今日の午後ずっと伏し目がちだった俺の独り言

2025年現在、我が最愛の山瀬まみのレギュラーは一つだけ、BAYFM it!!(火曜日のみ)というラジオ番組だけなんだけれど。
去る3月4日の同番組の生放送では、冒頭でメインパーソナリティの春原佑紀が突然、山瀬まみからの手紙だというものを読み始めた。その内容は、体調不良でしばらく休業するというものだった。どんな問題を抱えているのかは一切説明されることはなかった。その後、マスコミなどでも状況が報道されることはなかった。どんだけ心配だったことか。
それが、今日の同番組の生放送で山瀬が復帰した。実に7ヶ月ぶり。めでたい。

放送冒頭では、本人から休業理由が説明された。
そもそもの病状は子宮体がんだったそうだ。休業発表のその日に手術を受け、子宮、卵巣、リンパ節などを全摘出したとのこと。手術自体は上首尾で、通常なら1-2ヶ月で仕事にも復帰できるはずだったという。
しかし、運の悪いことに、手術と前後して脳梗塞を併発したらしい。がんのために血栓ができやすくなっており、それが脳の血管にまわったとのこと。そのため、麻酔から覚めなかったという。本人もずいぶん長い間の記憶がないと言っていた。一時は、医師から家族に向けて、もう二度と発話できない可能性もあると伝えられたらしい。
意識が戻った後は脳梗塞からのリハビリに取り組み、復帰に7ヶ月かかったとのことだった。

今日の放送を聞く限り、山瀬はすごく普通に喋っていた。二度と話せなくなると言われた人だとは信じられないくらいスムーズだった。
そして、生放送で自分の病状を説明する山瀬には全く悲壮感がなかった。「大好きでいつも買っていたお菓子がコンビニの店から消えちゃった」みたいな、日常のちょっとした残念な出来事を笑い飛ばしながら友達に軽く愚痴るような、そんな気軽さとカラカラした明るさがあった。内容は壮絶なのに、平日の昼下がり、聴取者をどんよりさせないトークを繰り広げる山瀬はさすが芸歴40年弱のプロ中のプロだと思った。
でも、明るく喋っているのに声がちょっと震えているように聞こえた。僕には最初、それが自分の辛い経験をこらえているからなのか、それとも脳梗塞の後遺症で口や舌がうまく動かないのか、ていうか山瀬はそもそも舌足らずで滑舌悪いから通常通りなのかもな、とかとか判断がつきかねたんだけれど。しばらく放送を聞いていたら、普通になってきたように聞こえるようになってきたので、1番目の原因なのかも。そうだよね、芸歴40年のプロでもしんどかったよね。ていうか、山瀬はよく泣く人だったしね。放送で一人で泣き出さなかっただけ大人(おばさん)になったね。人に人生ありだね。

なお、実際の音声はradikoでお聞きください。開始10分後から数分程度です。
いや、山瀬の声は可愛いから全部聞いてもいいけど。

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NHK『ばけばけ』第6回 [終]

明日放送の山瀬まみが復帰するというので今から胸がドキドキして落ち着かない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第6回めをNHK+で見ましたよ。

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第2週『ムコ、モラウ、ムズカシ。』

トキ(高石あかり)は婿をとることに決めた。一家の働き手を増やして借金を返すためだ。そうでもしなければ到底今のどん底の暮らしから抜け出せないと考えられるのだ。

トキは、紡績工場の同僚の女工・チヨ(倉沢杏菜)とせん(安達木乃)とともに、縁結びで有名な八重垣神社に参った。
そこで占いをしたところ、同僚のふたりは良縁が近いという結果が得られた。一方、トキの占い結果は、結婚相手はいつか見つかるものの、それは果てしなく遠い未来であるというものだった。

トキはすっかりしょげかえってしまった。夕食も満足に喉を通らない。トキの両親(岡部たかし池脇千鶴)は占いは当たらないこともあると言って慰めたが、場の空気を読まない祖父・勘右衛門(小日向文世)は八重垣神社は由緒正しい神社なので占いのはずれるはずがないと追い打ちをかけた。トキはますます塞ぎ込んだ。
トキの両親は、良い見合い相手を近いうちにきっと見つけてやると約束した。見合いを成功させて、占いの結果を覆せばいいと慰めたのだった。

両親は、結婚相手に望むことを尋ねた。しかし、トキは働き者で金を稼ぐ男以外に希望はなかった。あくまで借金返済のための結婚だと割り切っているからだ。
ただし、もし叶うのならば、怪談の好きな人がよいと述べた。怪談好きであれば、たとえ人間以外の化物でもよいというのがトキの願いだった。

しかし、トキの見合い相手探しは難航した。
向こう見ずな父・司之介は勤めの牛乳配達にかこつけて県知事の屋敷に出向き、知事の息子を婿に欲しいと直談判した。身分違いをわきまえない失礼な要望ですぐに叩き出された。牛乳配達の親方からもこっぴどく叱られた。

母・フミは遠縁であり、トキの勤め先の紡績工場も経営している雨清水家の妻・タエ(北川景子)に相談した。自分で見合い相手を探しても見つからないと言ってなかば泣きついたのだ。するとタエはすでに見合い候補を探し始めていると答えた。トキが工場で婿探しをしていると喋っているので、夫・傅(堤真一)を経由して話を聞いていたのだ。
その返答にフミはいささか面白くなかった。トキの母親である自分になんの連絡もなくタエが独自に探していたことで、自分が除け者にされたような気分になったからだ。それを理解してタエは素直に謝った。

ある朝、工場に出勤したトキは、一緒に神社で占いをしたせんに結婚相手が見つかったと知らされた。確かに彼女の占い結果は早くに良縁に恵まれるというものだった。
占いがよく当たるという証拠を見せられたと同時に、せんが羨ましくなってトキの表情は硬くなった。

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NHK『ばけばけ』第5回

某知人がハンバートハンバートの背の高い方と蕎麦屋で相席になったことがあると聞いたことのある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第5回めをNHK+で見ましたよ。

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第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

明治19年(1886年)、18歳のトキ(高石あかり)は織物工場で働いていた。同僚はみな貧乏な家の娘で、今の暮らしには良いことも娯楽もないとボヤいてばかりいる。
トキは最近良かったこととして、新しい怪談を聞いたこと、幽霊の夢でうなされたこと、金縛りにあったことなどと答えた。調子外れの回答に同僚たちにかすかな笑いが広がった。

その織物工場は、トキの遠縁にあたる雨清水傅(堤真一)が武士の道を外れて創業したものである。無事に軌道に乗り、トキをはじめ何人かの女工を雇って順調に経営していた。
その日も、女工たちへカステラを差し入れた。貧しい女工たちにとっては生まれて初めてのカステラであったし、たまには良いこともあるものだと喜んだ。

雨清水は、他の女工たちの見ていないところで、トキにカステラを一切れ手渡した。家で内職に精を出している母・フミ(池脇千鶴)への土産だという。

一日中働き、家に帰り着くとトキはヘトヘトだった。それと前後して、同じように疲労困憊した父・司之介(岡部たかし)も帰ってきた。彼は5年前から牛乳配達の仕事で日銭を稼いでいる。

それでも松野家の暮らしは最底辺だった。松江城のそばにあった屋敷はとっくに手放し、現在は川の反対側にある貧民街の長屋に暮らしていた。長屋のすぐ隣は遊郭である。
日々の食事にも事欠き、膳にあるのは飯の他には漬物としじみ汁だけだった。しじみ汁は一家の大好物であるが、椀の中にしじみはほんの少ししか入っていなかった。

雨清水からのカステラを手渡すと母・フミは大喜びした。彼女もカステラは生まれて初めてであり、その甘い香りにうっとりした。おっかなびっくり指先に小さな欠片を取って口に運ぶと、その美味しさに感激した。
その様子を見た父・司之介は自分にもよこせと迫ってきた。しかし、それはフミへの土産だと言って、トキが激しく抵抗した。父と娘の争いはまるで子供のような幼稚さであり、フミはその様子を見て笑った。トキと司之介もどこか楽しそうにじゃれ合っている。
貧しくはあったが、まんざらでもない生活であった。

それでもトキは昔の生活を思い出すことがある。長屋の井戸からは、屋敷のあった川の反対側がよく見える。
トキの幼馴染で、現在は同じ長屋に住んでいるサワ(円井わん)がやってきた。川の向こう側を眺めるトキと一緒になって、こんなはずではなかったとボヤいた。彼女は教師になって家を支えるという夢を持っていたがそれが叶わなかったのだ。

そうこうしていると、隣の遊郭に来ていた酔客が井戸の付近で立ち小便をした。叱りつけるトキとサワの声で遊女のなみ(さとうほなみ)が駆けつけてきた。
その遊女・なみに向かってサワは悪態をついた。このような無様な酔漢から金を貰って生きるなど悲しいことだと言うのだ。

その売り言葉になみは、女が生きていくには身を売るか男と一緒になるしかないと捨て台詞を吐いて去っていった。

ある日、森山(岩谷健司)が借金の取り立てにやって来た。滞納している先月分もまとめて払えというのだ。しかし、松野家は今月分にすら足りない額しか出すことができなかった。
すると森山はトキに目をつけた。遊郭に売ってしまえというのだ。
トキを何よりもかわいがっている祖父・勘右衛門(小日向文世)は激しい剣幕で怒鳴りつけた。元武士の迫力に押され、森山は逃げ帰った。

騒動が収まると、トキは婿を貰うと言い出した。借金を返すには、婿を取って働き手を増やすしかないというのだ。
現状を踏まえれば、家族の誰もその提案を却下することはできなかった。

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NHK『ばけばけ』第4回

今日は我が最愛の山瀬まみの誕生日であることをたいへんめでたく祝福している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第4回めをNHK+で見ましたよ。

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第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

父・司之介(岡部たかし)がふらりと家を出たまま10日以上帰ってこなかった。
トキ(福地美晴)は学校の行き帰りで街中を探し回った。

するとついに、宍道湖の岸に佇む父・司之介を見つけた。
司之介はトキの姿を見つけるや否や、湖の中へ逃げ出した。トキも後を追い、ずぶ濡れになりながら父にすがりついた。
「すまん」以外は何も話そうとしない父に向かって、そんな父に向かってトキ、失踪した理由が何であれ生きていただけで良かったと言い、一緒に帰るのだと強い口調で命令した。
さらに、司之介がいないと大好きなしじみ汁もまったく美味しくないと述べた。そこに母・フミ(池脇千鶴)も現れ、異口同音にしじみ汁の味気なさを語った。

ふたりの説得で、ついに司之介は折れた。
ただし、トキには翌日から学校に行かずに働いてほしいと継げた。それというのも、ウサギ相場が大暴落し、今やウサギには全く値がつかないという。司之介が仕入れた大量のウサギが捌けなくなったばかりか、事業拡大に投じた莫大な借金だけが残ることとなった。その額は、司之介が一生働いても返せないほどだという。
トキを学校に行かせる金はなくなったが、大好物のしじみ汁だけは飲ませることを司之介は約束した。

こうして司之介は家に帰ってきたが、その日の食卓にしじみ汁はなかった。
代わりに「しめこ汁」という初めて見る料理が出ていた。それはそれは美味で、祖父・勘右衛門(小日向文世)は有頂天になった。
ただし、「しめこ」が何かと聞いても、司之介とフキは口ごもって答えようとしなかった。

嫌な予感のしたトキは、ウサギの在庫置き場を見に行った。すると、そこには空っぽのカゴだけが積まれていて、一羽のウサギもいなかった。それらは全て絞められて食卓に上がったのだ。
祖父とともにウサギをかわいがっていたトキは、心の底から恨めしく思った。

昔からトキは、恨めしいことがあると母・フキに怪談本を読んでもらった。そうすることで恨めしさが紛れたのだ。
その夜も読んでもらったが、トキの恨めしさは増すばかりだった。

それと同じ頃、アメリカのシンシナティに暮らすレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)は自分で自分のこめかみに銃口を向けていた。
新聞記者の仕事を失い、無一文で餓死寸前だったのだ。遺書に、自分には何も無い、金もパンも家族も、そしてこの遺書を読む友人の一人もいないなどと書き綴った。
いよいよ覚悟を決め、引き金に指をかけたが、彼には銃弾を買う金もなかった。死にきれなかった。
そんな境遇を恨めしく思った。

遠く離れた場所で同じように恨めしさを募らせているふたりは、この5612日後に出会うことになる。

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NHK『ばけばけ』第3回

マジで別宅の隣がウサギ屋である当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の第3回めをNHK ONE(未ログイン状態)で見ましたよ。

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第1週『ブシムスメ、ウラメシ。』

父・司之介(岡部たかし)は、家に金成(田中穂先)という男を招いた。彼と一緒にウサギの商いを始めるという。司之介と金成は城勤めの頃からの知り合いで、金成からよく儲かると教わったという。
金成によれば、舶来物の珍しい柄のウサギが世間で人気を博しており、中には5円で仕入れたウサギが600円で売れた例もあるという。母・フミ(池脇千鶴)がざっと計算したところ、その額はトキ(福地美晴)を小学校に100年間通わせることのできる金額に相当した。

フキは話がうますぎると半信半疑だった。しかし、今までくすぶっていた司之介がやっと元気を取り戻したと思うとが嬉しくて、反対せずに応援することにした。
祖父・勘右衛門(小日向文世)は、武士が商売を始めると聞いて烈火のごとく怒った。しかし、トキが父と一緒になって頭を下げると許すことにした。彼は孫にはめっぽう甘いのだった。

それから数週間が経った。
ウサギは飛ぶように売れ、司之介の商売はしごく順調だった。1ヶ月の売上は200円にもなった。
あんなに怒り心頭だった祖父・勘右衛門も今ではトキと一緒になってウサギをかわいがった。松野家の食卓も豪華になった。以前は飯とめざし、そしてしじみ汁程度のものだったが、いまではおかずが5品もつくほどだ。ただし、松江に生きる者として、好物のしじみ汁だけは欠かさなかった。
松野家では笑顔が絶えなくなった。トキが生まれてこの方、家族みんながこんなにもずっと笑っているのは初めてのことだった。

この前まで、トキは大きくなったら教師になりたいと言っていた。しかし、いつ気が変わって、もっと大きな夢を抱くとも限らない。彼女がどのような進路を選ぼうとも必ず叶えてやれるよう、より多くの蓄えが必要だと司之介は考えるようになった。
そこで、相場が有利な今のうちに借りれるだけの金を借りて商売につぎ込むことを決めた。松江武士は猪突猛進を心情としており、それに従うのだと司之介は得意になった。

ある日、父・司之介はトキを連れて松江の町を散策していた。
その時、借金のかたに売られた娘が逃げ出し、複数の男たちに追いかけられて捕まる騒ぎがおきた。その他にも、粗末な身なりの男女が縄で縛られて連れて行かれる様子が見られた。それらはいずれも借金で身を持ち崩した当事者や親族であるようだった。
司之介は、ウサギが失敗していたら自分たちもああなっていただろうと話すのだった。

ある夜、家でほろ酔いになった司之介は酔い覚ましのためにふらりと家を出ていった。
しかし、結局その日は家に帰ってこなった。

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