NHK『あまちゃん』第54回

今日は映画の日であり1000円で映画が見れるので、大好きな貫地谷しほりが知的障がい者を演じ、橋本愛も出演するという『くちづけ』を見に行こうかと思ったのだが、近所の映画館では上映されていないので「うがーっ!横浜まで見に行くとなると交通費で割引分が吹っ飛ぶじゃねーか、移動もめんどくさいし」と諦めてしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第54回めの放送を見ましたよ。

※そして、予告を見る限り、そこまでして見るべき代物でもないように思う。

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第9週「おらの大失恋」

2009年4月。
お座敷列車イベントは報道でも取り上げられ、アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)のアイドルユニット・潮騒のメモリーズの人気はますます高まった。岩手県内においては2人のことを知らぬ者はいないほどだ。イベント後も観光客は途切れず、ユイは週末の1日駅長を続けたこともちろん、通学途中にサインを求められると気さくに応じた。アキの通う北三陸高校潜水土木科には、アキに憧れた女子が8人も入学するという異例の事態が起きた。

水口(松田龍平)がスカウトマンではないかと勘づいたユイは、敏腕芸能プロデューサー荒巻(古田新太)のことをアキに説明した。彼はアイドルユニット・アメ横女学園を世に送り出し、今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍している。彼の目に留まれば、芸能界での成功のチャンスは高まると思えた。

しかし、アキは春子(小泉今日子)との約束通り、3月いっぱいでアイドル活動を辞めた。ユイとは異なり、アイドルになる夢を持たないアキはそれで平気だった。夏に海女として海に潜ることだけが今の希望だった。ただし、ユイと一緒に大勢の拍手や歓声に包まれたことはとても素敵な思い出として心に刻まれていた。事あるごとにそれを思い出し、ユイとふたりっきりで歌って踊った。

アキが漁協に顔を出すと、海女たちが宴会を開いて酔っ払っていた。アキとユイのおかげで観光客は増えたが、それを一過性のブームに終わらせない策を講じる必要があるなどと相談していた。実際、まだ4月なのに、7月からの海女漁の見学予約が殺到している。旅行代理店からもツアーを組みたいという問い合わせが複数来ているのだ。

海女たちは、自分たちの稼ぎが漁協と観光協会に搾取されていると騒ぎ立てた。1個500円で販売されるウニのうち、海女が受け取るのは100円だけなのだ。残りの80%は漁協と観光協会が200円ずつ取る。彼女らが作る土産物のミサンガも、潮騒のメモリーズのイベントやグッズの売上も、そのほとんどが北鉄と観光協会の収入となっている。自分たちが虐げられているという思いが強くなったのだ。

その話を聞いていたアキは、「海女カフェ」の設立を提案した。そもそも海女が海に潜っている間、見学客は手持ち無沙汰である。そんな客たちがくつろげる場所を提供し、そこで飲食物を提供すれば繁盛すると言うのだ。海の見える眺めの良い場所に設立すれば、海女見学と関係のないカップルの集客も見込める。しかも、屋内営業なので冬期間にも安定して収入が得られるというのだ。

海女たちは大賛成し、早速観光協会に乗り込んで大吉(杉本哲太)や菅原(吹越満)に談判した。北鉄と観光協会が出資するよう強く主張した。色よい回答が得られなければ、夏の海女漁についてストライキを起こすと脅した。

その頃、1日駅長を務めるユイは、休憩のため喫茶リアスに入った。珍しく客が少なく、店内には春子と水口がいるだけだった。ユイはいつになく弱気だった。今の自分の人気は、辺鄙な田舎の現役女子高生であるという希少価値だけだと理解しているのだ。東京に進出すれば、自分程度のアイドル候補生はいくらでもいる。春子に対してそんな弱音を吐くのだった。

そして、突然ユイは怒りだした。横で聞いていた水口に突っかかって行った。水口がこっそりとユイの姿を撮影したり、急にアイドル活動のことで話しかけたりするなど、態度がおかしいと指摘した。何が目的なのか白状しろと詰め寄った。

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NHK『あまちゃん』第53回

昨日、ほぼ初めてお話した人から「『あまちゃん』とか『北の国から』とかのまとめ記事をいつも読ませてもらっています」と言われ、なんで俺のブログやらツイッターがバレてんねん?と思って激しく動揺するとともに、毎日読んでもらっていることをたいへん光栄に思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第53回めの放送を見ましたよ。

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第9週「おらの大失恋」

お座敷列車が出発した。事前の予想では成人男性ばかりかと思われていたが、親子連れや女性客もたくさん乗り込んでいた。アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)が幅広い層に人気であることが証明された。

列車は約1時間かけて畑野駅へ向かう。そこから折り返して北三陸駅に引き返す。行きは食事で、帰りはゲームや北鉄グッズのオークション、カラオケ大会などが行われる。そして、最後にはアイドルの衣装を身につけたアキとユイがかわいらしい振付で「潮騒のメモリー」を歌うというプログラムだった。

3便運行されたお座敷列車はいずれも満員で、大盛況だった。弁当や土産も飛ぶように売れ、夏(宮本信子)ら海女クラブのメンバーは朝4時半から仕込みに追われた。ウニ丼はいつもの10倍の300個、土産のミサンガも50個の追加発注を受けるなど、大忙しだった。夕方には疲労困憊してしまった。

夕方になり、夏らは駅で大吉(杉本哲太)に詰め寄った。1日中働き詰めで、アキとユイの歌を聞くことができなかった。慰労と地域住民へのサービスのため、追加列車を走らせろと要求した。大吉はそれに応じ、関係者と地元の人だけを乗せた臨時便を走らせた。列車には、春子(小泉今日子)はもちろん、東京へ旅立つ種市(福士蒼汰)や極秘スカウトの水口(松田龍平)も乗り込んだ。

往路、アキとユイは「潮騒のメモリー」を歌った。3月でアイドル活動を辞めることを春子と約束しているため、アキにとってはユイと歌う最後の機会だった。歌い終えると、列車は折り返し地点の畑野駅に到着した。春子は秋の歌について、今までで一番良かったと褒めてくれた。

水口は、密かにユイに声をかけ、いい歌だったと一言だけ告げた。

種市は折り返し列車には乗り込まないと言う。そこから列車を乗り継ぎ、このまま東京へ向かうのだ。種市はアキにお盆の時期には帰省することを約束した。その頃、海に潜っているアキと再会するのが楽しみだと告げた。アキと種市は、潜水土木科の唱歌「南部ダイバー」を一緒に歌い、別れた。

折り返す列車の窓から顔を出し、アキはいつまでも種市に手を振り続けた。

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NHK『あまちゃん』第52回

沖縄に出張中なのだが、泊まっているホテルはBSが入らなくて泣きそうになっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第52回めの放送を見ましたよ。

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第9週「おらの大失恋」

お座敷列車運行当日になった。アキ(能年玲奈)が乗り込むことが再度発表され、大勢の人々が集まった。当日券を求める人が長蛇の列を作った。テレビの取材も行われ、大賑わいだ。

しかし、ユイ(橋本愛)が姿を表さず、連絡も取れなくなった。第1便の出発は9時なのだが、7時になってもユイが来ない。功(平泉成)が6時に車で駅まで送って来たのを最後に消息がつかめない。アキによれば、ユイに変わった様子はなかったという。前日は19:30の最終列車までスナック梨明日で歌の練習をし、いつも通りに帰ったという。関係者はわけが分からず、焦りだした。

8:49に改札が開き、アキとユイのファンたちは興奮して列車に乗り込んだ。けれども、未だにユイの行方はわからない。大吉(杉本哲太)はイベントの中止も考え始めた。しかし、アキはどうしてもイベントをやりたいと思っていた。春子(小泉今日子)との約束で、アキは今月いっぱいでアイドル活動を辞めなければならない。最後の思い出として、どうしてもユイと一緒にみんなの前で歌いたかった。

発車10分前になって、ユイからアキに電話がかかってきた。ユイは周りの人に話の内容を悟られないようにと注意を促し、アキに自分が知った秘密を話した。それは、水口(松田龍平)が芸能スカウトだという話だった。ユイは水口が有名プロデューサーの荒巻(古田新太)に電話でアキとユイのことを話しているのを盗み聞きしたと話した。今日の出来栄えは荒巻に即座に伝えられ、ユイの評価が決まってしまう。そう考えると、自信がないし、失敗するのが怖い。だからイベントに出たくないというのだ。

それに対してアキは、自分にとっては楽しい思い出づくりだと話した。ユイにとってはアイドルになるスタート地点だとわかっているが、自分は高校生活の思い出としてユイと一緒に歌いたいのだと話した。自分も完璧に上手くやれるとは思わないが、ユイの夢の足を引っ張らないように努力する。だから、ふたりの思い出のためにも一緒に出演したいと説得した。

それを聞いてユイも腹をくくった。ユイは駅のトイレに隠れていた。すでに海女の衣装に着替えており、いつでもお座敷列車に乗り込む準備だけは整えていたのだ。ユイはアキと一緒にやる気に満ちあふれて列車に乗り込んだ。

結局、お座敷列車は30分遅れで出発した。アキとユイは大勢のファンたちの熱烈な拍手と歓声で迎え入れられた。

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NHK『あまちゃん』第51回

最近ちょっとムッツリしているかもしれませんが、それはあなたに腹を立ているんじゃなくて、自分自身にムカついているんですよ、だから不機嫌な顔をしていたとしてもどうか気にしないでくださいと断ってから旅立つ当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第51回めの放送を見ましたよ。

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第9週「おらの大失恋」

お座敷列車の運行まで残り2日。一度は登校するまで回復したアキ(能年玲奈)だったが、種市(福士蒼汰)と話をしたショックでまたしても部屋に引きこもってしまった。

アキのお座敷列車出演中止が発表されると、客の3分の1がキャンセルしてしまった。ユイ(橋本愛)はどうしてもアキを出演させたいと思い、春子(小泉今日子)に相談した。しかし春子は、ふたりが仲違いしたまま一緒に歌う姿など見たくはないと突き放し、自分は手をかさないという態度を貫いた。ただし、それはふたりを仲直りさせようという春子の画策だった。

直後、ユイはアキに会いに来た。アキはユイから逃げようとするが、ユイはこの機会に本音をぶつけ合おうと言って強引に話し始めた。

ユイはアキに嫉妬していたことを白状した。アキと出会う前、ユイは他の女の子に負けることはなかった。しかし、最近はアキばかりがちやほやされている。それが悔しかったと正直に話した。あまり好きではない種市と付き合うことにしたのも、アキにだけ彼氏ができると思うと腹が立ったからだ。東京にいる彼氏と遠距離恋愛することにも憧れた。とにかく、自分がアキと同等かそれ以上の立場にいないと我慢ならないことを認めた。

それを聞いていたアキは、夢から覚めた思いがした。東京では地味で暗くて、誰にも相手にされないアキだった。けれども、北三陸市に来てからはみんなに可愛がられて有頂天になっていた。みんなが自分を可愛がる中、種市だけはユイのことを好きだった。そのことでユイが地獄に落ちればいいと思うほど恨んだ。しかし、冷静になって考えれば、自分はユイに比べれば魅力的ではない。自分がどんなに自惚れていたのか、今さらながら思い知ったと話した。

ふたりのやり取りは、帰宅した春子が家の外から盗み聞いていた。アキの自虐的な語りを聞いた途端、春子はふたりの前に飛び出した。アキは過去の暗い自分を思い出さなくて良いと話した。そして、女の子なら男を取られて悔しいのは当然だ。ふたりともまだ子どもだし、悔しいことがあれば喧嘩をして、相手を打ち負かすくらいやりやった方が良いと発破をかけた。

本心をぶつけあったことで、アキとユイは仲直りすることができた。アキがお座敷列車に乗るかどうかは保留されたが、翌日からふたりは一緒に登校するようになった。何より、その日は種市の卒業式だ。

その頃、種市はヒロシ(小池徹平)に誘われ、観光協会の職員(吹越満安藤玉恵)とともに徹夜で看板作りを手伝っていた。それは、駅前の観光協会ビルに飾る、潮騒のメモリーズの看板だった。アキとユイのかわいらしイラストが配されていた。

登校途中の駅前で、アキはその看板を見つけた。それを見た途端、アキは潮騒のメモリーズとしてお座敷列車イベントに出演することを決めた。

種市の卒業式で、アキは種市を避けていた。しかし、種市はアキを追いかけ声をかけた。アキからは卒業祝い、種市からは残りの高校生活への激励だけというほんの短いやり取りだった。最後にふたりは笑顔で固い握手を交わした。その時、アキは種市の手がペンキで汚れていることに気づいた。

学校からの帰り道、ユイは水口が物陰で誰かに電話をかけているのを盗み見た。彼は誰かにアキとユイのことを話していた。ふたりともキャラは良いが歌唱力がない、うまくいくかどうかは五分五分で、アキの母親のガードが高いなどと、不審な内容を喋っていた。

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NHK『あまちゃん』第50回

昨日の放送で、落ち込んだアキ(能年玲奈)の背中に夏(宮本信子)が上着をかけてやるのだが、アキはそれを振り払って何度も立ち上がるというシーンがあり、それに対して花巻(伊勢志摩)が「ジェームス・ブラウンかよ!」と突っ込むシーンがあったのだが、かなり難易度の高いネタであり、放送では写真で説明されていたわけだが、それでも僕にはよく理解できなかったので調べてみると、James Brown が “Please, Plsease, Please”(デビュー曲)をステージで歌う時の有名なお約束ネタであり、疲れきって倒れたJBはガウンを着せられるのだが、それを脱ぎ捨てて再び歌うという定番ネタなのだと知ってやっと納得のいった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第50回めの放送を見ましたよ。

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第9週「おらの大失恋」

失恋のショックで引きこもりになってしまったアキ(能年玲奈)の所へ、ユイ(橋本愛)が訪ねてきた。しかし、アキはユイと話そうとはせず、ウニ丼製造小屋に立て篭もってしまった。ユイがいくら謝ってもアキは無視し続けた。

春子(小泉今日子)は、ユイは何も悪くないから謝る必要はないと声をかけた。種市(福士蒼汰)がたまたまアキよりもユイの方が魅力的だったというだけの事であると諭した。

ユイは自分の本心を春子に話した。そもそも自分は彼氏などいらないと思っていたのだが、種市はかっこいいので心が揺れた。それに、恋愛に現を抜かすアキに腹を立て、嫉妬していたことも白状した。そして、憧れの地である東京に彼氏が欲しかったことを認めた。そして、アキに早く良くなって欲しいとだけ告げて帰っていった。

2日後、アキは登校できるほどに回復した。しかし、いくらユイに話しかけられても無視して避け続けるのだった。

観光協会には種市が呼び出された。大人たちに囲まれ、せめてお座敷列車イベントが終わるまでアキと交際するよう迫った。アキは失恋のショックでイベントに出ないと言い張っており、このままではイベントが成立しないのだ。そうなると、お座敷列車の準備費用で1,500万円の損害が出るばかりか、北三陸鉄道が廃止に追い込まれる。

そこまで脅されても、種市は翻意しなかった。たとえ自分が打算でアキと付き合ったとしても、アキには本心が見抜かれてしまう。それはますます彼女を傷つけることになる。それに、既にアキを深く傷つけた自分には彼女と付き合う資格が無いと言うのだった。

そこへ、ユイと功(平泉成)がやって来た。ユイは、自分一人でも歌うのでお座敷列車を運行して欲しいと頼んだ。功も大事な時期に娘が恋愛スキャンダルを引き起こしたことを謝るとともに、自分の議員生命を賭けて運行を頼み込んだ。それで、お座敷列車は予定通り運行されることとなった。

アキが帰宅途中に駅を通りがかると、喫茶リアスの中からユイの歌唱練習が聞こえてきた。弥生(渡辺えり)の指導は厳しく、周囲が心配して止めに入るほどだった。しかし、ユイ本人はそれにも負けず懸命に努力していた。

アキがリアスの外から様子を伺っていると、偶然、水口(松田龍平)が店から出てきた。水口は何気ない風にアキに話しかけた。失恋のことを聞かれると機嫌を損ねたアキであったが、インターネットで公開されている海女の映像の話になると元気いっぱいになった。初めてウニを獲った時の様子を楽しそうに語るのだった。けれども、水口が東京の話を聞こうとすると、アキはまたしても不機嫌になった。

水口と入れ替わりに、種市が駅を通りがかった。気まずいふたりであったが、アキの体調に関する社交辞令は交わすことができた。ところが、種市が東京の住所を知らせようとすると、アキは走って逃げてしまった。帰宅しても春子と口も聞かず、部屋に閉じこもった。

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NHK『あまちゃん』第49回

何年かぶりに Eric Clapton の “Layla” にグッと来ているとともに、今回初めて同曲の後半部分の良さをわかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第49回めの放送を見ましたよ。

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第9週「おらの大失恋」

アキ(能年玲奈)は種市(福士蒼汰)に告白した。しかし、種市はユイ(橋本愛)のことが好きで、彼女と付き合っていると言って断った。

アキにとって生まれて初めての失恋だった。自暴自棄になり、自転車に乗ったまま冬の海に飛び込んだ。無事に救助されたが、アキは何もかもが嫌になってしまった。誰とも口を聞かず、家に閉じこもり、翌日は学校を休んだ。

アキが種市に振られたということは、瞬く間に街中に知れ渡ってしまった。アキを救助した漁協に端を発し、大吉(杉本哲太)がみんなにメールで知らせたのだ。みんなはアキの味方であり、種市の株は一気に下がった。

ユイは種市に詰め寄った。けれども、種市は悪びれる様子がなかった。自分たちが交際していることを正直に話すことがアキのためだと言うのだ。それがユイの怒りに油を注いだ。ユイは種市の告白を受け入れたが、それは種市が東京に行った後に付き合うというのが条件だった。今はまだ付き合っていないと言うのだ。一方の種市は、東京へ行くのは1週間足らずなので、もう付き合っているも同然だと反論した。ふたりの見解は食い違った。

春子(小泉今日子)は過干渉にならないよう注意を払いながら、アキを気遣った。話したいことがあればいつでも受け入れる用意があるとアキに伝えた。はじめは殻に閉じこもってばかりいたアキであったが、少しずつ春子に話をはじめた。

アキは5日後に迫ったお座敷列車イベントに参加したくないと言い出した。今は歌ったり踊ったりするような気分ではないというのが理由だった。春子自身はアキのアイドル活動に元々反対だったこともあり、やりたくないならやらなくていいと答えた。ただし、アキの登場を楽しみにしている人もいるだろうと、一言つぶやいた。

アキは種市に告白したこと、そして振られたことを春子に話した。相手が誰であるかは伏せたまま、種市には好きな人がいて、すでに付き合っているのだと話した。春子は、その相手というのがユイではないかと勘づき、そのことをアキに尋ねた。

その時、ユイが家を訪ねてきた。

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NHK『あまちゃん』第48回

次の朝ドラ『ごちそうさん』について「今秋朝ドラヒロインの杏、収録2日目で早くも手応え (ORICON STYLE)」という記事を見つけたわけだが、ヒロインのにはほとんど興味はないものの、助演の宮嶋麻衣(『ちりとてちん』でヒロインの親友を演じたり、『カーネーション』でヒロインの最初の客となる芸者役)やロケ地となった奈良女には興味津々な当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第48回めの放送を見ましたよ。

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第8週「おら、ドキドキがとまんねぇ」

北鉄25周年記念イベントのお座敷列車運行まであと1週間にせまった。人々は一丸となって最後の追い込みに取り組んでいたが、陰では小さな波乱がいくつもあった。

春子(小泉今日子)のことを一途に思う大吉(杉本哲太)は、彼女が正式に離婚したのを機に、ますます積極亭なアプローチをするようになった。恋多き女である美寿々(美保純)は、新たに街にやって来た水口(松田龍平)に熱をあげている。アキ(能年玲奈)から相手にされないヒロシ(小池徹平)は、同僚の栗原(安藤玉恵)といい仲になっている。それぞれがそれぞれの恋愛模様を繰り広げていた。

アキとユイ(橋本愛)は、歌と踊りのレッスンに余念が無い。ユイから遊び半分でやらないで欲しいと言われたアキは、心を入れ替えて真剣に打ち込んだ。しかし、ユイにはアキに言えない秘密があった。

アキとユイはレッスンの休憩中に東京のことを話した。ユイは高校を卒業したら、アイドルを目指して上京するつもりである。アキはそもそも東京が嫌いで、北三陸市に住むことにした。けれども、最近は少しだけ東京のことが気になるのだと言う。なぜなら、心を寄せる種市(福士蒼汰)がこの春から東京に行くからである。アキは自分が種市と付き合っていると錯覚している。そして、春から遠距離恋愛になることが不安なのだ。

アキが種市の話を始めると、ユイの態度が急によそよそしくなった。帰りのバスまでまだ時間はあるはずだが、ユイは帰ると言い出した。そして、種市とちゃんと話し合うべきだと助言して去って行った。

その言葉に従い、アキは学校で早速種市を呼び出し、好きだから正式に付き合って欲しいと告白した。しかし、種市はその申し出を断った。種市は好きな人がおり、その人と交際しているのでアキとは付き合えないと説明した。

種市の交際相手というのはユイだった。種市は、アキが北三陸市にやって来る前からユイのことが好きだったのだという。1年移譲前、通学列車の中でユイを見かけ、一目惚れしたのだという。自分から声をかける勇気もないので、単に彼女の姿を見ているだけの思いであった。アキが潜水土木科に編入した前後から、ユイとも頻繁に顔を合わせるようになった。それでもなお、自分は東京で就職することが決まっていたから、ユイのことは心に潜めておくつもりでいた。

ところが、ユイからアキの気持ちに応えるよう説教されているうちに、自分の正直な気持ちを抑えておくことができなくなった。それで、ユイに交際を申し込んだのだ。アキの親友であるユイは、その申し出を即座に断った。しかし、直後に考え直し、ユイは交際を受け入れてくれたのだという。ただし、アキには内緒にしておくことと、種市が東京に行ってから正式に付き合い出すというのが条件だった。それは、アキと種市が車庫に閉じ込められた日の出来事であり(第46回)、結局トラブルでうやむやになったが、本当はその日にアキに話すつもりだったのだという。

アキはこれ以上無いショックを受けた。まさか種市に好きな人がいるとは考えもしなかったし、ましてやその相手がユイであるとはこれっぽっちも想像していなかった。アキの初めての失恋だった。アキは自転車で闇雲に暴走し、港から海に落ちた。

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NHK『あまちゃん』第47回

劇中では2009年3月になったわけだが、その頃の朝ドラといえばマナカナ主演の『だんだん』であり、ヒロインは「シジミジル」というストリート・バンドをやっていたのだが、デビューが決まって名前がダサいので「SJ」に変えられ、ついにはバックの男メンバーが邪魔だという話になってヒロインふたりだけで「Sweet Juno」というアイドルユニットになったりしたよな、などと思い出す当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第47回めの放送を見ましたよ。

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第8週「おら、ドキドキがとまんねぇ」

宴会付きお座敷列車の運行日は3月18日に決まった。往復1時間で、食事やアキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)との記念撮影や歌がついて5000円でチケットが販売された。チケットは瞬く間に売り切れ、当初は1便だけの予定だったが、大吉(杉本哲太)は合計3便を走らせることを決めた。北三陸鉄道は存続の危機に瀕していたが、開通25周年に向けて盛大なイベントとなる手応えがあった。

アキとユイのユニット名は「潮騒のメモリーズ」とすることになった。しかし、肝心のふたりの歌は一向に上達が見られなかった。特にユイの様子がおかしかった。練習に集中できず、どこか落ち込みがちに見えた。

練習を終えたふたりは、駅の待合室で列車を待った。アキはお座敷列車がどんなに待ち遠しいかを一方的にしゃべった。走っている列車の中で食事をしたり歌を歌ったりするのは楽しいに違いないと言う。ただし、お座敷列車運行日は、あいにく種市(福士蒼汰)が東京に旅立つ日だ。彼が一緒にお座敷列車に乗れないことは残念だと話した。けれども、種市は必ず北三陸市に帰ってくると約束してくれたなどと言った。

すると、突然ユイが激昂した。お座敷列車イベントは遊びではないと言うのだ。アキにとっては青春時代の思い出作りの一つかもしれないが、ユイにとってはアイドルになる夢を実現する重要な一歩なのだ。足を引っ張られては困ると訴えた。そして、自分がストレスやプレッシャーに弱いと述べ、落ち込み始めた。しばらく一人になりたいと言い、アキとは違う列車で帰ると告げた。

アキはユイを怒らせてしまったことに動揺した。言われた通り一人で帰ったが、ユイが突然怒りだした理由になかなか思い至らなかった。しかし、よくよく思い出してみると、自分が種市の話を始めたことに原因がありそうだった。その途端、ユイの顔つきが変わったのだ。けれども、そのことをユイに直接謝る気にはなれなかった。代わりに、ユイと喧嘩したことを種市にメールで知らせた。ところが、種市からのメールの返事はなかった。

その時、アキは春子(小泉今日子)から居間に来るよう呼ばれた。行ってみると、ユイの母・よしえ(八木亜希子)がステージ衣装を持ってきていた。ユイのアイディア・スケッチを元に、よしえが作ったのだという。それは、海女の絣半纏とフリル付きのスカートを組み合わせたもので、アキが着てみるとかわいらしく、よく似合っていた。春子とよしえは、潮騒のメモリーズの成功を確信した。

よしえは、アキに最近のユイの様子を話して聞かせた。元々のユイはおとなしくて冷めた性格だったのだが、アキと友だちになってからは人が変わったという。家では歌の練習をするか、アキの話をするかばかりだという。ユイは恥ずかしがり屋なのだが、アキはユイの横でもっと恥ずかしいことを平気でやる。それに後押しされて、ユイもいろいろな事に挑戦できるのだと話しているのだそうだ。アキが居てくれることをとても喜んでいるという。

アキは改めてユイのことを親友だと思った。よしえの話を聞いて、アキは嬉しさのあまり泣き出してしまった。すぐさまユイに電話をかけ、仲直りした。自分の生半可な態度を反省し、明日からは一生懸命打ち込むから許して欲しいと謝った。ユイは特に気にしていなかった。むしろ、アキには普段通りでいて欲しい言うのだった。

ただし、電話を切る間際、ユイは脈絡もなく「ごめんね」とつぶやいた。というのも、ユイは駅の待合室で種市と一緒だったのだ。ユイはアキを先に帰して、自分は種市と会っていたのだ。

当然、種市からアキへのメールの返信はなかった。

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NHK『あまちゃん』第46回

劇中では2月になったわけだが、アキ(能年玲奈)は種市(福士蒼汰)にバレンタイン・チョコを用意していないのだろうか、女子高生の告白といえばそれが定番じゃないか、デート(デート?デートなのか!?)してくれと頼むならバレチョコを携えるのが王道じゃないか、などということが気になって眠りの浅かった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第46回めの放送を見ましたよ。

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第8週「おら、ドキドキがとまんねぇ」

2008年2月、北三陸鉄道廃止案が持ち上がった。起死回生の手として、大吉(杉本哲太)はお座敷列車を運行することを決めた。車両改装等の準備を行い、3月に運行する。アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)が乗り込んで歌を披露することが目玉企画とされた。

アキの希望で「潮騒のメモリー」を歌うことした。喫茶リアスのカラオケでアキの歌唱力を試すこととなった。しかし、アキの歌は人に聞かせられるレベルではなかった。ユイも「時をかける少女」を歌ってみたが、こちらも到底褒められたものではなかった。それを聞いて失望した弥生(渡辺えり)が歌唱指導をすることとなった。実は弥生は歌が得意なのだ。「愛の讃歌」を朗々と歌い上げ、皆が彼女の実力を認めた。

3月になった。
4月から東京で働く種市(福士蒼汰)が北三陸市にいられるのもあと少しである。ところが、最近の種市はアキに対して素っ気ない態度を貫いている。アキが潜水試験に合格し、約束通りデート(デート?デートなのか!?)して欲しいと言った時から種市がよそよそしいのだ。アキはそのことが気になってボーっとしていた。

ある日の放課後、アキとユイはリアスで歌の練習をすることになっていた。ユイはしばし練習を抜け出し、駅の待合室で種市を待ち伏せていた。そして、種市の姿を見つけるやいなや、怒りを露わに詰め寄った。種市の態度をアキから聞いていて、そのことを怒っているのだ。女の子の気持ちを踏みにじっていることを詰り、1回くらいデート(デート?デートなのか!?)に付き合ってやれとまくし立てた。

すると種市は、ユイに何かを伝えた。それを聞いたユイは急におとなしくなった。種市と別れ、リアスに入るとアキと練習を交代した。アキが休憩のために駅待合室へ行くと、種市に話があると呼び止められた。アキは喜び勇んでついていくことにした。

アキは種市を無人の車両倉庫へ案内した。そこには改装中のお座敷列車があり、ふたりで見学した。車内をぶらつきながら、アキはユイのことを話した。ふたりは親友で大の仲良しであること、初めて会ったのも北三陸鉄道の車内だったこと(第4回)などを楽しそうに話した。

その時、照明が全て消えた。作業を終えて無人になったと思った副駅長・吉田(荒川良々)が戸締りをしてしまったのだ。ふたりは倉庫の中に閉じ込められてしまい、焚き火で暖を取った。

アキが「潮騒のメモリー」を歌うと、種市は三島由紀夫の恋愛小説『潮騒』のことを話した。「潮騒のメモリー」の歌詞にある「火を飛び越えて」というのは、『潮騒』の有名なセリフだと言うのだ。「火を飛び越えて来い」と言われ、その通りに飛び越えて男女が抱き合うシーンが最も有名だという。

暗い倉庫の中で焚き火の明かりだけがあり、その焚き火にまつわる恋愛小説の話をした。アキはひどくロマンチックな気分になった。ふたりはしばし無言で見つめ合った。

その時、倉庫の中でケータイ電話が鳴り出した。副駅長・吉田が置き忘れていたのだ。紛失に気づいた吉田は、自分のケータイに電話をかけて探していた。

着信音に気づいた種市は、ケータイを拾いに行った。しかし、焚き火と『潮騒』に夢中になっていたアキは、ケータイのことには気づいていなかった。種市が向こうへ歩いて行ったのは、『潮騒』を再現する目的なのだと思い込んでしまった。アキは種市が止めるのも聞かず、助走をつけて火を飛び越えようと進みだした。

その時、ケータイの在り処に気づいた吉田が飛び込んで来た。アキよりも早く焚き火を越え、種市に飛びついてケータイを取り戻した。

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NHK『あまちゃん』第45回

昨日の『スタジオパークからこんにちは』のゲストは桂文枝で、『新婚さんいらっしゃい!』繋がりで山瀬まみがVTR出演したわけだが、無事にレコーダーに録画されていて見ることができた(本ドラマの出演者がゲストで出るかもしれないから毎日『スタパ』を録画予約している)ことをお伝えする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第45回めの放送を見ましたよ。

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第8週「おら、ドキドキがとまんねぇ」

2009年2月。アキ(能年玲奈)は潜水士の資格試験に無事合格した。真っ先に種市(福士蒼汰)に報告へ行くと、彼も喜んでくれた。

ところが、試験に合格したので約束通りデート(デート?デートなのか!?)して欲しいと申し出ると、種市の表情が曇った。種市はユイ(橋本愛)に言われた言葉を思い出していたのだ。アキの気持ちを知っているのに、種市の態度が煮え切らないことを叱られた件だ。種市はアキの願いを断った。

その頃、県議員の足立功(平泉成)が大吉(東出昌大)を訪ねてきた。北三陸市長が鉄道廃止を画策していると知らせに来たのだ。市長はモータリゼーション推進派であり、北三陸鉄道の輸送機能をバスで置き換えようとしている。北三陸鉄道は開通25周年ということもあり、功の本音は鉄道の存続である。しかし、政治的立場上、市長に反対はできないのだという。

大吉は、鉄道存続案を自ら考えなくてはならなくなった。そのヒントとなったのは、功と琥珀堀り・小田(塩見三省)のある日の雑談である。雪景色の中を走る北鉄には風情があるし、そこにお座敷列車を走らせると素敵だろうというアイディアだ。大吉はそれを実現したいと思った。すぐさま関係者が集まって会議が行われた。その模様は、テレビ局の池田(野間口徹)が密着取材した。

車両を改造して掘りごたつを設置する。北三陸駅と畑野駅を2時間かけて往復し、飲み放題付きの宴会列車とする(予価1万円)。アキとユイが乗り込んで、一緒に食事をしたり、ゲームや歌を歌うという基本方針が提案された。アキとユイは乗り気であった。

喫茶リアスでカラオケの歌本を見ながら、アキとユイは車内で歌う曲を探した。アキは、以前に春子(小泉今日子)が歌った「潮騒のメモリー」を希望した。その歌は、20年ほど前の同名映画の主題歌だったという。日本を代表する女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の主演作で、当時から清純派女優として人気だったという。主題歌を歌っているのも彼女自身で、歌手としてのデビュー作だったのだという。大人たちはみな懐かしがった。

しかし、春子だけは白けていた。以前に約束した通り(第35回)、アキが北三陸鉄道のキャンペーンに協力するのは3月までだと釘を差した。それに加えて、アキは歌が下手で、人前で歌うことはもちろん、カラオケすらまともにやったことがないと指摘した。

アキはムキになり、その場でカラオケで「潮騒のメモリー」を歌い始めた。春子の言うとおり、アキの歌は褒められたものではなかった

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