僕の感じる世相の流れの中、やはり”哀愁の鉄道”に触れたくて『銀河鉄道999』を観たわけです。もう二度と故郷に帰れないかもしれない、そんな哀愁を感じたくて。
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『鬼龍院花子の生涯』を観た

夏目雅子って『西遊記』くらいしか観たことなかったな、と思って。昭和の伝説の美人女優みたいな位置づけっぽいし、一度ちゃんと観てみようと思って。

観はじめて1分でびっくりしたことは、夏目雅子は鬼龍院花子役ではなかったってこと。
しかも、冒頭でチラリと出てきただけで、最初の1時間くらいは夏目雅子抜きで映画は進んでいく。ちょっと落ち着かなくなるよね。
落ち着かなくなるんだけれど、夏目雅子の子供時代を演じているのが仙道敦子でこれまたビックリ。少女時代から美人でしたねぇ。

で、夏目雅子および仙道敦子がなんの役かというと、鬼龍院花子と血の繋がらない姉・松恵でした。
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『カサブランカ』を観た

かの有名な「君の瞳に乾杯」というセリフはどういうシチュエーションでどんな風にしゃべるのか知りたくて。

結論を言うと、3回くらい出てきた。わりとカジュアルな感じだった。
映画を見る前は映画のクライマックスで重厚な決めゼリフとして出てくるのかと思っていたので、そういう意味ではちょっと裏切られた。
しかし、愛し合うふたりだけが共有する符丁としての意味は十分にあった。
なお、物語の中で同じ符丁として「時の過ぎゆくままに (As time goes by)」という曲も出てくるけれど、それは第三者も知ってる符丁であった。そういう意味で「君の瞳に乾杯」というセリフは、本当にふたりだけしかしらない言葉で、大事な意味があるという位置づけだった。
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『フルメタル・ジャケット』を観た

サー、観ました、サー。

サー、鬼軍曹が新兵いびりをする映画だという知識しか持たずに観ました、サー。
サー、有名なシーンだけれどどこかでチラッと出てくるだけだと思っていました、サー。サー、しかし、冒頭でいきなり出てきて驚きました、サー。
サー、もう一つ知っていたのは隊列を組んで歌いながらジョギングするシーンです、サー。サー、ファミコンウォーズのCMでパロディされてるあのシーンです、サー。サー、そのシーンは3シーン目で驚きました、サー。
サー、開始5分で観たかったところは全て見たような気になりました、サー。
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『麗しのサブリナ』を観た

サブリナパンツってのがあるっていうじゃない。ふくらはぎ丈のほっそりとした女性用ズボン。
基本的にフェミニンな女性ファッションを見るのが好きだし、ロングヘアーもしくはポニーテールの女の子が大好きな当方なのだけれど。ところが、ショートカットにサブリナパンツのちょっとボーイッシュな感じの女子は、それはそれで好きだったり。

というわけで、一度『麗しのサブリナ』を観てみたいと思っていたわけですよ。サブリナパンツって名称もこの映画から来てるって言うじゃない。宣材写真を見る限り、ショートカットで目がくりくりしたオードリー・ヘップバーンも激烈に可愛いし。
そんなわけで、観てみたわけです。
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『地獄の黙示録』を観た

小学校低学年の頃、プレイボーイのロゴのついた軍用ヘリコプターの写真を見た。蝶ネクタイをつけたウサギのアレ。そのロゴがプレイボーイのものであり、プレイボーイがどういう雑誌なのかということはずっと後になってから知ったのだけれど。
後というのはどれくらい後かというと、大学生くらいだったかと。一人暮らしで自分用のパソコンを入手し、インターネットプロバイダの Bekkoame と契約し(当時、使い放題で1万円/月は破格の安さだった)、テレホーダイ(深夜の電話代が定額料金になるサービス。2000-3000円くらいだっけ?)を使って夜な夜なウェッブサーフィン(死語)していた頃だと思う。Playboyのサイトにアクセスしたら、金髪美人のエロ写真が見放題だという噂を聞きつけて画像のダウンロードをしようとしてた頃ですね。結局、当時は回線が細くて、30分待ってやっと顔と胸が見えるか見えないかくらいしかいかなくて、ふて寝したんだけど。

それはさておき、プレイボーイロゴのヘリコプターは何年もずっと気になってて。その写真には、『地獄の黙示録』という映画のタイトルも書かれていたのを覚えていた。戦争映画らしいということはおぼろげに理解していた。「地獄」というおどろおどしいタイトルの戦争映画なのに、プレイボーイのヘリコプターなわけで、僕にはどういう映画なのかよくわからなかった。
よくわからなかったので40年近くそのままにしておいたんだけれど、一方で40年の記憶のしこりにそろそろケリをつけるべき時期だろうと思って。
そんなわけで、観てみたわけです。
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『戦場のメリークリスマス』を観た

一生に一度は観ておかないといけない映画だと思って。
デビット・ボウイにも坂本龍一にもトム・コンティにも北野武にもそれほど興味があるわけではないけれど。事前には、男色っぽい話だという噂を信じていて、それにもあまり興味はなかったんだけれど。

監督の大島渚にはちょっと興味があって、なぜなら恩師にちょっと風貌が似ていたり、野坂昭如とマイクで殴り合ったりしたりしたから(このセンテンス、全員死んでるな)。あと、みうらじゅんらがやってたバンドの名称が大島渚だったりするので、なんとなく親近感あるし。
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